学園マンガの感想・レビュー4260件<<116117118119120>>じっくり進む大人のBL3番線のカンパネルラ 京山あつきnyaeザッとした線の描き方も今まで読んだBL漫画にはあまりなかったので新鮮だったのと、あらすじを見ないで読んだので、主人公は最終的に誰と…?というのがわからなかったのが良かった。 相思相愛だと思ってた恋人にフラれて傷心の主人公、性的マイノリティを理解しようとするもから回っちゃうノンケの上司、同じ駅で会う可愛い男子高校生、ゲイを隠さずに入社してきた馴れ馴れしい部下など…色んな人間関係が交差する様子もじっくり描いている印象。学園ダークファンタジークイーンズ・クオリティ 最富キョウスケmampuku見た目に反して武闘派で、「女王」というヤバい人格を宿した一筋縄じゃないヒロイン。中二全開で素晴らしいです。ダークな雰囲気も良し。 あとグラブルのジータちゃんに似てて非常に推せます。 作者の真意はわかりませんが、ネットに蔓延る(というよりネットにより可視化された)暴走する「義憤」を擬人化したような奴だな、と感じました>黒の女王ベッカムとなおと君の頼もしいやり取りペンギンの問題 永井ゆうじ名無し何と言っても、主人公のベッカムが、素のペンギンらしからぬ様相で、相棒のなおと君に対して、困らせる行動を毎回起こすのは、面白おかしく楽しめています。最初は、真剣な真顔で、なおと君へ向かって語りかけることで、なおと君もベッカムが本気で臨もうとしている熱中度に感心するのですが、最後は、ベッカムが、どうしようもない素振りを見せたり、本末転倒を感じるシーンが多く、どの回でも、必ずオチがついている点では、ギャグ漫画の真骨頂だと感じます。魔少年ビーティーのすごさ魔少年ビーティー 荒木飛呂彦名無し魔少年ビーティーは荒木飛呂彦氏の連載作品で、ジョジョの奇妙な冒険の前に描かれたもので、構図や絵もジョジョと比べるとまだなれていない作品ではあるが、漫画というものをよく理解してかいている。まずサスペンス感、次がどうなるのかきになり読まずにはいられない、これがエンターテイメントの基本中の基本だと思う。ハラハラする展開に持っていくのが荒木氏は非常にうまい。また主人公ビーティーの性格と、物語の進行者でもあり、ビーティーとは逆の性格の康一君のキャラ設定が絡み合い、見事に調和が取れている。名作とは言えないかもしれないが、漫画の本質を見事に熟知した作品である。 ジャンプでラブコメといえばこれいちご100% カラー版 河下水希いちごちゃんニセコイに最長連載抜かれたらしいけど、自分はやっぱりいちご100%が好きだなあ漫画も家族も ちゃんと描いてますちゃんと描いてますからっ! 星里もちる名無し父が漫画家。 それだけならばちょっと変わった家庭というだけだが ほぼ毎回、原稿を投げ出して逃亡する父親なので、 中二と小五の姉妹二人が世間にバレないように 父に換わって原稿を完成させている、というコメディ。 設定はいかにもコメディなんだが、 本当の漫画家が漫画製作の現場を舞台に描いているので (当たり前だが)漫画製作の苦労をネタにしたギャグとかも かなりリアルっぽい。 ネーム作成から下書き、アシさんと分担してのペン入れ、 デジタル処理から入稿まで、と漫画製作の過程と その大変さが凄く良くわかる。 また、主人公の長女・歩未が他の漫画家のところへ アシスタントにいって経験した話とか、 父のネーム打ち合わせに加わった話とかからは、 漫画ってそこま考えて描くんだ、と驚いてしまった。 そして漫画をちゃんと描くってどういうこと、 と考えさせられた。 作中でも何回か提言されたりもしていたが、 漫画家の先生が一人で全てをこなして描く作品もあれば、 各仕事を多人数で分担して作成する作品もある、 それこそギャグとしては 「あの先生は主人公の眼を描くだけ、あとは他人が描く」 なんて話も聞いたことまである。 恐らくそうとうに昔から、漫画って共同作業による作品で どこをどう描いているならその先生の作品なのかとか、 なにをもって、ちゃんと描いていると言えるのか、 その辺の定義は明確ではなかったのではないだろうか。 家族だって、ちゃんとした家族ってワリとハッキリしない。 母親が(多分だが)早くに亡くなり、 その上に漫画家の父は逃亡常習犯。 そこを姉妹二人が頑張って支える、という けして普通ではない家族だが、そこは漫画でもあり(笑) なんだかんだとありながら幸か不幸か、 それでいいのかすらわからないままに 姉妹が苦労を重ねる話が進んでいく。 そして姉妹はそれぞれ見方や考え方も変わっていく。 それはまあ確かに漫画だからこその 都合よく仕上げた話かもしれないけれども。 そのストーリーを読んでいると、 ちゃんとした漫画、ちゃんとした家族って、なんだろう、 と考えさせられてしまった。 コメディなんだけれどわりとシビアなことを 突きつけられる展開もあるし、 父親のダメっぷりが凄かったりする展開もある。 しかし読んでいて陰鬱な気分になることもなく、 父親にとことん気分が悪くなるような嫌悪感を感じることもない。 面白がりながら最後まで読めて、しかも 漫画とか家族とかの「ちゃんと」って何だろう、と 考えさせて貰えて、読んで、読み終わって 気分がよくなる漫画だった。 知らなかったことたくさん春よ来るな 草水敏 濱崎真代aico知らない世界の話っておもしろい!その世界での悩みや感動や葛藤があるんだなーと。医者の世界でのそういう擬似体験ができる1冊! 交配相手を求め文明社会へ!サバイバルガール鯖井春子彼女の野性が手に負えない 末広光名無しサバイバル子、ならぬ鯖井春子は強い子孫を残すために交配相手(パートナー)を探しに森から街へやってきた!にしては意外に小奇麗な女の子。ワニ背負ってるけど…トラックに轢かれても平気だけど… 運悪く?居候先に選ばれてしまった小平坦くんは、これから彼女の野性が手に負えなくて、大変なことになるのでしょう。 読切作品が元になって連載化したみたいですね! https://manba.co.jp/boards/91325 元気が貰えるハイテンションコメディ!楽しみです。医大生ってこんな感じなのかな春よ来るな 草水敏 濱崎真代karin有名大学に受かったのに、仮面浪人して医大に編入する大学生の物語。 医者になるまでの過程、医大生が経験する日々が描かれていて、私は医大生じゃないから分からないけれど、なんかリアルに考えさせられる。将来を考えるにあたって、中高生にも読んでもらいたい、いい漫画。懐かしい!コンなパニック あさぎり夕karin絵も可愛くて、きゅんきゅん、ハラハラどっちもあって一気に読みきっちゃう漫画です。 超期待の新連載!鬱屈した世界で自由にダンス!!ワンダンス 珈琲たかアフタヌーンでたまたま読んでめっっっちゃ良かった作品。 昴 MOON―昴 ソリチュード スタンディング― ボールルームへようこそ Sweep over the Dance hall. 絢爛たるグランドセーヌ ダンス・ダンス・ダンスール う〜〜ん! ダンス漫画にハズレ無し!! そしてまだ1話ですが、個人的にはこれらの作品と肩を並べる名作になる予感がする…! 中学校の頃の思い出が原因で人のダンスを直視できない主人公・カボと、スレンダー美人でまだ人と踊ったことがないという湾田さん。 ガラスの前で1人で踊る湾田さんの、振りの迫力にもうメロメロ…!!2人が部活に入ってどんなふうに踊るのか、今から超楽しみです。 **【ワンダンスに登場した楽曲リスト】** (最終更新: 2020/06/25) https://apple.co/30FsVxN >第17話「反響」 ♪: A Tribe Called Quest - Jazz (We've Got) ♪: Blackstreet - Deep >第16話「ワンムーヴ」 ♪: Pete Rock and CL Smooth - The creator >第15話「ヒット」 ♪: 24K - We have No Enemies >第14話「ジャンルの壁」 ♪: Outlines - Just A Lil' Lovin' ♪: Sharam Jey - Feel Nobody ♪: Michael Jackson - Heartbreaker >第13話「恩 vs. 花木」 ♪: Billie Eilish - bad guy ♪: Dax Riders - You are the sunshine of my life >第12話「恩 vs. 伊折」 ♪: Fingadelic - Beat Ya 2 Def (Don't Stop) ♪: Freddie Gibbs - How We Do ('93 Til Infinity) >第10話「初コンテスト 中編」 ♪: Prof - Andre The Giant ♪: Shawn Mendes, Zedd - Lost In Japan (Original + Remix) >第9話「初コンテスト 前編」 ♪: Nas - I Can ♪: Mark Ronson - Uptown Funk ft. Bruno Mars >第8話「世界」 ♪: Ne-Yo - Because Of You(恩ちゃんが好き) ♪: Michel Jackson - Black Or White (湾田さんが好き) >第7話「イオリ VS カボ」 ♪: Kendrick Lamar - HUMBLE. ♪: 2Pac - Changes ft. Talent >第6話「マサム VS イオリ」 ♪: Samurai - Jazztronik >第5話 ♪: Shawn Mendes, Zedd - Lost In Japan (Original + Remix) >第4話 ♪: The Weeknd - I Feel It Coming ft. Daft Punk ♪: Drake - Fake Love ♪: Khalid - Talk ♪: Michael Jackson - Break Of Dawn >第3話 ♪: Shawn Mendes, Zedd - Lost In Japan (Original + Remix) >第2話 ♪: Bruno Mars - Finesse ♪: Ed Sheeran - Shape of You ♪: Ed Sheeran - Don’t実におもしろいビブリオマンガ #1巻応援どくヤン! カミムラ晋作 左近洋一郎starstarstarstarstarひさぴよ毘武輪凰(ビブリオ)高校…。そこは行き場のないヤンキーたちが集まる底辺不良校!と見せかけて、本を読みさえすれば入学でき授業料もタダの本好きにはたまらない学校。本を愛すヤンキー達のギャップを楽しむコメディ作品です。 特に本が好きな人におすすめな漫画ですが、とにかく一度試し読みして雰囲気の合う合わないを確認しておくのが良いです。ヤンキー文化が苦手な人もいると思うので。 どれだけ本を愛しているかで、ヤンキー同士の格が決まる世界観になっていて、強いヤツほど純文学を溺愛してたり、SF小説を極めていたり何かしらのジャンルへのこだわりがあって面白い。 格の低いヤンキーは、弱そうなやつにブッカツ(本のカツアゲ)をするなど、本好きを冒涜する行為をしがち(笑) 基本はヤンキー文化とビブリオネタをかけ合わせたあるあるネタが多いですが、読んでいて果たしてインテリジェンスが上がってるのか下がってるのか、よくわからなくなります。 一話ごとのオチで本編のストーリーに合わせた本を1冊、さりげなく紹介してくれるので、何だか得した気分になれますね。藤子・不二雄Aが少年誌で暴れた怪作魔太郎がくる!! 藤子不二雄(A)兎来栄寿『忍者ハットリくん』、『怪物くん』、『オバケのQ太郎』といったビッグタイトルを藤子不二雄Aさんが生み出した1960年代。 藤子・F・不二雄さんは『パーマン』や『21エモン』などを描いていた時期であり、二人共「児童向け作家」というイメージが定着していました。今でも、『ドラえもん』でしか藤子不二雄の名前を知らない人はそのイメージが強いかもしれません。 しかし、1960年代の終わり頃から二人は大人向け・ブラックな題材の作品も数多く発表するようになります。 Aさんの代表作である、『笑ゥせぇるすまん』のせぇるすまんシリーズ第1作である『黒ィせぇるすまん』が連載化され、その後に週刊少年チャンピオンで始まったのが『魔太郎がくる!!』でした。 少年誌というフィールドでありながら、非常に残酷なシーンも混じえたサイコサスペンス・復讐譚は当時から大人気を博しました。70年代にチャンピオン黄金期が訪れる直前に『ブラックジャック』や『エコエコアザラク』のような作品が載る土壌を形成したパイオニアと見られることもあります。 『デトロイト・メタル・シティ』でも「恨みはらさでおくべきか」という曲が歌われていましたが、元々落語や歌舞伎で用いられていた「この恨み晴らさでおくべきか」というフレーズを流行らせたのも、この作品の功績が大きいです。 しかし、70年初頭にはよど号ハイジャック事件や浅間山荘事件などもありフィクション以上に現実でおぞましい事件が起き、更に少年犯罪の悪質化もあり、連載中に配慮が行われ内容が変遷していき最終的にはダークファンタジーとなりました。 また、何度か様々な形で新版が出版されていますが、最初の秋田書店のチャンピオンコミックス版以外は改変されたり削除されてしまったエピソードが多数存在します。すべての話が元のまま読める秋田書店版は現在プレミア価格で取引されていますが、もし機会があればぜひそちらで読んで頂きたいです。 とはいえ、改変されたバージョンでも面白く読めるのは確かです。可能なら比較して読むと一番楽しめるでしょう。 名作中の名作タッチ 完全復刻版 あだち充karin古い漫画で、絵もシンプルな感じですが、ストーリーが面白すぎて、本当に名作です✨ 野球漫画であり、兄弟愛や幼馴染の恋愛と友達の微妙な距離感もあり、引き込まれます。 感動で涙するシーンもたくさん。 タッチを知らない世代にこそ、読んでほしいなって思います。ラブコメキャラからの脱出このかけがえのない地獄 アッチあい名無しヤンジャンで連載していたポチごっこのアッチあい先生の短編集。女の子が流石に可愛い。 個人的には4番目のヒロインと黙れニートが良かった。特に4番目のヒロインの、ラブコメキャラという定められたキャラクター性からの脱却みたいなテーマが好き。落語から着想を得て描いてた作品もあったし、なんかそこらへんで一捻りあるやつが次回の連載では読みたいなと勝手に思ってる。 料理好き人見知りJK×釣り好きヤンキーJK、ボツから蘇ったガールミーツガールカワセミさんの釣りごはん 匡乃下キヨマサsogor25親の仕事の関係で東京から福岡の田舎に転校してきた女子高生・白梨翡翠(やまなし カワセミ)。料理好きな彼女だけど、持ち前の人見知り能力を遺憾なく発揮して調理部の門を叩くことすらできず、転校初日からぼっち生活まっしぐら。そんな中、見た目どう見ても田舎ヤンキーな同級生女子・魚取魚鷹(うおとり ミサゴ)に声を掛けられ、「ちょっと付き合え」と半ば強引に拉致られて連れてこられたのは山の中。死を覚悟したカワセミだったが、ミサゴが取り出したのはただの釣り竿。ということで、料理好き人見知り女子と釣り好き田舎ヤンキー女子とのガールミーツガール(?)から始まる作品。 ヤンキーっぽい雰囲気のミサゴが釣りに対してめちゃくちゃ詳しいというギャップもいいけど、人見知りだけど初めて体験する釣りに新鮮なリアクションを見せたり料理のことになると豹変するカワセミの一挙手一投足が面白くて、コメディとしてだけでもずっと読んでいられる作品です。 また、キャラの造形だけではなく、釣り上げた魚や料理、水面や風景まで、細かい部分の作画を丁寧に描いているのも注目すべき点の1つ。さらに福岡が舞台であることによる方言女子の要素や、ミサゴの家族から勝手に認定された公式百合要素まで、楽しそうな要素がたくさん詰まっていいます。 ちなみにこの作品、双葉社による"プロのための「セカンドオピニオン」"という企画によって連載にまで至った作品。この作品が一度でも企画が通らずボツになりかけたというだけでも驚きですが、それを見事に拾って頂いた双葉社と連載に至ってもこれだけ面白い作品を描き続けて頂いてる匡乃下キヨマサさんには感謝しかありません。 1巻まで読了。 新連載だ〜マッシュル-MASHLE- 甲本一大トロマッシュくんずっと同じ顔してて天然で甘党で性癖にぶっ刺さりました。 世界観がイマイチまだつかめませんが、ファンタジー系ということで期待しています。GANTZの初期が好きならおすすめGANTZ:G 奥浩哉 イイヅカケイタ 大崎知仁マンガトリツカレ男※ネタバレを含むクチコミです。なんだか心洗われるたまのごほうび 星谷かおりkarin女子校上がりで男子慣れしてない主人公が、共学に入って好きな男子ができるというストーリー。 よくある設定だけど、主人公のピュアすぎて可愛いキャラと、ヒロイン役の男の子のキャラが良すぎて、癒されまくります。2人で幸せになってほしいなー ぽっちゃりマニアって本当にいるのかな?ぽちゃまに 平間要karinぽっちゃり女子が、ものすごい勇気をもらえる漫画。 努力して自分のことを大好きになった人は、人からも好かれる。これは真理なのかもしれない。 でも、なぜか感情移入しきれないのはなんでだろう。。。 このレベルでぽっちゃりマニアだという男子に、出会ったことがないからかも。キルがミーしてベイベするキルミーベイベー カヅホ名無し名作。やすなの煽りとソーニャちゃんの殺意のこもったツッコミの掛け合いが癖になる。ぜひ読んでみてほしい。面白くなかったら木の下に埋めてもらっても構わないよ!!!さすがに気づくものでは?さよならミニスカート 牧野あおいオムライスいくら男装しているとは言えさすがに国民的アイドルならすぐ気づくのではないだろうか、、、と思いながらもになちゃんが懸命でどきどきしながら読みました。芸能人がまちなか歩いていても意外と気づかないのと一緒で、意外と気づかないものなのかなぁ。 ヤンキー漫画の過渡期東京番長 鈴木けい一starstarstarstarstarウマタロ90年代少年サンデーで連載してた懐かしいヤンキー漫画。 最初の絵柄は見たまんま「ろくでなしBLUES」似なんだけど、巻が進むにつれてサンデーっぽい雰囲気に変わっていった。 ヤンキー漫画にしては登場キャラの女子率が多くて、硬派な不良漫画とはちょっと違うかな。(そういえば、たまにあるエッチなサービスシーンが思いのほかエロかった…) コメディ展開を中心に細々と12巻まで続いたものの、「ろくでなしBLUES」や「今日から俺は!!」ほどの話題作にはならならず。 97年あたりで、「ろくでなし」と「今日俺」が終わり、この作品も連載が終了したのだけど、その時にはじめて本格ヤンキー漫画の終焉みたいなものを感じた気がする。東京にも少なからずヤンキーはいたのだが、もはや時代遅れのものとして見られるようになった過渡期の作品だったと思う。 作者は漫画界のウォルト・ディズニーだ映像研には手を出すな! 大童澄瞳starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)女子高生3人が高校入学後に出会い、自分たちが思い描く「最強の世界」をアニメーションで実現すべく映像研を作って猛進する! この漫画は、プロの仕業だな感とどこか素敵な隙のある素人感を合わせもっているのがとてもいい。 というのは、この漫画は細部まで設定が凝られてるから読み応えがあって素直に言って最高なんだけど、実は漫画単体では完成していなくて、読者がいてそれを受け止められて初めて立体的にこの世界の存在が立ち上がってくる感じを体感できる。 この漫画を読んでいると、読んでいる自分も映像研の活動に参加している気分になってくるし、その気分になれて初めて合格をいただけてるような気持ちになる。 この世界では僕たちはただの傍観者にはなれない。 どれだけ読者自身を作品に巻き込んでくれるか、という点において突き抜けているものがある。 特に、彼女らの妄想が、イメージが、恐ろしいほどスムーズにシームレスに現実を侵食してくるその快感たるや! その自由な想像力こそが彼女らの遊び場であり友達だったのだと伝わってくる。 誰だって計画段階、準備段階が一番楽しくて本番や完成品になるとあれ?こんなんだっけ?のやつは経験したことがあると思う。 それはイメージと完成品に誤差があるからだ。 作っていくうちに様々な要因で思い描いていたものからいたものから離れていってしまうことはよくある。 この映像研では、それが妄想・イメージした瞬間に即その場に疑似的に出現しイメージを全員で五感で共有できてその世界にどっぷり浸っている、もしくは少なくともそう見えるほどには深い部分で全員が共有できているのだ。 こんなに幸せなことはない。 読者はその幸せをおすそ分けされている。 嬉しいのは、その世界を強化してくれるポイントが作者のこだわりによっていくつもあることだ。 例えば吹き出し一つとっても、セリフの文字に角度、パースがついていることで空間の立体感、キャラの実在感が目に見えてくるし、そのセリフの吹き出しのレイヤー上に人物が重なってセリフを見えなくすることで実際にセリフの音を妨げている感が視覚的に分かるような演出が素晴らしい。 デジタルで描かれているいい点として奥行の演出のための背景のぼかしがあったりする。 とにかく作者はこの世界の独裁者として細部に至るまで思う存分こだわりという名の権力を振るっているので、完璧に作り上げらえた世界であるディズニーランドと根本的に変わりはないのだ。 あとはそのディズニーランドに僕たち読者が遊びに行って参加し楽しむことで初めて完成される。 客がいないディズニーランドはディズニーランドではない、ただの土地だ。 3巻を読み終わって、次はこの世界にまたいつ遊びにいこうかなという気分でワクワクしている。 十年後、二十年後にこの作者が描く漫画がどこまで進化しているのか、どこまで成熟しているのか楽しみでならない。<<116117118119120>>
ザッとした線の描き方も今まで読んだBL漫画にはあまりなかったので新鮮だったのと、あらすじを見ないで読んだので、主人公は最終的に誰と…?というのがわからなかったのが良かった。 相思相愛だと思ってた恋人にフラれて傷心の主人公、性的マイノリティを理解しようとするもから回っちゃうノンケの上司、同じ駅で会う可愛い男子高校生、ゲイを隠さずに入社してきた馴れ馴れしい部下など…色んな人間関係が交差する様子もじっくり描いている印象。