CHERRY TEACHER 佐倉直生

『CHERRY TEACHER 佐倉直生』が卒業するまで

CHERRY TEACHER 佐倉直生 立花和三
みや
みや

『卒業までにお前ら全員と愛し合うことだ!』 と生徒に名言する熱血教師と、女子高生3人娘を中心に繰り広げられるエロコメディ。 まず、この作品 佐倉先生のキャラ設定が絶妙です。 コイツは基本熱血で生徒思いの教師ですが人並みにエロい。部屋にはジャンル偏ったエロ本もあるし。 でも、生徒に欲情なんてしたらアカンのや!って倫理観ももってる。 ヘタに聖人度100%だったりエロ脳100%だったりしない丁度良い人間らしさです。 あとはメインの女子高生キャラは3人 ・パンチラ担当 ・人妻のオーラを持つ魔王系百合 ・慎ましやかな胸部装甲の元気系空手娘 ストーリーは日常系の基本1話完結構成です。 画力の高さがあり、ギャグ調の絵柄とリアル寄りの絵柄を使い分け、要所要所でシッカリと画力の無駄遣いをしていくスタイル!良いゾもっとやれっと思えました。 『愛すべきバカ』とか『もっと評価されるべき』タグつけたい漫画でした。 女子高生 + ブリーフ 人妻女教師 + 鹿の剥製 新任教師 + 特注エロエロメイドビキニ このあたりのワードに可能性を感じる紳士にもオススメの漫画です! 以下、最終回についてのあさ~~いネタバレ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 最終回のタイトルは『卒業』です! しかしながら『○年後~』のような展開ではなく、生徒達が3年生になっていたりしない CHERRY TEACHERは 変わらず1年の担任である ではナニからの卒業なのか? それは実際に読んで確かめて欲しい

ゴールデンカムイ

一生、ナコルルに支配されるはずだった僕のアイヌ知識を更新してくれた

ゴールデンカムイ 野田サトル
名無し

僕と同世代でゲームに夢中だった人間は、少しだけアイヌ語を知っているものです。「アムベヤトロ」とか「アンヌムツベ」とか、意味は全くわからなくてもなんとなく言えてしまうのは、格闘ゲーム『サムライスピリッツ』の美少女・ナコルルのおかげなのです。このままでは一生、ナコルルに支配されるはずだった僕のアイヌ知識を更新してくれたのが『ゴールデンカムイ』です。  『ゴールデンカムイ』の舞台は日露戦争直後の北海道。主人公である杉元は、一攫千金を狙って砂金掘りをしています。戦争中、鬼神のような戦いぶりから「不死身の杉元」と呼ばれた杉元が、なぜそのようなことをしているかというと、戦死した親友の妻の病気を直すため、どうしても大金が必要になったのです。  そんな杉元に、酔っ払った男が北の大地のどこかに隠された「金塊」の話をします。そして、大金の隠し場所を示した暗号が、網走監獄から脱走した死刑囚の身体に刺青として掘られていることも…。酔が覚めた男は「しゃべりすぎた」と杉元を殺そうとします。そこで杉元はこの話が与太話ではなく真実であると確信し、謎を追うことになります。  杉元の相棒となるのがアイヌの少女アシリパ。彼女の父は「金塊」のために殺されていて、その仇を探しています。アシリパのアイヌ猟師としての知恵と知識と、杉元の不屈の精神で、彼らは北の大地を巡っていくのです  それにしても『ゴールデンカムイ』の良い所は次から次に話が展開していくところですね。3巻の時点で杉元が戦った相手は熊→熊→囚人→屯田兵→集団屯田兵→熊→ベテラン猟師…大自然の脅威から新撰組まで次々と二人に襲いかかり、それを知恵と勇気で乗り越えていくのです。  『ゴールデンカムイ』にはサスペンスとド派手なアクション、異文化の知識と、面白い要素がたくさん詰まっています。中でも料理漫画としての要素を見逃してはいけません。戦い、追い、逃げる二人はとにかくよく食べます。鹿や熊はもちろん、兎やカワウソまで、捌き方から料理法まで詳しく書かれていて、なんだかとても美味しそうなのです。  脳みそから目玉までおいしく頂くアイヌの料理に戸惑う杉元や、味噌がうんこにしか見えないと拒否するアシリパさんの異文化交流ぶりも楽しく、料理が『ゴールデンカムイ』という作品の壮大さにもつながっているのです。  厳しい自然との戦いや、骨太のサスペンス、それていて生活感があるという『ゴールデンカムイ』不思議なエンターテイメント巨編なのです。

ふたりのポラリス

孤独を癒す義姉妹の連帯

ふたりのポラリス 柚原瑞香
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

誰も自分の事なんか見てくれない……そんな思いを抱えながら、人の輪の中で笑って相槌を打つ私は悲しい。そんな私の寂しさを、この『ふたりのポラリス』は、全力で肯定してくれる。 ----- 親の再婚で義姉となったクラスメイトは、クラスに馴染めず、パシリに使われる存在だった。そんな義姉の問題を解決しようと立ち回る主人公女子も、実は問題を抱えていた……という物語。 主人公が抱える問題……集団の中で自我を出せず、空気を読んで快適さを演出する心情は闇が深いのだが、実は誰でもよく分かるのではないか(勿論私もよく分かる)。 そんな主人公が不器用な義姉のまっすぐさに打たれ、手を引いていた筈の義姉に助けられ、新たな姉妹パートナーシップに力を貰って自分の問題に向き合う物語は、こちらの心を溶かす。 彼女の問題を生んだのが「親」である事は大きなポイントだろう。母親は一見感じが良いが、悪意無く娘を傷つけている。その「悪さ」を明確に描き、主人公の辛さを全面的に肯定するので、この作品は普段から「我慢をしている」孤独な人を癒す。 こんなに美しい姉妹パートナーシップや、寂しかさからの解放はなかなか得難く、現実は変わらない。それでもこの作品に触れた事で、私は自分の「我慢」が少しだけ、癒されたと感じた。 #マンバ読書会 #5巻くらいのマンガ