名無し
1年以上前
警察官っていうのは、なにかあったら 「警察官ともあろうものが」と糾弾される。 一般的な職業に比べ、ストレスの溜まり方が強い 大変な職業らしい。 なのでこのマンガは、警察内部ではホントに こんな低レベルな揉め事が、ストレス解消策として 実際に頻発しているのかもしれないと 思ってしまうリアリティはある。 だからといってストレス解消をパワハラ的、モラハラ的な 理不尽な手段で行使し発散しても良い、とはならないわけで、 そこに悲哀が生じてしまう。 このマンガは、そこからさらに一捻りして、 そういった警察内部の揉め事や問題点を 野宮警部補が論理的でいて、ときに詐欺的だったりする手法で、 小悪党を成敗するという痛快ギャグ漫画に仕立てている。 しかし野宮警部補は、けして正義感や道徳観から 巨悪を正そうとは思っていない。 倫理観で行動をしていない。 子供じみた感情や気分、過去の恨みからの私憤で行動している。 「野宮警部補は許さない!」の、許さない、は けして正義感や公的な憤慨からの「許さない」ではなく、 個人的な好き嫌いや恨みが原動力になっている 「許さない」だと思う。 そこには実は「正義」はない。 だが、だからこそ、薄っぺらい正義感や 実は現実的でない勧善懲悪話よりも 独特な価値感やリアリティによる 爆笑ギャグを感じてしまって面白かった。
警察官っていうのは、なにかあったら
「警察官ともあろうものが」と糾弾される。
一般的な職業...
六文銭
六文銭
1年以上前
ゾンビ映画やドラマって以前はB級ホラー臭漂うものでしたが、昨今、あらゆる面でハイクオリティになってますよね。 描写的にも、ストーリー的にも。 ただのパニックホラーからヒューマン・ドラマまで、ゾンビには無限の可能性があるなぁと感じてます。 マンガも然りです。 本作は、数あるゾンビ作品のなかでも、まだこんな話ができるのかと唸りました。 さて、その内容なのですが、 ゾンビによって人類がほぼ絶滅な状況のなか、主人公もゾンビになってしまう。 しかし、主人公は他のゾンビと違い、人間同様の知能と感情が残っており、人間とゾンビの狭間の存在となる。 そこで、彼はその知能を使って、ある計画を考える。 それは残った人間を繁殖させ、ゾンビたちの食糧を確保するというもの。 これによってゾンビ界の神になろうという目的だ。 冒頭から人間の男は確保できていたのだが、つがいとなる女性を探して話はすすむ。 そんな中現れたのが、人間時代に未練を残し別れた元カノ。 彼女を使って計画を実行するのか? ゾンビになった主人公の葛藤が描かれます。 感情があるがうえの葛藤。ゾンビと人間の対比が見事です。 また、ゾンビから逃げるか・戦うかのストーリーが多いなかで、ゾンビになって自身の野望を実行するとか秀逸です。 とにかく気になるところで話がグイグイすすむので、あれよあれよで読んでしまいます。 胸糞悪い展開も、良いスパイスとなって、これがまた良い。 まだ1巻しかないのですが、今後どう転ぶのか楽しみな作品です。