天沢聖司
天沢聖司
2023/02/24
ネタバレ
「ボーイズラブ」を辞書で引いたらこれが出てきてほしい
読みながら「そうそう!!ボーイズラブってのはこういうのだよ!!!」とニコニコしながら読んでしまいました。 とにかく「昔ながらの」「古き良き」「ド王道」そんな言葉が似合う。 3高で不器用だけど受けのことを一途に愛している大人のスパダリと、気が強く美人ででも素直なところもある男子高校生の受け。 はっきり言って100万回みたことあるような展開で、なにか起きるたびに受けが取り乱して泣いて逃げ出して攻めに捕まりよしよしorお仕置きセックスというストーリーの中身の無さがすごいんだけど、それでいい!むしろそれがいい…! 近年BL作品は全体的に、文学・芸術と呼ぶにふさわしいほど1つの作品としての完成度が高くなってきていますが、もともとは「山なし・落ちなし・意味なし」の「やおい」だったじゃない!という、昔の気持ちを思い出させてくれる素敵な作品。 攻め様のビジュアルについて。 作画のレベルの高さが令和な一方で、妙に顔が縦に長く、肩幅と身長がデカいところにも「古き良き」趣を感じ、あえて狙ってやってるんじゃないかなという気がします。 3巻まとめ読みできて本当によかった。1巻だけだったら「ここで終わりか〜!!」と悶絶していたと思います。 ぜひこれから読む人はイッキ読みしてほしいです。
天沢聖司
天沢聖司
2023/01/19
ネタバレ
女同士の感情が入り乱れる入れ替わり中華風ファンタジー! #推しを3行で推す
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ よくあるテーマと侮って読んだら予想外に面白くて嬉しい!おもしれー女! ・特に好きなところは? 決めゴマがメチャクチャ魅力的に描かれてるところ! ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 女性たちの感情がいろんな方向性で、いろんな組み合わせ飛び交うので最高…!4巻で一区切りなのでぜひ4巻まで読んでほしい!   【以外、長文語り】 まぁ、とにかく主人公の玲琳がおもしれー女すぎる…! 皇太子から寵愛をうける才色兼備で情弱でか弱いお姫様ねーハイハイと思ったらとんでもない!実は虚弱さが日常であるために、どんな高熱であろうと詩作・管弦・碁・舞など教養の研鑽は欠かさないとんでもないド根性の持ち主。 物語の序盤、入れ替わった直後に牢に入れられた際、ゴキブリを素手で捕まえ「(牢の同居人である)ネズミさんのご飯が確保できた」と喜んだところでこいつ只者じゃないなと好きになってしまいました。 1話だけ読むつもりが、気づいたら3話→1巻(KindleUnlimited)→4巻と順調に全部読んでいました。 入れ替わり前は健康なときの方が少なかったからこそ何でも出来る健康な体をこれでもかと桜花し、さらには健康な肉体に元々のド根性が加わりパワフルさが半端ない。軽妙なコメディはほぼ主人公が発信源になってます。 そんな鋼のような強靭な精神力と雅な立ち居振る舞いに寛容さを併せ持つスパダリ(概念)のため、入れ替わり前から各方面から愛されているのはもちろんのこと、入れ替わり後にと呼ばれ「総嫌われ」になっても会う男女をほとんど落としていく。 玲琳(才色兼備で努力家誰からも慕われる病弱な雛女 “殿下の胡蝶”)⇔慧月(人を妬み虐め努力はしない誰からも嫌われている雛女 “ネズミ”) という構図で入れ替わるのですが、慧月に入った状態でも玲琳は ・慧月に虐められていた女官 ・後宮の風紀を取り締まる長官(男) ・芸術を愛する雛女・清佳 ・玲琳を敬愛し仕えていた筆頭女官・冬雪(入れ替わった玲琳をどぶネズミ呼ばわりした) ・慧月 を落としてます。 玲琳を溺愛し慧月を蛇蝎のごとく嫌っている皇太子が、慧月のために汲んだ清水のおかげで玲琳の正体に気づくという展開がよかったですね…。あと冠を外して懇願するとこ。 というかこの作品 ▼妃・姫同士 玲琳⇔慧月 黄 絹秀(皇后)⇔朱 雅媚(朱貴妃) ▼主従 玲琳←莉莉 玲琳←冬雪 玲琳と慧月の関係性の変化を同じ構図で白黒対比させたの、綿密に寝られた演出で好きです。 ▼『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』2巻6話 https://i.imgur.com/Wl6FjEX.jpg ▼『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』3巻14話 https://i.imgur.com/D2B7chm.jpg マジで女同士のクソでか感情が飛び交いすぎてる。 特に皇后と朱貴妃。これは岸辺露伴みたいにスピンオフで映像化されたほうがいいレベル…。 >「いいや 使わん あんな男に見せてやるのはもったいない これは妾の手巾にする」(ちゅっ) 「ちゅっ」じゃないよ…サラッとそういうことしないで…! そしてこの皇后が玲琳に対してはなんか含むものがあるようなのが気になる。 気になりすぎてコミックスの続きであろう原作3巻を買ってしまいました。いつか超絶作画でアニメ化してほしい!! https://zerosumonline.com/zerosum/comic/futsuakujo 【追記】 そもそも何がきっかけで読み始めたんだっけ…?と閲覧履歴をさかのぼったら、デパコス行ったらめっちゃ褒められたというまとめを読んでたら、ツイ主(中村颯希先生)が『シャバの「普通」は難しい』の人で、しかも名前だけは知ってた『ふつつかな悪女』の作者でもあったとわかったからでした。何が読書のきっかけになるかわかりませんね(しみじみ) https://togetter.com/li/2051279
天沢聖司
天沢聖司
2022/12/26
男女の双子に挟まれる最高で最悪の三角関係 #1巻応援
今週のヤンマガ(23年4・5号)に1話が載っててソッコーで1巻を買ってしまいました。最高すぎる!!! 父親が不倫相手とセックスしているところを見てしまったせいで女性に触れられなくなってしまったモテそうな感じの高校生・力丸が主人公。幼馴染のかがみと付き合っているのですが、女性に触れられないのは幼馴染であっても例外ではなく、恋人らしいふれあいをしてあげることができず不安にさせてしまい、ついに秘密を打ち明けて、まずは手だけでも触ってみようということになるのですが……。 いや〜〜このシーンの天国から地獄へ突き落とす流れ。 彼氏の手に触れて幸せそうなかがみと、彼女の手にすら嫌悪を感じる主人公の絶望顔(からの嘔吐)。 天才的でした…! この関係の最高(最悪)なところは、彼女に瓜二つな双子の弟・きょうがいてこの弟には問題なく触れるっていうところなんですよ!! しかもきょうの方からグイグイ来るんですよ。困りますねぇ☺️ この漫画のメインディッシュって、誰がどう見てもかがみじゃなくてきょうとの関係ですよね!? ってことは実質BLなんですけど、BLと違うのはがっつりかがみとの関係が描写されるところ。 「彼女との関係をきっちり描いたうえで弟とも関係を持ってしまう」という話の展開は青年マンガだからこそできるもので、BLでは味わえない深みがあって本当に素晴らしいなと思います。 「(フツーの女の子vs男の娘だったら男の娘一択じゃん!?こんなん…!)」と思いながら最後まで1巻を読んだら、おまけ絵がメチャクチャエッチなきょうのイラストで笑いました。ですよね!!!解釈一致。 そんで絵がとにかく上手くていい。 主人公はかっこいいし、かがみちゃん&きょうくんはかわいい。 久々にいい恋愛マンガに出会えました。続きが楽しみです。