この先出会う男性すべてを、あの人だと思えばいい──権力争いを嫌って城の外れの庭園に住む第六王女オデッタは、黒髪麗しい隣国の王子ヴィクトルと恋に落ちる。二人を妬んだ実の姉に命を狙われたオデッタは、差し向けられた刺客のわずかばかりの情けで、娼館に売られてしまう。命を奪われるよりはと震えながら覚悟を決める、処女のオデッタ。いよいよ開かれた二重扉の向こうから現れたのは……。
「何回でも達(イ)けばいいだろ。俺がいれば怖くない」両親の不仲のせいで、恋愛や結婚に夢を見ない性格に育った由香里。家族のような存在の幼馴染み、宗佑のいるところだけが、唯一の心安らぐ場所だった。ある日由香里は、大企業グループの会長である宗佑の祖父から、宗佑との婚約を持ちかけられる。愛情はいつか冷めるもの。彼のためなら形だけの婚約くらい何でもないと承諾した由香里だったが……。
これからの三ヶ月できっと、どうしようもないくらい恋に落ちていくのだ――コンテストに敗れ続け傷心のフレンチシェフ片倉美雪は、フランスから帰国する飛行機の中で食品メーカー社長の桜庭壮吾と出逢う。「俺に口説かれてみないか?」なし崩しにタクシーに乗せられ、ドレスを着せられ、きらびやかなホテルで一夜を過ごした美雪。行くあてのない美雪に、壮吾は三ヶ月の恋人契約を提案するが…。
「たくさん待たせてごめんね。一緒に、幸せになろう」幼いころ海外に旅立ってしまった幼馴染、悠馬のプロポーズを信じて待っていた芽衣。だがぷっつりと連絡が途絶えてしまって以来芽衣は恋をしないまま、ちょっとオクテでおカタめな大人になってしまった。期待するのはつらいだけ。でも時々無性に寂しさが込み上げてくる。そんなある日、とびきりのイケメンに成長した悠馬が帰ってきて…
「風が吹かなければ、俺たちは出会うことはなかった。運命だったんじゃないかな」勤め先の法律事務所が閉所となり、再就職先を探していた亜子。風に舞った求人票を拾ってくれたのは、なんと大手事務所から独立したばかりのエリート弁護士、秀一だった。彼に誘われ勤め始めた二人きりのオフィスで、少しずつ縮まっていく二人の距離。でも秀一は、ウエディングドレスの誰かが写った写真を大事そうに持っていて……?
「俺に愛されてる時点で、幸運だろ」「それ本気で言ってます?」実家の不幸で貧しい境遇にありながら、両親を支え健気に働く看護師の逸子。自分を不運を呼ぶ女だと思い込んでいる逸子は、職場の外科医貴伸が女性と揉めているところに遭遇してしまう。両親が送り込んできた女性から結婚を迫られ、どうにか逃げようとしているという貴伸。「もうお前でいい」と彼に迫られ、逸子は婚姻届に強引にサインさせられてしまい……。
「……する?」「する」地元の名家だった実家を飛び出し、昼はバイト、夜はキャバ嬢として不安定な生活を送る美紀。夜の街で偶然再会したのは、美紀と同じくしがらみを嫌って家を出た、幼馴染の徹だった。かつての想いを取り戻すように、甘い甘い同棲生活を送る二人。だが美紀は実家に居場所を知られ、徹は実家のお家騒動のいざこざに巻き込まれてしまい――
「俺、今夜は絶対に先生のこと抱きますから」甘子は大学病院の腕利き外科医。だけど恋愛経験は研修医未満。ふとした過ちでイケメン研修医の刀也とホテルに入ってしまった彼女は、処女なことを隠したいあまり、とんでもないことを言ってしまった。「挿れずに私を満足させられるまで、この先の続きはないと思いなさい!」ドS女医様と年下研修医クンの、年の差純愛院内感染。秘密の性感研修が今夜も始まります……!
「まだ、私のこと好き……?」「その答え聞いても、俺とセックスできるの?」会社を解雇されてしまった、仕事一筋OLの比奈。思い詰めて自殺しようとしていた所へ、元彼の継海が訪れる。「死ぬくらいなら、俺のペットになりなよ」――イラストレーターとして成功した彼の高級マンションで、「ペット」として愛される倒錯的な日々が始まる。彼はひたすら優しいが、本心は見せない。彼の想いは、果たしてまだ「愛」なのか――
「もっと深くまで、あなたに私を刻みこみたい」教育関係企業に事務職志望で入社した秀美は、社長の鋼野に「新型AI」教育係の仕事を持ちかけられる。破格の待遇に興味の湧いた秀美は二つ返事でOKしてしまうが、連れて行かれた先は「ディープラーニングルーム」と名付けられたベッドルーム。新型AIとは「性教育AI」で、その教育方法とは、鋼野とのエッチを撮影した映像を用いて行うものだった――