寸々2024/02/24来陽と青梅友達だと思っていた子からのアウティング描写が辛く、読んでいてもメンタルをやられてしまうので気分が安定している時に読むべき。デビュー作で「自分から言葉にして伝えること」を描いていたのに対して、今作では他人からのアウティングを正面から描いている。 同性愛者当人である淳と同性愛者に人生を壊されてしまった心とのダブル主人公でやりたかったのかな…?と思うが、描き切れていない感じも。 現役大学生作家としてデビューした深山はな先生、まだ別の作品も読んでみたかったが、これを最後に筆を折ってしまったようで残念。来陽と青梅深山はな3わかる
寸々2024/02/24一端の子「発言とは リスクと可能性が共存している なんらかの変化をもたらす行為である」。 女を好きになった(なってしまった)女たちの、"言葉にして伝えること"について描くオムニバス。 歪んだ愛情や執着もあれば、女を好きになる瞬間のお話もあり、百合の幅が広い。特に第3話の「無題」が好き。一端の子深山はな2わかる
寸々2024/02/23アントロポセンの犬泥棒相変わらずの面白さ。漫画表現の多彩さに磨きがかかる。 判型と装丁の変態さは物理で持つことを強要してくる。 「犬泥棒」、「美しいひと」が好き。アントロポセンの犬泥棒川勝徳重4わかる
寸々2024/02/18RAIDEN-18ハガレンの連載と並行して、こっちではモラル無視で死者を扱うブラックジョーク&スラップスティックな漫画を描いていたこと自体が面白い。 15年かかって単行本になっただけあって装丁が豪華。これだけスパンが開きながらも絵柄が変わっていないのもすごいこと。 "けざわひがしさん"は当時ハガレンの海賊版が出回ってたことへの対抗だとかいうエピソードもあるらしい。RAIDEN-18荒川弘3わかる
寸々2024/02/18最果てから、徒歩5分膳さんや伊吹くんの過去等、色々描き切れていないことがあって残念…。 が、ギルダの3人が「夕雨子さん」に願望を押しつけていたのと同じように、百合子さんも夕雨子さんに「自分を殺してくれる」という期待を押しつけていたことに気付くラストが良かった。 自分の居場所を選び、誰と過ごすかを選び、生と死に向き合っていくお話を経て、最終的に主人公たち4人は衝動的に身体が動いた方で生きていくことを決める最終話。「最果てから徒歩6分」という副題もイカす。最果てから、徒歩5分糸井のぞ1わかる
寸々2024/02/10ノラと雑草お互いに傷を抱えた少女と中年刑事の共依存。ハラハラの逃避行シーンが好き。 登場するキャラ全員が善悪で割り切れないのは良かった…が、最後にルポライターを出してひとつのルポルタージュ風に仕立て上げ、「事件は善と悪で分けられるものなのだろうか?」と言葉にしてしまった瞬間に小さくまとまってしまった感。 今まで読んだことのなかった作風の真造作品ということで価値がある。ノラと雑草真造圭伍4わかる
寸々2024/02/09晩年の夜68ページ、大満足のボリューム。 ベテラン戦士と若き天才魔女の話。老いて衰える戦士と、歳を重ねることで強さが増す魔女の対比。 自らを顧みること、自らの役割を問うことが描かれている。面白かった!晩年の夜pi2わかる
寸々2024/02/08蝋燭姫「守る者と守られる者」「野蛮と高貴」の関係性からお互いの胸の思いを口にし、死の瀬戸際で王女と侍女の役割から解き放たれるラスト。この描き方がとても好きだった。 カメラの使い方というか、1コマ1コマがキャラにクローズアップした画面も印象的。やや読みにくくも感じるが、キャラクターの顔がコマ枠をはみ出すように描かれるからこそ、2巻でのスクワ姫の豊かな表情変化が効いてくる。蝋燭姫鈴木健也4わかる
寸々2024/02/08田舎の美少年地方差別×ルッキズムをすごい速度で主張してくる漫画が目に入ったので冷やかし程度に買って読んでみたけど、コメディ調のまま「田舎の」「美少年」を(暴力的に)独占して行く流れになり、すごかった。田舎の美少年右野マコ2わかる
寸々2024/02/08夢想のまちただの雰囲気漫画…では終わらせない、読ませる何か(というか物語の意図みたいなもの?)があるような気にさせられる。 夢と現実の境界が曖昧なお話の中で、印象的なセリフが多い。夢想のまち夜の羊雲
寸々2024/02/04きーちゃんともんもん怒ると鬼に変身してしまう体質を持った女子高生2人が周囲から差別されながらもありのまま生きていこうと手を取り合う話。ラストはメリバを描きたかったのかなと思うが、鬼に対して学校とか社会が機能していない時点で人間と共存する意味は…?と思ってしまった。 キャラデザは好き。特に鬼になった時の主人公。きーちゃんともんもん桐島豊2わかる
寸々2024/02/04ポケットの中の君松本大洋の奥さん、アシスタントとしても知られる冬野さほ。ポップでエキセントリック極まるコマ割りと画面表現で、読んでいると五感が研ぎ澄まされていく。少女の一瞬の表情を切り取るのが巧い。 「have a flavor of sun」と「she loves you」がお気に入り。ポケットの中の君冬野さほ6わかる
寸々2024/02/03あの嫌いなバンドはネットのおもちゃ「好きなものを好きで居続けるのは難しい」。あのバンドも先生のことも。 独りで鬱屈して独りで感情をこねくり回すいつもの小骨トモ漫画でありつつ、演出面での進化もあり、最後は前を向いたオチになってる。良かった。あの嫌いなバンドはネットのおもちゃ小骨トモ3わかる
寸々2024/02/03月と太陽の17歳米代先生の新作百合読み切り(みなみちゃんの恋)を読んだらこちらも読み返したくなったので。 自分のことを依存される側だと認識していた女が、その依存の実態は自分本位に偏ったものだったことに気付く瞬間の表情が好き。依存関係を錯覚している女ほど好きなものない。月と太陽の17歳米代恭3わかる
寸々2024/02/03みなみちゃんの恋好きな女の気を引こうと自分を傷つけていく女。でもそれは好きな女の幸せを願ってのことでもあってどうしようもない。 これ田中みなみと伊藤あさこから来てるのマジ?みなみちゃんの恋米代恭1わかる
寸々2024/02/02てづくりの魔法DIYを通して出来ることが増えて喜びを感じ、何かに熱中することで無気力だった生活が豊かになっていくストーリーが良い。 縄文人ネタや子ども相手に突っかかる描写が気になるといえば気になるかも。てづくりの魔法木村胡麻2わかる
寸々2024/01/30友達として大好き3巻以内完結漫画のオールタイムベスト。 破天荒ギャルと真面目生徒会長のデコボコ(ラブ)コメディになりそうなところを、最後まで「友達として大好き」のタイトル通り忠実に"友愛"を描き切った。 沙愛子に友達の規則(対人コミュニケーション)を説いていたゆい君が、いつの間にか沙愛子からも学んでいき、対等な関係性になっていくのが好き。 脇役の生徒会メンバーもみんなキャラが良くって、運動会と文化祭の回は何回読んでも泣いちゃう。友達として大好きゆうち巳くみ3わかる