タイトルで損してる隠れた良作発症区 いとまんmampuku「ドキュンサーガ」で知った作者でしたが、こちらも期待通りの面白さでした。タイトルはいかにもC級デスゲ漫画っぽいですが、能力モノ、クライムアクションものとして普通にめちゃめちゃ面白いです。 つくづく頭が良くて、人間社会のことをよく見えてる作者だなーと感心します。バトルの展開以上に普段のなにげない会話に見入ってしまいます。ある意味ライト文芸的萌え系ジュブナイルとして王道を行っている打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 楓月誠 岩井俊二 「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会mampuku 読解力と想像力を働かせることにより、2倍にも3倍にも面白くなる作品でした。1993年に放送された岩井俊二監督のテレビドラマを原作としたアニメーション映画をさらにコミック化したものです。コミックも悪くない出来ですがやはり映画を忠実になぞっているだけなので映画観るべきですね。 化物語の制作陣やDAOKO、米津玄師らによる主題歌などからターゲット層がなんとなく伺い知れますが、どっこい中身はかなり玄人向け。よく比較される「君の名は。」含む新海誠作品にも言えることですが、ある程度映画や小説を読み慣れてないと複雑なストーリーと情報量をアタマで処理しきれない恐れがあります。クライマックスからラストシーンまでの流れなんかは特に超不親切(笑) でも自分なりに読み解けたときには切なさでボロボロ泣けるのでぜひ"まとめサイト"などでカンニングせず自力で楽しんでほしいです。mampuku1年以上前2巻最高だった。月刊少年漫画ならではのバトルの見応え呪菓のグレーテルグリム童話の主役たちが魔女の呪いをめぐりバトルコンビニとかによく置いてある感じの漫画絶対服従プリズン RAZEN アオイセイmampuku原作者はウェブ小説家でデスゲームものらしき作品が他にもいくつかコミック化されています。本作は北朝鮮をモデルとしたと思しき独裁国家に監禁され何故かサッカーさせられる話です。 作者がサッカーや北の情勢に詳しいかどうかはさだかではありませんが、非常にローコンテクストで親切設計なストーリーだなと感じました(詳しくないから平易なだけかもしれないけど) 味も深みも乏しく粗の目立つ作品ではありますが、展開は概ねテンプレ化しているようなので安定感はあるのかもしれません絵が上手いばかりに変な漫画ばかり描かされている烏山先生東京伝説 烏山英司 平山夢明mampuku「ダイナー」の平山先生と「悪の教典」の烏山先生による豪華タッグなので気になって読んでみましたが、お手本のようなB級ホラー漫画でしたw 烏山作品は絵が好きで買っているのでそこは変わらず文句なし。ダイナーもヒットしてはいますが内容はB級っぽさ溢れるものなのでまぁこんな感じだよねって感想。これほどコテコテで下品なのをシリウスでやってるというのが意外といえば意外。BBQでA5和牛でブーイングのくだりで笑ってしまった。1巻読了「君の名は。」で満足できなかったタイプの人にココロコネクト CUTEG 庵田定夏mampuku アニメ化に際して色々騒動があったのは作者にとっても作品にとっても気の毒でしたが、作品自体はめちゃめちゃ素晴らしいです。 最初のシリーズ「ヒトランダム」ではだばだば泣きましたし、それ以降の作品もどれも切なく苦しく力強く感動的で、ラノベで恋愛でここまでできるのかと驚きました。 コミック版も可愛らしく良くできていますが、読んで「悪くないな」と思ったらぜひ原作小説かアニメを見てほしい。近年流行った「君の名は。」的な恋愛モノが好きで、かつ「君の名は。」に物足りなさを感じた人には特にオススメしたいです。あの映画で新海さんがあえて省略した "入れ替わり" 当事者たちに起こったココロの変化の描写を、逆に徹底的に掘り下げた作品が「ココロコネクト」だからです。ここのところの百合姫の方向性とても好き万葬不踏の欺神迷宮 武川慎mampukuあ~~~(語彙力の喪失) 去年の暮れくらいから書店のコミックス新刊で見かけるようになった、コミック百合姫のファンタジー路線、正直とても好みです。 いずれも間違いなく百合・恋愛マンガのプロの仕事と見受けられる美しさと尊さを兼ね備えた描写と、一級品とまでは言えないものの凛々しく気高く描かれた戦士による戦闘とが融合しています。とりわけこの作品「万葬不踏の欺神迷宮」の描線の美しさ、キャラクターデザインの繊細さなどは一線を画しています。ポプテ、ニャロメロンより前カッコカワイイ宣言! 地獄のミサワmampuku 今となっては伝説のギャグシリーズですが、時代がもう少し遅ければ大川ぶくぶややしろあずきのポジションに収まっていたのは彼だったに違いない……。地獄のミサワの面白さが風化したとは思わないけど、今は消費のサイクルも激しいのでミサワのスタンプを使うのが躊躇われます(ポプテピピックのLINEスタンプも使うのやめどきを見極めるのが難しい。私は使う頻度が減ってきました) ──と思って調べたら『地獄のミサワ(格下のやつに送る用)』というスタンプのタイトルが秀逸すぎて買いそうになったwタイトルに違わぬポップなコメディー&アクションCANDY POP NIGHTMARE 氷川へきるmampuku 「ぱにぽに」終了後即はじまったという氷川へきるの作品。公開を急いだのは、「まどマギ」前後に起こった魔法少女ブームに合わせたものと思われます。 あらすじとしては、かつて現れた地球への侵略者とそれを迎え撃った魔法少女の後日談という今となってはポピュラーな設定。「魔法少女特殊戦あすか」をはじめ元・魔法少女のストーリーは数多いですし、最近では世界を救った後の勇者の日常モノも流行っていますね。 ただしそこはさすがの氷川へきる先生作品、凡百のそれとは一味違います。アクションものでありながらギャグでもあり境目が曖昧(というか巧妙に切り替えてくる)なので、ギャグ演出だからこそできる『そんなのアリかよ』と叫びたくなる展開をシリアスな本筋ストーリーに取り入れながら進んでいくのでガチで展開が読めない! なによりポップでキュートでスタイリッシュな絵柄ですよね。ただのフェチ漫画じゃない、ビターな青春の物語キミノカオリ 小夏ゆーたmampuku あらすじもなにも表紙がすべてを物語っている漫画です。全年齢向けですので直接的な露出や接触の描写はほぼなく、いわゆる「見えそうで見えない」をキープしながらも、それでも強烈に読んでてドキドキさせるおそるべき筆力でした。 とはいえただ官能的なだけの漫画ではありません。 都会に憧れオシャレに勤しむ田舎の少年は、東京から転校してきた冴えない少女に失望してしまいます。それがひょんな偶然から恥ずかしい秘密の性癖を共有する仲となってしまい、しだいに田舎者であるコンプレックスとドロドロに混ざり合って深みに嵌っていってしまいます。 ド変態どうしの彼らの気持ちは正直よくわかりませんが笑、背徳的で切なくてなぜだか胸が締め付けられます。 同時に収録されている2つの短編もなかなかに強烈ですので、全1巻ですが読み応えはあります。画力で殴ってくるタイプのフェチ系美少女能力バトル未確認系クリプトハート 森小太郎mampuku表紙が可愛くて思わずジャケ買いしたマンガですが、中身も負けじと可愛かったのでよかったです。 お淑やかなお嬢様がドSな女王様に返信して戦います。テイスト的には一昔なつかしい感じのドタバタコメディ。全2巻ではあるものの、おしおきしたいタイプの人にもされたいタイプの人にも対応したポリバレントな作品にあっていてお買い得感があります。 まあ何をおいてもまず私が最優先に重要視している項目をパーフェクトに満たしていたので試し読み即買いでした。べらぼうに絵上手い。折りたたみ自転車でポタリングする日常マンガおりたたぶ こんちきmampuku別冊マガジンでいい感じに可愛い自転車マンガがはじまりました。 少女2人が出会い、自転車を通じて街に眠る「素敵」を再発見しながら友情を深めていく──というのは『東京自転車少女』と同じですね。『ARIA』のような「素敵再発見」的な日常マンガは最近の別マガの得意とするところでもありますね(『ふらいんぐうぃっち』や『あかまつ』など) 折りたたみ自転車という絶妙にニッチなところを突いてきていますが、ここからどう掘り下げあるいは広げていくのか、折りたたみ自転車乗りとしても応援していきたい所存 « First ‹ Prev … 18 19 20 21 22 23 24 25 26 … Next › Last » もっとみる
タイトルで損してる隠れた良作発症区 いとまんmampuku「ドキュンサーガ」で知った作者でしたが、こちらも期待通りの面白さでした。タイトルはいかにもC級デスゲ漫画っぽいですが、能力モノ、クライムアクションものとして普通にめちゃめちゃ面白いです。 つくづく頭が良くて、人間社会のことをよく見えてる作者だなーと感心します。バトルの展開以上に普段のなにげない会話に見入ってしまいます。ある意味ライト文芸的萌え系ジュブナイルとして王道を行っている打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 楓月誠 岩井俊二 「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会mampuku 読解力と想像力を働かせることにより、2倍にも3倍にも面白くなる作品でした。1993年に放送された岩井俊二監督のテレビドラマを原作としたアニメーション映画をさらにコミック化したものです。コミックも悪くない出来ですがやはり映画を忠実になぞっているだけなので映画観るべきですね。 化物語の制作陣やDAOKO、米津玄師らによる主題歌などからターゲット層がなんとなく伺い知れますが、どっこい中身はかなり玄人向け。よく比較される「君の名は。」含む新海誠作品にも言えることですが、ある程度映画や小説を読み慣れてないと複雑なストーリーと情報量をアタマで処理しきれない恐れがあります。クライマックスからラストシーンまでの流れなんかは特に超不親切(笑) でも自分なりに読み解けたときには切なさでボロボロ泣けるのでぜひ"まとめサイト"などでカンニングせず自力で楽しんでほしいです。mampuku1年以上前2巻最高だった。月刊少年漫画ならではのバトルの見応え呪菓のグレーテルグリム童話の主役たちが魔女の呪いをめぐりバトルコンビニとかによく置いてある感じの漫画絶対服従プリズン RAZEN アオイセイmampuku原作者はウェブ小説家でデスゲームものらしき作品が他にもいくつかコミック化されています。本作は北朝鮮をモデルとしたと思しき独裁国家に監禁され何故かサッカーさせられる話です。 作者がサッカーや北の情勢に詳しいかどうかはさだかではありませんが、非常にローコンテクストで親切設計なストーリーだなと感じました(詳しくないから平易なだけかもしれないけど) 味も深みも乏しく粗の目立つ作品ではありますが、展開は概ねテンプレ化しているようなので安定感はあるのかもしれません絵が上手いばかりに変な漫画ばかり描かされている烏山先生東京伝説 烏山英司 平山夢明mampuku「ダイナー」の平山先生と「悪の教典」の烏山先生による豪華タッグなので気になって読んでみましたが、お手本のようなB級ホラー漫画でしたw 烏山作品は絵が好きで買っているのでそこは変わらず文句なし。ダイナーもヒットしてはいますが内容はB級っぽさ溢れるものなのでまぁこんな感じだよねって感想。これほどコテコテで下品なのをシリウスでやってるというのが意外といえば意外。BBQでA5和牛でブーイングのくだりで笑ってしまった。1巻読了「君の名は。」で満足できなかったタイプの人にココロコネクト CUTEG 庵田定夏mampuku アニメ化に際して色々騒動があったのは作者にとっても作品にとっても気の毒でしたが、作品自体はめちゃめちゃ素晴らしいです。 最初のシリーズ「ヒトランダム」ではだばだば泣きましたし、それ以降の作品もどれも切なく苦しく力強く感動的で、ラノベで恋愛でここまでできるのかと驚きました。 コミック版も可愛らしく良くできていますが、読んで「悪くないな」と思ったらぜひ原作小説かアニメを見てほしい。近年流行った「君の名は。」的な恋愛モノが好きで、かつ「君の名は。」に物足りなさを感じた人には特にオススメしたいです。あの映画で新海さんがあえて省略した "入れ替わり" 当事者たちに起こったココロの変化の描写を、逆に徹底的に掘り下げた作品が「ココロコネクト」だからです。ここのところの百合姫の方向性とても好き万葬不踏の欺神迷宮 武川慎mampukuあ~~~(語彙力の喪失) 去年の暮れくらいから書店のコミックス新刊で見かけるようになった、コミック百合姫のファンタジー路線、正直とても好みです。 いずれも間違いなく百合・恋愛マンガのプロの仕事と見受けられる美しさと尊さを兼ね備えた描写と、一級品とまでは言えないものの凛々しく気高く描かれた戦士による戦闘とが融合しています。とりわけこの作品「万葬不踏の欺神迷宮」の描線の美しさ、キャラクターデザインの繊細さなどは一線を画しています。ポプテ、ニャロメロンより前カッコカワイイ宣言! 地獄のミサワmampuku 今となっては伝説のギャグシリーズですが、時代がもう少し遅ければ大川ぶくぶややしろあずきのポジションに収まっていたのは彼だったに違いない……。地獄のミサワの面白さが風化したとは思わないけど、今は消費のサイクルも激しいのでミサワのスタンプを使うのが躊躇われます(ポプテピピックのLINEスタンプも使うのやめどきを見極めるのが難しい。私は使う頻度が減ってきました) ──と思って調べたら『地獄のミサワ(格下のやつに送る用)』というスタンプのタイトルが秀逸すぎて買いそうになったwタイトルに違わぬポップなコメディー&アクションCANDY POP NIGHTMARE 氷川へきるmampuku 「ぱにぽに」終了後即はじまったという氷川へきるの作品。公開を急いだのは、「まどマギ」前後に起こった魔法少女ブームに合わせたものと思われます。 あらすじとしては、かつて現れた地球への侵略者とそれを迎え撃った魔法少女の後日談という今となってはポピュラーな設定。「魔法少女特殊戦あすか」をはじめ元・魔法少女のストーリーは数多いですし、最近では世界を救った後の勇者の日常モノも流行っていますね。 ただしそこはさすがの氷川へきる先生作品、凡百のそれとは一味違います。アクションものでありながらギャグでもあり境目が曖昧(というか巧妙に切り替えてくる)なので、ギャグ演出だからこそできる『そんなのアリかよ』と叫びたくなる展開をシリアスな本筋ストーリーに取り入れながら進んでいくのでガチで展開が読めない! なによりポップでキュートでスタイリッシュな絵柄ですよね。ただのフェチ漫画じゃない、ビターな青春の物語キミノカオリ 小夏ゆーたmampuku あらすじもなにも表紙がすべてを物語っている漫画です。全年齢向けですので直接的な露出や接触の描写はほぼなく、いわゆる「見えそうで見えない」をキープしながらも、それでも強烈に読んでてドキドキさせるおそるべき筆力でした。 とはいえただ官能的なだけの漫画ではありません。 都会に憧れオシャレに勤しむ田舎の少年は、東京から転校してきた冴えない少女に失望してしまいます。それがひょんな偶然から恥ずかしい秘密の性癖を共有する仲となってしまい、しだいに田舎者であるコンプレックスとドロドロに混ざり合って深みに嵌っていってしまいます。 ド変態どうしの彼らの気持ちは正直よくわかりませんが笑、背徳的で切なくてなぜだか胸が締め付けられます。 同時に収録されている2つの短編もなかなかに強烈ですので、全1巻ですが読み応えはあります。画力で殴ってくるタイプのフェチ系美少女能力バトル未確認系クリプトハート 森小太郎mampuku表紙が可愛くて思わずジャケ買いしたマンガですが、中身も負けじと可愛かったのでよかったです。 お淑やかなお嬢様がドSな女王様に返信して戦います。テイスト的には一昔なつかしい感じのドタバタコメディ。全2巻ではあるものの、おしおきしたいタイプの人にもされたいタイプの人にも対応したポリバレントな作品にあっていてお買い得感があります。 まあ何をおいてもまず私が最優先に重要視している項目をパーフェクトに満たしていたので試し読み即買いでした。べらぼうに絵上手い。折りたたみ自転車でポタリングする日常マンガおりたたぶ こんちきmampuku別冊マガジンでいい感じに可愛い自転車マンガがはじまりました。 少女2人が出会い、自転車を通じて街に眠る「素敵」を再発見しながら友情を深めていく──というのは『東京自転車少女』と同じですね。『ARIA』のような「素敵再発見」的な日常マンガは最近の別マガの得意とするところでもありますね(『ふらいんぐうぃっち』や『あかまつ』など) 折りたたみ自転車という絶妙にニッチなところを突いてきていますが、ここからどう掘り下げあるいは広げていくのか、折りたたみ自転車乗りとしても応援していきたい所存
「ドキュンサーガ」で知った作者でしたが、こちらも期待通りの面白さでした。タイトルはいかにもC級デスゲ漫画っぽいですが、能力モノ、クライムアクションものとして普通にめちゃめちゃ面白いです。 つくづく頭が良くて、人間社会のことをよく見えてる作者だなーと感心します。バトルの展開以上に普段のなにげない会話に見入ってしまいます。