せんそうとひとりのおんな
戦争と一人の女
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著者が6年がかりで描き下ろした意欲作。敗戦の気配を察知して日本に絶望する虚無的な小説家と、過去に女郎屋、飲み屋で働いていた不感症の女。戦争に生かされた二人の刹那的な同棲は、空襲の日々で高ぶり、そして終戦で終わりを告げる…。戦争への興味から坂口安吾の異色作に入り込み、膨大な資料による時代考証と、原作であるGHQ検閲前の無削除版「戦争と一人の女」、「続戦争と女」「私は海をだきしめていたい」を一つの話に構成しマンガで表現。坂口安吾と近藤ようこのコラボレーションによる最高傑作が遂に誕生!

まつもとまさひこたんぺんしゅう たばこやのむすめ
松本正彦短編集 たばこ屋の娘
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「1970年代前半から中盤にかけて、松本さんは人知れず、自身のキャリアの真骨頂とも言うべき作品群を発表していたのだ」──大西祥平 解説より 「駒画」の提唱者にして後に続くオルタナの始祖、松本正彦が到達した叙情作品を一挙収録! 著者について 1934(昭和9)年11月24日、大阪市都島区に生まれる。9歳の時に父が病死、45年3月、太平洋戦争で空襲が激化、都島で空襲を受け、街は壊滅。母と妹とともに、焼夷弾の雨の中を死体を踏みながら逃げまどう経験をする。その後避難した堺でも空襲に遭い、大きなトラウマを残す。中学時代、級友の影響で手塚治虫作品にのめり込み、定時制高校在学時に手塚宅を訪ね、マンガを語る手塚の情熱に感動。処女作「地球の最後」を一気に描きあげ、大阪の小さな出版社、東洋出版社(のちの八興/日の丸文庫)に持ち込みをする。「地球の最後」は採用されなかったが、続いて描いた「ユーモア学校」が「坊ちゃん先生」と改題の上採用、デビューとなる。54年、八興で辰巳ヨシヒロと出会い、交流が始まる。「ユーモア学校」「サボテンくん」など、日常のリアリティに根ざしながら斬新な構図を取り入れた作風は従来のマンガ表現の一歩先を行くものであった。55年には八興より人気と実力を買われ、それまでと比べ大判のA5判単行本を手がけるようになり、「快男児」「地獄の顔」「金色の悪魔」を執筆。また56年1月に発表した描き下ろし単行本作品、私マンガ的メタ・コミックの形式をとった「都会の虹」で、オムニバス形式に挑戦。これがのちに短編集『探偵ブック 影』へと発展。56年4月に『影』に発表した短編「隣室の男」は、その後「劇画」と呼ばれることになる新たなマンガ表現の原型として大きな影響を与える。56年8月大阪天王寺区細工谷町で、同じく八興日の丸文庫からデビューしていたさいとう・たかを、辰巳と三人で合宿。「新しいマンガ」について日々激論を交わし、結果、56年9月、新たなマンガの手法を示す言葉として「駒画」という呼称を思いつく。後に辰巳ヨシヒロが提唱する「劇画」より一年以上先んじたアイディアであった。57年暮れ、新たな活躍の場を求め上京。折からの貸本マンガ短編集ブームで多忙を極めるが、それがかえって粗製乱造を招き、また貸本マンガ業界の凋落もあり、63年頃からは「土曜漫画」などの大人漫画に新天地を求める。70年代に入り、ひばり書房の描き下ろし単行本「かあちゃんキック」(72年)、「パンダラブー」(73年)でギャグマンガを手がける。72年頃から、『土曜漫画』、『リイドコミック』などに叙情的な佳編を発表して新境地を開拓。その後、79年より小学館『ビッグコミック増刊』に「劇画バカたち!!」を不定期連載(84年まで)。87年からは切り絵作家に転向。年に数回、個展を開く。2000年、ギャグ作品「パンダラブー」が突如再評価され、ひよこ書房からインディーズ出版(のちに描き下ろし新作を加え、2002年、青林工藝舎から再出版)。2003年8月、スキルス性胃ガンが発見される。2005年2月14日、胃ガンのため永眠。没後、初期劇画への功績と、それまでは知られていなかった70年代の叙情的作品への評価が高まり、その先進性、重要性が改めて注目されている。2009年9月現在、カナダおよびフランスで、過去の作品を集めた短編集が企画進行中。

あかいつめ
赤い爪
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私は誰を愛しているのだろうか、私は誰に愛されているのだろうか…。止まらない恋心、消えない情念。七つの恋物語からなる著者自選作品集。

ていぼんかみのわるふざけ
定本神の悪フザケ
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「ヤングマガジン」(講談社)でのデビュー作品を始めとする、山田花子作品集復刻第二弾。初期傑作作品が甦る!

なげきのてんし
嘆きの天使
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自らの未来を予言したかの如き作品「マリアの肛門自由への飛躍」など不朽の名作が甦る。

からっぽのせかい
からっぽの世界
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単行本未収録作品を厳選した最後の作品集。本人のキャラクター以前に、作品としての面白さが夭折の著者の非凡さを示す。

とうきょういちまつものがたり
東京市松物語
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希望に胸躍らせ上京、しかし大学では彼女も出来ず、冴えない毎日を悶々と暮らす拓郎の前に、150年の時を経て甦ったお市ちゃん(事情有り)が現れる。可愛いのか気持ち悪いのかよく分からないが、不思議な力を持つお市、そしてロックに生きることを目指し、日々の不安と怒りと焦りをバンド活動にぶつける拓郎、そんな二人に待ち受ける運命とは…。何かをやりたい、何かを見つけたい!でもこんな俺に一体何が出来るんだ!?…。かっこ悪くて不器用にしか生きられない若者の切なくも熱を帯びた青春物語!

やなぎほーるであおう
ヤナギホールで会おう
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よしっ ミチルちゃん 行きましょ 行くって どこに 行くんだよ 80~90年代に発表された単行本未収録作品集。カラーマンガ「葉子の庭」16頁収録。

おれはとうだいで
おれは短大出
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モブキャラ(通行人)にはモブキャラなりの人生がある。 地元の短大にどうにかこうにか入学したボンクラな男の青春譚。 彼女もいない、人生になんの目的もない主人公・歩留よしおが見出したものとは?

しょきけっさくたんぺんしゅうだりあ
初期傑作短編集 ダリア
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〝普通の人生〟の裏側には 〝激情の人生〟が隠れている。 その狭間に彷徨う人の心を丁寧にすくい上げ、 見事に物語として仕立て上げた初期傑作短編集! 1986年『ビッグコミック』誌上で「昭和61年度前期ビッグコミック賞入選作として掲載された「ダリア」を含む12作品を収録。 ◎収録作品 「ダリア」「春嵐」「多夢気(たむき)」「春の靴」「桜花」「やびぁ!」「玄関」「お茶の時間」「銀杏(いちょう)」「富士」「陸に上がる魚」「夜鳴く鳥」

アックス
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「アックス」vol.154(2023)感想

アックスはたまに買っているのだが、ここであまり感想を見ないので ちょっとそれらしいのを書いてみようの巻。 2023年154号で表紙になっている森口裕二と逆柱いみりの往復書簡で、逆柱が「グローバルな活動」を視野に入れて性器の描写を修正している・・というのが面白かった。しかし海外で逆柱作品を読もう人がそんな点を気にするかはやや疑問だぜ。 前号に引き続き掲載の、ツージーQ「青いレインコート」後編は貧しい女性のきらきらしていない暮らしと心のひだを丁寧に描いていて、まさに王道のガロど真ん中を射抜いてくる。暗い話なのだが、どこか明るさがあってその形作る叙情にじーんとくる。めっちゃイイ。本作が、この号では一番良かった。どんな感じか気になる人もいると思うので47ページ(と46ページの一部)を引用する。 髙山和雅の「機械仕掛けのツァラトゥストラ」も後編。全裸のキャラがこれでもかと出てくる趣味全開な思弁・バイオレンスSFで、ややオープンエンドぽい終わり方も許せるぐらいの勢いを感じさせます。しかしこれ続くのかな? ほか、三本義治の哀愁に満ちたヤクザ介護漫画「ヤ・ク・ザ」堀道広のオムニバス「月刊どうすれば」9話、そして具伊井戸夫の「消えたウナギ」が印象に残った。 次号は駕籠真太郎特集。

名無し
はこにわむし
はこにわ虫
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蛹の中の生あたたかい鼓動に包まれ、 生えたばかりの羽に抱かれ、 少女は何を夢見る、何をたくらむ…。 だれもが心の底にかすかに記憶している奇妙な感覚が、少女のエロティズムの匂いと一緒に脳裏の中に甦る、なぜか奇妙でどこか懐かしく、そんな絶対的な孤独を密やかな線で描いた短編集。 第二回アックスマンガ新人賞林静一個人賞受賞を果たし、アニメーション「電車かもしれない」で注目を集め、また立体作品「はこにわ虫」で草間彌生賞を受賞する等、様々な才能を発揮する奇才の新人作家、初の作品集!収録作品 「小林加代子」 「2001年版逆さの思い出」 「はこにわ三部作」 「おしゃれ」 「楽しいい生活」 「美しい町」 「虫時計」 「てんとう虫のおとむらい」 「爪を切った夜のこと?22」 「雨の白シャツ」 「一本目の傘」 「つめきり物語」