ユーモア・ギャグマンガの感想・レビュー6175件<<199200201202203>>残念な美人三姉妹のハイセンスコメディ宇宙とかと比べたらちっぽけな問題ですが ビーノ兎来栄寿『女子高生の無駄づかい』のビーノさんがまたやらかして下さいました(褒め言葉)。 本作の中心となるのも、美人姉妹ながらそれぞれにそこはかとなく残念な要素を持ち合わせた三姉妹です。 三姉妹以外に出て来る脇役も、万物を脳内でエロに結び付けてしまう14歳の神社の息子であったり、咀嚼音が好き過ぎるイケメン眼鏡男子な大学生であったり、大体強烈な個性を有しています。コミックス描き下ろしの幕間では更に細かい解説もあり、個性がより強固にされています。 そんな彼らが入り混じって織り成される笑いの協奏曲、否、狂騒曲は一度味わうと病み付きになること請け合いです。シャウエッセンの件は声を出して笑ってしまいました。そこから更に発展していくのも予想外でした。 ちなみに私は好きなおでんはちくわぶ、次点で玉子と大根です。スタイリッシュ高画力フェチ満載百合吸血鬼マンガヴァンピアーズ アキリ兎来栄寿『ストレッチ』のアキリさんの新作ということで否が応でも期待感の高かった本作。 表紙からも解る通り、今回も百合味たっぷりの物語を楽しめます。そして、元々高かった画力が更に洗練されており絵を眺めているだけで幸福感を覚えるマンガです。 等身大な14歳女子中学生の性格にとても好感を持てる主人公・一花。そして彼女の下に突然現れた、白皙の美少年のような美しすぎる吸血鬼の少女。 設定だけ見れば取り立てて珍しいものはないのですが、表情・テンポ・些細な言動やそのリアクションにアキリさんの持ち味が最大限に発揮されていて、読んでいて小気味良いです。 それにしても生え際から僅かに生える髪や頸、艶めく唇など随所にフェチズムを感じずにはいられません。素晴らしいです。釘師 VS パチプロ、ゴト師釘師サブやん 牛次郎 ビッグ錠マウナケア連発式ではなく玉を一発ずつ打ちだすパチンコ台や、ホールに椅子がなく立って遊戯するなど、今とはパチンコ店を取り巻く状況がまるで違う時代のお話。なので釘師である主人公と対決するパチプロやゴト師の技も、今では考えられない必殺技のオンパレード。フックがついた針金や磁石を使うなんて、前近代的なアングラ臭を漂わせてくれるじゃないですか。もちろん、こんな邪道な技だけでなく、まっとうな技を駆使するパチプロもいて、これがまずは主人公・サブやんのライバルになるわけです。それとの対決を経てサブやんが日本一の釘師になるかと思えばそうではなく、悪のゴト集団に狙われ落ちぶれ、右手を負傷。その使えない右手をなんとかしてパチプロと対決するも、禁断の技を使ったため釘師の大物に破門を言い渡され、寺で修行。そして裏社会にスカウトされ…、とまあ暗くはならないもののいかがわしさ満載で、お腹いっぱいになること間違いなし。私たちが今、気軽にパチンコを楽しめるようになるまでには、こんなウラの歴史もあったのか?と、民明書房(by男塾)ばりに思わせてくれますよ。綿密に設計された漫才人生マンガべしゃり暮らし 森田まさのり鳥人間※ネタバレを含むクチコミです。 『先〆』が好きな人が集まるスレ先生、〆切ですよ!! 浜岡賢次森マリモ先生推し※ネタバレを含むクチコミです。「最弱」を競うために異世界転生!全時空選抜最弱最底辺決定戦 久正人 KRSGANAGUMA久正人先生初の原作担当マンガということでドキドキしながら読みましたが…超面白い! 絵のテイストはぜんぜん違うのにちゃんと久マンガ独特のケレン味とリズムが息づいており、新鮮な久正人体験が出来る作品です。 久先生のネームも収録されてるのでKRSG先生の作画と比べられるのも楽しい。 あらゆる世界から最弱キャラクターを集めて時空イチのクソ雑魚を決める戦いに巻き込まれた人間代表ヒトムくんが雑魚トップ(ワースト?)5のメンバーとしてサバイバルしていくお話。 出てくるキャラもギリギリを攻めてて、趣味が悪すぎる『月光条例』みたいな感じですが、「弱いこと」が生む悲哀のドラマの描き方がたまらなく切なく、俺TUEE作品への単純なアンチテーゼに終わらない深みがあります。 みんな雑魚キャラなので基本どうしようもない連中なんですが、彼らがいじらしく生き抜こうとするサマが否応なしに泣けてくる…。 クソ雑魚としての矜持が輝くのをもっと見たい。 弱いからこそ、みっともないからこそ、彼らを愛せずにはいられなくなります。最弱だろうと生きてていいんだよ…!! とりわけ某宇宙戦争から出てきたような戦闘ロボKが自分のショボさに向き合ったときに見せる表情が自分の1巻のピークでした。 この顔が描けるのはすごいよ…。新谷かおる作品の中でも異彩を放つマンガぶっとび!!CPU 新谷かおるマンガトリツカレ男俺の大好きな新谷かおるの新作だと思って読んだら全く想像していなかった内容だった... 確か「砂の薔薇」と同時期ぐらいにやっていたんだよな 面白いかどうかと聞かれたら、「俺は新谷かおるの漫画は全部好きだよ・・・」としか言わんよ 山賊ダイアリーの著者が原作を担当してるソウナンですか? 岡本健太郎 さがら梨々さいろくYouTubeでディスカバリーチャンネルのエドが裸一貫からスタートするガチサバイバルシリーズ大好きなので(超面白いのでオススメ)割と知ってるネタが出て来て感心する。 そして女子は可愛いしサバイバルは露出度が高くなる。わかるね? こういうサバイバル系のマンガは何かあった時に知識としてあるのとないのでは雲泥の差になると思うのだけど、サバイバル系もさいとうたかを先生のバイブルもあるし何から手を付けていいのか悩むと思う。 これは読みやすい(軽い)という意味では秀でているので私としてはオススメ。俺好きのデスノートパロ【まとめ】俺を好きなのはお前だけかよ 伊島ユウ 駱駝 ブリキ名無しのキラ俺を好きなのはお前だけかよに出てきたデスノートパロディまとめ。メチャクチャ登場してたイメージだけど意外と少なかった。 まずは明確にわかるものから。 【1巻1話】計画通りとにかく泣ける、70歳はじめての子育てと終活。セブンティドリームズ タイム涼介名無しセブンティウイザンを最後まで読んでなかった者ですが(すみません)、続編が連載されていて驚きました。3人共元気そうで本当に良かった。 もう愛が、愛が溢れてしょうがないですねこの漫画は。溢れる涙もキラキラ輝いてるしで、眩しいったら。 未来ちゃんを授かってからこの夫婦は明らかに絆も深まって、活力がみなぎってる。 ただ、こんどはお父さんに癌が…今度こそ最後まで見届けたい。 年の差コンビが織り成す物語It’s MY LIFE 成田芋虫名無しギャグとシリアスのバランスが絶妙。絵もすごく綺麗。DIYやヘヴィメタルに愛が溢れるファンタジー。優しさの化身シガレット&チェリー 河上大志郎さいろく先輩みたいな先輩ほしかった…バカしかいなかったなぁうちの先輩達…いい人ばかりではあった。 もしかしてバカっていい人なのでは…この主人公を見て思った。 あとこれファンタジーなので見る人は特に注目した方がいいですよ!ガウチョ侍に!かわいいカワウソの逆作画崩壊おそとにでようよ雨やんだら 夏花ナオトたか「酒を飲むとカワウソと話せるようになる」という、ナチュラルにキマってる設定に笑った。 これを機に「カワウソ」でググったら、予測変換に「獺」と出てビックリ!(ちゃんと店長の飲んでる酒が「だっさい酒」なのもそういうことか!) ぬいぐるみみたいにキュートなカワウソより、逆作画崩壊してるおっさんみたいなカワウソの方が好き 8巻から異次元に飛んだあそびあそばせ 涼川りんさいろく※ネタバレを含むクチコミです。「きみはずっとひとりなのだよ」ヴォッチメン 羽田豊隆ANAGUMA顔が怖すぎて友達が一人もできない男子高校生“デビル日鳥”の日常を描く学園ぼっちコメディ。 日鳥は基本的に喋らないので、友達を作ろうとする彼の行動をまわりのキャラクターが深読みして面白い勘違いをしていくっていう笑いがテンポよく繰り広げられていきます。ちなみに日鳥を含むメインキャラは大体お笑いラジオが大好き(かわいい)。 会話のリズムとセリフ選びのセンスに僕は絶妙にハマってしまい終始楽しく読めました。絵もめちゃうまいです。 特に日鳥のメンターを務める吉田先生が毎話繰り広げる自分の経験談を元にしたアドバイスはお気に入り。 このキャラはホントヤバくて、彼が日鳥に告げる「きみはずっとひとりなのだよ」という言葉が毎回日鳥の行動を揺さぶるのが面白くも、胸に刺さります。 吉田先生を味わうだけでもヴォッチメンを読む価値は十分にありますよ! ギャグマンガとしての精度も抜群ですが、ジャンプらしい熱さも備えていて、バランス感覚に優れた贅沢なマンガです。 とりわけ最終回は作品全体を振り返りながら見事にまとめ上げていて、相当の完成度だと感じました。「やられた~~~」ってなります。 日鳥を中心に他のキャラクターの魅力もバッチリ描き切っており、とても2巻分とは思えない充実の感動を味わえました。 ありがとうヴォッチメン…。 ていうか表紙のジッパー芸コマけえな!今気づいたわ!モテに対する好奇心と探究心がすごすぎるいぐのべる ブラジャーはガスマスクになるんですか? 高田桂 biki名無しとある事情でイグ・ノーベル賞を受賞することを命じられた大学生の双六くん。 幾度も実験と失敗を繰り返し、女心とは、愛とはなんなのか、全てはモテるために!突っ走る様が痛快です。 イグ・ノーベル賞を目指すだけあって、人生の役には全然立たないけど、「へえ〜!」という知識がたくさん散りばめられています。 理系の大学生らしく、科学の知識がとても豊富なので、ただのバカ男子たちではないんですよね。ちょっと字が多いのが残念ですが…この先どんな実験が待っているのか楽しみにしています。 これからは「ギャグ顔」じゃなくて「顔芸」の時代ようかい居酒屋 のんべれケ。 noncomampuku顔芸とリアクションが可愛い美少女ドタバタコメディです。マガジンポケットで3話まで無料で読めます。 https://pocket.shonenmagazine.com/article/entry/yokaiizakaya_20190908 表紙からもある程度わかるように、絵の可愛さと洗練度がトップクラスです。可愛さの質や可愛さの圧といった画力の安定度では「五等分の花嫁」や「この美術部には問題がある!」に比肩しうると感じます。 SHIROBAKOのみゃーもり、このすばのアクア様といった顔芸が可愛いヒロインが好きな人にもおすすめです。同じリアクションでもモンスガやネギまなどで広く見られるような「ギャグ顔」ではなく、あくまでキャラデザインを活かした「変顔」こそこれからの萌えのスタンダードなのではないかなと思います。お色気との相性もいいしね完結・・・めしにしましょう 小林銅蟲starstarstarstarstarさいろく8巻買ったけどまだ読んでないのだけど完結って書いてある。 マジかーーツラい。 小林銅蟲先生のLINEスタンプがすごい使いづらくてオススメなのでみんな買うといい。 ニャオス あるよこち亀芸人こちら葛飾区亀有公園前派出所 秋本治名無しちょっと面白そう。 >さらにひるちゃんは同作の単行本全200巻の表紙をどれでも瞬時に再現できるという特技を披露する。 https://natalie.mu/comic/news/346114 「感動した」ムダヅモ無き改革 大和田秀樹マウナケア登場人物のモデルは政治家。小泉ジュンイチローが、外交手段として身体を張って麻雀を打ち、各国首脳と闘牌を繰り広げるというのがこの作品の基本のストーリーです。しかしこの作品、そんじょそこらの荒唐無稽な麻雀漫画とは訳が違う。そこには手作りの妙だとか意外なアガリとかの麻雀的要素はまるでなし。勝つときは役マンでどーんとアガり、役の名前も国士無双=ライジング・サンになってしまう。うーん、これがウケてしまうというのは、モデルの小泉サンに近年まれな存在感があって、みんな覚えているからでしょう。小泉サンのほか、いつも監禁されている情け無いタイゾー、バンカラな麻生外務大臣など何人かの政治家が登場していますが、みなさん”らしく”て、まったく違和感なし。小泉政権とは”小泉劇場”と揶揄された通り、キャラの宝庫だったのですよ。ほか敵方にもブッシュ親子、北の金将軍、元KGB長官プーチン、鉄の女サッチャーなどなど、強烈なキャラが勢ぞろい。何も麻雀でなくてもという声もありますがそれは置いといて、私はこの突き抜けた痛快さに、”感動した”です。ジャンプ史上最も眉毛が太い主人公じゃないかなボギー THE GREAT 宮下あきらstarstarstarstarstarマンガトリツカレ男魁!!男塾の作者のハードアクションコメディ。 1話完結で主人公のボギーが決めるところは決めてちゃんといい感じで終わる。 一番好きな回は火事になった家に若い女性がいるからといって助けに行った時のセリフ 後輩「若い女性ではなくお年寄りだったら助けに行きましたか?」 ボギー「ばかやろう 年寄りだったら火葬場に行く手間がはぶけるじゃねーか」 宮下あきらは個人的にはジャンプ屈指のギャグ漫画家だと思ってる。読んで鳥肌。清野とおるのデス散歩 清野とおる二階堂ギャグ多めかと思いきや、こわい短編ばっか集まってるから、 デス散歩だった。読んでひと、何が一番こわかった? うーんうちの師匠はしっぽがない 幸村誠 TNSK 小田すずか 櫓刃鉄火名無し雑誌で読むと面白い。 他の作品と比べたら、面白く感じる。 でも単行本で読む気にはなれない。"なにもない"ところから…望郷太郎 山田芳裕影絵が趣味まず『望郷太郎』というタイトルからは望月峯太郎の名前を思い起こさせずにはいられない。いまでは望月ミネタロウとして活動している、あの望月峯太郎である。彼はやはり『ドラゴンヘッド』を境に名前をあらためたのだと思う。次の連載作の『万祝』は望月峯太郎名義ではあるが、内実は峯太郎→ミネタロウへの過渡期、もしくはミネタロウ名義の作品と位置づけられると思われる。というのは『ドラゴンヘッド』を境にして、動的で黒いコマ作りが、静的で白いコマ作りに変貌しているからである。これはマンガ家としての作家性を追求するための"閉じた"姿勢であると思う。逆にいえば、それ以前の望月峯太郎は"開いて"いた。開いて世間の荒波に揉まれる方向から、閉じて自らの作家性を研磨する方向へシフトしたともいえるかもしれない。 ところで『ドラゴンヘッド』をはじめ、あるいは岡崎京子の『リバーズ・エッジ』や『ヘルタースケルター』、新井英樹の『ザ・ワールド・イズ・マイン』など、90年代~2000年代初頭のある種のマンガには、いわゆる世紀末感というか、何かが崩壊してゆく感覚、良くも悪くもそういうような時代的なスペクタクルがあった。あの時代からもうすぐ20年が経ち、来年には、なんとも荒唐無稽なことに、大友克洋の霊感まったくその通りに東京オリンピックが開催されることとなったが、辺りを見渡せば、大友が描いた雑多でゴタゴタしたサイバーパンク感あふれる近未来はどこにもなく、奇妙なまでに画一的でのっぺりとした嘘明るい光景は、本来のミニマリズムが追求する引き算的な美学における完成度の高さとはまるで無縁の心身共の貧しさからくる単なる経費削減であるし、おもてなしの心を履き違えてボランティアでオリンピックを運営しようなどと寝言をいう。ようするに世界の崩壊などは起こらずに、ただずるずると地盤だけが沈下してゆき、見てくれだけはどうにかそれっぽく体裁をととのえながらも、ただ確実に豊かさは随所から消え去っている。いっそのこと世紀末に世界を崩壊させて仕切り直したほうが良かったのではと思うほど、当時からすでに黄昏といわれていたのが、いつまでも沈みきらない夏の夕日のようにいまだ延命を続けている。あの時代には崩壊させるに足る世界がまだあった。しかし、いまではそんな舞台さえ、なにもなくなってしまった。無駄を省いていたら、無駄を省いていたら、無駄を省いていたら、ほんとうになにもなくなってしまったのである。いまや望月ミネタロウのように独自の作家性を発揮する高踏派のマンガ家も安心とはいえないのではないだろうか、何しろ地盤の沈下がいちじるしい。マンガも所詮はいち産業なので、地盤がどこまでも沈下してゆけば、独自の作家性もいつしか個人の趣味と見分けがつかなくなろう。 いま、山田芳裕の『望郷太郎』は、この"なにもない"ところから新たな一歩を踏み出そうとしている稀有なマンガであると思う。キャリアを重ねて閉じてゆく作家が多いなかであえて開いてみせた山田芳裕の冒険者的な勇気に敬礼を捧げたい。マンガ表現の限界を探求する閉じた作家が重要ないっぽうで、また彼らは開いた作家によってもその地盤を支えられているのである。<<199200201202203>>
『女子高生の無駄づかい』のビーノさんがまたやらかして下さいました(褒め言葉)。 本作の中心となるのも、美人姉妹ながらそれぞれにそこはかとなく残念な要素を持ち合わせた三姉妹です。 三姉妹以外に出て来る脇役も、万物を脳内でエロに結び付けてしまう14歳の神社の息子であったり、咀嚼音が好き過ぎるイケメン眼鏡男子な大学生であったり、大体強烈な個性を有しています。コミックス描き下ろしの幕間では更に細かい解説もあり、個性がより強固にされています。 そんな彼らが入り混じって織り成される笑いの協奏曲、否、狂騒曲は一度味わうと病み付きになること請け合いです。シャウエッセンの件は声を出して笑ってしまいました。そこから更に発展していくのも予想外でした。 ちなみに私は好きなおでんはちくわぶ、次点で玉子と大根です。