待ちに待った大横山飴の新作
花の在りか 大横山飴 mgr allergen0024
割と時系列が複雑なので2回目を読んで理解したところも結構あります。上巻は三ツ郎視点で、下巻は真帆視点なのかな。2人が喫茶店で会話するシーンなんかはそれぞれの記憶が元になってるからか微妙に言動が違うのが面白い。
非常に淡々とした作品だけどそれが不思議と心地よく感じられます。三ツ郎と真帆と先生の3人の関係が絶妙に絡んでくるんだけど結局は何も起こりません。それが太陽の周りを複数の惑星がぐるぐると回りながら近づいたり離れたりするのと似てるなと思いました。
あの日に先生と会わなければ三ツ郎と真帆は離れ離れにならなかったかもしれないなと思わなくはないけど、でも彼らはすれ違ってもまた出会える、しかもより良い形でそれが実現するんじゃないかと淡い期待を自分は感じました。
熱海の宇宙人
1番古くてビーム2015年の5月号、最近ので2017年6月号だから2年の間に描かれたものをまとめた短編集。
どれも出会いと別れをテーマにしているように思います。世界観は現実感がありながらどこかファンタジック。
宇宙人が出てきたり、違う惑星に不時着した青年の話だったりするSF的なものから、バレエダンサーの青年が指人形みたいな妖精と出会う話まで、ちょっと不思議な話。
心理描写が繊細でまた描き方がとても独特なので読んでいてすごく引き込まれます。