白い砂のアクアトープ
水族館の館長の孫と、アイドルの夢を失った女子が、水族館の危機に立ち向かう物語。困難を乗り越えようとする二人の強い連帯の予感が、1巻からひしひしと感じられる。 諦められた古い水族館だが、そこに思い入れのある若者達の復活への夢は途絶えない。そこに失意の中、参加する元アイドル。厳しい現実の中、前を向こうと足掻く物語は苦いけれど、基本明るい彼ら、その先への期待感は強い。 辛い現実を癒すのは、水族館の生き物達と、精霊による幻視。夢の光景は美しく、こんな不思議が本当に起こりそうな沖縄に、非現実的な夢を見てしまう。 2021年にオリジナルアニメが放送された本作。コミカライズ担当の桜木蓮先生は現在『アネモネは熱を帯びる』を連載中。 『アネモネ〜』で感じていたのは、曲線の描線が美しいという事。そしてそれは本コミカライズにて驚く程、高い効果を発揮していると感じる。女性の髪、滑らかな肌表現はもとより、水族館の魚やペンギン、水流や水泡の表現、そしてそれらが組み合わさった幻視の美しい事といったら……。 アニメに関して当初、界隈で発生していた懸念は放送後聞かれなくなった。女性の連帯を描く作品として、今後も期待したい。 (ちなみに私はアニメ未視聴です)