社会マンガの感想・レビュー4852件<<12345>>琴線に触れっぱなしの大傑作! #完結応援違国日記 ヤマシタトモコstarstarstarstarstarナカタニエイト<ログライン> 両親を事故で亡くした女子高生が親戚の小説家に引き取られ、共に生きていく話。 <ここがオススメ!> 全巻を通して、泣かないことなどなかった。 「女子高生と小説家の共同生活の物語」と言えば、 それはそう。 しかし、そこに深いリアリティがある。 セリフがあまりにも上手く、生身の人間の会話がある。 自分とは何か?他人とは何か?家族とは?愛とは?生きるとは? とにかく、様々な問いを投げかけ、感情を揺さぶってくる。 「時々不幸せでもいい。でも、あなたの幸せを願う」 こんなにも深い愛の物語があろうか。 <この作品が好きなら……> ・ブランチライン https://manba.co.jp/boards/116623 ・3月のライオン https://manba.co.jp/boards/10081 ・亜人ちゃんは語りたい https://manba.co.jp/boards/11475マンガ入門にこそ『ドラえもん』を! #完結応援ドラえもん(てんとう虫コミックス) 藤子・F・不二雄starstarstarstarstarナカタニエイト<ログライン> ぐうたら少年が21世紀から来た猫型ロボットと暮らし成長するお話。 <ここがオススメ!> 国民的ロボットといえるドラえもん! 僕が最も大好きな漫画です! 絶対不動のNo.1です! もはや「ドラえもんについて」の説明は不要だと思うのですが、その凄さを改めて最近実感したことがありまして…… 小学中学年になる息子が 「漫画の読み方がわからない」と言っていたので、 「じゃあ、ドラえもんを読んでごらんなさいな」と伝えたのです。 そうしたところ、「ドラえもん、面白い!」と、 「漫画の読み方がわからない」息子がたちどころにハマりました。 そう、「漫画の読み方がわからない」と言う人に 「ドラえもん」はオススメの作品なのです! 理由はこの5つ! ・わかりやすいコマ割り ・一話完結型もストーリー ・たくさんあるお話 ・よく見知ったキャラクター ・面白いストーリー つまり、面白くて読みやすい。 そんなドラえもんを、ぜひマンガでも読んでみませんか? <この作品が好きなら……> ・チンプイ https://manba.co.jp/boards/140143 ・Dr.スランプ https://manba.co.jp/boards/20319 ・落第忍者乱太郎 https://manba.co.jp/boards/20256頭空っぽで寝る前に読むみなみけ 桜場コハル六文銭これがおすすめ。 こういう日常系って雰囲気が重要だと思うんですけど、『よつばと!』もそうですが、本作も最高なんです。 タイトルのとおり南家の3姉妹、高校生の長女・ハルカ、中学生の次女・カナ、小学生の三女・チアキの日常を描いた作品。 ホントにそれだけ。ざわつくようなことは一切ない。 なんてことない、ゆる~い展開と、あまりごちゃごちゃしていない絵柄も相まって、寝る前に読むとアルファ波でまくって、リラックスできます。 ちょっと前にアニメなどあって、そこそこ有名になりましたが、まだまだ続いているので、忘れないで欲しい。 1年に1~2冊程度の刊行速度だけど。 あと、この3姉妹の両親問題(出てこないし、話にも出てこない)については考えると闇が深くなるから、考えないほうがいいです。 現実逃避したい人におすすめの作品です。題材はゲスいが謎にエモいやれたかも委員会 吉田貴司六文銭およそ、男が集まって酒飲みながら話すようなシモい内容なんだけど、どこかエモいから不思議な作品。 やれたかも ということで 実際やっていない(やれなかった) という点が、ピュアに感じる点なのかもしれない。 大人の関係にならず、少年時代の初恋に近しい印象をうける。 また、ただのエピソードの紹介だけでなく、「やれた」か「やれたとは言えない」の評価をしてくれるのも面白い。 3人の審査員で、「やれた」と全肯定する人もいれば、「やれたとは言えない」を出して全否定する女性もいる。 そして、この女性が的確すぎて現実に戻されるのも一興です。 なにはともわれ、 やれなくても、その妄想だけで楽しめるのが男なんすよね。 その妄想がつまった1冊です。 まったくもって追体験できるようなものが、私の過去にはありませんが。厳選!読んでほしいこのマンガデキる猫は今日も憂鬱著者:山田ヒツジ9巻まで刊行作品情報はこちら遺作かぞく 土田世紀starstarstarstarstarかしこ前作「現金を燃やす会」はバラエティに富んだ短編集だったので「かぞく」というシンプルなテーマにギャップを感じました。とはいえ幸せな家族は一つもないのが土田世紀らしいです。個人的には0話に泣きそうになりました。テーマもそうだけど絵もとにかくシンプルなので、もしかしてアシスタント無しで描いたのかな?と思いました。絵のタッチが荒れてる話もあるんですけど、父親の借金が原因で夜逃げした中学生のマコトが主人公の8・9話になると急に全盛期の頃のようにギラギラするんですよね。ここで未完になってしまったことが本当に悔やまれます。でも映像化をきっかけに重版して単行本を手にすることが出来て嬉しいです。土田世紀は読み継がれていくべき漫画家だと改めて思いました。最果てから、徒歩5分最果てから、徒歩5分 糸井のぞstarstarstarstar_borderstar_border寸々膳さんや伊吹くんの過去等、色々描き切れていないことがあって残念…。 が、ギルダの3人が「夕雨子さん」に願望を押しつけていたのと同じように、百合子さんも夕雨子さんに「自分を殺してくれる」という期待を押しつけていたことに気付くラストが良かった。 自分の居場所を選び、誰と過ごすかを選び、生と死に向き合っていくお話を経て、最終的に主人公たち4人は衝動的に身体が動いた方で生きていくことを決める最終話。「最果てから徒歩6分」という副題もイカす。腐男子大学生のウブなリーマンましたの腐男子くん 黒岩チハヤstarstarstarstarstar_borderるる4巻まで既読。 ウブなリーマン曽我部さんの幹くんへの片思いが両思いになってからも幹くんの腐男子の妄想が炸裂😅 古市くんが登場した当初は偏見バリバリですごく嫌いだった。でも曽我部さんのこと知って本当に反省したのが見えたから今はそんなに不快ではないかな。 曽我部さんの片思いと勘違いしてるけどwこの状態なら事実を知っても驚きはするだろうけど受け入れてくれそう。 四条さんと司馬さんは登場あまり嬉しく無いかも。 面倒くさいよ、この2人。周り巻き込むのやめて。非実子の育児BL + スピンオフ狼パパは羊ヅラしてやってくるシリーズ 来栖ハイジstarstarstarstarstar_borderるる「狼パパは羊ヅラして〜」 育児BLだけど私が好きなパターンだった。 (実子じゃないけど育ててるパターン) あまりに非現実的だけど(全くの他人が父親になれる点とか)幸せなファンタジーなので良し。 真木さんは確かにタイトル通りだったw 「先生は仏頂面して〜」 こちらは叔父と甥。由良くんがメインなのね! 本編よりだいぶ可愛くなってます。 由良くんは萩原さんのこと好きだったのね。 あんなク◯な元カレとも呼べないヤツが過去にいたら恋愛したくなくなるよなー。 更に滑川なんて嫌な同僚まで登場するし💢 加持先生、初期の仏頂面はドコ行った?ってくらい後半甘くなった気がする。 由良くんがウジウジしがちだから加持先生くらいドッシリ構えてる人がお似合い。 「幼馴染みは恋人ヅラして〜」 ビックリした!奏汰と律? しかもこんなに大きくなって🥹(←オバチャンw) 夢オチで安心したのに続いてた😅ムチャチョ―ある少年の革命―の感想 #推しを3行で推すムチャチョ―ある少年の革命― 大西愛子 エマニュエル・ルパージュstarstarstarstarstarleon・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ ニカラグアというよく知られていない国での革命、同性愛、ガブリエルの 成長といった様々なテーマを高レベルでまとめられていると思った。 ・特に好きなところは? ガブリエルの成長と彼の心情に合わせて色彩が変わっていくところ。 エマニュエル・ルパージュは絵の上手さだけでなく色彩の使い方にも 長けているなと感心した。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! ストーリーもそれほど難しくないのでバンドデシネ入門として 読む価値は充分にある。同作者の「チェルノブイリの春」もおススメ。ノラと雑草ノラと雑草 真造圭伍starstarstarstarstar_border寸々お互いに傷を抱えた少女と中年刑事の共依存。ハラハラの逃避行シーンが好き。 登場するキャラ全員が善悪で割り切れないのは良かった…が、最後にルポライターを出してひとつのルポルタージュ風に仕立て上げ、「事件は善と悪で分けられるものなのだろうか?」と言葉にしてしまった瞬間に小さくまとまってしまった感。 今まで読んだことのなかった作風の真造作品ということで価値がある。3話まで読むとじわじわハマってくる秋津 室井大資ミューズ1話目読んだときはギャグの方向性が明後日過ぎてちょっと微妙かなって思ってたんだけど3話くらいまで読むと、明後日の方向に投げられたギャグがブーメランみたいに直撃する感じで笑えてくる。 交番勤務のシーンが少ない?ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 泰三子starstarstarstarstar_borderゆゆゆ交番やパトロール以外にも、特別捜査本部にいたり、機動隊にいたり、交番勤務のおまわりさんはそんなに忙しかったなんて。 交番にいるおまわりさんはいつも同じ人と思っていたけど、実は違ったんだろうか。 そのくらいこの人たちは交番にいない気がする。 こち亀の両さんたちが交番に居すぎるんだろうか。知らない世界のことはわからないものだ。 本作は、すごく美人で毒舌の先輩と、「やめてやる!」と言いつつ続けながら辞めずに働き続けている天然で毒を吐く主人公。 二人のコンビがとても良い。 周囲の警官をまきこんで、漫才なのかコントなのか、テンポよく笑わせてくれる。 犯罪に関してもためになる。 最初の方にあった、「なんでルールを守らなければいけないの」は、なるほどなと勉強になった。 女警察官が主人公で、スポ根でもなく、お色気でもなく、恋愛でもなく。 ブラック勤務の辛さがにじみ出ているあたり、とてもリアルだ。20巻買う人一応注意絶叫学級 転生 いしかわえみ名無し20巻の最後に、唯一少年誌に掲載された話が、普通に載っちゃってるけど その話が、少女誌向けに路線かえたのか、笑えないほど後味悪いし、一部に、モザイクとはいえど、コンプラ的にやばいシーンが載ってる 少なくとも、少女コミックに入れる話ではない 大人でも不快になったから、子供はやばいと思う社内恋愛のはずだったけど?恋する鉄面皮 中田アキラstarstarstarstarstar_borderるる5巻既読。 北川くんと夏目さんの職場恋愛だったはずが、彼らの同僚富田さんと斉藤さんがメインになってるかなー。斉藤さんの事情が複雑でそこ関連でどんどん説明が必要になっているわけだけど。 そろそろ本来メインの北川くんと夏目さんを読みたいな。「ビチ猫シリーズ」番外編ビッチな猫は好奇心に勝てない番外編 ねこのきもち 天王寺ミオstarstarstarstar_borderstar_borderるる飼い猫代わりに京介が猫になるwひたすらラブラブ。ビチ猫シリーズビッチな猫は好奇心に勝てない 天王寺ミオstarstarstarstarstar_borderるる「ビッチな猫は好奇心に勝てない」 モデルで俳優の京介と裏方スタッフ藤島との出会い。 枕営業が普通だった京介だけどそのキッカケがエグかった。あの先輩、嫉妬からあんなこと最低だわ。 「ビッチな猫は独占欲に抗えない」 二重のストーカー騒ぎ。 あの裏方は藤島と出会う前から狙ってたとかキモ過ぎ。 「ビッチな猫は劣情の爪を研ぐ」 京介がどんどん人気が出る事で藤島との時間もなくなり、嫉妬と独占欲に支配されて余裕がなくなる藤島。でも強固な両思いだからどっちかに心変わりとかの心配無く読める。 「ビッチな猫は秘密に尻尾をゆらす」 うわー、もう見たくなかったな。 昔、モデルの先輩から嫉妬の末にされた犯罪、犯人たちがまた登場するとは。 でも今回でガッツリいなくなったな、多分。 一樹くんがあんなに京介に敵対していたのは噂が原因だっただけ? 「ビッチな猫は甘い唇に溺れる」 今回は藤島の旧友がモデルになって接近。 昔好きだったから取り戻す、的な本人の気持ちを無視した勝手な言い分で2人の邪魔をしようとするけど、告白をバッサリ断った藤島好き😻 「ビッチな猫は甘噛みにみだれる」 これで一旦完結😭 残念! タイトルはビッチだけど、これは藤島と出会う前の話。 シリーズ通して2人ともお互いに一途で揺るがないからそこは安心して読めた。 番外編読めたら良いな。中学受験の全てが詰まってる二月の勝者 ー絶対合格の教室ー 高瀬志帆starstarstarstarstar山下真司中学受験の塾の物語。受験に臨む生徒や親の描写があまりにもリアルに描かれていて読むだけでゲロ吐きそうになる。子供の成長やそれを見守る親の思い、先生たちの思いに涙が止まらない。冗談抜きで。すごい作品だわ。久しぶりに大興奮した新連載!清少納言と申します PEACH-PIT名無し物語の舞台は今は昔平安時代。 橘家のお姫様光子は、こよなく 愛する弟君の花嫁を屋敷にて待ちかねていた。 地味で漢文に秀でている、さして美しいとも聞かぬ義妹。しかし屋敷に現れた弟嫁は、ふわっふわのロングウェーブに鮮やかな唐衣を纏った、あからさまに女子力の高い美女だった。 しかもその美女にはとんでもない秘密があって? のちに一世を風靡する清少納言のお話ですが、 歴女としてあさきゆめみし、イシュタルの娘うた恋、風光るをはじめとする新選組ものなどを読破してきた自分が、久しぶりに続きはまだかー!と叫びたくなった作品。 本当にBeLOVEが月二回刊行されてよかったと心から思う。 作者Peachpitといえば、ローゼンメイデンでお馴染み魅力的な美女やある種退廃的なストーリーを描かれることで有名。 その作者が、容姿心映え、ともに歴代最高峰の美女である皇后定子様をどう描くのか見物である。 また、当時の朝廷は、身分容姿ともに完璧すぎるイケメン男子で溢れていた。 光源氏のモデルの一人とも言われる超絶美男子藤原実方、身分高く容姿も抜群、声までよいときて時々清少納言にはすねる(しかもこどもっぽく)藤原斉信。 そして能吏であり、人が土下座してまでその書を所望する真面目系無愛想イケメン藤原行成。 朝廷の女官たちの憧れであり垂涎の的であったイケメン男子たちと、清少納言の機知溢れる優雅こそはこれよ、なやり取り。 それを作者がどう描かれるのか。 ぜひ今後とも正座待機して続きを心待にしたいものである。 かわいそうかわいい変態先生妖怪学校の先生はじめました! 田中まいstarstarstarstarstar_borderゆゆゆタイトルが妖怪学校で、先生の名前が「安倍晴明(あべのはるあき)」で、あらパロディのギャグマンガかしらと読んでみたら。 先生はセーラー服好き(でも着ている中身には興味がない紳士)で、おそろしく不幸体質(疫病神がいなくても不幸)、さらに度胸がない(セーラー服がかかっている場合を除く)という、変態でした。 現代を舞台にした妖怪もので、一番現代感あふれている要素、セーラー服。 他のキャラクターも濃いのに、先生のアクの強さとセーラー服愛が強すぎてかすんでしまう。 名前の通り由緒正しき神社に次男として生まれたのに。 そんな先生がもつ、紳士な性癖。セーラー服。 思わずセーラー服と書いてしまう。 試しに一巻を読んでみたら、美男美女の妖怪が出てきたのに、セーラー服しか記憶に残っていない。 忘れられたら消えてしまいそうな彼らの存在を上回るなんて、さすが退魔の血筋。なぜ今じゃりン子チエを読むのかじゃりン子チエ【新訂版】 はるき悦巳starstarstarstarstar_borderゆゆゆ令和になって、若者の間で人気が再燃しているらしい。 作者さんの子供時代の背景が含まれた漫画と考えると、「ちびまる子ちゃん」と似たような感じだろうか。 言葉が悪くても、子どもが働いて親を養っていても、よくみたら周りの大人で全うに働いている人が少なくても、身内に対する優しさが感じられる。 ちなみに私がじゃりン子チエを知ったきっかけは、ある日突然、父親が買ってきたゲーム。 なんじゃこりゃと尋ねたら、父親がこういう名前の漫画があるんだと説明してくれたと思う。 チエちゃん視点のゲームだったが、何をしたら良いかわからなくて、堂々めぐりを繰り返した。 小学校低学年には難しく、ほぼ進まなかった。 でもあのホルモン焼き屋の内装と外装、みんなチエちゃんに優しかったことと、小鉄は覚えている。 「じゃりン子チエ」についてはゲームくらいしか知識がないまま今にいたり、なんとなく読んでみたらおもしろかった。 関西弁と人情物というと「大阪ハムレット」も良かったけど、より元祖というべきこちらもとても良い。友達として大好き友達として大好き ゆうち巳くみstarstarstarstarstar寸々3巻以内完結漫画のオールタイムベスト。 破天荒ギャルと真面目生徒会長のデコボコ(ラブ)コメディになりそうなところを、最後まで「友達として大好き」のタイトル通り忠実に"友愛"を描き切った。 沙愛子に友達の規則(対人コミュニケーション)を説いていたゆい君が、いつの間にか沙愛子からも学んでいき、対等な関係性になっていくのが好き。 脇役の生徒会メンバーもみんなキャラが良くって、運動会と文化祭の回は何回読んでも泣いちゃう。「架空戦記」でもあり「歴史」でもあるアルキメデスの大戦 三田紀房starstarstarstarstarmampuku極上の「負」のカタルシスだった。 日本が第二次大戦に突入しそして敗戦するまでを描いた戦記モノで、架空の天才軍人・櫂直(かいただし)が明晰な頭脳と冷静な分析によって開戦を、ひいては敗戦を回避すべく孤軍奮闘する話。 犠牲を払いながら手を尽くしても戦争へ突き進む軍部を止められず、事態は坂を転がり落ちるように悪化の一途をたどっていく。巻数にして30巻を超える長い長い無力感と喪失感を味わいながら、物語終盤ミッドウェー海戦で惨敗、櫂は軍を離れ、そのまま終戦、東京裁判を経て完結へ。 勝利も復讐も俺TUEEEも、およそ快感と呼べるものを与えられないまま、ずっとしんどい思いをしながら読み続けることになるものの、読後感は不思議と悪くない。むしろ心地よいまである。なぜか。 「いわんこっちゃない!」と叫びたくなるような負の感情のカタルシスの連続、喪失感、破壊(と再生)、櫂の決意と忠誠、わずかな希望……。一言であらわすなら、「大人の味すぎる娯楽」って感じ。日本で取られているアワビの45%は密漁品ヒソカニアサレ 古町 きむてみょんstarstarstarstarstar_borderMiyake※ネタバレを含むクチコミです。あっけらかんと、現実を突きつけられる。ひとりでしにたい カレー沢薫 ドネリー美咲starstarstarstarstar_borderゆゆゆ現実、将来、老後。 どの言葉がよりふさわしいんだろう。 あっけらかんと、つきつけられる。 持たざるものからしたら、主人公が珍獣のように見える理由はとてもよくわかる。 しかし、主人公は少しずつ、知らなかった生活環境を送る人たちの存在に気づいていき、変わっていく。 すべてのきっかけが孤独死というあたり、なんだか都会っぽい。 孤独死しないために婚活して結婚? 結婚したからといって、大丈夫と思うなよと言わんばかりに突きつけられる、親の介護、何もしない夫、子がなにかしてくれると思うなよの嵐。 気にしたら見えなかったものがどんどん見えてくる。 ただ、耳をふさぎたくなるような話題も、主人公の百面相のようにコロコロ変わる表情や、油断したら出てくる猫もしくは猫オマージュ、あと不思議な人・ナスダくんで大変読みやすい。 我々の将来は、一体どんなかんじになっているんだろう。 今日が明日も続いて、親が過ごしていたような老後を我々も?と思っていたけど、昨今の情勢を考えると、それはなさそうだなという気がしてきた。<<12345>>