朝日新聞出版マンガの感想・レビュー34件辻村深月のベストセラー恋愛ミステリー小説がコミカライズ!傲慢と善良 辻村深月 鶴谷香央理名無し『メタモルフォーゼの縁側』の鶴谷香央理さんが辻村深月さんの小説『傲慢と善良』をコミカライズした本作。 小説は久しく読んでいない自分でも知ってる有名小説家の辻村深月さん。 コミカライズ&アニメーション映画化された『かがみの孤城』は、恥ずかしながら原作は未読ですが漫画も映画もとても素晴らしかったです。 それにしても豪華なタッグ! https://webtripper.jp/m/mdf185579bb2a 39歳独身で若くして社長になった架(かける)と、マッチングアプリで出会い婚約した真実(まみ)。ときおり真実の周囲に不穏な影はあっても二人は順調そうに見えたが、ある日、真実は行方不明になってしまう。果たしてそれは事件性のあるものなのか、失踪なのか。架は真実を探し回るが…。 ジャンル的には「恋愛ミステリー」とのことでどうなっていくのか楽しみです。 現時点で公開されている3話まで読んだんですが、本題に入る(真実が失踪する)前までに微妙に引っかかるポイントが上手に散りばめられていてこれがどう効いてくるのか気になりますね。 とにかく自信が無さそうで大人しい真実と、正反対に社交的で明るく仕事もバリバリできそうな雰囲気の架。 架の友人関係も、嫌というほどではないけど微妙に派手というか、思ったことはっきり言う口の悪さというか、カースト高そうで苦手な人は苦手そうな界隈を描くのが上手いです。 架が二十代?のときの元カノのアユを引きずって意識している様子から、アユの代替品として真実を扱ってたんじゃないか?とかいろいろ考えちゃいます。 真実が行方不明なのにあまり心配してるふうじゃない真実の親とか、むしろ世間体を気にしてそうな部分に嫌な感じがします。 何か知ってそうな真実の英会話スクールの元同僚も気になるし…。 失踪したことで真実自身の人間性も果たして大人しく引っ込み思案だったのか、何か隠していたこともありそうだし、架に近づいた理由があるのかもしれないし、謎は深まるばかり…といってもまだ序盤なのでネタバレを踏まないように気を付けながら謎を楽しみたいところ。 小説公式サイトはこちら https://publications.asahi.com/feature/gouman/ 調べてたら今年9月末から映画化も決まってたのを知りました https://www.youtube.com/watch?v=OusWAswTcnI いろいろ合わせたタイミングで仕掛けた連載開始だったんですね。 ここまで人気ということを知ると原作で読みたくなってしまう自分もいるのですが、鶴谷香央理さんも好きなのでとりあえず漫画で追ってみることにします。偶発的ルネッサンス少女偶発的ルネッサンス少女 さわぐちけいすけstarstar_borderstar_borderstar_borderstar_border寸々クラスの女子が(時に周囲を巻き込み)とる一瞬のポーズが絵画に見える、というネタ一本。一応美術部の話ではあるが、観る専を題材にしている。直売所を目的地にしてみる直売所、行ってきます 松本英子starstarstarstar_borderstar_borderかしこ直売所って旅先で寄るものだと思ってましたが、これを読んで直売所を目的地にするのもアリなんだなと目から鱗でした。定番の野菜や海産物はもちろんアーモンド専門店などの変わり種もあり面白かったです。コロナ禍で直売所に行けない回もありましたがそれでも何とかなるのが松本英子先生だなと思いました。幻怪地帯 Season 2の感想 #推しを3行で推す幻怪地帯 Season 2 伊藤潤二starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ やはり伊藤潤二の「ギョ」も含む描く構造がよくわからない勢いのある機械はいいね ・特に好きなところは? 怪奇ひきずり兄弟は素晴らしい。伊藤潤二のギャグっぽいホラーは最高だ。俺の大好きな双一シリーズのように色々出て欲しい ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 全てを読んだ後にあとがきを読むとよりマンガへの理解が深まるので是非あとがきも読んで欲しい チェト、何者。落ちぶれゼウスと奴隷の子 尾羊英starstarstarstarstar_borderゆゆゆ封印されて弱くなってしまった最強の神様ゼウスと、神に物怖じしない奴隷の少年チェト。 封印を解く旅がストーリーの根幹。 シンプルな話なのに、時代背景が合わさって、非常に興味深い。 軽く読み始めたのに、気がついたら2巻と最新3巻までまとめて購入していた。 本作は、わかりやすくギリシャの歴史や神話を学べてとても楽しい。 作者の尾羊英先生はギリシャ好きらしい。 そりゃおもしろいはずだ。 好きな内容をもとに描かれた漫画は、商業でも同人でもすこぶるおもしろいものだ。 しかし、細々とした知識の数々といい、この漫画の面白さは、まるで藤村シシン先生の本を読んでいるかのような…と思っていたら、監修がシシン先生だった。 (シシン先生はオリンピックでギリシャ語を生放送、同時通訳をされた先生です) シンプルで興味深いストーリー、美麗なイラスト、わかりやすく噛み砕かれ内容、そして内容のフォローアップ。 この漫画が、おもしろくないわけない! おすすめですよ。とある先生お気に入りの工務店による"ゾゾゾ"な体験談ある設計士の忌録 鯛夢starstarstarstar_borderstar_borderさいろくYoutubeで"ゾゾゾ"という心霊スポット探検を行っているチャンネルがあり、私はすごく好きで全部観てるんだけど、いわゆるオカルトや心霊現象などが起こるといわれる曰く付きなものというのはたいていは建物やトンネルなどの人工物になる。 神降ろしと言われる儀式。 それは科学では解き明かせないような、人智を超えた謎の力で、新興宗教などでも「なんで?」という謎の造りをした建物があるのはそういったパワーであったり気であったりを汲むための構造になっていることがあると言う。 そういう「聞いたことあるな」という要素が散りばめられた建物を作るにはやはり人の手が必要である。 本作はそういった依頼をしょっちゅう受けることになってしまった工務店からの話をベースに描かれているそうです。 読みながらも色々「きっとこういう感じ」というのが想像出来てなかなか面白く、他人事としてのゾワッとする体験が読めるので、個人的にはこういったオカルト系には珍しいタイプの漫画としても評価したい。「あことバンビ」感想あことバンビ HEROニーナ4巻まで読了。面白い設定だなと思い、手を出したらまんまとハマった(笑) 物語や絵柄は淡白な雰囲気なんだけど、登場人物それぞれの想いや葛藤が丁寧に描かれているので、ちゃんと胸に刺さるものがある。最終的に彼らがどんな道を選ぶのか、最後まで物語を見守りたいと思う。 神話好きにはたまらない落ちぶれゼウスと奴隷の子 尾羊英starstarstarstarstarママ子登場する神々が美しい〜!!ゼウスにハーデスにエルメス、アテネ・・・いっぱい出てくる、ありがたやー。 お話は真っ直ぐで純粋なチェトが心からの友ルガルを蘇らせたいという願いのため、自分に宿るゼウス様と共に奮闘する。 面白さの一つに歴史との整合性があり、漫画だというのに参考文献のページをわざわざ設けている。歴史的背景を求めているのがその理由の一つかも知れない。 ギリシャ神話好きにはたまらないお話ですね高齢の親との再同居ってこんな感じか〜初老の娘と老母と老猫 再同居物語 松本英子starstarstarstarstarかしこエッセイ漫画「荒呼吸」が好きで度々読み返しています。そこにも実家にいるお母さんを訪ねる回が多々ありましたが、お互いに自立していてほどよい距離感で仲良くていいな〜と思っていたので、再同居はちょっと衝撃でした。 高齢の親を1人にさせられないってほとんどの人が抱えるだろう悩みですよね。私もその時が来たらそういう決断をするんだろうか…と自分と重ねながら読みました。 でも、もしそうなったとしても「松本英子さんちでも洗濯機のゴミ取りで大喧嘩してるんだもん。うちだってそうなるのは仕方ないよな〜」と明るく捉えられそうな気がしました。行く道にあるもの #1巻応援初老の娘と老母と老猫 再同居物語 松本英子兎来栄寿初老を星雲に喩える詩的な1ページ目から始まる本作は、50代半ばになり実家に帰って母とふたりで同居するようになった生活(with猫)を描くエッセイマンガ。 母娘ともに頑固で、よりにもよって結婚式のときに決定的な決裂があり、両者の親同士の面会の機会も作らなかったという筆者。そんなことがありながらも、歳を重ねたことによってお互いにパワーがなくなり、母の体調が悪くなってきたことも切っ掛けとなって一緒に暮らすようになったという流れに人生を想います。 まず、筆者個人の体験として更年期の多様な辛さ(大事な打ち合わせ中にすら眠ってしまう異常な眠気、若いときには普通にできたことが全然できなくなってしまったりするやるせなさ、些細なことであり得ないほどイライラしてしまう様など)が克明に描かれます。今日某SNSで「絶好調を100とするなら40…いや35ってとこか」というモラウを挙げて「40歳超えてから毎日これ」という呟きがバズっていましたが、筆者いわく「ピチピチなんだよ40なんて あとになってわかるよ」とのこと。 こればかりはなってみないと解らないことですが、30代ですら20代のころと比べると大分老化を感じている現在、それでも後から考えれば今なんてまだ全然若くて健康な内に入っていくのだろうなということは想像に難くありません。なればこそ、この体が元気に動く内に、為せることや為したいことは為しておきたいなと思います。 また、自分たちの体だけでなく家もところどころ老朽化してガタがやってくる様子が描かれます。大規模なリフォームをするほどのお金もなく、また愛着もあり、ガムテープで補修して騙し騙し暮らしていく姿には切なさと親しみを覚えます。 お互いに大人しくなったとはいえ、また血の繋がった家族であるとはいえ、たとえばトイレットペーパーはシングル派かダブル派かなどの違う部分がありときに諍いも起きます。しかし、それでもかつて子供のころにあったような母親との幸せな時間を少しずつ取り戻していく諸々のシーンは静かに胸を打ちます。 親との関係性も含め、これからの日本では独居世帯に加えてこうした老老世帯もますます増えていくのでしょう。そうしたときの道標となりうる、先達のありがたい教えが込められた作品です。 令和になったあたしンちあたしンち SUPER けらえいこstarstarstarstarstarかしこ2021年個人的に一番嬉しかったのは久しぶりにあたしンちの新作単行本が発売されたことです。あたしンちは子供の頃から読んでいて大学卒業くらいの時に休載したんですが、自分のお金で単行本を買うようになってからは、年一回の発売日がちょうど誕生日に近かったので自分へのプレゼントとして買っていたんです。なので休載が本当に悲しくて、空白の6年が体感として10年に感じるくらい長かったです。それからのAERAでの連載復活のニュース、そして今年になっての単行本化はとっっっても嬉しかったです。しかもその発売日がちょうど私の30歳の誕生日だったので、まるでタチバナ家のみなさんに祝福されているかのような気持ちになりました。 待っている間はあんなに長かったのに、新刊を読んだら「お久しぶり感」がゼロでした。あたしンちの世界もコロナ禍になっていて、お母さんはAmazonで買い物してるし、お父さんはUber eatsを使おうとしてるし、しっかり現代にアップデートされてるのに、いつもと同じタチバナ家の日常にするっと入り込める。こんなに自然な続編を私は他に知りません!でもこれはいつも「当たり前の日常」を汲み取って形にしてきたけらえいこ先生だからこそ成せる技だと思います。これからはいつもの面白さにプラスしてあたしンちの絶妙な進化も楽しめるなんて最高です!!コロナ渦になった別世界線のあたしンちあたしンち SUPER けらえいこ名無しあたしンちとは別物 楽しめない漫画だった人生いくらでもいくつになってもやり直せるんだな。#離婚して車中泊になりました 井上いちろうstarstarstarstarstar_borderPom 離婚して車中泊になった著者の漫画。 あぁ日にち薬って大事なんだなと、つくづく思う。 車中泊するに当たっての知識も増えて、海の目の前で漫画描いたり、温泉入ったり、サウナしたり。まぁ心中色々あるだろうが自分のペースでのんびりゆったり心も身体も浄化されていく、前に進んで行く感じがしてすごく良いなと思った。 著者には何年かけてでも己の幸せのために進んでいって欲しいなと思いました。 霊山に登っていたら急に結婚できた女性のお話登拝女子と山伏さん 人生変わった御利益登山 たなべみか兎来栄寿以前にも『登拝開運祈願 山伏ガール』をたなべみかさんによる、山伏エッセイコミック第二弾です。前作と併せて読むとより楽しめますが、こちらだけを単体で読んでも十分楽しめます。 前作から引き続き、私の故郷である吉野山に連なる大峰山、また『咲-Saki-』読者にはお馴染みの石鎚山なども登場するため個人的には読んでいる際の解像度が高くて人一倍楽しめている作品です。何を隠そう、先日も前作に登場した金峯山寺で朝の勤行を行い法螺貝を吹いてきたばかり。流石に本気の修行は心身的にもスケジュール的にも厳しいですが、修験道には慣れ親しんでいます。 多くの人は、山岳信仰や修験道というと何だか「難しそう」「堅苦しそう」といったイメージもあるかもしれません。しかし、本作は内容としては非常にラフで俗世の煩悩にも塗れているので(「妻がお遍路に行くから家でゲーム三昧できる!」とか、お酒飲みたいなど笑)、コミカルな描写に笑いながら楽しく読みつつ学べる内容となっています。 親から一生結婚できない娘と思われあらかじめ墓まで建てられていた筆者が、まさかの交際0日で山伏と結婚することになった顛末なども描かれており「自分の人生では起こり得ないであろうことを疑似体験できるエッセイマンガ」「未知の世界の知識を得られるマンガ」として非常に面白いです。 また、さまざまな山に登り寺社を巡っていくのですが、その風景の一枚絵が非常に緻密で美しいのも特徴です。実際に自分も行ってみて同じ景色を見たくなるほどの魅力があります。参考として、冒頭に登場する鳥取県三徳山の三佛寺奥院、通称「投入堂」の画像を引用します。 67歳にして、3000m級の山で数十kgの荷物や人間までを背負って運びながら登拝のサポートをしてくれる「強力(ごうりき)」の人の仕事ぶりなどは凄まじいです。 なお、本作では筆者がストレスが元でなってしまった「片側顔面痙攣」と向き合い手術へ立ち向かっていく姿も描かれていくのですが、その続きは筆者のブログで読むことができます。 令和となった現代日本にも連綿と伝わり息衝き続ける世界を、この本を通して知ってみませんか。テレビを作る人たちが体験した出来事を漫画化映像ディレクター越智は見た 柏葉比呂樹 越智龍太starstarstarstar_borderstar_borderゆゆゆ映像ディレクターさん一行が海外で体験した不思議 or 恐怖体験と、その地域にまつわる哀しい歴史やミステリースポットのお話です。 その地域にまつわるお話については、漫画で描写しきれなかった分が裏話風に各話の最後に、テキストでまとめられています。 漫画に登場するキャラクターは、ほんこわ(本当にあった怖い話)漫画あるある、実在人物が美化されているのだろうイラストです。オタク風の太ったおっちゃん設定の人を含めて、みんな美形です。 怖くてグロいシーンもありうる「怖い話」なので、そこくらいは美しくなければ、読み続けるとしんどくなるのかもしれません。 ちょっと苦手だったので私の評価は低めですが、Kindleでは高評価ですので一般的にはおもしろい怖い話体験漫画なのだと思います。少女たちの少し不思議な日常と、世界の謎 #1巻応援 #完結応援迷宮日和 吉富昭仁兎来栄寿14歳の日向、13歳の愛梨、12歳の果歩、11歳の真理。4人の少女たちと、愛梨が想いを寄せる少年・翔が中心となって繰り広げられる、地下世界の群像劇です。 物語世界に関しては最初に何か説明があるわけではなく、読み進めて行くたびに情報が小出しにされていき少しずつ全容が見えていくという構成です。 例えば、1話で解るのは ・地下の九龍城のような場所で人々が生活を営んでいること ・電気は通っていること ・立入禁止区域があること ・翔は地図を作っていること ・黒いスーツの男がやってくると家族全員どこかに連れ去られること ・カンガルーが出没すること ・建造物を生成する″野良重機″が存在すること といった感じで、最初は掴みどころがないように感じるかもしれません。 しかし、その後も ・誰も空を見たことがない ・誰も超えたことがない″東のカベ″という壁が存在する ・毎年6月の毎週月曜日〜水曜日16:10から1時間、真水の雨が降る と段々色々なことが解っていくのは、ミステリー的な面白さがあります。 また、メインのキャラクターたちによるこの世界における日常描写、とりわけ愛梨と翔のラブがコメるさまなどはそれだけで楽しいのですが、オブラートのように世界の謎を包み隠している印象もあります。この辺りは同じく吉富昭仁さん作の『地球の放課後』を感じさせますね。 玄関の靴の4者4様の揃え方で性格を暗示しているのも好きなシーンです。 読んでいるときは、早くもっとこの世界の謎の核心に近づきたいと思うのですが作中で 「世の中知らないほうが面白いことだってあるんだよ!!」 「もともと人生は″迷宮″なんだしさ」 というセリフが登場する辺り、メタ的です。 少し不思議な世界観の作品が好きな方は1巻完結で読みやすいので、試し読みから入ってみてはいかがでしょう。 人が魔女を魔女たらしめる魔女をまもる。 槇えびしstarstarstarstarstarゆゆゆ「魔女」と烙印を押されたら、拷問で死ぬか、処刑されて死ぬかのほぼ二択だった時代における、史実をもとにした西洋ファンタジー。 魔女裁判の最盛期前後、そして精神医学が発達しはじめた時代。 魔女とされてしまった人たちは本当は魔女ではなく、精神的な病に冒されているだけだと訴えた医師ヨーハン・ヴァイヤーの物語。 ヨーハン・ヴァイヤーは「精神医学の祖」とも呼ばれているらしい。 作中では、「魔女」とされてしまったら最後、様々な行動が「あれは魔女の○○という行いだ」といわれ、本当は魔女でなくても人々の認識で、魔女にされてしまう恐ろしさが何度も何度も描かれている。 無知と恐怖が存在しないものを生む。 私には、どこまでがファンタジーで、どこからが史実かはわからない。 だが読んでいて、一番怖いのは人なのかもしれないという気持ちにさせられる。 ホラーとサスペンスが混じる歴史ファンタジーが好きな方はぜひ。「花四段といっしょ」感想花四段といっしょ 増村十七ニーナ2巻まで読了!面白くてずっと読んでいられるヤツだ(笑)花つみれ四段や茄子五段をはじめとする個性豊かな棋士たちが繰り広げる日常系ゆるふわコメディ。個人的にホーちゃんがあまりにツボ過ぎて爆笑したわ!親友を生き返らせるために少年は"ゼウス"の復活を求める #1巻応援落ちぶれゼウスと奴隷の子 尾羊英sogor25古代ギリシャで奴隷として暮らす少年チェトは、親友の死に直面したことをきっかけに、自身の中に”全知全能の神”ゼウスの魂が封印されていることを知ることになります。 そこから、親友を生き返らせるためにチェトがゼウスを復活させるために奮闘する物語です。 ゼウスを始めとしたさまざまなギリシャ神話の神々が登場したり、神話に実際に記された逸話にもなぞらえている部分もあったりと、1巻から物語の壮大さが伺えます。 そんな中、神々とも対峙しながらも親友のために奮闘するチェトの姿が勇ましく、また不完全ながらチェトの体の中で意識を取り戻したゼウスとのやり取りを見ているとバディもののような雰囲気も感じられます。 そんな様々な要素を含んだ物語が、それこそまるで神話のように美しい絵柄で紡がれていく作品です! 1巻まで読了 あやかし話の王道百鬼夜行抄 今市子starstarstarstar_borderstar_borderママ子おどろおどろしい感じでは描かれること時は少なく、全体的に絵はきれいなので読みやすい。 日本の妖怪や怪奇の類のじとーっとした怖さ全体を包んでます。かといって暗いわけでなく、一つのお話は長くないので読み切った感じがして満足感があると思います。 話自体が伏線としてつながっていたりするので、またそこで楽しめます。 怖いだけじゃなく、ほっこりしたり、ほろりと涙したり素敵な作品です。対局中も雑念だらけのプロ棋士花四段といっしょ 増村十七かしこ頭カラッポにして読めちゃう癒しマンガでした。私もついつい上の空になっちゃうタイプなので花四段に好感が持てます。絶対に運転とかしない方がいいタイプですよね。でも花四段は対局中に他のこと考えてても結果的に勝つからすごい!さすがプロ棋士! 対局の内容にまでは触れないので将棋のルールを知らなくても全然OKでしたが、思ったよりも外枠はちゃんとしてるかも?花四段と幼なじみの話が好きだな〜。ちょいちょい阿佐ヶ谷姉妹が登場するのもフフッってなります。いろんなことが気になる将棋棋士を描く“非”本格将棋マンガ #1巻応援花四段といっしょ 増村十七sogor25日本将棋連盟所属のプロ棋士・花つみれ四段は、対局中は真剣なように見えて実は対局とは全然関係ないことに気を取られてしまう癖がありました 対戦相手のYouTube活動のことやや携帯のアラームを切ったかどうかなど、いろんなことに気移りしている花四段と、特徴的なキャラクターをもつ他の棋士や兄弟弟子たちとの絡みを面白おかしく描いてく “非”本格将棋マンガです 1巻まで読了 恋愛の影で繰り広げられる"キューピッドたちのバトル" #1巻応援ぼくらのクピド戦記 藍葉悠気 佐藤貴彬sogor25この作品は、さまざまな登場人物たちの恋の駆け引きの様子を「その裏で人知れず行われている"キューピッドたち"のバトル」とともに描くオムニバス作品です この作品で描かれているのは、雨の日に雨宿り先で偶然出会った高校生たちや、同じ会社で働く同僚のことを異性として意識し始めた瞬間、さらには定年を過ぎた老夫婦の日常のひとコマなど、文字通り老若男女さまざまな登場人物の駆け引きの様子です。 そしてその登場人物の心の動きを、その背後で行わているキューピッドたちのバトルとリンクする形で描いていて、普通の恋愛マンガ以上に登場人物の感情がバチバチ伝わってくる、そんな作品になっています。 1巻まで読了やっぱり伊藤潤二は好きだなミミの怪談 完全版 伊藤潤二 木原浩勝 中山市朗starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男伊藤潤二は新刊がでるたびに買うくらい好きですが今回の「ミミの怪談 完全版」はむちゃくちゃ良かった。オチがある話/オチがなくただ怖い話など色々あるが個人的に最高だったのはボディビルダーが墓石を動かす回。これだけ書く何と言ってるのか全くわからないかもしれないがその通りの内容だと思う。 この回をギャグマンガとして読むべきなのかホラーマンガとして読むべきなのか考えたがそんな細かいことを気にせず読むのが一番いい <<12>>
『メタモルフォーゼの縁側』の鶴谷香央理さんが辻村深月さんの小説『傲慢と善良』をコミカライズした本作。 小説は久しく読んでいない自分でも知ってる有名小説家の辻村深月さん。 コミカライズ&アニメーション映画化された『かがみの孤城』は、恥ずかしながら原作は未読ですが漫画も映画もとても素晴らしかったです。 それにしても豪華なタッグ! https://webtripper.jp/m/mdf185579bb2a 39歳独身で若くして社長になった架(かける)と、マッチングアプリで出会い婚約した真実(まみ)。ときおり真実の周囲に不穏な影はあっても二人は順調そうに見えたが、ある日、真実は行方不明になってしまう。果たしてそれは事件性のあるものなのか、失踪なのか。架は真実を探し回るが…。 ジャンル的には「恋愛ミステリー」とのことでどうなっていくのか楽しみです。 現時点で公開されている3話まで読んだんですが、本題に入る(真実が失踪する)前までに微妙に引っかかるポイントが上手に散りばめられていてこれがどう効いてくるのか気になりますね。 とにかく自信が無さそうで大人しい真実と、正反対に社交的で明るく仕事もバリバリできそうな雰囲気の架。 架の友人関係も、嫌というほどではないけど微妙に派手というか、思ったことはっきり言う口の悪さというか、カースト高そうで苦手な人は苦手そうな界隈を描くのが上手いです。 架が二十代?のときの元カノのアユを引きずって意識している様子から、アユの代替品として真実を扱ってたんじゃないか?とかいろいろ考えちゃいます。 真実が行方不明なのにあまり心配してるふうじゃない真実の親とか、むしろ世間体を気にしてそうな部分に嫌な感じがします。 何か知ってそうな真実の英会話スクールの元同僚も気になるし…。 失踪したことで真実自身の人間性も果たして大人しく引っ込み思案だったのか、何か隠していたこともありそうだし、架に近づいた理由があるのかもしれないし、謎は深まるばかり…といってもまだ序盤なのでネタバレを踏まないように気を付けながら謎を楽しみたいところ。 小説公式サイトはこちら https://publications.asahi.com/feature/gouman/ 調べてたら今年9月末から映画化も決まってたのを知りました https://www.youtube.com/watch?v=OusWAswTcnI いろいろ合わせたタイミングで仕掛けた連載開始だったんですね。 ここまで人気ということを知ると原作で読みたくなってしまう自分もいるのですが、鶴谷香央理さんも好きなのでとりあえず漫画で追ってみることにします。