ウサギ目社畜科

カワイイの向こう側に透けるブラックさとキモさ(いい意味)

ウサギ目社畜科 藤沢カミヤ
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

まず、めっちゃカワイイ。 それは何を置いても第一に来る。 月での異常な労働環境で働いてきたがリストラになり地球に来たふわみ。 この表紙のピンクの髪のうさみみのカワイイ生き物がふわみである。 部屋に転がり込んできて居候するという伝統的なドラえもんスタイルから始まるが、ブラックすぎる環境にいたせいか、不憫すぎるほどに従順で一生懸命で身も心も過剰に社畜だ。 なぜなら働かないと、溶ける。物理的に、身体が。 普通に不憫だとただかわいそうに・・となるが、ここまでくると超カワイイ。 不憫カワイイ。 社畜力53万と言われてもおかしくないくらいに価値観の違う社畜で完全に異文化交流だ。 世紀の発見である月の住人に部屋の掃除をさせご飯を作らせる。 しかも本人はそれを至上の喜びと捉え感謝している。 こんなの狂ってる! でもカワイイのだ。 だからオールオッケー。 社畜とは何か、その行き過ぎた行為の現代社会の闇の一端に触れたような触れてないような、そんな気になった。 もしかしたら働きすぎな現代人への警鐘をカワイさに包んで鳴らしてくれているのかもしれない。 個人的には、体の一部が大きくあるキモさとデフォルメされたへたったウサギっぽいところが好きです。

親友いないの誰?

その関係は親友なのか?

親友いないの誰? 山田可南
名無し

ひっそりだれかに相談したかった出来事、読んでいると引き摺っているもやもやが晴れていく感じがしました。 親友同士、お互いどう思っているのか、見えたり隠れたりする感情描写が面白いと感じました。 人間関係における、悪い面やネガティブな部分もストーリーに盛り込まれているのが、両側面を描かれていて良いです。 この3人のように、親友や友人関係、それだけでなく人間関係自体に悩みを持っている人や、持っていた人におすすめしたいです。 理由は、登場人物一人だけの視点で突っ走るだけでなく、色々な周りの視点とか、環境、時系列が小さい時から大人(社会人になり働いている)まで、リアルに描写されているので、客観視で読めると思います。読むと心が痛んだり辛い面もあるのですが、得るものが沢山ありました。 大人になって社会に出てからの、新たな人間関係の悩み等によって、私には友達すらいないのかもと思ったり、高校時代から続いている3人の親友の関係に一体何なのだろうかと、疑問に思っているヒロイン。 友達や親友などの曖昧な基準を、広げて考察していくような漫画だと思いました。 思春期感が少しだけ残る(尾を引いている)少し青々とした雰囲気の、さっぱり読める女性漫画だと思います。 結局、3人は親友なのか友達なのか話の結論が気になります。 小さい頃のヒロインが親友だと思っていた子との少し痛い思い出。 親友関係にある3人の女性を一人一人ピックアップしてストーリーが展開する話がいくつかあります。 思い出や記憶を思い出しながら、3人の親友の関係や、思いの描写が交錯している。 3人は何かしら引きずっています…。 大人向けの内容の漫画です。