エッセイマンガの感想・レビュー1010件<<910111213>>こわかびんのつま あきやまひでき名無しまぁなんというか…この作品に啓蒙された方には不快だろうけど、奥様が行くべきは精神科だとしか思えなかった。 エッセイ漫画だし画力はそこまで求めていないが、内容の気持ち悪さと併せて絵の不快感が凄い。 最初の内は「はー大変だな」と思えるのだが、話が進む毎に過敏なのは化学物質ではなく文明への拒否感、認識によるヒステリーやプラシーボ効果としか思えない強烈さが出てくる。 これを読んで反ワクチンや反化学療法を受け入れる人が尽きないのは、まさに「病気」なのだと理解したが、本人に治すつもりが無い(=治せない)というのがまた厄介この上ない。 内容から何となく感じるのだが、作者も奥さんも無意識に精神病に対する差別意識があるのではないかと感じる、だから精神病ではないと言い張るのだろうが、アレルギー反応としても対象アレルゲン(=奥さんが認識する化学物質)に疑問が尽きない。 正直人体が普段肝臓でどれだけ化学反応起こしてるのか知ったら、この方肝臓を切り取りかねないんじゃないかってくらい、化学という言葉に忌避感を感じる。 この内容を載せた当時の編集部も相当危ない感じがするが、ある意味現代の反ワクチンに感じる宗教臭というか狂信的な物に通じるものがあり、作者が意図したのとは全く別の恐怖を感じた。北方との戦争というもの新装版 凍りの掌 シベリア抑留記 おざわゆきさいろくソビエトによる"シベリア送り"の話。 なんと、おざわゆき先生のお父上の実体験を漫画にしたものだという。 当時シベリア送りにあった日本兵の数はおよそ50万人、労働力として敗戦国・日本にそれを強いた。 その過酷な実態はもちろん他の文献でも知ることが出来るだろうけど、本作で知った個々人の人間性が失われていく様は想像を絶する。 歴史は繰り返すと言うが、こればかりは繰り返されないよう願う。友達を大切にしたくなるマンガ岡崎に捧ぐ 山本さほstarstarstarstarstar_border酒チャビン作品の紹介文に「新しい世代の『ちびまる子ちゃん』だと評する人も」とのことですが、確かに主人公の幼馴染の岡崎さんはぐるぐるメガネでたまちゃんを思わせるし、絵柄などもなんとなく近しい雰囲気も感じさせるのですが、こちらはもう少し現実の厳しさも描かれています。 ちびまる子ちゃんは毒はありながらも、何処か一線は超えないというか、やはり子供向けってのがあるんだと思いますが、こちらは結構切実なエピソードもあるという違いがあるように感じました。 ちびまる子ちゃんが好きな小さいお友達がこの本を手に取ったら多分泣くと思います。 が、私は大人なのですごく楽しめました!!!うまくいくだけではない青春時代のほろ苦さなどもあり、綺麗事一辺倒では全然ないのですが、そんな時、時に支え合い、時に励まし合い、時に衝突してしまう友達! 自分を振り返ってみても、そんなにたくさんはいないよなと思いつつも、何人か心に浮かんだ私の友達。これからもよろしくという思いを込めて、このレビューをそれら我が友に捧げます。2巻から本格的に面白くなる今夜は車内でおやすみなさい。 小田原ドラゴンstarstarstarstarstarひさぴよ小田原ドラゴン先生による車中泊ドキュメント。キャンプ趣味系のマンガではないので注意。行き詰まりを感じた中年のリアルな人生そのものが漫画になっていて、最近のどの漫画よりもロックな作品だなと思う。 歳取った中年男性にとって共感する部分が非常に多く、過去の人生の振り返り方が寂しくもユーモラスである。明るい漫画が好きな人にはちょっと向かないかも。 あと、1巻で面白さを判断しない方がよくて、最初の巻は助走というか、旅の準備段階。2巻から本格的に車中泊が始まって俄然面白くなってくる。何なら2巻から読み始めても良い。 #推しを3行で推す 淡々と読める闘病記断腸亭にちじょう ガンプ名無し前作の連載を休止するツイートはリアルタイムで見ていた。ちょうど単行本も出たばかりでノリに乗っている作家さんだと認識していたので、そのツイートにすごく驚いた記憶がある。その時の心情も作品に描かれていたけどセリフがひとつもなくて、それが本当は叫び出したいのに声が出ないような感覚をリアルに感じられてすごかった。ご自分や病気のことを俯瞰して観察されているので読みやすい。3年前のガン発覚から始まっているが今現在は漫画制作が出来るほど快復されたということだろうか。これからはサンデーうぇぶりの連載も追っていきたい。「ヘッショナル」になる前に七月の骨 𠮷田聡ナベテツ漫画家マンガというジャンルが広く描かれて久しいのですが、その描き方は十人十色であり、人柄やクリエイティブというものが色濃く反映されているところに、ファンは強く惹かれると思います。 湘南爆走族で鮮烈な連載デビューを飾った𠮷田聡先生が描いた本作では、まだ何者でもない青年のもがき苦しむ様がリアルに描かれています。 デビュー作が大ヒットし、様々な漫画家さんに影響を与え、映像化までしたという事実でもって、読者は順風満帆な漫画家生活なのだろうと思い込んでしまいがちなのですが、この作品で描かれているのは、明日の自分への不安を抱え、必死に「ヘッショナル」を目指す等身大の物語でした。 主人公の時田青年が𠮷田先生をどれだけ投影しているのかは、読者には正直分かりません。ただ、そこには「真実」というものもあるのだろうなと、中年の読者は過ぎ去った青春というものに思いを馳せます。 𠮷田先生のファンを公言している藤田和日郎先生が、本作を読んで涙を流したというツイートを以前みかけ、さにあらん、という感想を抱きました。夏の終わりに、過ぎ行く季節を感じる作品なのではないかなあと思います。BOXERの感想 #推しを3行で推すBOXER 岡村篤starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ そういや昔よくこの単行本古本屋で見かけたな。今回初めて読んだが予想以上に良かった。まさに迫真のノンフィクションだった。 ・特に好きなところは? 坂本博之、レパード玉熊、グレート金山と3巻のトレーナーの松本清司 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 正直令和のマンガのように絵が洗練されているとは言いづらいし、読みやすいかというとそうでもない。ただそういう部分を凌駕している気合が感じられる漫画はいつ読んでもいいな 知らない町を歩きたくなる散歩もの 谷口ジロー 久住昌之かしこ散歩に出かけようと思ってするんじゃなくて、たまたま出かけた先の知らない町をそのまま散歩する。ストーリーもほとんどなくてただ淡々と散歩している作品なんだけど、普段は何気なく通り過ぎてるような平凡な町並みもここまで丁寧に描き込まれるとすごく特別なもののように感じますね。夏目房之介先生のマンバ通信の記事を読んだ後だと尚更そう思いました。人の手で描いてることすら信じられないのに、ほとんど修正ナシで描かれているという事実に改めて驚きです。それをなんてことない事のようにやってしまうのが谷口ジローなんだなぁ…。 https://manba.co.jp/manba_magazines/1615480年代、ある日常みえちゃんち 秀良子名作劇場 秀良子ナベテツ作者の秀良子先生の半自伝的な物語である表題作を中心とした短編集。おそらく自分と同世代であろう少女の日々は、その時代の懐かしさとともに、柔らかに少女の魂を描き、中年となった自分は郷愁を憶えます。 短編集として収録作品に幅もあり、作者の巧さ、インテリジェンスも感じさせる、素晴らしい1冊でした。また、みえちゃんの日々を覗いてみたい。続刊が出ることを、気長に待っています。素敵なマダムと若い娘さん♫マダムが教えてくれたこと ユニカぺそ実際に街で、思わずため息が出てしまうほど素敵なマダムを見かけることってありますよね。この物語は平凡な女子大生がバ先でエレガントな老婦人と出会い影響を受け、姿勢やファッションといったほんの些細なモノゴトが少しずつ良い方向に変わっていくお話です。 マダムが本当に魅力的で素敵…! ファッションや振る舞いが上品でお洒落で、凛としてて愛らしい✨主人公ちゃんがぽわ〜んと憧れてしまうのもわかります。 「憧れの人みたいになりたくて少しでも近づきたい」というキラキラした気持ちに満ちた優しいお話でおすすめです! https://twitter.com/ca_2_u/status/1280169913999486976?s=20&t=XpSmL8rZU1k3WI_7c-_G9w おちつく、ゆったり。凪のお暇 コナリミサトるなもネットでためし読みして面白かったので買ってみました。他人に合わせてばかりの女性が、自分の道を行きていくお話です。「せっかくのお暇なんだしさ」と言われるシーンが印象に残りました。こんなことあるのかと驚きしかないある日突然9キロ痩せた。診断名:統合失調症 千里唱子六文銭表紙の衝撃から思わず手に取った本作。 統合失調症という名前は知っていたが、単純にやる気が起きないとか幻聴・幻覚とかだけかと思ったら、体重まで激減することにまず驚いた。 しかも著者曰く、食べても食べても痩せるという状況。 吐いているとかではなく、本当に食べているのに徐々に減っていく。 言い方悪いが、ちょっとしたホラー。 しかも、医者とのやり取りも、生々しくて 著者「眠れないんです」 ↓ 医者「じゃ睡眠薬だしますね」 著者「関節がイタイんです」 ↓ 医者「痛み止めだしますね」 といった流れで、アレよアレよで、1回21錠飲むはめに。 え、何この対応、と思うかもですが、実際医者なんてそんなもので著者の扱われ方に同情しかなかったです。 また、医者って原因を「ストレス」にしがちだと思うんです。 何かあるとストレス、ストレスをなくすように、とか。 著者が言うストレス減らすために「じゃあ100億くれよ」って発言は、ホントに共感しかなかったです。 ストレスがないところで悠々自適に暮らしますわって。 それができないから困っているのに、ストレスのせいってどうにもならないですよね。 といった感じで、統合失調症を軸に著者の病気との付き合い方は読んでいて思うところがたくさんありました。 最後は 無事に治った! とかではなくあっさり終わってしまったので、著者さん大丈夫なのか心配にはなります。元気であってほしいです。末期がんBL漫画家、ひるなまさんのガチ闘病末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる ひるなまさいろく自分は幸いにもまだガンではない。と思う。 それでも本著を読んで色々心配になったし、励まされた気持ちにもなったし、終活が流行ってきている昨今ではこれは教本としても良いなと思った。 すごくライトにサラッと描いてくれてるけど、今もご健在だと良いなぁ。 自分の死を真剣に考えたこともなかった私からは何もかも新しく見えたし、参考になった。 頼むから長生きしてほしい。 ここからは余談ですが、先日うちの愛犬(12才・♀)もガン告知を受け、どうするべきか考えているところです。 人と犬は全然違うんだけど、うちの子の場合は元々心臓病があり、歳なのもあって麻酔がかけられないんで手術がそもそも出来ない状況。 在るのがわかってても切れないので、今後それが育ってしまうスピードもわからないし、育ったらいつヤバい状態になって急に逝ってしまってもおかしくはない。 告知を受けた後は正直どうしたらいいかとか、まだ実感もできていないけど、愛犬が幸せに過ごせるように頑張るしかないなと思っています。 めっちゃ話飛んだけど、色々思うところがいっぱいあった本著で、自分もいつそうなるかわからない、愛犬は最後まで私に色々と教えてくれているなぁと思ったのでした。 余談でした。 「インド夫婦茶碗」の新シリーズインド夫婦茶碗 おかわり! 流水りんこstarstarstarstarstar_borderかしこ1巻は一年半の休筆期間の話から始まります。休筆直前はとても大変だったんですね…。休筆中のイギリス一人旅はまさに魂の洗濯。青春時代の憧れのロックスターに街中で遭遇したり、ライブチケットが最前列のものだったり、帰国してからも色々あったけどりんこ先生に起きたラッキーは自分のことのように嬉しかったです。 2巻からはインドのバラナシに終の住処を買う話だったり、まだまだネタは盛り沢山なようなので「おかわり!」も長く続くシリーズになるといいな。ばーばがお元気なのも何より。またまたインドへ馬鹿がやって来たの感想 #推しを3行で推すインドへ馬鹿がやって来た 山松ゆうきちstarstarstarstarstarマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 電子書籍だと「インドへ馬鹿がやって来た」と「またまたインドへ馬鹿がやって来た」がセットで4巻になっているんだな。久しぶりに読んだがやはり山松ゆうきちの漫画は学ぶべきところが多い。 ・特に好きなところは? 「サイキールリクシャー ワーレーキドカーン」は何回読んでいい ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! ショッキングな表現が多いと思いますが「サイキールリクシャー ワーレーキドカーン」はすごい良いものを読んだという気分になれると思うのでおすすめです 実は読んだことがなかった超人気エッセイインド夫婦茶碗 流水りんこstarstarstarstarstarかしこ作者の流水りんこ先生が年に一度インドを放浪するのがハードな漫画家業の息抜きだったらしく、その時によく泊まっていた宿で働いてたのが後に旦那さんになるサッシーさん。10年程ずっと友達関係だったけど急にサッシーさんから国際電話で猛プロポーズをされて結婚し、りんこ先生の地元・練馬で暮らすことになったそう。 国際結婚ルポ漫画なんだけどサッシーさんの日本への順応力がすさまじく、後半は逆にインドに行くと体調を崩すくらい日本人らしくなっている(笑)。お子さん2人もずっと日本暮らしなので、もしかしたら出産漫画&育児漫画としての側面の方が強いかも?りんこ先生が仕事と両立させながら学校行事に奮闘する姿が輝いてました。 サッシーさんのお母さんが亡くなった時にりんこ先生とお子さん達はインドに駆けつけることが出来なかったのですが、家族全員で本当のお別れをしようと言ってガンジス川に遺灰を撒きに行くエピソードには泣けました。 女子高生と"火星人"のポストアポカリプス・ロードムービー #1巻応援終わるセカイの修学旅行 なおたけ studio HEADLINEsogor25この作品は女子高生のさつきと“火星人”の少女・メイの2人組が荒廃した日本を巡っていくという物語です。 1巻で2人が巡るのは歌舞伎町や渋谷の109、池袋の水族館など東京の中心となる場所ばかりですが、その場所も人が全くおらず、完全に廃墟と化しています。 それでも2人はかつてその場所がにぎわっていた様子に思いを巡らせ、全力で“観光”を楽しんでいます。 また、2人の髪や瞳、風景などの注目するポイントはカラーで描かれていて、その色使いからも明るい印象を受ける作品です。 日本が荒廃してしまった理由や“火星人”であるメイの秘密など謎はたくさんある作品ですが、2人のほのぼのとした旅路に未来への希望が感じられる。素敵な世界観の作品です。 1巻まで読了ほぼ女性の世界、学ぶことあり。女どうしだもの 森下えみこPom ほぼ女性の職場と寮の行き来の日々を送るえみこ(主人公) 彼女メンタルの切り替え方、ものの捉え方が素晴らしい。 そして、この漫画はドロドロしてそうな時も、ふふっと笑えたりするので、気楽に読めるかな。 えみこ、ゆるゆると波に乗れる人だなぁ〜 この女性の世界、一度読むとハマるかも。。『ちいかわ』著者・ナガノさんの食べ歩きエッセイMOGUMOGU食べ歩きくま ナガノさいろく先日ちいかわを4巻まで一気に駆け抜けて読み、ナガノさんの描くマンガの読みやすさに安堵感を求めてついついこっちも3巻まで購入して一気に読んだ。 お一人様で食べに行く、という行動力がすべてかもしれない。 お台場のカレーの回、どこだろうと思ってたらフードコート(!)だったが、そのフードコートにしか現存店舗がない元超人気の名店だという。 そんな情報も載っていたりする。 博多明太子も「やまや」と「かねふく」しかないと思ってたらちゃんと味見した結果「平塚明太子」を選んでいたナガノさん。 そんなことされたらめっちゃ気になるじゃないか・・・ そんな感じのエッセイ本。ある意味バイブル的な作品。 おざわゆき先生のお父さんの実体験新装版 凍りの掌 シベリア抑留記 おざわゆきstarstarstarstar_borderstar_borderかしこ当時19歳だったお父さんは東京で大学生をしていて、上野で落語を聞いて下宿先に帰るとお父さんが召集令状を持って迎えに来ていた…というところから話は始まります。しかし一度も実弾を撃つ事なく満州で終戦を迎え、そのままソ連の捕虜にされてしまいます。まだ収容所に向かう途中での畑のじゃがいもを掘り起こして泥がついた生の状態のものを食べるシーンからすでにその過酷さが伺えます。ようやく日本に帰国できた時に見えた緑の山々が美しかったという思い出は、ちばてつや先生もご自身の体験として漫画に描かれていたと思う。実際にあった恐ろしい出来事の話だけど直視できないような描き方はされていないので読もうか迷ってる人はぜひ。元々はコミティアで発表された作品だとは知りませんでした。どんな状態でも父親になるという覚悟打ち切り漫画家(28歳)、パパになる。 富士屋カツヒト六文銭『しょせん他人事ですから』が控えめにいっても最高だったので、同じ作家さん縛りをしたら、『19番目のカルテ 徳重晃の問診』もこの方だと知って驚く。 両方とも、現在進行系で、今私が好きな作品。 さぞ売れっ子作家さんなのだろうなぁと思ったら、なんとこんな作品があった。 え、打ち切りマンガ家だったんだと。 タイトルの「パパになる」という部分も、気になり読んでみましたが、同じ父親として、ものすごく勇気をもらえました。 特に上記作品にある、作者の現在の活躍をみると、男は家族を背負い父親になると強くなるのか、とうなります。 さて内容ですが、主人公(=著者)は漫画家として鳴かず飛ばずななか、子供ができてしまう。 生活のために、いったん漫画家を諦め大工になるも、全く使い物にならず罵られる日々。 漫画家としての道も、数少ないチャンスはあるが一向にモノにできない。 そんな生活を詳らかに描いた実録エッセイ作品。 上述しましたが、現在の漫画家としての活躍を知らなければ胸が苦しくなる展開ばかりなのですが、知っている私は、逆にここから復活できたことに本当に勇気づけられます。 人間、何があっても、何度でも這い上がれるんだと自信を与えてくれます。 実録エッセイなだけにリアリティはさることながら、 最終話のお子さんへの思いは純粋に涙しました。 そうそう、そうなんだよ。って私は、なりました。 子をもつ父親の人は共感できる&勇気づけられる内容だと思います。真面目なマジレス書店員本屋の今泉くん。【合冊版】 佐久間薫野愛すべての人間が今泉くんのようなスタンスで働けばより良い世の中になりそう。 理不尽だったり厄介な客には思いっきりマジレスするけど、プロ意識が高くてホスピタリティに溢れている。でも遊び心も忘れない。 今泉くんみたいに生きたい。 本の上に荷物置く客の働くアパレル店に行って服の上に荷物置いちゃうくらいだから性格はよくないけれど、今泉くんのしつこさは本への愛から来るものなので好き。キモいけど好き。 いい仕事するには愛がなくちゃダメですね。 あれから10年、その後を生きた人々の喪失と再生の物語星の輝き、月の影 じんのあい名無し東日本大震災の被災者が主人公なんだろうとなんとなく読み始めて、勝手に「震災後」から始まってると思いこんでしまったんですけど、ふと「あ、これ震災前だ」と気づいてからちょっと読む手が止まりそうになってしまいましたね。。 東京で教師になる夢を諦め、父の死をきっかけに田舎へ帰り役場に勤めている主人公。いまいちこの先もここで生きていく覚悟がないなか、同級生たちの村おこし活動に感化され、やり甲斐を見出し、やっと地元で生きることを決意したところで震災に見舞われます。 津波の被害、放射能汚染、自主避難により離れていく仲間、そして津波被害地域へ行ったまま連絡がつかない恋人。この先どうなるかがある程度は予想できるだけに読むのが正直つらいですけど、あれから10年というタイミングで改めて描かれることの意味があると思いたいですね。超充実!オタ女二人暮らしオタシェア!~エロゲ女子×腐女子×ルームシェア~ 小針タキあうしぃ@カワイイマンガ女オタク二人のルームシェアを描いた本作。実録エッセイなのですが、こんなにも作り話みたいに、ピッタリな2人が出会う運命ってあり?と驚いてしまいます。 作者はショタコン。同居人はエロゲ好きのロリコン。畑違いの二人ですが、オタク特有の文化、実は多い共通点、そして好奇心の広さで結びつく。生活面での苦労は笑い話にして、それよりも一緒にオタ活する楽しさが勝ってしまう二人。こんな出会い、羨ましい! 生きる力が弱めな作者は、しっかりした同居人に助けられる反面……という関係性も奇跡的。そんな中で唐突に語られる、結婚制度への考え方など、鋭くて唸らされます。 意外な方向へ進んでゆく二人の興味関心。一方で薄れつつあった同居人のエロゲ設定は、とんでもない形で第4巻を彩り、笑わせてくれます。最初から最後まで、笑いも尊さもオタクネタも知識欲も、充実。とても楽しかったです!<<910111213>>
まぁなんというか…この作品に啓蒙された方には不快だろうけど、奥様が行くべきは精神科だとしか思えなかった。 エッセイ漫画だし画力はそこまで求めていないが、内容の気持ち悪さと併せて絵の不快感が凄い。 最初の内は「はー大変だな」と思えるのだが、話が進む毎に過敏なのは化学物質ではなく文明への拒否感、認識によるヒステリーやプラシーボ効果としか思えない強烈さが出てくる。 これを読んで反ワクチンや反化学療法を受け入れる人が尽きないのは、まさに「病気」なのだと理解したが、本人に治すつもりが無い(=治せない)というのがまた厄介この上ない。 内容から何となく感じるのだが、作者も奥さんも無意識に精神病に対する差別意識があるのではないかと感じる、だから精神病ではないと言い張るのだろうが、アレルギー反応としても対象アレルゲン(=奥さんが認識する化学物質)に疑問が尽きない。 正直人体が普段肝臓でどれだけ化学反応起こしてるのか知ったら、この方肝臓を切り取りかねないんじゃないかってくらい、化学という言葉に忌避感を感じる。 この内容を載せた当時の編集部も相当危ない感じがするが、ある意味現代の反ワクチンに感じる宗教臭というか狂信的な物に通じるものがあり、作者が意図したのとは全く別の恐怖を感じた。