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2022/04/29
嫁姑漫画を少年漫画の文法で描く!
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「嫁姑漫画」なるジャンルがあります。嫁と姑の確執は永遠のテーマですからですね。コンビニなどでよく見かけます。 そして本作「かんかん橋をわたって」は、嫁姑漫画の極北に位置する漫画です。 初期は、まぁ、わりと普通の(?)嫁姑漫画です。嫁ぎ先の姑がイジワルで、いろいろな嫌がらせをしてきます。 主人公の嫁ぎ先である「川東」(かわっと)では、イジワルのことを「おこんじょう」と呼ぶのですが、主人公の姑はなんと「川東(かわっと)一のおこんじょう」と呼ばれている凄い姑! 主人公は、そんなおこんじょうに耐えて一生懸命頑張る!というお話でした。 まぁ3話で「嫁姑番付」という「嫁いびり番付」の話が出てきたりとか(主人公は4位)、やや特殊な設定が見え隠れしますが、このへんはまだ普通でした。 ところが4巻くらいからだんだん風向きが変わります。 主人公の姑は、ただの「おこんじょう」ではなく、恐るべき策士であることが明らかになっていきます。 主人公は、その様子を見て、「お義母さんにはすべて見えているんだわ」「なんて…なんてすごい人なんだろう!」とか言い出します。 そして、憧れの姑に負けないように、自らも恐るべき「おこんじょう」を発揮するようになっていきます。 具体的には、姑の着物ダンスから防虫剤を全部抜き取って着物を虫食いだらけにしたりするんですが…(なお、姑はそれを見て大変喜び、とびきりの笑顔で虫食いだらけの着物をきて歩き回ります。)。 さらに、主人公は、その他の嫁姑番付ランカーにも働きかけ、嫁姑の仲違いを解消したり、問題を解決するなどして、どんどん力をつけていきます。 それを見た姑が「なんて上手なおこんじょう」と評すシーンなどは、作中屈指の名シーンですね!(添付)。 そして物語はクライマックスに向けて動き出します。 地域支配者たる「ご新造さま」があらわれ、嫁姑番付ランカーが次々と登場します。 恐るべき「ご新造さま」に対し、主人公と姑は共闘し、最終決戦に挑むことになります。 もう何のこっちゃか全然わからないかもしれませんが、とにかく最終的にはそういうお話です。 このように、本来は、嫁姑漫画のはずなのですが、「嫁姑ランキング」とか「成長する主人公」とか「力を合わせての最終決戦」とか「ラスボス」とかの少年漫画的要素を盛り込みまくって完成されたのが本作です。 「嫁姑漫画を少年漫画の文法で描いた」ともいえます。 怪作ですが、個人的には大好きです! なおコミックは全10巻(ただし電子版のみ)。現在は全巻アンリミで読めます!
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2022/04/22
徳光先生のオタク心が激しく炸裂!
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濃爆おたく先生は、ガンダムオタクの教師が主人公である、オタクによるオタクのためのオタク漫画です。 作者は徳光康之先生。 内容は…滅茶苦茶です! 何しろ主人公の「暴尾亜空(あばおあくう)」は、登場早々、生徒たちに「どのモビルスーツが一番好き?」と質問したと思ったら、延々とドムに関する妄想を語り出すような奴です。やることなすこと滅茶苦茶! ライバルが出てきたと思ったら、二人でガンダム妄想対決を始めたりするし、 「叫ぶジオンの会」なる仲間たちが出てきたと思ったら、聴衆を巻き込んで道端で「ジークジオン」とか叫び出すし、 「ドムを創った男たち」とかいうとんでもない話がいきなり始まるし、 ヒロインと思われる女の子は「ア・バオア・クー・レディ」とかやりだすし、 同士がたくさん集まって「ジオンファイト」とか始めるし、 とにかくもうやりたい放題! しかも熱血! キャラクターのほとんどは常に叫んでるし、絵も濃いし、名言も多いです 「知識を語るな」「愛を語れ」!(添付)は、 オタクとして心に刻むべき名言です なお、勢いだけの漫画ではなく、普通に面白いですし、読みやすいです。 ちなみに、ネタのほとんどがガンダムですが、未視聴でも楽しめるので大丈夫(というか私も未視聴です…)。 オタクによるオタクのためのオタク漫画! オタク必読です!! なおアンリミで読めます。 ところで、徳光先生は、これ以外にも「おたく」シリーズを描いてます。 一つは、「濃爆おたく大統領」。 6話まではちょっと微妙ですが、7話でサクラ大戦の話を急に始めてからは圧倒的に面白くなります。 16話で突然始まる「衝撃コピー誌90部」も最高ですし(いきなり戦場まんがシリーズのパロディを始めるな!)、そこからさらに勢いは加速します。 具体的には、17話からは、徳光先生自身が作中に出てくるようになるのですが、徳光先生自身がネタ満載なので、実際にあったエピソードを描くだけで滅茶苦茶面白いのです(徳光先生が永井豪先生のご自宅の本棚にシャンパンをこぼした話とか衝撃です)。 ということでこちらもおススメ! もう一つは、「妹ガンダム」。 徳光先生ががんばってカワイイ幼女を主人公にしてみた漫画ですが、主人公が「ジオン好き幼女」なので、テンション的には「おたく先生」と大差ありません。 私、この作品はちょっと読まず嫌いしてたのですが、最近になって読んでみたらしっかり面白かったですし、 「おたく先生」ときちんと繋がりますので、こちらもぜひ一緒に読んでみてください!
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2022/04/05
マニア向けの怪作ギャグマンガ
森繁ダイナミックは,桃吐マキル先生と福耳ノアル先生がヤンサンに連載した怪作ギャグマンガです。 表紙をみればわかりますね。 マニア向けです! 不条理と意味不明のハイテンションギャグが延々と続くので相当に読み手を選びますが,読んでいると次第に楽しくなってきます。 …楽しくなってこないかもしれませんが,そのときはまぁ相性が悪かったということで。 下巻の巻末には,いろいろな漫画家が寄稿してます。具体的には,非メジャーな作風だったころの押切蓮介先生とか清野とおる先生などが寄稿しており,何となくこの作品のディープさが伝わるかと思います。 上下巻ともアンリミで読めますので,興味ある方は是非ご一読を。 ところで,作者の一人である福耳ノアル(福耳ノボル)先生は,かつて週刊少年チャンピオンに連載された伝説の作品「フリオチ」の作画(三三先生)と同一人物なのではないかと噂されています。 フリオチは…正直歴史に残るレベルでヤバい漫画だったのですが,今となっては,改めてまた読んでみたい漫画の一つではありますね(コミック未刊行)。 フリオチの連載第1回が載ったチャンピオン https://akitashoten.co.jp/w-champion/2005/19 「福耳ノアル(福耳ノボル)」=「三三」であるという噂 https://etc4.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1120975143/356 https://etc4.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1120975143/358 http://kuzure.but.jp/f/b/756832697/756832697.html
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2022/03/28
ネタバレ
球磨川について(卒業するマンガ)
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アイコンラリーの企画が「卒業するマンガ/春を感じるマンガにクチコミを書こう!」だったのですが,意外とこれといった漫画が思い浮かばず,最終的に辿り着いたのが「めだかボックス」でした なおネタバレが含まれますのでご注意を https://note.com/manba/n/nc52627d98edd 「めだかボックス」は西尾維新先生が原作となりジャンプに連載していた超人能力学園バトルまんがで,全22巻で完結しています バトル漫画なのでどんどんインフレするのですが,ちょびっと捻りが加えてあって,いかにも西尾先生といった感じの作品でした そして一番の人気キャラクターは,球磨川禊(くまがわみそぎ)! 主人公めだかちゃんに「救いようがない」とまで言わせた最悪の敵役であり,コンプレックスとマイナス感情の塊です ところが戦闘力でいうとちょっと微妙な感じで,めだかちゃんにはとても勝てそうにない感じでした それでも勝とうとする球磨川が吐いたセリフがあまりにもステキすぎて(添付),コンプレックスを抱える読者(私を含む)に刺さりまくり,最悪の敵役のはずなのに一気に人気キャラになったのでした(人気投票でもぶっちぎりの1位でした) もちろん戦いの後はめだかちゃんの仲間になります。何しろジャンプ漫画ですからね 幾つかのバトルを経て,球磨川は学園を卒業します。そのシーンでは,全校生徒の前でこれまたステキな演説をかますのですが(21巻),これが私の中でもっとも思い出深い卒業シーンかもしれません 最後の「やっと勝てた」も含めて,大好きなシーンとなりました
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2022/03/14
邪悪な武器商人が大暴れするアクションコメディ #マンバ読書会
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今度のマンバ読書会のテーマは「5巻くらいのマンガ」とのこと。 https://note.com/manba/n/n219412b5c087 そこで「不死身のフジナミ」(全6巻)を紹介します。 実は既にV林田さんがマンバ通信でガッツリ紹介してはいるのですが,もっと皆さんに読んでもらうべき作品なので改めて紹介。 本作は,「ロドリゲス藤波」という凄い名前の武器商人が大暴れするアクションコメディです。 2巻冒頭のあらすじを読むとどんな話かわかるので引用します。 「私,武器商人の藤波と申します。街が平和じゃ武器は売れませんので,情報屋の田村さんやお人好しの山下さんをけしかけて,この街をさらに物騒にしちゃいました。」 おおむねこんな話です。武器を売るために騒動を起こしまくる藤波が暴れまくります。 こいつ,邪悪で冷徹なサイコパスで良心の欠片もないのですが,なぜか魅力的で色気のある不思議なキャラクターで,次は一体何をするんだろう?と思わせてくれる,素晴らしい悪党です。 ライバルキャラの「タイガー」をはじめ,濃いキャラクターも大勢出てきますし,まぁ基本的に悪い奴しか出てこないので,その中でのドンパチはとても楽しいです。 そしてこの作品の良いところは,全6巻で綺麗に終わるところ。 そして,全巻アンリミで読めるというところ! 読んだことが無い方は是非この機会に読んでみてください
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2022/03/08
ネタバレ
物語は最高潮を迎えようとしている(SSSカップについて)
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先日,KING GOLFについてのレビューを書いたのですが,そのときはまだ途中までしか読んでない状態でした(20巻くらい)。 https://manba.co.jp/topics/35823 昨日,38巻(最新巻)まで読み終わりましたので,今回は,KING GOLF「SSSカップ」についてのレビューです。 かなり激しくネタバレを含みますのでご注意ください。 でも,SSSカップの途中で読むのをやめちゃった人には読んでほしい。 「KING GOLF」は,ドレッドヘアの不良(優木蒼甫)が,高校ゴルフ部に入ってゴルフを始める!という漫画です。 初心者だった蒼甫はめきめきと上手くなっていき,あっというまに高校ゴルフ選手権(新人戦)全国大会で優勝します。 その後の「キャディー編」「海外武者修行編」を経て,蒼甫は遂にプロの試合に出場します。 それが,「SSSカップ」編。予選決勝含めて全4日間の日程の大会ですが,21巻から始まったこの大会は,まだ決着していません(38巻の時点で,3日目中盤)。 具体的には以下のような感じでストーリーが進んでいきました。 1 蒼甫無双編(21巻~23巻) 海外修行でものすごく強くなった蒼甫が無双します。 1日目14番Hまでで-5! もともと精神力のオバケだったところに技術が加わって手が付けられない状態でした。 2 EX編(23巻~26巻) 「経験」が邪魔をしてプレイに精彩を欠くようになります。 とはいえ最終的には「経験」を支配することに成功し,2日目を終えます(予選突破)。 3 霞編(26巻~31巻) 蒼甫のライバルキャラのはずが,どうにもキャラクターの弱かった霞ひかる。 彼の成長イベントですね。霞の兄二人はプロゴルファーですが,全員が同じ組に入り,競い合うことになるという話。 最終的には霞ひかるが勝利し,予選突破します(兄のうち一人は棄権,もう一人は予選落ち)。 4 3日目編(32巻~) 蒼甫の3日目の相手は,世界ランク1位のピーター・カッシング, そして,コーチ谷川の元パートナーである千葉悠大。 この二人との戦いが繰り広げられます。 …正直,「SSSカップ」編は,長いです。ちょっと冗長に感じられることもあります。 特に,EX編と霞編はけっこうキツい。ここで読むのをやめちゃった人もいるのではないでしょうか。 3日目も,スタートして序盤は,ちょっとパッとしない感じでした。 ところが! 34巻のラスト,千葉悠大が隠れて薬物を摂取するという衝撃的なシーンが描かれてから(添付),雰囲気がグッと変わります。 もっとはっきりいうと,急に滅茶苦茶面白くなります。 35巻~36巻にかけて,谷川と千葉の過去が描かれるのですが, これがもう悲しくてせつなくてたまらない話です。 失ったかつての栄光,パートナー解消,そしてその後の葛藤と苦しみ,怒り。そして「青春」!! ものすごい情念のこもった,最高のエピソードでした。 詳しくは書かないので,途中で読むのをやめちゃった人にも,ここは是非読んで欲しい! そして37巻からは,それまで大人しかったピーター・カッシングが,遂に牙を剥きます。 その,あまりにも強すぎるピーター・カッシングに正面から相対する蒼甫! 物語は,今また最高潮を迎えようとしています。 途中で読むのをやめちゃった人も,ぜひ一緒にこの物語を追いかけましょう!
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2022/02/25
俺は正義マンだ!
「復讐の教科書」は,タイトルのとおり,復讐を扱った漫画です。 高校でひどいイジメにあって殺されかけた主人公は,屋上から落下した衝撃で,学校の先生と人格が入れ替わってしまう。 先生の体と立場を手に入れた主人公は,これを機に,いじめっ子たちへの復讐を始める…というストーリー。 「いじめ」シーンは1話で終わって,あとはずーっと復讐が続きます。 常識的に考えて,かなり酷いこともするのですが,何しろ主人公ははいじめで殺されかけた立場なので,理性に歯止めが効きません。正義感から,復讐はどんどんエスカレートしていきます。 しかも,いじめっ子の奴らは,性格も悪く,本当にろくでもない奴らばかり。こいつらは復讐されても仕方ないな,と思えてしまいます。 エスカレートした復讐の結果として,いじめっ子たちは次々に破滅します。 つまり,読者からすると,正義の御旗のもとに,主人公が,性格の悪い悪党どもに延々と過激な制裁を加えるのを見ることができるわけで,正直,エンターテイメント性は高いです(なお,いろいろ細かい突っ込みどころはありますが,そこは気にせず勢いで読みましょう)。面白いのです! …でも,少し冷静になって客観視すると,この,「復讐を楽しむ」気持ちって,実は「いじめを楽しむ」気持ちと大差ないのでは?とも思えてしまいます。 つまり,本作は,読者の嗜虐心を煽り,読者自身に「いじめを楽しむ」心を植え付ける,実に悪意に満ちた作品なのです。嫌な作品ですねえ。 …と言いたいところなのですが,実はそういう一直線な復讐が続くのは7巻の途中くらいまでで,そこからは,方向性が少し変わります。 方向性が変わったあとの展開も,別につまらないわけではないのですが,個人的には,延々と一直線に復讐を成し遂げた主人公が最終的には読者をも巻き添えにして破滅するような終わり方を期待していただけに,少し残念でした。 とはいえ連載はまだ続行中(コミックは既刊10巻)。今後の展開に期待します。
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2022/02/08
超熱血お下品お色気エロコメ漫画 #推しを3行で推す
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1 「メイドいんジャパン」は,おりもとみまな先生がチャンピオンREDいちごに連載していた,お下品お色気エロコメ漫画です。女装してメイド学校にかよう男の子が主人公(男であることは秘密)。毎回毎回,ヒロインのお嬢様(爆乳)がおっぱいをさらけだしたり,おまたをおっぴろげたりする,それはもうどうしようもない漫画でした。よくこれを一般紙で連載してましたね 2 しかし途中から風向きが変わります。ヒロインの父親(こいつも女装メイド)があらわれ,「ちんちんを持って生まれた者の宿命」について語り出したり(添付),主人公が女として生きる決意を固めて男モノの服を全部燃やしたりとか,熱血シーンが増えていきます 大きな転換点は,3巻後半の「男だとバレる」シーン! 主人公は,男だとバレたことで,ヒロインから捨てられ,何もかもを失いますが,ここから,物語は一気に動き出し,超熱血のエンディングに向かって物語が突き進みます 何しろ,ラスボスはヒロインの父親です! 4巻で完結ですが,3巻後半からラストまではずーっと面白いです 3 …ただ,やっぱりお下品お色気エロコメでもあるんですよねえ。熱血展開に突入したあとも,分量は減りますが,エロ要素は常に描写されます。その点で,かなり読者を選ぶ作品になっているように思われ(少なくとも電車では読めないタイプの作品です),もう少し手心を加えてほしかったなあとは思います ただ,個人的には,そこを補って余りある名作だと信じてはいます
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2022/02/01
17話がピークではない
クマ撃ちの女。タイトルどおりの内容の漫画です。女が北海道でヒグマを撃ちます 1巻はヒグマ猟の一般的な話。主人公(チアキ)にクセがあり,少しイラッとする方もいるかも 2巻に収録されている17話は主人公の過去話。あまりにも怖すぎるとTwitterなどで話題になりました https://twitter.com/poranchan/status/1182524075610009600 ただ,私はこのあとの話を追ってませんでした また,正直,このへんがピークでは…?という感触もありました ところが,その後も連載は続き,最新刊はもう7巻 一体どうなってるのだろう…?と思って続きを読んでみると,3巻以降は,それまでとは少し方向性が変わって,さらに面白い物語になってました 3巻では,平気で法律違反をするヤバげな「師匠」が登場し,チアキとの考え方の違いが描かれます 4巻以降で,チアキはクマ撃ちの技量や覚悟を高めていき,一方で,チアキの精神的な危うさ/アブなさも描写されるようになります(特徴的なのは32話) 5巻では狩猟犬が登場します。カワイイ…狩猟犬カワイイ… また,4巻くらいから,猟友会の面々が登場するようになり,チアキの世界/人間関係は広がっていきます(本格的なのは6巻から) 最初は,クセがあるうえ無鉄砲なばかりで,正直,あまり魅力的とはいえなかったチアキが,様々な経験の中で,どんどん魅力ある主人公になっていく(又は読者がその魅力を理解できるようになってくる)というのが,3巻以降のストーリーです なお,6巻まではアンリミテッドの対象です。途中で読むのをやめてしまった方も,また読んでみることをおすすめします
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2022/01/22
アニメ原作を魔改造 #推しを3行で推す
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1 兎来栄寿さんがスクライドをレビューしているのを見て、「ガン×ソードをレビューしなければならない!」と思い立ち、久々にガン×ソードを読んでみました。というのは、スクライドもガン×ソードも、同じくらいの時期にチャンピオンに掲載された、アニメ原作のコミカライズ作品であり、ともに、アニメ原作を大きく改変しているのです。ただしスクライドの方はそれが上手くハマったのに対し、本作は魔改造としかいいようが無いような改変になってしまい、見事に怪作が出来上がってしまいました… 2 もともとは、無鉄砲な男が荒野を旅して悪党を倒すというだけのハードボイルド作品(ただしちょっとコメディタッチ)だったのですが、途中から主人公(ヴァン)がメシ・金・女を求める男になっていき、ストーリーがヤバい方向に加速し始め、最終的に滅茶苦茶になって終わります(添付画像はラストバトルの一場面。ラスボスの視線が冷たい) なお、原作アニメのことはよく知らないのですが、原作とは全然違うそうです(まぁそうですよね) 3 当然といえば当然ですが、あまり評判は良くなかったようです(Amazonのレビューなど参照)。一部の好事家(2ちゃんねるのチャンピオンスレ住人とか)にはウケたんですけどねえ…。なお表紙詐欺であり、表紙の絵と本編の絵は全然違います 本作は絶対電子化しないでしょうから、気になる方は古本で入手しましょう なお、これとは別に「ガン×ソード another」という漫画もあるようですが、こちらはちゃんとした作品のようなのでご注意ください
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2022/01/16
空前絶後の悪ふざけ #推しを3行で推す
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1 昨年末に「20世紀のアフタヌーン ~由利編集長のはなし~」という読み切りが話題になりましたが、本作は、同時代のアフタヌーンで企画された「大合作」「大合作2」という読み切りをまとめた単行本です。無印の方はアフタヌーン創刊10周年記念でしたが、2の方は何でしょうね…よくわからないですね…(一応「アフタヌーン創刊14周年記念」らしいですが) https://manba.co.jp/boards/151185 2 内容はタイトルのとおりで、アフタヌーン掲載作のキャラクターが次々登場する合作形式の漫画です。しかし当時のアフタヌーンは1000頁をこえる極厚雑誌であり、それはもう濃い漫画でした(添付画像)。無印はトニーたけざき先生とあさりよしとお先生、2は園田健一先生とあさりよしとお先生が、それぞれ仕切っていたようですが、コレ大丈夫なのかと心配になるような悪ふざけに満ちた内容でした。シリアスな漫画を徹底的にいじり倒す容赦の無さが凄い 3 ただ、今となってはなかなか手に入らないんですよね…。電子化も難しいでしょうし。古本屋にあったら買っておきましょう なお、当時の苦労話は、トニー先生のホームページのアーカイブから少し読めます https://web.archive.org/web/20071030015401/http://www.osk.3web.ne.jp/~tonitake/mangaka-01/index.html
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2022/01/14
臆病な自尊心と尊大な羞恥心
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「恥をかくのが死ぬほど怖いんだ。」は,サレンダー橋本先生がオモコロに描いていた漫画をまとめた短編集です 内容はまぁ,それぞれの短編のタイトルを読めばだいたい分かります。こんな感じ ・ 全員くたばれ大学生!~でも本当はうらやましい ・ 初対面のサブカルの互いの知識の探り合い ・ 新社会人よ、窓際を目指せ ・ 行ったことないから想像で適当に描いたクラブのワンナイトラブ ・ PTAのバージンメイデン~貞操の墓場に射す光~(書き下ろし) ・ 【PTA推薦まんが】アニマルファッカー健 ~最終話~ ・ 男たちの朝食バイキング~その腹、張り裂けるまで~ ・ 新社会人よ、それでも窓際を目指せ(書き下ろし) ・ おっぱいダウザーおろ香~私が油田を掘り当ててからというものの~ とにかく全作品がサブカル! しかも,ほとんどの作品が,コンプレックスと,「リア充死すべし」という暗い情念に満ちている素晴らしい作品集です なお,コミック化にあたってオモコロでの公開は終了していたのですが,いつの間にか普通に読めるようになってましたので,オモコロで読んでもいいと思います https://omocoro.jp/writer/s_hashimoto/?category=kiji&sort= 最初に読むなら,「新社会人よ、窓際を目指せ」がいいでしょうか。何となく雰囲気がわかります https://omocoro.jp/kiji/50566/ 個人的には「初対面のサブカルの互いの知識の探り合い」が好き(画像)。いろいろと…身につまされます… https://omocoro.jp/kiji/2633/
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2022/01/11
ネタバレ注意!!
「七帝柔道記外伝」は,増田俊也の原作(「VTJ前夜の中井祐樹」)を漫画化した作品 ……ではないです!! …いや,一応,大枠ではそうなんですが,実は問題があります 「七帝柔道記」は,増田俊也先生による小説(ただし限りなくノンフィクション)であり,物語は,主人公(増田俊也)が北大柔道部に入部するところから始まります。当時,七帝戦(旧七帝大による試合)の中で負け続けていた北大柔道部が,勝利を目指して奮闘する物語です 七帝柔道は,寝技中心の特殊ルールであり(高専柔道の流れを汲んでいるとのこと),しかも15人vs15人での団体戦という特殊な試合形式をとっており,これでもかというくらい泥臭くて熱血な練習と試合が繰り広げられます 一丸先生が,同小説を同タイトルで漫画化しています ところで,七帝柔道記は,主人公が入学してから2年間が過ぎたところでストーリーが終わっています。その後のお話は,「続・七帝柔道記」というタイトルで別途描かれたらしいですが(「月刊秘伝」に連載),これはまだ単行本化されていません さらに,主人公(増田俊也)の後輩で,その後,格闘技の道に進んだ中井祐樹という男がいて,その,格闘技トーナメント(VTJ)での活躍が描かれるのが,「VTJ前夜の中井祐樹」です。これは単行本化されています。 そして,本作,「七帝柔道記外伝」(漫画版) おおまかなストーリーラインは,「VTJ前夜の中井祐樹」と同一です 「VTJ前夜の中井祐樹」を,これまでと同じく一丸先生が漫画化したもの…と表現しても,間違ってはいないと思います しかし,そんなつもりで本作を読むと大やけどします! なぜなら,本作では,ストーリー上の重要要素として,まだ単行本化されていない「続・七帝柔道記」のストーリーのうちもっとも重要と思われる部分が,漫画化されてしまっているからです! これは,「VTJ前夜の中井祐樹」には無い描写であり,『おっ,「VTJ前夜の中井祐樹」を漫画化したのか』などと軽い気持ちで読むと,とんでもないネタバレをくらうことになります!!(私のことです) これは…これは注意書きが欲しかった これから読む人はよくご注意ください
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2022/01/07
際限なきエスカレーション…!
「おさなづま」は,原作:森高夕次(コージィ城倉),作画:あきやまひでき(現在は「アキヤマヒデキ」)がアクションに連載していた漫画です その内容は,表紙や,タイトルからは,全く想像もできないようなものです すなわち,この作品のストーリーは,天才漫画家ハタイチコ先生(16歳のおさなづま)が,ダンナ(37歳)から虐待されながらも,その才能を遺憾なく発揮し,傑作漫画「めぐみのピアノ」(「めぐピ」)を描き,その「めぐピ」が売れに売れて売れまくるという,ただそれだけのものです しかし,この「売れに売れて売れまくる」という部分がこの作品の何よりの魅力! ハタ先生は,苦難とかスランプにぶち当たることなく(ただし初期はダンナの妨害とかあります),その才能を延々と発揮しづつけ,めぐピは際限なく売れ続けます 売れまくる様子がどんどんエスカレートしていく様は,単純に楽しく,ストレスなしでずっと読み続けられます アニメ化にあたっての視聴率推移とかも派手すぎて最高でした ある意味で「なろう」に通ずるものがあるかもしれません 全10巻がKindle Unlimitedで読めますので,読んだことない方は是非ご一読を! …先ほど「ストレスなし」と書きましたが,ダンナの存在は,ある意味ストレスかもしれません しかし,これは物語構成上,どうしても必要不可欠な部分。何となく予想はつくと思いますが,ぜひ最後までお読みいただければと思います
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2021/12/05
加速していく不穏な物語 #1巻応援
「るなしい」は,意志強ナツ子先生の新刊です。今のところ,既刊は1巻のみ。 掲載誌はなんと小説現代。 意志強先生の過去作は,「魔術師A」と,あとは「りゅうのすけくん」だけ読んだことがありました。 http://leedcafe.com/webcomic/exmanga019a/ どちらも面白いのですが,エロ比重が大きすぎて,正直自分の中で持て余していたところ, 本作は,(少なくとも1巻の時点では)直接的な描写はなく,比較的読みやすい作品になっています。 主人公の「るな」は,学校内でいじめをうけている,もっさりした感じのメガネ女子高生。 彼女は,広報委員会に所属しており,その中では「オタサーの姫」的な扱いを受けています。 一方で,彼女は,学校内で,処女の血がしみ込んだモグサを売って, 希望者にお灸をする(しかも有料)という,やや怪しげな活動にも手を出している人物。 そんな彼女が,ふとしたことから背の高いイケメンと仲良くなって…というところからストーリーが始まります。 …こう書くと,なんだかラブストーリーが始まりそうですが, 意志強先生のお話ですので,そうではなく, 中心になっていくのは「やや怪しげな活動」の部分です。 るなの「おばば」は, るなを「神の子」とするリアルな「信者ビジネス」を営んでおり, その考え方は,ほぼカルトです。 悩みがある者を焚き付け,家族と切り離し, 奇跡を見せて,取り込んでいく…。 もちろんガッチリお金をとる。 るな自身も,そのことを充分に把握したうえで, これに加担し,背の高いイケメン(ケンショー君)を取り込んでいく…。 破滅が確定している結末に向けて, 不穏さばかりが増していく物語。 オバケが出てくるわけでもないのにホラー感は強く, ゾクゾクするような読み味であり,きっと名作になるであろうと予感させてくれる作品です。
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2021/11/27
「オバサン文学」の傑作
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齋藤なずな先生は,ビッグコミック等で作品を発表している作家です。 代表作は「恋愛烈伝」など。 …などと書いてますが,私が齋藤先生を知ったのはごく最近で, マンバのこの書き込みで知りました。 https://manba.co.jp/topics/16647/comments/171559 ほうこれはどんな作家なのだろうと思って, とりあえず「齋藤なずな作品集」のうち一つである, 「迷路のない町」という短編集を読んだところ,大変な衝撃を受けました。 傑作!! 「迷路のない町」は,中年女性とか中年男性を主人公にして, ちょっとした日常の出来事を描く短編集です。 そこで主として描かれるのは,老いとか,加齢とか, コンプレックスとか,人間の心の弱さであり, それが鮮烈に切り取られて描写されます。 「中年ならではの心境」を,解像度高く描き出す作者の力量は, ちょっと只事ではありません。 特に,中年女性が主人公の作品群が凄い。 「彼岸花」「ごはさんで願いましては…」「花いちもんめ」「鴨居」あたりはどれも大傑作。 「ごはさんで~」のうち,「電気店の店頭にあるテレビにうつった自分の姿をみて, 自己イメージと現実の違いに気づいてしまうシーン」(添付)なんて, 本当に絶妙な切り取り方です。 私は,この作品集は, 他に類をみない,「オバサン文学」の傑作だと思っています。 「迷路のない町」は,kindle unlimitedに収録されていますので, 読んだことがない方は,ぜひご一読を。 なお,齋藤先生の作品はほかにもいろいろkindle unlimitedに収録されています。 そのほかに,数年前に発行された「夕暮れへ」という作品集もあります。 ほとんどが再録ですが,「トラワレノヒト」「ぼっち死の館」は新作です。 前者は老人介護文学,後者は老人団地をテーマにした作品で, いずれも大傑作なので,この2作品のためだけに購入しても全然大丈夫です。 最新の作品集は「初期傑作短編集 ダリア」。 幻のデビュー作ほか,初期作品を収録した短編集とのことです(まだ読んでない)。 さらに,齋藤先生は,「ぼっち死の館」を今でも不定期連載中。 https://bigcomicbros.net/8276/ 70歳をこえてなおも現役で活躍中。応援してきたいです。