奇子
復員後、GHQの秘密工作員として働く天外仁郎。久しぶりに帰る天外家は、人間関係が汚れきっていた。呪われた出生を背負い、運命にもてあそばれる奇子。地方旧家、天外家の人々を核に、戦後史の裏面を描く問題作!
【過去を忘れた噂のマドモアゼルとは?】母は死に父はアル中の姉弟、マリーナとジムは家を出てフランスを目指すが、車中から投げ出され離ればなれに…。老紳士に救われたマリーナだけど、なんと全ての記憶をなくしていた! 過酷な運命の中を明るく生きる少女の感動物語。 【同時収録】ヘイ! メリアン/スラックスお嬢さん
さらばジャニス
【自由な校風の学校で新たな生き方を見つけたジャニス!】旅行家のファロー氏は息子のジャニスが女っぽいことに不満でスパルタ教育を施す。しかし亡き母が書き残した「自由に生きてほしい」という手紙を読んだジャニスは家を出ることを決意するが…。女の子の心を持つ美少年の異色ラブロマンス。 【同時収録】あいつの夏
海のトリトン
ある夜、赤ん坊をひろったことから、和也一家は不思議な事件にまきこまれていく……。成長するにつれて、超人的な能力を発揮するトリトンとは何者?そして、ポセイドン一族とは?傑作ファンタジー巨編、第1弾!
オモライくん
オモライくんとおこもちゃん、そしてコジじいの三人が笑顔と病気をふりまきながら、今日も元気にゴミ拾い!人間の暗部を痛烈なブラックユーモアで描く、傑作ギャグマンガ。
ダスト8
旅客機の墜落事故から奇跡的に生き延びた8人の乗客。彼らは生命の山の「生命の石」のエネルギーによって救われたのだった。生命の山を守る妖精キキモラは、人間が触れてはならないその石を取り戻し、8人の命を奪うべく旅に出る! 生と死をめぐる異色のオムニバス! ほかに『バカ一』を併録。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>『ダスト8』(手塚治虫漫画全集MT91~92『ダスト8』第1~2巻収録)/『バカ一』(手塚治虫漫画全集MT92『ダスト8』第2巻収録) <初出掲載>『ダスト8(原題『ダスト18』)』1972年1月9日号~5月14日号 週刊少年サンデー連載/『バカ一』1971年8月15日号~8月22日号 週刊少年サンデー連載
はだしの巨人
内戦が激しいアフリカで大商人になろうと奮闘する少年・旗九郎(はた・くろう)の活躍を描いた冒険アクション活劇。商人となって大金を稼ぐ野望を抱き、小さなヨットでアフリカへやってきた少年・旗九郎と、彼の男気に惚れ込んでついてきた畑権太(はたけ・ごんた)。その後、知り合いの商社マン・村田(むらた)の事務所を訪ねた九郎達は、バラバラにされた死体を発見して……!?
バッグ片手にブラブラと、風祭九郎(かざまつりくろう)通称・馬九郎(ばくろう)は、今日も飄々と町をゆく。と、美女どころか野郎どもまで寄ってくる。どうやら、大財閥の御曹司・馬九郎のバッグの中身が狙いのようで……!?清濁併せ呑む主人公・馬九郎を中心に描き出される、様々な人間の欲望。作者自身が「私にとって、珍しい“風俗マンガ”として思い出深い」と語る、70年代、金と女にまつわる話。全10編収録の第1巻。
サンダーマスク
人気漫画家、手塚治虫の周囲で次々と起こる怪事件!!そのカギを握る命光一とは、はたして何者なのか!?宇宙の歴史をしるした“バイブル”の謎をめぐって、サンダーマスクが大活躍するSFヒーロー漫画の決定版!
真っ赤なギターを背負ったその男は、機械だった…!?ロボット工学の権威・光明寺博士が、亡き息子を偲んで開発した人造人間「ジロー」。彼には特別な「良心回路(ジェミニィ)」が備わっていた!が、研究支援者でもあった大富豪ギル教授の企みにより研究所は爆発、博士は行方不明となる。回路が未完成なまま消えた「ジロー」を探せとの父のメッセージに、娘のミツコは…?自らの存在意義に苦悩する石ノ森ヒーロー、登場!
3年振りに故郷の千日に帰ってきた竜が見たものは、街に渦巻くヤクザ、代議士などの顔役たちの争いであった。そして、思いもよらない幼なじみの裏切りに竜の怒りは頂点に。正義と友情をこの街に再び取り戻すために、漢(オトコ)・竜は、青春勇侠道を駆け抜ける!
あんまりなタイトル。ある意味「バカボン」よりヒドイ。今では主人公の名前を書くことすらはばかれますが、こんな自由人をギャグにすることが出来た時代が過去にはあったのです。彼らはいやがられこそすれ、差別はされることなく堂々と明るく生きてます。小学校にも通ってますし。ただしやることは究極的にハチャメチャ。答案はツバにまみれ、給食係になればカレーの中にゴミ服のまま落っこちる。お金がなくて買えない笛は自分のアカをこねて作るし、遠足に行けば貯水池の水を腐らせる……。先生数名がお亡くなりになるのもわかるというもの。私、小学校のころ花見の回を読んだことを覚えていますが、タマゴやきを作るシーンがあって……しばらくトラウマになりしました。そんな異端中の異端漫画ですが、最後まで我慢?して読めば、文字通り全身にこびりついた汚物をきれいさっぱり落としてくれるラストが待っています。主人公たちが更生するような予定調和ではなく、作品の本質を変えずにこのエピソードでシメるなんて。やはり永井豪って包容力が半端じゃあないです。