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気の遠くなるような長い馬車での旅の先に、切り立つ断崖を背に建つバルケンホーフ城があった。その城に住んでいたリカルダ・フォン・デア・ハイトが、夫に先立たれから２ヶ月ほどして、誰に看取られることもなく孤独な死を迎えたという。そして、リカルダの遺した莫大な遺産の相続人として、ハイト家の血を引く６人の人間が集められる。施設で育ったフィリーネと呼ばれる少女もそのひとりだったが…。これから自分たちを襲う悲劇を、彼女はまだ知らない…。

巡航船が一日二便しかなく、現在は15人ほどの高齢者ばかりが住む、周囲８キロの国根島。ある日、島で働く父親に会いに訪れていた高校生の沙織は、遺跡を調べるため無断で島にやって来た大学生・河原建士の案内を買って出る。この島の人々は閉鎖的で、島以外の人間を受け入れないと建士に説明する沙織は、どこか監視されているような違和感も感じていた。果たしてこの島にあるのは、ただの遺跡なのだろうか…？

この世で一番美しいと言われ続けてきた姫は、ある日、村にとても美しい娘がいると家来たちが話しているのを聞いてしまう。ショックを受けた姫は、その娘に興味を抱き、城に呼び出した。自分とはまた違った美しさを持つ娘を見た姫は、娘の美しさがどうしても欲しくなり…？そして、次から次へと美しいと評判の娘たちを城へ呼び出した姫は…!?犬木加奈子の描く、ちょっとこわいホラー童話集！

12月13日、野々村鈴香の13歳の誕生日に全ては始まった。両親、弟、妹と祝う楽しいはずの誕生日パーティー。だが、謎の男たちが野々村家に侵入し、父母や弟妹たちが目の前で殺害され…。銃で撃たれた鈴香は意識が遠のく中、犯人達の姿と、彼らが口にした『堂方』『例の物』『会長』という言葉が脳裏に焼き付いていた。そして、一人生き残った鈴香は復讐を誓う…!!