吉祥寺少年歌劇

傷付け合いながら成長していく少年歌劇団の妙 #1巻応援

吉祥寺少年歌劇 町田粥
兎来栄寿
兎来栄寿

『マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~』が最高すぎて全幅の信頼を寄せていた町田粥さんの新作は想像以上に素晴らしかったので全世界に推していきたいです。 宝塚歌劇団は言うまでもなく女性だけで構成された歌劇団ですが、この物語の吉祥寺少年歌劇団は男性だけの歌劇団です。「娘役」なども男性がすべて伝統的にこなしている世界です。 主人公の格好いい男性に憧れていたにも関わらず、生来の背の小ささなどもあり娘役に認定されてしまった少年・瑞穂。彼とは逆に、娘役に憧れながら背が高すぎてなれない少年や、自分の希望に反した家庭の事情がある少年など、思春期らしい悩みを抱えた少年たちが集団生活をしながら、仲間でありライバルでもある人間関係の中で鎬を削り、時に傷を負いながらも成長していく。そして、やがてはひとつの歌劇を大成させていく……。往年の少女漫画の「寄宿舎もの」を彷彿とさせる良さみも深く堪りません。 1話目最後のモノローグが 「僕らは出会い  そうしてすぐに傷つけあった  それが始まり」 ですよ? 最高じゃないですか? そして、それら素晴らしいドラマを町田粥さんの美しい絵が彩り更に言葉の要らない説得力を以って紙面からオーラをぶつけてきます。 もっと長く見ていたかったという思いもありますが、この物語は1巻で完結します。しかし、この上なく濃縮された上質なドラマを味わうことができ、満足感はお墨付きです。 町田粥さんのマンガから摂れる栄養を今後もずっと摂らせていただきたいです。 『かげきしょうじょ!』のアニメ化で歌劇の世界に興味を持っている方も多いタイミングだと思うので、そういった方にももちろんですが、そうでない方にも広くお薦めしたいです。

天使1/2方程式

とにかくハイテンションな少女漫画

天使1/2方程式 日高万里
野愛
野愛

少女漫画をあまり読んだことがないのでこの作品が異質なのか王道なのかよくわからないけれど、普通の女の子が王子様に見染められ適度に邪魔が入りつつ陰ながら男子人気は高いけど本人は気づかない…こんな要素盛りだくさんなことある? めちゃくちゃハイテンションでアッパーなノリに圧倒されつつ、なんか面白くて読み進めてます。 くせっ毛と唇の荒れに悩む女の子・ゆい子がカリスマ的人気のイケメン・マナ様に気に入られリップケアを教わりつつ、ずっとイチャイチャしてるお話。 傍観者からするとイチャイチャだけど、本人たちはお互いの気持ちがわからずすれ違ったり、マナ様のファンから嫌がらせ受けたりイベントが多数発生します。 2010年代の作品でスマホも当たり前に登場しますが、ゆい子は携帯持ってない&門限厳しい設定なので通常よりすれ違いイベント多めな気がします。 まだ途中までしか読んでないので、携帯持ってない門限厳しい唇荒れてるってめちゃくちゃ貧乏で栄養足りてないとかじゃないよな…虐待されてるとか家庭事情複雑とかないよな…と変に勘ぐってしまってます。このハイテンションさでそんな展開嫌だからずっと平和だといいな…。 とにかくいろんなイベントがテンポよく都合よく大発生してお腹いっぱいになれるので楽しいです。 期待を裏切らない特大ハッピーエンドを信じて最後まで読みたいと思います。

高校の日常

結論:ハードボイルドよし子さんは変態であり天才である

高校の日常 ハードボイルドよし子
みや
みや

まず初めに 『この作品は「男子高校生の日常」では無い!』 いや、男子高校生の日常でもあるけどアニメ化とかしてる男子高校生の日常とは似て非なるものである!非なるものである! その上でこの漫画をヒトコトで評すると 「アブノーマルを身近に感じさせる良作」です 何気ない会話の中に、だいぶ頭おかしい擬人化妄想ぶちこんでくる名護くんが、まず良い味出してるわけですが、この漫画はそれに留まらず相方橘くんがある程度の形にしちゃうのが芸術点(?)高めです。 「ある程度」なのもポイント(笑) 身近にあるものからその発想力、いやお前らホント天才か!?って思います。 添付画像のノリがお好きな方は読んでみては? 名護と橘ペアについて触れましたが この漫画基本的にはいくつかの2名セットでの掛け合いで構成されています(※2つ名は作中の表現まま)。 【妄想の天才:名護 と 具現化王:橘】 【金持ちお嬢様:草加 と ツッコミ王:照井】 【勘違い少女:後藤 と モノ作り王:氷川】 【ベテラン教師:仁藤 と 新任教師:加賀美】 【残念な不良:秋山 と ひよっこ不良:桜井】 好みのペアがきっとあるはず 男子同士の掛け合いだけじゃなくて女の子も適度にぷにっと感ある絵柄とキャラ性で可愛いのでそちらも是非(僕は女の子だと後藤さんが好きです)。 作者のウチなる変態性を見せながらも読みクチ軽めなこちらの漫画、オススメです。 全4巻完結済みなのも手を出しやすい所。 「#もっと評価されるべき」とか 「#才能の無駄遣い」タグつけたいタイプの漫画です

魔法使い養成専門マジックスター学院

私だけのマジックアニマル(イモ虫)

魔法使い養成専門マジックスター学院 南澤久佳 ミヅキ
サミアド
サミアド

イモ虫のクリームが可愛いです! 漫画図書館Zで無料で全話読めます。 雑誌Gファンタジーの作品ですが、続編を連載したゼロサムが未収録話などを収録した新装版を出しています。 魔法専門学校の『アニマルマスター科』の話。 大きな設定やストーリーがあり、感動する話や心に残る名言もあります。 しかし個人的に特筆したいのは畳み掛けるギャグ部分! 主人公兼ヒロインの顔芸!ボケ!イモ虫愛! 幼なじみ男子のハリセン!叫び!存在がツッコミ! 褐色少女の毒舌! 牛好きと牛! 担任教師の超髪! イモ虫の変顔!つぶらな瞳!キャベツ!もりもり!! 独特な絵やノリが苦手な人も居ると思います。イモ虫と牛 以外のアニマル達はメイン回以外、影が薄いです。 セイウチのせいぞう君にもっと出番を… 魔法やギャグに目を奪われますが、青春漫画としても良い作品だと思います。 続編の『トリプルスター』で伏線回収&完結しているので、ノリや絵柄が気に入った方にはそちらもオススメいたします。 イモ虫のクリームが可愛いです!(念押し) 画像は友情を育む為にスーパーファイヤーレシーブを打つ牛型マジックアニマルです。

いちご100% モノクロ版

誰派?で初めて議論した作品

いちご100% モノクロ版 河下水希
六文銭
六文銭

懐かしさのあまり再読。 いつ読んでも青春時代の甘酸っぱさを思い出します。 誰派で、喧々諤々の議論のはてに絶縁までした奴がいたなぁと思い返すと、今思えばそれだけお熱を出したのは後にも先にも本作だったと痛感します。 この手の作品は主人公ハーレムものになって、女性キャラがあれよあれよと増えていきますが、それでも本作に登場する女性キャラはみんな違ってみんな魅力的です。 元気いっぱいのどストレート「北大路 さつき」 放っておけない妹キャラ「南戸 唯」 毒舌ツンデレ後輩「外村 美鈴」 ひたすら妄想ドジっ子「向井 こずえ」 そして絶対的なヒロインとして君臨する「東城 綾」と「西野つかさ」 こうして、書くと東西南北になって、東條と西野は東西。 すなわち天下分け目の関ヶ原ですね。 ちなみに、私は東城派でした。 なので、当時、最終回はショックでしたよ。 関ヶ原同様、東軍じゃないのかよ、と。 単純に黒髪ロングが好きなのもありますが、 一途に思い続けているのに、ちょっとそれっぽくなっている時もあったのに、最後の最後でこれか~とショックを受けました。 ん十年経った今。 大人になって酸いも甘いも色々経験して、再度読み直したら・・・まぁ、多少ダメージは・・・ 否! やっぱりショックでした! 受け入れられない! そして、全然、成長していない!! 報われないヒロインが推しだと、なんとも悲しい気持ちになりますね。 ロスとはちょっと違う、 あの後一人でどうなっちゃうんだろう とか想像すると切なすぎる!  でもね、だからこそ、俺たちの「東城綾」は、いつまでも輝き続けていると思うんです。 あんな奴のかわりに、俺たちがついているんだと思えるんです。 そう思えば、すこし救われる気がします。 などと、訳のわからないキモイ感想をもちました! なんにせよ、ハーレムものとして最後、濁さず、誤魔化さず、ビシッと決めたのは好感触です。 どんな選択であれ、読者としては主人公の決断をみたいと思うので。 ずっと青春を思い出させてくれる作品だと思います。 60になっても同じように思えたらいいなぁ。

金の糸

どうしようもない嘘つき主人公が性春をこじらせ始める!

金の糸 稲妻桂
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

男子高校生の仄暗いこじらせ性春ものが始まりましたね! それがどんな状況であれ、無難で場に合った嘘をついてきた主人公。 気になるあの娘はクラスの一軍。 窓に映った彼女を盗み見てニヤける日々だったが、唐突にフランスから金髪ショートの美少女留学生サラがやってきた! しかもホームステイ先は自分の家!? 男子同士で話していたくだらない話が頭をよぎり、出来心であることを行動に移してしまったがゆえに追い込まれた窮地! どうするソーイチ!? そうしてまたソーイチは嘘を重ねてしまい…。 第1話https://pocket.shonenmagazine.com/episode/3269632237246535454 いやー、どうなっていくんでしょう! 作者さんが好きな漫画で挙げているのが『めぞん一刻』『惡の華』『童夢』ですからね! 『童夢』は世界観的に置いといて、『めぞん一刻』の正統派ラブコメ感、『惡の華』のどろどろした性春のようなものに影響を受けた作品になっていくんでしょうか。 現在公開されている過去の読切3作、どれも面白いので気になった方はぜひ。 『瀬戸際に轟く』『月の國』『あすか』 少なくとも主人公のソーイチは初っ端からでかい爆弾を抱えることになったのでいいスタートですね。 高校生が「嘘をつけばなんとかなる」「周囲からはみ出ず嫌われることもなくそこそこうまくいく」なんて悟ったようなこと考えてるから、そらみたことかとばかりに1p目と1話目ラストのようなことになるわけで。 嘘は決して本当の意味では身を助けないぞ…と。 しっかり前フリをしたこのキャラがどう活きてくるのか。 そしてまだキャラが分からないサラは一体どんな人物なのか…。 藤野さんとの関係は…? 嘘に嘘を重ねていってどんどん苦しくなっていく展開、そしてその先を稲妻桂先生なら上手く描いてくれそう! 楽しみです!