ユーモア・ギャグマンガの感想・レビュー6117件<<209210211212213>>全ての知識は等価であるがらくたストリート 山田穣starstarstarstarstarナベテツ自分がまだ小学生の頃、母ちゃんが兄貴に買っていた旺文社の「高校合格」という雑誌に、恐ろしくひねくれたエッセイが掲載されていました。自らカットも描いていたのですが、そのページを書いていた男性は後にサンデー増刊で読み切り漫画を描いたりしたりもしていて、その名前はよく覚えていました。 それから10年後くらいにSPA!のコミック紹介のページで、自分の知らない「がらくたストリート」という作品が取り上げられていました(ライターがどなたかは失念してしまいました)。 かつて山田Xというペンネームで、という一文を読んで思わず目を疑いました。その後この作品を読んで、全て納得しました。 自分も基本おたくですが、中途半端であるという自覚は嫌になるくらいありますし、求道というのはまあ終わらんもんだとも思います。 この作品に関して、面白いけど説明出来ない、という評価をよくみます(まあ自分もよくそう言ってますが)。ギャグに関して「デペイズマン」という概念をエッセイで取り上げていたのは故・中島らもさんなんですが、「構図のズレ」によって産まれる笑いというのは、対象の間にどれくらいの距離があるのか理解出来るだけの知識が問われると思います。そしてこの作品には作者の培ってきたオタクとしての知識がふんだんに込められていますが、それが理解出来るかは突き詰めてしまうと読者次第ということになってしまいます。 おたくとオタクは恐らく違っていて、前者がクリエイターになって後者に受けるかどうかというある種の実験だったのかもしれないと、ふとこの文章を書いていて思ったりもしました。磨き上げたセンス江口寿史のお蔵出し 江口寿史(とりあえず)名無しマンバで江口寿史の作品一覧見たら、『パイレーツ』と『ひばりくん』と『キャラ者』と、この『お蔵出し』しか登録されていなくて驚いた。 ほとんどクチコミも書かれていない。 つい最近も、雑誌のillustration (イラストレーション)2019年3月号【特集:江口寿史】がよく売れて増刷されたとか聞いていたので、人気は衰えないなあ…と感心していたのだが、やはり漫画家としては、忘れられた存在になっているのだろうか…。 江口寿史って、むちゃくちゃ「センスの良い」漫画家です。 「センス」という曖昧な言葉が、なにを意味しているのかは、実は結構難しい問題なんですが、やっぱり江口寿史は、「センスが良い」としか言いようがない。 私見ですが、「センス」には二種類あると思ってます。 例えば、ジャンプで同時期に活躍した鳥山明みたいな、もう「生まれつき」としか言いようがないような才能を持った天才タイプのセンスの良さ。 もう一方は、自らの趣味性や嗜好を大切に捉まえて、その大きくはないかもしれないけれど堅固な才能を、多様な方法で一所懸命に磨いて磨いて、「センス」として花開かせた努力型のタイプ。江口寿史は後者だと思うのです。 漫画家としてもイラストレーターとしても、江口寿史は本当に磨き上げたセンスを持つ、優れた表現者です。 絵については、多くのかたが今も魅了されていて知られていると思うのですが、ホント、ギャグ漫画のセンスが良いんですよ。 テーマも演出もすごく考えられていて、読んでいてとても快適で、ちゃんと笑えて、読後こちらもセンスが良くなったように思える、風通しの良さがある。 もちろん、いろいろ「悪名高い」人ですから、未完の作品も多いですし漫画を描かなくなって長いので、作品世界の風物に少しアウト・オブ・デイトなところもありますが(ジャンプ系は特に)、彼のイラストは好きだけど漫画を読んだことがないというかたがもしいたら、とりあえず、この『お蔵出し』とかショー3部作(『寿五郎ショウ』『爆発ディナーショー』『なんとかなるでショ!』)あたりの短篇集で、そのセンスの良さに触れていただきたいです。女装男子×中学男子寮という新感覚コメディ私立浜茄子中高等学校男子寮の戸惑い 円山晃sogor25中高一貫の男子校に1人紛れ込んだ女子・八坂。なぜそのような事態になっているかは(今のところ)不明。そしてそんなことはこの作品においてはどうでもよい。 男子校、寮生活、何も起きないはずがなく…と書くとBLっぽい導入になってしまうが、シンプルな中学男子のエロ妄想に八坂(+不幸にも八坂が女子だと知ってしまった同級生・白石)が巻き込まれていくという下ネタコメディ。 周囲の男子たちはもちろんなのだが、面白いのは振り回されるべきキャラなはずの八坂も適度にアホの子で適度にエロネタに食いついてくるという所。位置原光Zさんの作品に近い感じではあるものの、男子校の中に紅一点の女子という特殊性、男子の分かりやすい突き抜けたアホさ下加減に割とノッてくる八坂のキャラクター、会話劇の中に絵としてのネタも所々混ぜてくる感じ、もちろん普通にコメディとして読んでも面白いんだけど、もしかしたら一部の人の性癖にはガン刺さりしたりするんじゃないかなと思ってる。 1巻まで読了この可愛らしさと気安さがいい生理ちゃん 小山健名無し※ネタバレを含むクチコミです。 120%の純粋さが心に沁み入る事情を知らない転校生がグイグイくる。 川村拓sogor25目つきが悪いからという理由で「死神」というあだ名で学校でからかわれている西村さん。その背景を知らない転校生の高田くんは「死神」というあだ名を純粋に「カッコいい」と思い、西村さんと仲良くなりたいとグイグイ迫ってくる、というお話。 舞台が小学校というのもあり、登場人物たちはみな素直な分かりやすい振る舞いをしている。それゆえに、小学生の素直さ故の無邪気な悪意に対して、それを120%の純粋さで高田くんが打ち破っていく様にこちらも素直に感動する。作中でも随所に示されてる高田くんの「アホの子」っぷりや、2巻での帰省のエピソードなど、高田くんが本当に裏表なく振る舞っていることがわかるからこそ、からかいによって閉ざしがちだった西村さんの心が氷解していく様子に心を打たれる。 表紙やタイトルに騙されて買うとうっかり感動させられる、ある意味ではマンガらしい体験の出来る作品。 2巻まで読了俺の人生もアゲイン中って思うとやる気出るアゲイン!! 久保ミツロウ名無し高校三年間、特になにもせず、友達も無く、ひねくれるだけ、ひねくれて卒業式の日を迎えた今村が、ひょんな事から入学式の日にタイムスリップ(作中ではアゲインと呼ぶ)。高校三年間をやり直して行く話。 自分も高校三年生の時に、今の状態で一年生から、やり直して〜〜って思ったことがある。多分、みんな1回はあると思います。 いわゆる「強くてニューゲーム」状態ですが、本作の今村くんは、強くないのがポイント。 自分の三年間がどうなるか知っているからこそ、勇気を振り絞り、失敗し、もがきながらも成長していく姿は、胸が熱くなります。 作中で今村くんは、やたらリア充化していくのですが、卑屈でネガティヴがベースにあるので、ヤキモキすることもありますが非常に好感が持てます。 本作を読みながら、オレも今アゲイン中って設定で生きることにしようと心に決めました。 アゲイン〜〜ワクワクしたい人は読むしかない東島丹三郎は仮面ライダーになりたい 柴田ヨクサルstarstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)仮面ライダーについて全然、本当に全くと言っていいほど僕は詳しくないのだけど、これはめちゃくちゃにワクワクする! さすがの柴田ヨクサル節!! 漫画のリズムがいいのか、会話の間なのか、コマの運びなのか、気持ちよくすいすいーっと読める! 世間一般程度の知識しかないけど、仮面ライダーとショッカーは知ってる! それだけで読める!! ハチワンダイバーも将棋のこと全然知らなくても読めるくらいの分かりやすさと熱量だったけど、『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』もそう!! 仮面ライダーが好きすぎて好きすぎて、憧れてこじらせて自分自身で鍛えて鍛えて素手で熊倒せるくらい強くなってしまった悲しき人間たちの話かと思いきや、おいおい、そうなるんかい!こいつはただごとじゃねえぞってなお話なわけで! 仮面ライダー好きはもっとたまらんのではないでしょうか! 早く2巻が読みたいー!! エロいヒロインとな!フラレガール 堤翔む2巻まで読了! このタイプの女性主人公ってなかなか無い気がするのでどうせ花とゆめで恋愛ものでしょと思って読んで無い人、読んでみてください。 「君の色気は胸焼けがする」と言われるほどの色気ムンムン&振られたガールx芝犬の元気系男子! 色気ムンムンなのに自分のポテンシャルに嫌気が指してるという羨ましい設定なのですが、持つものには持つものなりの悩みがきっとあるのでしょう。 あと絵とかなんかエロいです。どこかそこはかとなくエロい! 会話のセレクトも秀逸すぎて作者頭いいな!?と思います。超天然女子、美大に入学する。ニコ色のキャンバス 式田奈央名無し離島出身の天然JDニコが、美大で大活躍するかもしれない、という序盤。しかしいくら離島とはいえ、こんな常識のない子が育つものだろうか。 さらに、美大受験に合格できるものなのか……というあたりは、たぶん突っ込んではいけない。 このお騒がせキャラが、どんなふうに美大の常識をぶち壊していくのか、謎のイケメン先輩は何者なのか、先が楽しみ。ペンギンが可愛すぎるテイコウペンギン とりのささみ。ぱんだらら社会と上司に小さいながらも抵抗するぺんぎん。じわじわきます。口は悪いけれど、頷けることばかり。言えないけれど言いたいことをばっさり代弁してくれてます。本屋さんにずらっと並べたい!理不尽な事があってもこの本を読んだらなんだかすっきりします。 愛されキャラクターの宝庫赤ずきんチャチャ 彩花みんnyae続編も連載され、過去にはアニメ化も舞台化もされているし、90年代のりぼん作品の人気上位に入るめちゃめちゃ愛されている名作です。 この作品の中に出てくるキャラクターの数と、それぞれの設定の完成度の高さを鑑みると、彩花みん先生がどれだけ天才か、ということが大人になってから気づきました。 ある意味、漫画家を志す人の教科書にもなり得る作品だと言えます。 そういう見方があるというだけで、純粋に読むだけで最高の漫画なのですが… 一旦終わってしまったのは残念ですが、続編が連載されていることがたくさんの人に愛されている証拠ですね。 一生描き続けてほしいです。 新大久保が舞台のイケメンわんさかグルメコメディ新大久保で会いましょう 香穂nyae売れない崖っぷち漫画家の花(30歳独身)、冒頭からいきなり彼氏に振られてどん底にいたところ、気分転換に美味しいものを求めてさまよい歩いていたら、最高美味しいグルメとイケメンの街、新大久保にたどり着いて… いきなり3人のイケメン(そのうちの1人は女子)と唐突に仲良くなって、まさにシンデレラストーリーが繰り広げられるかのように思えますが、 意外とラブコメ要素は少なく、イケメンたちとの交流の中で、美味しい韓国グルメに出会って感動しつつ、本業の方も少しづつ上向きになってゆく、という話ですね。 最近、新大久保の賑わいにやっと関心をもつようになって、出てくるのも本当にイケメンだったので、読んでみました。 イケメンたちと花が仲良くなる過程はかなりスピード感があってなぜそんなにみんなは花に惹かれるのかはあまり良くわかりませんが、 キャラそれぞれの人となりがとても魅力的で、本当にこんな子たちに会えるのかしら…と勘違いしそうになります。 自分的にはグルメ漫画としてよりは、4人が毎度繰り広げるドタバタを見てるのが楽しいです。大好き!終わるのが残念すぎる!!黄金のラフ2~草太の恋~ なかいま強コルク サディ黄金のラフ、面白すぎる。12巻を読んでたら、次巻が最終巻とのこと。チームきりたんぽ復活してほしい。復活して、続編が始まってほしい。 強烈無比な大「失敗」作バイクメ~ン 望月峯太郎(とりあえず)名無し『バタ金』で世に現れて以来、望月峯太郎(ミネタロウ)は、ずっと「今、一番カッコイイ」へ向かって漫画を描いてくれている。 『バタアシ金魚』は文句なしの最先端で、当時の「ヤンマガ」力をまざまざと見せつけた青春ギャグだった。鮮やかな作風チェンジをした『座敷女』は現在でも頭抜けたサイコホラーの傑作たり得ているし、『ドラゴンヘッド』の始まりは、『AKIRA』以降の漫画に「新基準」設定を強いるほど強烈なインパクトを与えた。 一方で、そのあまりに「センス漲る」個性ゆえ、物語が長篇化すると、著者の希求する感覚と作品世界の拡がりに軋轢が生じ、収拾がつかなくなる傾向がある。 このキャリア初期の長篇作は、そんな「暴走」が初めて記録された、稀有な失敗作だ。 だが、それが失敗であるからこそ美しいものもあるのだ。 こんなに一途に己の感覚を追い込み、そして暴走しクラッシュしてしまう才能! しかし、望月峯太郎は、何度もボロボロになりながら、常に新たな可能性に向かって立ち上がる作家でもあるのです。あらすじ通りの内容だった忍者じじ三太夫 バロン吉元マンガトリツカレ男Hで不気味で強烈 ハチャメチャじじいが起こすラジカル・コメディとしか言いようがない内容だ。 じじいの口の中のアップがきつい マジで柔俠伝の作者と同じとは信じられんぞ... 知らないことだらけまんがサイエンス あさりよしとおhysysk結構前の作品なのに、今読んでも驚くような内容。カニの殻の成分が色んなとこで有効活用されてるとか、牛乳からボタンや服を作ってるとか全然知らんかった。単なる雑学の寄せ集めじゃなくて、科学的な知識を元にしたアイディアとか合理的な思考が描かれているのがめちゃくちゃいい。短くてテンポもいいしどんどん読んで賢くなりたい。 工業高校×合唱部のボーイミーツボーイはしっこアンサンブル 木尾士目たたみ声変わり以降うまくしゃべれなくなってしまった、ぼっちな主人公。 人と会話しなくてすむ仕事に就きたいと、工業高校に入学するが、そこに運命の出会いが待っていた。 それは1人で『合唱部』を作るべく奮闘する、変わり者の同級生。 周囲の生徒から白い目で見られながらも、まったくブレることなく自分を貫きとおすその姿に、主人公は少しずつ心惹かれていく……。 という序盤はかなり王道で、合唱×工業高校というあたりが今までにない世界観で非常に面白い、のだが。 問題は、なぜ運命の相手が美少女ではなく『眼鏡男子』なのかという点である。 その答えは、作中にきっちり描かれている。 工業高校における圧倒的なリアル(女子率の低さ)が……。 とにかくこの作品には女子など不要。 ちゃらちゃら恋愛にかまけず、夢へと爆走するピュアな男子たちの青春物語を期待しつつ、主人公の成長を見守って生きたい。 ※もちろん大野さん的なキャラが登場してくれてもいいと思ryなんだこの終わり方!モテキ 久保ミツロウティモテ※ネタバレを含むクチコミです。息子、いい子通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか? 飯田ぽち。 冥茶 井中だちまmampuku くっさいしょーもないタイトルだなぁと思いつつも絵が好みだったのでつい読んでしまった……。 ちゃんと「ゲーム内世界」という舞台設定だったので安心しました。「異世界」でスキルとか属性とかやはり言われると少し萎えるので。。 ともあれ内容ですが、最序盤の第一印象としてはまぁ読みにくいったら。キャラ付けのためにか皆よく喋るのですがそれが冗長というか、無駄なセリフが多すぎてテンポよく読めない。絵も構図もそれほど上手いとはいえないですが、やはりそれ以上に言葉選びのイマイチさが目立ちます。 とはいえ「親同伴で冒険に出る」というのはアイデアの勝利だと思うし、ゲーム内世界という特殊な環境をメタな笑いに昇華してるのは上手いです。最初に出会った王様が「だってNPCじゃし…」と説明を面倒くさがるくだりの脱力感(笑) あの一言でこの作品がなにを狙っているのかがだいたいわかりました。異世界へ旅立ってからが本領発揮ですね。メタネタだけでなく、思春期の親子の微妙な距離感がほほえましく、単なる「バブみ」を売りにした漫画ではないんだなと良い意味で裏切られました。これは萌え漫画じゃなくてギャグ漫画なんだなと判ってからはとても楽しく読めています。 飯漫画の中でもかなり好き私のご飯がまずいのはお前が隣にいるからだ いのうえさきこ霧兵衛良かった点 ・登場する通気取りがいい感じで面白い。 ・卵かけご飯回の「ジブリネタ」がいい 総評 ・「掌で30分温めた卵で作った卵かけご飯」は魯山人曰く「この世でもっとも美味い」と作中に書いてあったので気になる ・最終的なオチも含めて良かった。登場人物全部可愛い執事たちの沈黙 桜田雛きつつきなぜ気づかないのか、なぜよくみないのかといった疑問抜きにしてめちゃ面白いです。少女が好きそうなベタな展開が多いですが、嫌なところが1つもなくべったべたで安心しながら読めます(笑)多感な中学生の描写が見事。そして前半と後半のギャップに戸惑うちーちゃんはちょっと足りない 阿部共実地獄の田中ちーちゃんは九九も怪しいちょっとおバカな感じだけどいつも楽しそうで、ちーちゃんとその友達の日常が前半では楽しそうに描かれている。ちょっとおバカなんだけど憎めないところがあってみんなから愛されているなぁというのが節々から伝わってきてほっこりもする。 後半はある事件をきっかけに不穏な空気が流れ始めて、さっきまでのほっこりかわいいという感覚が一気に消え失せて痛いくらいヒリヒリする。 前半で描かれている女子中学生の天真爛漫さも、後半で描かれている暗さや焦りもどちらも自分が中学生の時に感じたことのある思い出ででそれを強引に引っ張り出された感じがした。後半は結構暗い展開になっていくんだが、ただちーちゃんのちょっと足りない感じに救われもした。面白かった。 初心者向け30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい 豊田悠名無しBLってすぐエグいシーンになるから読み進めるのに緊張するんですが、こちらはクスっとくるような軽い漫画なので良かったです。生々しくない。 でもその分まったくリアリティはないです。特に主人公。しいちゃん、あのねについて語ろうしいちゃん、あのね 東裏友希名無し漫画ゴラクの良心 『しいちゃん、あのね』について話そうぜ 酒のほそ道も好きだけど、これも毎回面白い <<209210211212213>>
自分がまだ小学生の頃、母ちゃんが兄貴に買っていた旺文社の「高校合格」という雑誌に、恐ろしくひねくれたエッセイが掲載されていました。自らカットも描いていたのですが、そのページを書いていた男性は後にサンデー増刊で読み切り漫画を描いたりしたりもしていて、その名前はよく覚えていました。 それから10年後くらいにSPA!のコミック紹介のページで、自分の知らない「がらくたストリート」という作品が取り上げられていました(ライターがどなたかは失念してしまいました)。 かつて山田Xというペンネームで、という一文を読んで思わず目を疑いました。その後この作品を読んで、全て納得しました。 自分も基本おたくですが、中途半端であるという自覚は嫌になるくらいありますし、求道というのはまあ終わらんもんだとも思います。 この作品に関して、面白いけど説明出来ない、という評価をよくみます(まあ自分もよくそう言ってますが)。ギャグに関して「デペイズマン」という概念をエッセイで取り上げていたのは故・中島らもさんなんですが、「構図のズレ」によって産まれる笑いというのは、対象の間にどれくらいの距離があるのか理解出来るだけの知識が問われると思います。そしてこの作品には作者の培ってきたオタクとしての知識がふんだんに込められていますが、それが理解出来るかは突き詰めてしまうと読者次第ということになってしまいます。 おたくとオタクは恐らく違っていて、前者がクリエイターになって後者に受けるかどうかというある種の実験だったのかもしれないと、ふとこの文章を書いていて思ったりもしました。