筒井漫画涜本

筒井康隆 作品群を豪華作家陣がコミカライズ

筒井漫画涜本 筒井漫画涜本
ひさぴよ
ひさぴよ

1995年に発売されたアンソロ本。古本でしか持ってなかったのですが、2019年に文庫化され、さらに電子書籍化されていたとは知りませんでした。 個人的に筒井康隆作品はちょっと苦手意識があって、熱烈なファンというわけではないのですけど、それでも買うだけの理由がこの作家陣を見ればわかります。 【筒井漫画涜本 収録作品】 相原コージ「死にかた」 吾妻ひでお「池猫」 いしいひさいち「大富豪刑事」 内田春菊「ムロジェクに感謝」 蛭子能収「傷ついたのは誰の心」 加藤礼次朗「TROUBLE」 喜国雅彦「鏡と薬と正義と女」 けらえいこ「妻四態」 三条友美「亭主調理法」 清水ミチコ「傾斜」 しりあがり寿「樹木 法廷に立つ」 とり・みき「我が良き狼」 ふくやまけいこ「かいじゅうゴミイ」 まつざきあけみ「イチゴの日」 南伸坊「禁花」矢萩貴子「セクション」 山浦章「星は生きている」 【筒井漫画涜本ふたたび 収録作品】 明智抄「幸福ですか?」 いがらしみきお「北極王」 伊藤伸平「五郎八航空」 折原みと「サチコちゃん」 雷門獅篭「落語・伝票あらそい」 菊池直恵「熊の木本線」 鈴木みそ「あるいは酒でいっぱいの海」 大地丙太郎「発明後のパターン」 高橋葉介「ラッパを吹く弟」 田亀源五郎「恋とは何でしょう」 竹本健治「スペードの女王」 萩原玲二「弁天さま」 畑中純「遠い座敷」 みずしな孝之「フェミニスト殺人事件のようなもの」 Moo.念平「うちゅうを どんどん どこまでも」 山浦章「ウイスキーの神様」 以上。 なんとも、本棚に並べたくなるような本なのです。

極上! 給食(秘)グルメ

子供の”食”に関わる問題と向き合う

極上! 給食(秘)グルメ 西村ミツル 野間ろっく
マウナケア
マウナケア

日本人なら誰でも、給食にさまざまな思い出があることでしょう。学期末のケーキが楽しみだったり、嫌いな食べ物とにらめっこして休み時間をつぶしてしまったり、なぜか腐った夏ミカンが机の中からでてきたり。そんな馴染み深い給食をテーマにとりあげた、少々変わったグルメ作がこれ。奇をてらっているのではなく、子供の”食”に関わる問題に真正面から向き合っていることに好感がもてます。主役は元名ランナーで栄養教論の坂上裕二と元レディースで学校警備員の稲島今日子で、このふたりのコンビが絶妙。栄養学の知識はあるものの料理はからきしの坂上と、粗暴だが料理はプロ級の今日子。坂上が生臭くないレバーの料理法で悩めば今日子がささっと作り、かと思えば坂上の熱血家庭訪問に今日子が無理やり付き合わされるなんてことも。人間ドラマの隠し味も程よく効いていて、バランスが非常にいい。栄養学、調理法、子供の精神面、そして社会問題などを盛り込んで、いろいろと考えさせられる内容になっています。私にとって最も気になったのは「油脂分の取り過ぎ」のくだり。あぁでもこれは手遅れか…。

スーパーヒロインボーイ

別に面白いとかおもってねーし!!

スーパーヒロインボーイ ぱらり
たか
たか

別にこの漫画面白いとか思ってねーし。心の中でキメェとか思いつつ子ども向けアニメを見て、すっかりハマってしまう気持ちがわかっ...るわけねーだろ!! ズブズブ女児アニメにハマっていく強面の不良高校生とかマジだせぇし。その不良DKを支えようと頑張る爽やか男性新米教師(オタク)との絡みに萌えたりしねーし。作中に出てくるモブの細やかな裏設定とか全然面白くねぇし。しかもそのモブもGL・BL・ほのぼの家族をカバーしていて、「作者は一体何者なんだ...!?」って感心したりしてねーからな!! アニメを見たあと2ページにわたって、学校にいながら頭の中でずっとそのアニメについて難癖つけてる大石がまじウケるぜ。こいつもうすでにハマってやがる...!  ...とまあ、このような感じで、読後は大石くんの10代らしい素直になれないツンツンしたノリが移ってしまいます。大石くんかわいいよ、大石くん。ちなみに作中ではたびたびコメディ漫画らしからぬ描き文字が登場したり、爽やか教師・うっちーの表情が邪悪になったり猥褻になったりと、本筋に関係ない見どころも多いです。  大石くんとアニメの付き合い方、先生や友達とのふれあいを見てると心がほかほかしてくるので、ぜひ笑って癒やされたいときに読んでください。