講談社マンガの感想・レビュー6257件<<243244245246247>>『マジ辞書』土田 別冊マガジン2017年8月号マジ辞書 土田名無し円周率をどれだけ書けるかを競うスポーツ漫画。わりと意味がわからないと思うけど、1番シンプルなこの作品の要約がこれ。マガジン新人賞の入選作で選評をしていた日向武史が「よくこんな設定を思いついた」とコメントをしていたと思う。たしか日向武史だったはず。 円周率コンテスト出場をかけてクラスメートと勝負するんだけど、より早く書くために呼吸をしないとか、ステップを改良するとかそういう技が出てきて、本当にスポーツ漫画だった。 設定的に奇をてらっている感じはたしかにあるが、スポーツ漫画としてもちゃんと面白いので、別マで読んでほしい。 そして、シャーペンの透け具合までわざわざ描いてるのは描き込んでるなぁって思った。4巻発売!どんどんドロドロしてきました!骨が腐るまで 内海八重名無し脅されている相手の情報はまだ全然つかめていないけど、新しい情報の入手先は手に入った。まだ全然脅してくる奴の情報はわからないけど明つながりでこれから少しずつ明らかになってきそうな感じがある。 一方で仲間割れフラグがぷんぷんでこれまでは外に敵がいる状態だったけど、これからは身内に敵がいる感じで話が進んでいくのかなと思う。4巻になって新しい展開も出てきたし楽しいね。作者の精神年齢がすごく高そうな漫画亜人ちゃんは語りたい ペトスmampuku 講談社漫画賞でファブルに敗れ惜しくも受賞を逃した模様。とはいえかなりの高評価で、審査員の赤松健先生は「のけ者はいない」けものフレンズを例に「多幸感」という表現をしていました。 確かにこれを読んだとき、そしてアニメ版を見たとき、「けものフレンズ」と同じ種類の感動を覚えました。同時期に放送していた「小林さんちのメイドラゴン」も同様なんですが、本当の意味で優しい世界なんですよね。多様性とか種族間のどーたらとか、語りだすと堅苦しい長文になっちゃうのでやめときますが・・・ 高橋先生やひかりのように優しくて心の強い人と、そうでもない周りの人々とが、苦しみもがきながらしながら理解を深め合っていく。こういった苦しみはけもフレにはない要素で、けもフレよりも見ていて疲れる部分ですねw遠征版 別冊マガジン2017年8月号将国のアルタイル カトウコトノ名無し『将国のアルタイル』遠征版が別マガ8月号に掲載されていた。この前、マガジンに掲載されていた出張読み切りと同じく十人長時代の話だが今回は盗賊ではなくひったくりを捕まえる話。 ただ、出張版ではマフムートが1人目立つ感じだったが、遠征版ではカリル・パシャとの交流がメインの話だったので、懐かしかったし、いい話だったのでどちからというとこちらの話の方が好きだった。 コミックボンボンから生まれた、オッサン化け猫マンガ化け猫あんずちゃん いましろたかしstarstarstarstarstarひさぴよ長生きしてたら次第にヒトの言葉をしゃべるようになり、完全におっさんと化した猫、あんずちゃんの味わい深い日常を描いた漫画。 実家はお寺。俗世間に順応しきってマイペースに生きているのが羨ましい。 「俺は別にやりたいことなんてねーんだよな・・・」とか言ってゴロゴロしながらも、家事を手伝ったりマッサージしてあげたりと、人のために動くことが多いところが素敵。 あんずちゃんは無免許運転で捕まるようなダメな部分も多いけど、子どもにとって良い教訓になるよう反面教師になってくれてる。単行本の方が読みやすいなエマは星の夢を見る 高浜寛 エマニュエル・メゾンヌーヴ ジュリア・パヴロヴィッチ名無しミシュランガイドの調査員の実体験を漫画化した漫画 ミシュランガイドの仕事が細かく書いてあったり、採点の基準などがあり良かった。 雑誌掲載時は印刷が汚くて、ちゃんと読んでなかったカッコいい青春とは無縁な主人公だが、偉大な男であることは間違いない男おいどん 松本零士starstarstarstarstarマンガトリツカレ男宇宙戦艦ヤマト/キャプテンハーロックのSFや戦場まんがシリーズとも違った4畳半ものの一つ 上京して汚い下宿の四畳半の部屋を借りて貧乏生活をしてるんだけど、自分の道を突き進む主人公の生き様がすげーいい。 よく女性が出てくるんだが、あんまり区別できなかった。 4畳半ものとは下宿の4畳半で物語が進むシリーズの総称と言えばいいのかな(元祖大四畳半大物語/蛍の宿/ひるあんどんなど) ワダチ/大純情くんは4四畳半 + SFなんで厳密には違うと思うんだけどこの辺詳しい人に教えて欲しい。 犬鷲使いの少年将軍の戦記将国のアルタイル カトウコトノ名無し将国という将軍が政治も行う国の最年少将軍になった犬鷲使いのマフムートが、侵略してくるバルトライン帝国を相手に戦う。 スタートから将軍だが、前半早々降格の憂き目にあい中盤くらいまで将軍とは?と見つめ直し続けている。そこからの成長がたくましくのがアルタイルの面白い場面の一つ。 戦いは軍略を巡らせた軍と軍の戦いで、拠点を奪い合う戦争である。マフムートの鷲が活躍したり、海戦では天才的な船乗りがいたり個人の武が軍や軍略で重要な位置を占めるような戦いも描かれる。そして、政治的な話・戦争の話、どちらもわかりやすく読みやすかった。1年1組に集まるのはちょっと変わった女の子うちのクラスの女子がヤバい 衿沢世衣子名無し1年1組のクラスの女子はちょっと変わっている。「無用力」と呼ばれるなんの役にも立たない超能力が使える。それだけが違う。 役に立たないけど、見た目が人と違ってしまったり、世界の見え方が文字通り変わってしまったり、自分のイライラがわかりやすくなってしまったりするので、無用力によって思春期の心の揺れ動きがわかりやすく強調されていて能力とかギャグ的な面白さよりも心理描写の楽しみの方が多かった。 無用力に振り回されながらも、友達とそれを乗り越えたり受け止めたりあるいは笑ったりする高校生活がコミカルに可愛く描かれている。基本的に1話完結なんだけど、最後の話はそれまでに出てきた子たちが総動員で頑張っていて結構感動する。1話1話楽しく読めるし、終わり方も素敵だしとてもいい漫画。ミシュラン調査員の仕事がわかるエマは星の夢を見る 高浜寛 エマニュエル・メゾンヌーヴ ジュリア・パヴロヴィッチ名無し原作のエマニュエル・メゾンヌーヴさんが作中の「エマ」だと思うが、フードライターをしていた彼女が一念発起してミシュランガイドの調査員になった初めの1年間のマンガ 当然たくさんの料理が出てくるんだけど、ミシュラン調査員は料理のどこを評価しているかや、食事だけでなくホテルや店員の態度などもしっかり見ているんだなというのがわかる。 また、料理の評価もメモが取れないから基本的に全部記憶するという時代錯誤的だが、その実績を支えてきた影の努力が垣間見えるところもいい。 1巻で完結していて読みやすい。日本も1話だけ登場するがやはり他の時とは違う感慨のようなものがあった。 出張読み切りが週刊マガジンに掲載将国のアルタイル カトウコトノ名無し将国のアルタイルの出張読み切りが週刊マガジン(2017年31号)に掲載されている。マフムートがイスカンダルと一緒に盗賊を捕らえる話で、ページ数も短くさくっと読める感じ。 ただ、マフムートが十人隊長なので、本編よりも昔の話と思われる。普段から大人!って感じではないが、いつもよりやや幼く描かれている気もしないでもない。 別冊マガジンの8月号にも「遠征版」が掲載されるらしい。講談社漫画賞&アニメで読者層拡大を狙っているんだろうな。本編も今とても盛り上がっているから追い風になってほしいな画集として買ってるシリーズサクラブリゲイド あずま京太郎 日向寺明徳mampuku表紙を見ただけで、そのクオリティの高さは説明不要でしょう。重量感のあるロボット、エロかわな女の子、どちらもこの上なく美麗な線で描かれています。 極秘部隊の試験兵器とか生体接続とかもう嫌な予感がプンプンして最高ですね。ヒロイン二人との三角関係の行方にも注目です。下ネタの天才・・・みんな! エスパーだよ! 若杉公徳麻婆この作者の下ネタは今連載漫画を描いている中では一番笑えます。 後半は少しシリアスな展開を見せますが、1,2巻あたりが最高に笑える漫画です。 おっちゃんがずっとしょうもないことをしていて特に最高です。 使える超能力がみんなちょっとエロに関わっていいるのも、おもしろポイントです。 作者が女の子を可愛く描けてないのだけ残念です。。。 完結、ということで読了したのだけれどもクダンノゴトシ 渡辺潤名無しさん※ネタバレを含むクチコミです。『死に神』 坂上暁人 モーニング2017年30号死に神 坂上暁仁名無し第71回ちばてつや賞入選作品。 死ぬことばかり願ってた元武士が、「死神」から力を授けられ人を救う医者になるのだが…。 墨絵のようなタッチが印象的だった。 終盤の空虚さを表すように、どんどんと色がなくなっていく。 絵とストーリーの組み合わせが上手。 モアイ http://www.moae.jp/comic/chibasho_shinigami?_ga=2.97895196.266229393.1498210060-1619151705.1476162072 夢に潜り奇病に立ち向かうSFLIMBO THE KING 田中相名無し田中相の新作。これまでは人文っぽい雰囲気のある作品を描いていたがSFに挑戦しているので初めて読んだときは驚いた。主人公が負傷して退役寸前の軍人だったりして、これまでとモチーフも大きく変わっていて、色々な面でこれまでの田中相作品とは違う。 ストーリーは眠り病という奇病が蔓延した世界で、夢に潜り病と立ち向かうSF。映画だと「インセプション」とかに近い雰囲気がある。1巻では初めて夢にダイブしたところで終わってしまったが、これまでの田中相には見られない不気味さが全開でとても面白かった。早くも続きが気になる。 あと、おじさんの色気がムンムンなので眼福である。 幼馴染5人の罪が暴かれ新しい事件に巻き込まれる骨が腐るまで 内海八重名無しあらすじの範囲のネタばれ込みだと幼馴染の5人がかつて人を殺し遺棄した罪を共有している。しかし、誰にも知られていないはずだったのが、それをネタに脅迫をされ、姿の見えない敵?に追い詰められていく。 基本的に話、過去に犯した殺人の秘密を守る、敵を見つけるの二つのことをこなそうとするんだけど、敵からの要求がだんだんハードになっていったり、仲間内の友情が揺らいだりしていってハラハラする。 エロ・グロ描写は結構あるので、苦手な人は注意愛嬌のある名探偵名探偵夢水清志郎事件ノート はやみねかおる えぬえけいさかえはやみねかおる先生の「夢水清志郎シリーズ」のコミカライズであるこの作品ですが、 原作の夢水清志郎よりも全体的に明るめのテイストになっています。 えぬえけい先生のポップながら丁寧な絵柄が一役買っていることもあり、 高身長で黒ずくめ、いかにも怪しい細身の男の小説イメージから どこか憎めない、生活力はないけどなんだかすごい!と感じる男に。 原作を読了した方もそうでない方も、ぜひ一度読んでほしいです。面白いとか感動を超えて凄まじかった甘い水 松本剛 板垣久生地獄の田中すごい漫画だった。この漫画を読んだ自分の体に起こった反応がすごかった。内容をうまく伝えられるとは思わないのでその体験ベースの感想を。 どんな物語でも1番最初に読まれるのはタイトルで、最後に読まれるのはまぁ最後のページだと思う。読み進めているあいだ、自分が目にしている1番新しいものは目の前のページに描かれていることで、そうなるとその作品について1番最後に目にしたものはタイトルになるはずだ。 随分と回りくどい言い方してしまったけど、「甘い水」を読んでいると最初に読んだものが今目のまで起こっていることと結びつく瞬間がある。その時の感情をなんというのかわからないが、少なくとも感動とか面白いとかを超えたところにある何かがあった。読み終わって随分経ってもその余韻が続いた。凄まじい漫画だった。 見つけたら買って読んで欲しい。 是非アニメ化をフラウ・ファウスト ヤマザキコレmampukuヤマザキコレ先生の描くローファンタジーは本当に雰囲気が最高。「魔法使いの嫁」とはまた違ったダークな世界観。 主人公のヨハンナも良い。貪欲でずる賢くて慈悲深くもあって、重たい陰を背負っている。ハガレンのエドをずっと大人びさせたような性格という印象。見ていて気持ちいいです。ドラマ化するのか僕たちがやりました 荒木光 金城宗幸名無しまさかのドラマ化 話題度的にはドラマ化もおかしくないと思うけど、内容的に大丈夫なのかな?っていう気もしている 17年の夏に放送らしいからもうすぐだな https://mantan-web.jp/2017/04/03/20170402dog00m200033000c.html柔道に詳しくなくても楽しめるよJJM 女子柔道部物語 小林まこと 恵本裕子名無し前作の「柔道部物語」も「JJM女子柔道部物語」も柔道に詳しくなくても楽しめる。主人公のえもが柔道ど素人ということもあって、技について何も知らないから、えもと同じペースで柔道を知れて逆に楽しいかも。 今2巻まで出ているけど、ずっと面白いし、えもが強くなればなるほど小林まことのわかりやすくて迫力のある試合シーンが増えるからこれからも楽しみでしょうがない。 ちなみに「柔道部物語」とは繋がっていないから、女子柔道部から読み始めて大丈夫だよ(ただ柔道部物語も面白いから読んでほしい) 『井村くんと久住さん』 見多ほむろ BE・LOVE 2017年 No.14 井村くんと久住さん 見多ほむろ ナナシ家がお金持ちで頭も良く女の子にモテモテのイケメン井村くんと自分の時間を大切にしたすぎて友達を全く作らない久住さんは、周囲の目を欺くために恋人だと嘘をついている。 お互いに自分以外の人間と付き合いたくないという利害の一致のための行動だったんだけど、ひょんなことから井村くんのことが気になってきた久住さんの話。お互いの家庭や過去についてちらっと触れる部分もあり、二人が人を遠ざける理由も少しだけ語られている。 秘密を共有している共犯関係的な話(別にバレたって大したことはないけど)で微妙な緊張感がありながら、コミカルで楽しいし、連載を見据えているのかなぁという作り。面白かった。何もなかった高校生活と独りぼっちの応援団をやり直すアゲイン!! 久保ミツロウ名無し卒業式の日に階段から落ちて気がついたら三年前の入学式の朝にタイムリープしていた…というタイムリープもののコテコテな始まり方をする。 だいたい自分の人生を変えるか、誰かの人生を変えるのどちらかが多いと思うけど、「アゲイン」は主人公の今村が誰とも関わらずに高校生活を終えてしまっていたから、誰かと関わることで自分も変わって(成長して)いく 改めて読み返すと人生の分岐点っていうのは本当にたった一言だったりするんだなと思ったりもした。 潰れかけの応援団とニート一直線の今村くんの人生が復活と再生。鉄板ながら情熱的な展開に惹きつけられる漫画だった。<<243244245246247>>
円周率をどれだけ書けるかを競うスポーツ漫画。わりと意味がわからないと思うけど、1番シンプルなこの作品の要約がこれ。マガジン新人賞の入選作で選評をしていた日向武史が「よくこんな設定を思いついた」とコメントをしていたと思う。たしか日向武史だったはず。 円周率コンテスト出場をかけてクラスメートと勝負するんだけど、より早く書くために呼吸をしないとか、ステップを改良するとかそういう技が出てきて、本当にスポーツ漫画だった。 設定的に奇をてらっている感じはたしかにあるが、スポーツ漫画としてもちゃんと面白いので、別マで読んでほしい。 そして、シャーペンの透け具合までわざわざ描いてるのは描き込んでるなぁって思った。