講談社マンガの感想・レビュー6256件<<245246247248249>>「かってに改蔵」の頃を思い出させるテイストの久米田的コメディせっかち伯爵と時間どろぼう 久米田康治名無し装丁がとてもスタイリッシュでカッコ良いので久米田康治とははじめ気づかなかったが、読んで見ると幅広いネタをバンバンぶち込んでくるところとかは変わらずの久米田作品でした。下ネタの量も増えたので「かってに改造」の頃を思い出す。 時間を移動できる代わりに人間の時間に換算すると1年しか生きられないが故に時間を無駄にする男を許せないサンジェルマン伯爵と、水滴が口の中にいっぱいになるのは何滴だろうって数えたりするほど時間を無駄に使う時只卓のせっかちとマイペースの2人が喧々諤々しているギャグ漫画。久米田康治ファンなら間違いなく好きだと思う。 野田塔子『三つ子のたましい (第71回ちばてつや賞準大賞)』(モーニング2017 No.29)三つ子のたましい 野田塔子名無し第71回ちばてつや賞 準大賞受賞作品 http://www.moae.jp/comic/chibasho_mitsugonotamashii人類とAIと戦争とBUSTER DRESS 貞松龍壱mampuku 高度なAIを搭載した人型ロボット兵器と、主人公たちパイロットとの絆に感動。AIに疑似的な性別のようなものがあってそれが機体ごとの個性になってるのが面白いし、「セカンドアース」を支配する謎のAIも凄く魅力的に描かれている。 ロボット漫画はほとんど例外なく絵が上手いから好きジョージ朝倉さんの漫画はどれも青春真っ只中の甘酸っぱいような危うい空気感がいいですね。キャラクターが怒っている時、泣いている時、表情の描き方がダイレクトなのでわかりやすくて好きです。恋文日和 ジョージ朝倉やむちゃジョージ朝倉さんの漫画はどれも青春真っ只中の甘酸っぱいような危うい空気感がいいですね。キャラクターが怒っている時、泣いている時、表情の描き方がダイレクトなのでわかりやすくて好きです。 恋愛ものを多く描いていますが、中でもこちらの恋文日和は特に大人の女性におすすめです。今思えば恋文ってすごく素敵な手段だったんですよね。特に渡した記憶、もらった記憶のある方は一気に懐かしくなること間違いなしです。 溺れるナイフやピースオブケイクと比べるとだいぶ絵のタッチが粗いですが、その力の抜けた感じも読みやすいと思います。 全ては野球の神様に愛された男のためのお膳立てヤキュガミ クロマツテツロウ 次恒一中継ぎ次郎体格には恵まれないながらも健脚強肩でバッティングセンスも抜群なら守備もうまい主人公の白戸大輔のもとに野球の神様が現れた。抜群に野球が上手くないと姿を見ることができないらしいんだが、姿が見れたからって何か不思議なパワーを授かるというわけではない。ただ、一打逆転のチャンスとかいわゆる後々の逸話になるようなシチュエーションが巡って来やすくなるらしい。そのチャンスを大輔が見事ものにしていって弱小中学から都立の強豪校へ入学し成り上がっていく漫画。 つまり、野球の神様に愛された男の成功のために知らず知らずのうちにみんながお膳立てしているような漫画。なんでもできてしまう天才系の主人公なので努力しているシーンとかはそんなにない。むしろ、こんな状況じゃどんなに才能があっても完全に道が閉ざされただろって思っている状況を覆していくところが爽快で面白い。そんな漫画です。相撲×SF アメリカ大相撲を舞台に描かれるエクストリーム相撲マンガ五大湖フルバースト 西野マルタ地獄の田中すごく面白いんだがどんな漫画か説明するのが難しい。背表紙のあらすじには、 「近未来、アメリカの国技は相撲となっていた!全米相撲の聖地・デトロイトで技の賞賛される力士・五大湖は、ロボット科学者ドクター・グラマラスの甘言に乗り、その肉体を機械へと改造されてしまう。全身を最新鋭の重火器で武装し、土俵で殺戮を続ける機獣と化した五大湖を斃すため、石像となり眠っていた角界の守護神伝説の横綱が…蘇る!!」って書いてある(一部簡略化)。まさしくこの通りなんだ。ヤスダスズヒトの寄稿によるあらすじらしいがよくこのあらすじを書けたなってくらいよくまとまっている。 相撲とSFを掛け合わせていると聞いて読む前は無茶な漫画だろうなって思ったら、横綱としての矜持が伝わってくるし、白熱した相撲の立会いもすごく良いし、ドラマの部分もとてもいいし、骨太で重厚な素晴らしい漫画だった。読んでほしい。最高だった201号室イモリ201 今井ユウ大トロ※ネタバレを含むクチコミです。 正統派「邪気眼」的中二病漫画SAMURAI DEEPER KYO 上条明峰mampuku私ことアラサーがこれを読んでいた当時ちょうど中学生だったんですが、控えめに言って最高でしたね。最高に中二。 ・ピンチになると凶暴な人格「鬼眼の狂」が現れて物凄い剣技でばったばったと敵を蹴散らす ・90年代っぽさを残すデザインで下卑た顔の雑魚キャラ ・必殺技を放った後の、「お前もきいただろ、神風(かぜ)の清響(こえ)を」というカッコいいんだかダサいんだかわからない決め台詞 ・1巻から充実したお色気要素 などなど Get BackersやRAVEとならぶ、マガジン黄金期の主力選手ですね。フェアリーテイルがそろそろ終わりそうなんで、ちょっと懐かしさに浸りたくなりました・・・バタアシ金魚の続編です。お茶の間 望月峯太郎影絵が趣味バタアシ金魚の続編です。 バタアシ金魚の頃から一貫して描かれているのは「追う・追われる」⇔「追われる・追う」の関係性。これは男女関係におさまらず人生のあらゆる局面に露呈する公式のようなものではないでしょうか。 何はともあれ、追いかけたり追われたりしているあいだは人生はつづくのです、あるいは人生を描く物語にしても同様でしょう、追いかけたり追われたりしているあいだは物語はつづくのです。たとえば、どこまでも逃げつづけるルパンと、どこまでも追いつづける銭形、この二人の関係はほんとうに美しいですね、ときに愛のようなもの感じることすらあります。この美しさは二人が"どこまでも"「追う・追われる」ことからくる美しさに他ならないでしょう。 ところで、バタアシ金魚は完結というにはあまりに中途半端な終り方をして、お茶の間にいたっては堂々と未完としています。これは「追う・追われる」⇔「追われる・追う」の関係性が崩れ去れば物語が停滞してしまうことを作者が直観していたからではないでしょうか。名誉ある未完、あるいは未完であること運命づけられた作品というのは時々出てくるものですが、そういった作品は後世に読み継がれることが多いように思います。近未来SF相撲漫画・三部作の第1弾両国リヴァイアサン 西野マルタ地獄の田中『五大湖フルバースト』へと続く西野マルタのSF相撲漫画三部作の第一弾。 遺伝子操作と薬物投与で身長2.5m体重300キロのモンスターへと改造されたリヴァイア山が角界を荒らしている。そのリヴァイア山を斃すべく、伝説の横綱が蘇る!という相撲漫画。 もちろん相撲の立会いも魅力的だがリヴァイア山が生まれるに至った経緯の人間ドラマがとても胸にくる。特に横綱と立会いを終えてから、母親と再会するところは涙なしには読めない。お涙頂戴的な感動漫画ではなく、人間とバケモノの境に立つリヴァイア山が絞り出すように見せるギリギリの譲歩が本当に素晴らしい。『五大湖フルバースト』と合わせて名作 フリンジ・マン?フリン・ジマン?まあ後者だと思います。フリンジマン 青木U平大トロフリンジ・マン?フリン・ジマン?まあ後者だと思います。 なんとなくトレンディラブストーリーみたいな表紙ですが、めちゃくちゃ面白いギャグマンガです。 不倫とか胸クソ悪いテーマだなと思いながら読んだら、見事に裏切られました。 男たちが愛人を作ろうとする様があまりに一生懸命でかわいくて、女性の私でも応援したくなります。 映画好きのデブが最高ですね。今までで一番面白い野球漫画砂の栄冠 三田紀房まーくん私は、学生時代野球部だったこともあり、あらゆる野球漫画を読んできましたが、砂の栄冠が一番の名作です。野球漫画にありがちな、うおー!!!と気合で三振とったり、ホームラン打ったりする野球漫画も好きですが、だんだん大人になってくると現実的でなさすぎて、面白くなくなってきます、、、(これが大人になるということなのか、、、)しかし、この漫画は理論や実際の話が使われていてへぇ~となりながら最後まで楽しく読めますし、ちゃんとアツい展開もあって良いです。 あと、監督のガーソにつきますね。とことんダメな監督なんですが、この漫画においてガーソはスベリ知らずですね。ガーソの存在がこの漫画の肝です!!女子高生がひょんなことからDIYにはまっていく漫画。ホームセンターてんこ とだ勝之大トロ女子高生がひょんなことからDIYにはまっていく漫画。 テンポが良くて気軽に読めます。 工具の説明が詳しくて面白いので、これからDIY始めようとしている方がいたらかなりモチベーションに繋がるのではと思います! 金聖鎭『引っ越し (第71回ちばてつや賞大賞)』モーニング2017年28号引っ越し 金聖鎭名無しちばてつや賞 大賞受賞作 ーーー殺人の罪で死刑を言い渡された男。刑の執行のさなかに、彼の意識は「自分の人生が記録された本」が並ぶ不思議な書斎へと導かれる。 重々しいストーリーながら、過去を振り返ってゆくノスタルジックな描写が、物語にテンポを生み出していた。 ちばてつや先生のコメントにあるように、画力が高いだけでなく時間をかけて丁寧な作画をしている印象。ハイクオリティな読切だった。 モアイでも読めるぞ。(なぜか題字がモーニング本誌と異なっている) http://www.moae.jp/comic/chibasho_hikkoshi『ワケありルームシェア』 大下ミテキ 週刊ヤングマガジン2017年No.26ワケありルームシェア 大下ミテキ名無し安い物件に取り憑いている男の幽霊と、漫画家志望の女の子の話。 幽霊の目線で話が進むのだが、はじめはウキウキしていた女子との生活も次第に幻滅するようになり… いつしか女の子がパンイチで、漫画をガリガリ描き続けているのを応援することに。 生きている人間の夢と、死んでしまった人間の未練がシンクロするように描かれていて、とても読後感の良い読切だった。『JK 大町久美子』弘兼憲史 モーニング2017年27号JK 大町久美子 弘兼憲史中継ぎ次郎モーニングの読み切り企画【CARNAVALカルナバル】、今回は弘兼憲史で『JK 大町久美子』 まさか大町久美子が出てくるとは…しかも女子高生時代だと…っていうのでかなり驚いた。 成績優秀で友人や教師からの信頼も熱い大町久美子が夜のバイトをしているっていう話で弘兼憲史のエロティックさが存分に出ている。 前後編で28号に後編が掲載されるようだ。 『マンガ サ道 ~マンガで読むサウナ道~』タナカカツキ モーニング2017年28号マンガ サ道 ~マンガで読むサウナ道~(読切) タナカカツキK【CARNAVAL】の11弾としてタナカカツキ『マンガ サ道 ~マンガで読むサウナ道~』の最新ストーリー。 サ道ファンならぜひと言いたい。サウナに行ってととのうと全てがうまくいく。サウナに行きたくなった。犬に角、犬から触手犬神 外薗昌也やむちゃ動物が戦うというテーマに対し、いろんな見方があると思う。ジャンルとしてはホラーとSF?で、かなり絵が生々しいのと相まって始めの数ページで閉じてしまう人もいるかもしれない。私はそんなことよりもかっこいい犬と少年が仲良くしている場面見たさに読んでいた。 話の大筋は寄生獣とやや似た印象だけれど、私は単に動物好きなので犬神を推したい。犬と喋りたい。 全14巻でほどよく長編なのになぜかあまり知られていないので残念。 画力高い新人作家さん多いなぁ(嬉女王陛下の補給線 カワグチタケシmampuku 最前線の兵士からは疎まれがちな「補給部隊」。高貴な身分の女主人公が世を忍び、伝説の重装歩兵「オールデッド・ワン」ことディズ伍長とともに悪を討ち命を運ぶ、人呼んで「女王陛下の補給線」。 パンプキンシザーズによく似た設定だが、パンプキンシザーズよりはライトに読める。ご都合主義とかお約束的展開がリアリティを犠牲にしてる感があるので、それを許せるかどうかって感じ。 それより何より、人物だけでなく鉄道をはじめとするメカの絵がとにかくクオリティ高くてかっこいい。3巻で終わってしまったのは残念だけど、この作者の絵でもっといろんな作品が読みたいと思った。 日の目は見なかったが人々の心には残り続けたブルースバンドの最後のツアーHey!!ブルースマン 山本おさむリコピン100%結成して20年以上経つブルースバンド「ブルース・ファイブ」はギターボーカルでリーダーの西島が心臓に病を抱えてしまったため、解散を決定。ただ最後にこれまでお世話になったライブハウスとファンに挨拶をするため無理をおして全国を巡るツアーをすることになった。 ライブシーンも迫力があるが、ブルースを描いているだけあって哀愁が凄まじい。ただ、哀愁を悲観して嘆くのではなく歌にするパワーは作品全体に広がる哀愁にも通じている。西島が倒れた時に尾崎が「醤油たらしたメシよりステーキ食いたかったわ!!」からの一連のセリフがすごく好き。神様はあれもこれも許しちゃくれないっていうところ。 6年ぶりにギャルボーイの新ストーリーがBE LOVEに掲載ギャルボーイ! 中村真理子みつこギャルボーイの新しいストーリー「母の日スペシャル」がBE LOVEに掲載されていました〜 園子さんの話で、前後編の前編です 晃は相変わらず元気ですね。そして園子さんの安否が気になるので早く後編が読みたい。。。不朽の名作ブラック・ジャック 手塚治虫すず何の漫画が好き?って言われたら、間違いなくこれ! 小学校4年生からファン! ※人面犬ではありませんマッシュGO!! 小森陽一 米林昇輝starstarstarstarstarウマタロストーリーも設定もイマイチだった…。 「トッキュー!!」や「海猿」原作の小森陽一ということでかなり期待してたのだが。。 一部では「人面犬マンガ」などと呼ばれているが、 どこか忘れられない味わいのある漫画なのは確か。 「星つぶ」作者の初連載作放課後ソードクラブ 永椎晃平mampukuマガジンの「星野、目をつぶって。」作者・永椎晃平が以前、別冊マガジンで連載してた剣道漫画。 絵が見やすくてアクションも上手いので、個人的には「星つぶ」みたいなラブコメもいいけど機会があればまたこういう路線で描いてほしいと思う。私はこれジャケ買いでした。<<245246247248249>>
装丁がとてもスタイリッシュでカッコ良いので久米田康治とははじめ気づかなかったが、読んで見ると幅広いネタをバンバンぶち込んでくるところとかは変わらずの久米田作品でした。下ネタの量も増えたので「かってに改造」の頃を思い出す。 時間を移動できる代わりに人間の時間に換算すると1年しか生きられないが故に時間を無駄にする男を許せないサンジェルマン伯爵と、水滴が口の中にいっぱいになるのは何滴だろうって数えたりするほど時間を無駄に使う時只卓のせっかちとマイペースの2人が喧々諤々しているギャグ漫画。久米田康治ファンなら間違いなく好きだと思う。