なおなお
1年以上前
まずは今回の第52話をもって単行本第6巻収録分が完結、来週より第7巻に突入できることを作者さんにはおめでとうございます、と言いたい。 さて物語のほうは予測のつかない動きを見せている。舞台は函館に向かいつつあり、心は由紀(多分向かいに座っているのは)と向かっており、さつきと鈴が先に着いてしまった。何を企んでいるのか相変わらず不気味だ。さつきはこの一連の動きにおいて紀子とはもちろんみきおとも口裏を合わせてはいないようなので、やや偏った思考の下、行動しているようだ。真意は分からないが、あるいは作者からトリックスターのような役割を与えられているのかもしれない。場をかき回すことにより各キャラクターの真意や行動が見えてくるようにするため。 いずれにせよますます目が離せなくなった。 そして久々の犯人登場!発言にはいろいろと突っ込み所がある。「28年が経つらしい」ってなぜ他人事のように言うのか。さすがにトラウマになっているかと思ったが「楽しかった」!「毛虫」という表現は、たくさん送り付けられた絵にもあった。絵の作者と同一人物なんだろうか。そして怖いのは「奴らが出はじめた」、それも「また」、幻覚なんだろうけど異常性を感じる。やはりたくさんあった絵の中の、対応する出来事が分からなかったモチーフが、この人物の思考を、人生を歪めてしまったんだろうかとも思う。さつき以上に。 そして最後のコマは話がいちばん最近の絵にハマるような描写だ。絵の中の標的は妊娠中の鈴かもしれないし、89年時点では胎児だった心なのかもしれないが、どちらにせよ果たして素直に実行するのだろうか?ささやきは聞いているが、自分の意志だとは言ってない。ただ薬物殺人には味をしめている。限りなく危険だが心を動かす余地はありそうだ。