漫画家さん いらっしゃい! R's Bar ~漫画家の集まる店~

登場作家がとにかく豪華すぎる。

漫画家さん いらっしゃい! R's Bar ~漫画家の集まる店~ 黒澤R
nyae
nyae

金魚妻などエロめの漫画のイメージが強い黒澤R氏ですが、この漫画では冒頭から双子の赤ちゃんを連れて登場。いや2児の母…というか女性だったんかい。 これはその黒澤氏がバーのママに扮して、毎話ゲスト漫画家を迎え経歴や創作秘話などなど、いろんな話をしていくという漫画です。 この漫画の何がすごいって、登場する漫画家がとにかく豪華。今をときめく大物売れっ子漫画家ばかりです。 まず羽海野チカからはじまり、押見修造、花沢健吾、古屋兎丸、浅野いにお、すえのぶけいこ、若杉公徳、などなどなど。 連載されていたのが少し前なのもあり情報が若干古いものの、漫画好きはもちろん、いかにしてデビューしたかや、デビュー後の苦労、ヒット作の創作裏話も赤裸々に語られているので「漫画家志望」の方が読んでもすごく参考になるエピソードが満載です。 お気に入りは作者が羽海野チカの頭にカニの爪を突き刺した話。 あとは押見修造は自分含め実在の人物をモデルにしすぎなところ(それが愛娘にも及んでいたのには驚き)。 そして浅野いにおの元妻は漫画編集者だったこと(この漫画ではまだ元ではなかったけど)。 古屋兎丸式ネームと作画がどんどん進む生活習慣、とか。 全漫画好きにすすめたい1冊でした。

患者さまは外国人 無国籍ドクターと空飛ぶナースのドタバタ診療日誌

漫画みたいな超かっこいい国籍がないお医者さん! #完結応援

患者さまは外国人 無国籍ドクターと空飛ぶナースのドタバタ診療日誌 山本ルミ 世鳥アスカ
ぺそ
ぺそ

以前に読んだものをふと再読したくなって読んだのですが、やはりドクターが本当にかっこいい✨そして今回読んで一番驚いたのは、このドクターも病院もナースも本当に実在する方だということ。 前回読んだときは、「ナースの方のエッセイ漫画だけど、プライバシーに配慮してたぶんフィクションもふんだんに混ざってるよね…」と思いながら読んでいました。そのくらい設定がかっこいいんです! ・病院は関東大震災でも空襲でも焼けなかった洋館で文化財 ・ドクターはロシア革命から逃れてきた両親を持つ満州出身の多言語話者で「無国籍者」 ・お金がない人からは治療費をもらわない ・日米露からスパイ容疑をかけられ連行される ・診療に本名もパスポートも不要 ・日本に来たマイケル、ブラピ、マドンナなどを診察するも彼らが何者なのか全然知らない ……これでエッセイと信じられなくても当然じゃないでしょうか。 が、今回はこの作品を久々に読もうと検索した際にドクターご本人の記事を見つけてビックリ!全部本当だったとは衝撃です。 https://wedge.ismedia.jp/articles/-/1068 https://www.1101.com/yamamoto_rumi/2014-12-08.html 怪我人が海外から帰国する際に付き添う「エスコートナース」としても活躍されている方の目線で病院内の日時が描かれます。 ・全身真っ青な患者=水疱瘡のロシア人 ・待合室にモハメドさん多すぎ問題 ・検尿が通じずまさかの…… ・世界のご当地民間療法すごすぎ などなどそのドタバタぶりが本当に面白かったです! 仕事中、結果待ちの患者さんと一緒にのんびりコーヒーを飲んだり、建物が気に入ったという方に毎朝待合室に新聞を読みに来るのを許したり。 昔ながらの人情、いい意味でのゆるさ優しさが残っている本当に素敵な病院で、日本の保険は効かなくてもここでお世話になりたいなという気持ちになりました。 ネトフリでアニメ化して世界中に配信されてほしいなぁ。 エッセイ漫画好きなら絶対読んでほしい作品です♫

妻観察日記

妻のコメントが良い

妻観察日記 福満しげゆき
六文銭
六文銭

私、福満しげゆきフリークなので、何読んでも面白いマンになっていると言ってしまえばそれまでなんですけど、本作も面白いです。 基本的に、この夫婦のかけあいがコミカルでツボなんですよね。 子育てや著者の生活を切り取ったものとか色々ありますが、 妻を軸にすると個人的に3ポイントくらいおもろーになります。 どれも同じじゃないか? と思っている人に、わたくし的な本作のポイントは ・エピソードごとに妻のコメントが読める です。これが良い。 漫画のなかでは「~ばい」とか「~とね?」とか博多弁バリバリなのですが、コメントはなぜか標準語。しかも丁寧。 まず、このギャップに萌える。 妻のツイッターでもそうですが、よそ行きな感じのコメントが、各エピソードに味わいを出しております。 特に、前ページで暴れた後に、きゅうにスッと冷静なコメントがあると、一興だったりします。 下ネタっぽいものにも、きちんとコメントしている度量に感服します。 夫婦のいちゃこらですが、 不思議と嫉妬しないし、むしろ家族の一人になった気分で温かい目でみれて、しかもひとクセある夫婦のギャグとしても面白いで、 この作品から読んで福満先生の他の作品もぜひ読んで欲しいです。

みやこウォッチ~金沢独日記~

レポ漫画なんだけど…

みやこウォッチ~金沢独日記~ 銅☆萬福
さいろく
さいろく

金沢のレポ漫画、というところがディープですよね!っていうわけじゃなくて、ノリが独特すぎて正直ちょっとどうなんだこれ。 ヤンジャンで連載してたのか… みやこダッシュという名前の自分が作り出した影の自分をお供に金沢をレポートしていく漫画なのだが、正直レポートはほとんど出来てない。 書いてはあるのかもしれないけど魅力を伝えようという意味では成功していない気がする。 起承転結も弱いし、本来黒い部分担当のはずのみやこダッシュはずっとサポート・フォローに回っているぐらい本体がダメ女で見ててイライラするという… でも不思議と読んじゃうのがレポ漫画なのかもしれない(あともしかしたら1回ぐらいいい感じの内容で納得させてくれるかもしれないという期待を込めて次を読んでしまうのかもしれない) 決してつまらなかったりはしないんだけど、すごくなんというか腑に落ちないところがある、1巻序盤は特にそういう感じで始まるのだが、金沢に慣れてきたのか1巻後半からはちゃんとレポ出来てきている。編集さんにアドバイスでもされたのかもw そもそもは銅☆萬福センセの線がスキだったのが読み始めたキッカケだった(Twitterとかにあげてるてきとーな漫画がスキ)ので、単行本を探したらこれともう一つしかなかったのでレポ漫画の方を先に手を出してみたのだけど、なんだかんだ3巻まで買ってしまうのであった。

ぷにぷにぷにおちゃん ~赤ちゃん観察日記~

可愛すぎるよ、ぷにおちゃん

ぷにぷにぷにおちゃん ~赤ちゃん観察日記~ にくきゅうぷにお
六文銭
六文銭

自分も子育てしているせいか、 子育て・夫婦系のエッセイをよく読むようになりました。 皆さん苦労していて、共感できるんですよね。 というか、この苦労を共感したいためだけに読んでいる感じ。 だけど、やっぱり、子育ての大変さを呪詛のごとく吐き出して共有するのって、それはそれで精神衛生上よくないなぁと最近思いました。 大変だけど、楽しみたいんですよね。 本来は、子供は可愛いもんで、子供と過ごせる日々はとても尊いことなんだって思いますもの。 そして改めて、本作を読み、そのことを再認識しました。 ぷにお、可愛すぎるよ。 そして、自分の子供に似てて(多くの人がそう思っているようですが、新生児はだいたい同じなのか?)とにかく愛おしいです。 キラキラした瞳も、ぷにぷにのほっぺも、てりてりの唇も、 意味不明な行動も、全部可愛いくて、全部幸せにしてくれる。 どこの家庭も、子育て大変ですけど、 配偶者は理解してくれず、非協力的かもしれませんけど、 そういうエッセイで傷を共感しあうのも良いですが、 本質的には、 子供は可愛い! に立ち戻れる作品だと思います。 ぷにおに思い知らされました。

夫がいても誰かを好きになっていいですか?

衝撃のラスト

夫がいても誰かを好きになっていいですか? ただっち
六文銭
六文銭

某ニュースサイトで連載されており、先が気になりついつい丸ごと読んでしまいました。 内容はタイトルどおりで、専業主婦の主人公が、アルバイトで知り合った同僚に心をひかれていく話。 夫婦(特に夫は)基本無干渉なところがあり、妻が夜遅くなったりしても、その異変に気づかないため、そこまで波風たたないまま展開されます。 そう・・・この波風たたないことに若干の違和感があったのですが、 最後が衝撃的とともに、納得した次第であります。 あまりに衝撃的すぎて、おもわず、「え?これで終わり?」みたいな、何度も見直してしまいました。 (続編あるのかな・・・) 少女漫画のドラマチックな展開とは異なり、 淡々と続く日常で、空いた穴を埋めてくれるやさしさとか、 そしてそれにあらがえない様は、読んでいてとにかくリアルです。 夫婦だって一人の人間!とか、最近よく聞きますが、 〇〇だって一人の人間ってパワーワードっすよね。 このワードの何やっても肯定され、許されちゃう感じは気をつけないとなぁと痛感してます。 人間どこまでも、易きに流れてしまうので、 その反面教師としても、参考になる作品でした。 一人の人間って、 人間なら、安易なほうに流れるのではなく、理性でとどめて、知性をもってしっかりとコミュニケーションとったほうが吉だと思いました。 と、そんなことを考えるくらい、刺激的な作品でした。