兎来栄寿
兎来栄寿
2ヶ月前
多様性の時代である令和。最近はメイドも多種多様です。 ひたすら食べるだけの子もいれば、アキバで抗争するメイドもおり、ゴミ捨て場で拾われるヒゲ面メイドもいます。 そんな中、こちらはスケボーで空中を舞うメイドのお話です。 世の中、掛け算が大事で。単体ではありきたりであっても、掛け合わせることによって独自の組み合わせとなりそこに魅力が生じてくるのは人間でも作品でも同様です。 「スケートボード」×「メイド」。 通常では交わることがほとんどないであろうふたつの要素をどちらもこよなく愛する筆者によって、唯一無二の作品が誕生しています。レースを振り乱しながら、激しく華麗なトリックを決める姿が新感覚です。 すずしろさんの画力がとにかく高く、女の子はそのままラブコメにしても問題がないくらいかわいいのですが、そのかわいさを保ったまま少年マンガのアクションのように格好良く迫力のあるスケボー捌きを見せてくれます。表紙絵だけでも伝わるであろう、躍動感と疾走感がたまりません。大胆に見開きや大ゴマを駆使して目だけで楽しませてくれます。 個性豊かで魅力的なメイドたちのみならず背景も美しいのですが、西洋風の街並みの中に現代的なスケボー専門店が存在しており、細部の部品まで精緻に描かれているのに愛を感じずにはいられません。 「好き」は最強ですが、この作品には確かな「好き」が溢れています。 描きおろしでも見られる、スケボーから離れた日常の部分だけでも彼女たちの息遣いが感じられて好(ハオ)です。 マンガでも十分面白い作品ですが、アクションが非常に動画映えするであろう作品なのでアニメ化されたら海外などでも大ブレイクしそうで今後の展開が楽しみです。
まみこ
まみこ
2ヶ月前
まぁ、食べている時に、酸っぱい一品食べたいと思いません? _____ 食漫画をある程度読んでいる人には、フフッてなる、お約束の展開で微笑ましくて良いですよね。 …で終わらしたい!でも、他のAmazonとかの感想を読むと、「このモラハラ野郎が!」ばかりでビビってしまったり。 食漫画をある程度読んでいる人には自明ですが、「いま、自分が食べているのは文化である」「いま、一緒にいる人と食べているのはコミュニケーションである」なんですよね。 この作品には、それが分かってない人と分かっている人が混在していて、分かっていない人が徐々に分かっていく、と言う展開が良いのです。ホントに性格に欠陥があって、モラハラする人、じゃなくて単に知らないだけ。知識の欠如とコミュニケーション不全を、食べることを通じて柔らかく開放する、と言うのは食漫画の基本なのですが(まぁ、『美味しんぼ』ですよね)、この作品もそれに忠実です。良いですよね。 後、「酒は雑に呑むな、大切に呑め」ですかね。 _____ 母親が丁寧に出汁を引いてくれた、作ってくれていた筑前煮の味の秘密が…、と言う小さいオチも良いのですが、いなかもののわたくしは、はぁ?フツー、筑前煮に出汁入れる?と前段階からキレてしまいました。