「秋希……、ずっと俺のものでいて」大手ジュエリーメーカーのデザイナーの秋希は、同じジュエリーデザイナーの修哉と、お互いの作品の試着会をする良き仕事仲間だった。だが結婚目前の彼女と別れたという修哉から、大人の慰め方をしてくれとせがまれる。七年の間密かに抱いてきた彼への想いを抑えきれず、秋希は彼を受け入れてしまう。御曹司の彼となれる関係なんて、よくてセフレだとわかっているつもりだったのに――。
「このまま何の隔たりもなく、ナカに入りたい……」大手飲料メーカーの秘書課に勤めるアラサーOLの真央は、海辺のリゾートで開かれるイベントの担当役を突如押し付けられてしまう。引き受ける代わりに二週間の有給休暇を勝ち取り、てきぱきと仕事をこなす真央だったが、リゾート客の逆ナンに困っている様子の男性を見かける。年下らしいその彼は、真央が年甲斐もなく目を奪われるほどのイケメンで……!
「君が抱き枕になってくれたら、会議も仕事も頑張れるんだけどなぁ」ネイサン王国屈指の魔力を誇る魔術士団長ジーヴァ。だが副官のアイリーンにとっては、ただちょっと顔が良いだけのダメ上司だった。だらしがない、居眠りや会議の遅刻は当たり前、そして息を吸うように口説いてくる……。困り果てていたアイリーンはある日、ジーヴァの「添い寝してくれたら朝もちゃんと起きる」という言葉に軽い気持ちでうなずいてしまい……!
「私が『現物』です。よろしくお願い致しますお嬢さま」家事代行派遣サービスに勤めるみのりがある朝出勤すると、社長は夜逃げし、事務所は空っぽになっていた。途方に暮れるみのりの前に現れたのは、未払い給与代わりに『現物支給』された執事、加納千隼。二十も年上の彼もまた、行き場を失い困り果てている一人だった。頼み込む千隼を断り切れず自宅に迎え入れてしまうみのり。謎のイケオジ執事との癒しの同居生活が始まった…。
「今さら恥ずかしがるのか? 君の白い肌は、俺だけが触れられるものなのに」勤め先の社長に突然息子とのお見合いを打診されたOLの奈々美。だが社長の息子涼真は、甘いルックスとストイックな仕事ぶりが評判のエリート副社長だった。社長を納得させるため、形だけのお見合いを済ませてお互いに結婚を断るつもりだったはずが、誠実な涼真の人柄に奈々美の胸はときめいてしまい……。
「言っただろ、いくらでもしてやるって。今夜は離さないから」憧れだった年上の幼馴染拓郎と、職場で偶然再会した美沙都。懐かしさとあの日の想いに衝き動かされるまま、二人は一夜を共にしてしまう。だが、親会社の重役の息子で仕事の評価も高いエリートの拓郎が、ただの幼馴染の自分を本気で想ってくれるのだろうか。戸惑いが拭えないまま、美沙都は拓郎と何度も体を重ねてしまい……。
「貴方に男として見られていないのは、面白くないですね」不動産会社勤務の皐月をクレーマーから助けてくれたのは、銀の眼鏡の下に冷たい瞳が光る青年、新だった。年下にもかかわらず会社を経営し仕事に打ち込む彼に、いつの間にか惹かれていく皐月。だが紹介した物件を契約する手続きの最中、激務に疲労していた新は眩暈を起こし倒れてしまう。思わず看病せずにいられなかった皐月は彼を……。
「この曲を弾いていると、君を思い出すんだ」外資系インテリアショップで働く堤花音の楽しみは、週に一度、叔父が経営するピアノバーで演奏することだった。ある夜ピアノを奏でる花音の前に、世界で活躍する天才ピアニスト霧島蓮が帰ってきた。かつて花音にとって、憧れであり、コンクールを競うライバルでもあった蓮。再会の喜びの中、二人はめくるめく一夜を共にする。だが蓮は、公演をドタキャンし失踪している最中で……。
「他の男に渡すわけにはいきません。俺に黙って抱かれてください」システムエンジニアの千乃は、男性ばかりの職場で毎日逞しく仕事に明け暮れていた。だがそんなある日、千乃の元に田舎の母からお見合いをしないかという話が届く。それを聞いてしまった少々癖のある後輩、尊は、血の気が引いた顔で千乃に覆いかぶさる。可愛い後輩の突然の豹変に驚きを隠せない千乃。だが戸惑いつつも久しぶりの人肌に感じてしまい……。
「胸だけでこんなに感じてくれるなら……ここを触ったら?」本好きが高じて大人向け恋愛小説のレビューブログをこっそり運営している書店員のさくら。ある日、書店の常連客の朔にレビューブログの事を知られてしまうが、同時に朔がさくらの大好きな恋愛小説家であることを知る。互いに想いを寄せ合い結ばれた二人だが、その後朔の小説のラブシーンを読んださくらはある事に気づく――朔さん、自分で書いた話を私で試しているの?
「僕は、貴女の身体がほしいだけなので」その造形の美しさで世界的服飾ブランドを支える『ヤタニマネキン』。一つ一つが職人手作りの芸術品であるそのマネキンに、ファッションデザイナーの周音(あまね)はいつか自分の服を着せることを夢見ていた。だが思うように成果が出せずにいたある日、どういう訳か社長から隠遁生活中の息子の世話を言いつけられてしまう。その息子とはなんとあのマネキンの原型師、海鈴(みすず)で……。
「あそこの信号までに決めろ。まっすぐ行けば駅。右に曲がったらホテル」想いを寄せていた年上の幼馴染に、とうとう失恋してしまった真白。大学時代からの友人で、今は真白の上司である亘は、泣きはらす真白を慰めながら迫る。「手っ取り早く忘れさせてやろうか?」男女の関係になったところで自分たちの関係は変わらないはず。長年の片思いに疲れ切っていた真白は、亘の誘いに……。