チカーノKEIの少年期、バブル期の歌舞伎町のヤバさバブル~チカーノKEI歌舞伎町血闘編~ 今村KSK KEIさいろくドンケツなどを含め武闘派ヤクザマンガは大好物なんだけど、それらに全く引けも取らないこの話がノンフィクション…とてもじゃないが信じられないような話が続く。 だが、多少脚色はしているにせよ(ビルから飛び降りて車潰しながら着地するようなマーベルヒーローズのような兄貴とか)この内容が自伝なのだという。 そう考えるとこれは当時の日本の、というかバブル期の恐ろしさがわかるいい教科書かもしれない。 主な舞台は歌舞伎町なのだが、当時のキナ臭さは今のそれとは全く異なった完全に「○が如く」の世界。 三億円事件(1968年)で壁が一躍有名となった府中刑務所。 巣鴨刑務所が関東大震災の被害により(と言ってる割に調べたら10年以上そのまま運営されてたっぽいけど)移転となり、日本最大の刑務所として1935年に創設されたものだが、"刑務所に入って名を上げる"というお手本のようなヤクザストーリーは、この物語の頃の70年代後半には衰退しつつあるがまだまだ本当にあったようで「お務めご苦労さまでした」という風習は本物だったんだなぁと感心してしまったりする。 また、細かく背景を調べれば調べるだけ面白く感じられるのが実在する人物伝の良いところ。 チカーノKEIという唯一の「チカーノになった日本人」の獄中生活マンガでハマった口だけど、その13巻の巻末に載っていた広告でさっき初めて本作を知った。描いてる著者が違うとパッとつながってこないのはもどかしい。なんで今まで知れなかったんだ…(チカーノは別冊ヤングチャンピオンでバブルはヤングチャンピオンなのも要因か) もともと彼がどういう人物だったのかはもちろん凄く興味があったのでその自伝的なものが読めるのは非常に嬉しい。 あと、結構世論ではぐちゃぐちゃ言う人がいるっぽいのですが、個人的にはノンフィクションと思い込んで読んだほうが面白いので、これがどこまで本当かは気にしてないです。 また、少しでも彼自身を検索してしまうとHOMIE KEIの話でインタビューがバンバン出てきたりして、マンガを楽しみたいだけの気持ちと少しズレてしまうのでそれも見ないようにしつつ、KEIが主人公のこの2タイトルをマンガとして楽しむのをオススメしたい。不運を抱えた少女と妖怪達タケヲちゃん物怪録 とよ田みのるさいろく生まれながらにして呪いのようなものを受けているタケヲちゃんが幸福を取り戻していく様はわかりやすいぐらいに多幸感があり、とよ田みのる先生の描くソレは読者を幸せにしてくれる。 金剛寺さん〜ではないけれど、とよ田みのる先生はハッピーエンドが待っていると勝手に信じて読めるところが素晴らしいよなーと思える素敵な作品。 なぜこうなのか、とか、実はこうだったからなのだ、とか、納得感の有無に関わらず幸せを願いながら読み進められるのはとてもとてもハッピーな体験だった。 あとタケヲちゃんはかわいい。三浦建太郎×武論尊、こんなのがあったのか王狼伝 三浦建太郎 武論尊さいろく三浦建太郎先生のご逝去は本当にショックだったし、ベルセルク展も隅々まで眺めながらも寂しい気持ちになっていたものだが、なんと武論尊原作のなんとも貴重なものがあっただなんて。。。。 と、ありがたい気持ちで読んだ。 ギガントマキアの完結は願おうとも叶わないが、まだ未知の三浦建太郎はあるんだと思ったら少しだけ世界に灯りが増えた気がした。 また、巻末にはまだ当時"色のついていない"三浦建太郎先生に対する武論尊の期待が表れたインタビューがあり、これもまた非常に貴重な読み物だった。狂気と共存し、狂気を喰らいつくす「画家」の物語ジラソウル -ゴッホの遥かなる道- 沼野あおいさいろく終始vs化け物な芸術のぶつけ合い。アバンギャルドな線に絵に物語。 ただ、ゴッホってこんな人物だったんだ、と物凄く親近感が持てるようになったり、ピカソって生意気なやつだったんだな、と印象を変えられることで、全く理解できなかった彼らの芸術に少し興味が持てるようになるキッカケには充分だった。何かと問題の多い岡本倫先生の短編集岡本倫短編集 Flip Flap 岡本倫さいろく岡本倫先生と言えば「エルフェンリート」や「パラレルパラダイス」のようにしっかりオタクなオタクしか知らないようなタイトルの印象が強い。 どれもちょっとあり得ない角度での展開が多く、倫理的な意味でも問題視されており、昔からそういった話題の尽きない先生である。 そんな先生の短編集、ということで覚悟して読んだのだが、それらを越えるようなヤバい話はなく(片鱗は見えるが)ホッとしつつも少し拍子抜けだったなという感想。 初期作品も多いため、やはり岡本倫は長編だな!(良いのかどうかはおいといて)と強く感じた。地下格闘技場から世界規模のテロ組織にまで広がってきたケンガンオメガ だろめおん サンドロビッチ・ヤバ子さいろくキャラのユニークさ(大体はモデルがいそうだけど)が面白くて読んでいて飽きないのだが、アシュラの主人公・王馬は少し達観した感じで一歩退いた位置での展開が続く。 本作は成島光我が主人公…と思うのだけど彼の活躍が見られるようになってくるのは煉獄篇ではなく「蟲」との話に入ってから。 この間に2年経ってることになってたり、そのあたりは相変わらずで設定はガバガバのガバなのでわかった上で読むと良いかと思います。そんな視点があるんだと感心した、野球選手のスカウトという仕事ドラフトキング クロマツテツロウさいろく一言でいうとめっちゃ面白い。まだ6巻までしか読んでないけど、これはイイ。 ドラフトにどのぐらい人生が左右されるのかなんて野球を大して知らなかったらわからないと思う。 ただ、そこに心血を注ぐ仕事もあるんだってことを知って、そういうロジックかーって勝手に納得してしまった。 スカウトはもちろん高校からそのままプロになれるような金の卵を誰よりも早く手懐けて球団にねじ込むのだけど、ドラフト○位!という順位が一体どういう意味があったのか、恥ずかしながらこれを読むまで全然知らなかった。 なんとなく1位ってことは人気が高いってことだろ、というぐらいで。 ドラフトの順位が高い人ほど球団との契約が結ばれやすく(というか指名がある時点で確定?)、最初の契約金が高く、年俸も高めが見込めて、実力が伴えば順調なスタートを切れる。世間の注目も高い。 ここまではわかる。 だが、ドラフトが何位かでその契約金にも見込みの年俸にも差が相当あるということに加えて、ポジション次第ではあるものの選手生命の短さを考えると何年でいくら以上の年俸じゃないと「一般会社員のそれ」に劣る稼ぎにしかならずその後を考える必要がある事、怪我などしてしまうと尚更困るし他の道としてどういう選択肢がありどれが有利であるのかを知る必要がある事(そしてその道の理由や妥当性まで含め)などを、本作はすべて説明してくれて教えてくれる。 野球は全員が大谷のような化物ばかりなわけではなく、ハンカチ王子のように鳴り物入りで(なんで大学野球いったんだっけ彼)プロ入りしたものの活躍といえる活躍がないまま、理想と現実の差が明確に他人からも見えてしまう人生を歩む事が多いものなんだということがわかる。 侍ジャパンが世界一になったところで、野球熱が再燃すると信じつつ、こういう野球関連マンガの中でも異色だけどためになる面白い作品があるということをみんなに知ってほしい。解決屋稼業系の次世代筆頭極楽街 佐乃夕斗さいろくストーリーのテンポもよく、流れも自然でバランスもよくて絵も上手い。 バトル展開もスピード感あるし、怖いところはちゃんと怖くてメリハリがある。すごいしっかりしたクオリティでこれ本当にデビュー作なの?と不思議で仕方ない。 PN変わってたりするのかな? 主人公アルマ君が底抜けにいいヤツ感があるバカで、少年マンガー!って感じが非常に良い。 かつ、相方というか師匠みたいな主人みたいな関係?のタオさんが美しいので、自分はタオさんを愛でるマンガとして読み始めた。 2巻になって急に女性キャラが増えたけど、表紙のネイちゃん・ヨキの助手?のダラさんともにとても可愛いので良い。 彼女らが酷い目にあうような展開がありませんように(祈)今回も無事に無敵だった幼稚園WARS 千葉侑生さいろく無類の強さを誇る殺し屋で、かつ超面食いで彼氏ほしい欲が何よりも強いのが主人公のリタちゃん。 元伝説の殺し屋であるリタだけでなく、同僚として元名うての犯罪者達が揃い踏みな「ブラック幼稚園」を中心に進むお話。 テンポが素晴らしいことや絵と内容がマッチしてる感があって非常に読みやすい。2巻も出たし、これからはきっとモブが増えていくパートかな・・・楽しみです。あんたはどんな人生を生きていたの?絶叫 轟ツキコ 葉真中顕さいろく死人に口なし。 事件性があればそれを紐解くのは警察の仕事… 身体を猫に啄まれ(その猫すら餓死?してしまってたが)死んでから白骨になるまでかなり時間が経過した状態で発見された遺体、鈴木陽子の人生とは? という感じでスタートする本作。 鈴木陽子は1人目で、1話ずつ別の内容になってくタイプかな、とか勝手に思ってたんですがこの「鈴木陽子」が内容的にもだいぶヘビーで、もしかしてこの1人目だけで数冊いけるのでは…そして完結してしまうのでは…という気がしないでもない。 何しろ1巻終わってもまだ何も解決する気配はしてない。 そういう人生ってあるんだろうか、と想像を結構悪い方に働かせたらこういう想像も出来なくはない…っていう感じの1巻でした。 ひとまず鈴木陽子がケリがつくまでは見届けたい。タイトルからしてヤバいし、そのまんまヤバかった43歳の母を妊娠させたのは私の夫でした サレ妻くるみ きなりみやさいろくマンバの「●●●●さんにおすすめ作品」で一番上に出てきてたのでついつい読んでしまった・・・ なんでこれを薦められたのかが気になる(笑) レディコミっぽい感じの内容で、マンガ読みならこれはファンタジーではないというのがわかるよね?という強制力が働く。 内容はもうドロドロとしか言いようがない。 凄まじい話だったが、現実でもこのぐらいのことはあり得るんだろうなぁ… 22歳の主人公はいわゆる若妻、旦那は37歳。母が43歳で父は海外?にいるはずなのに母が妊娠…それを22歳の主人公が無邪気に「弟かな?妹かな?」って言っててもう地獄だった。 が、基本的には主人公の頭の中ですごいスピードで整理されていき、ほぼ結論が出てるのに、言い訳できないような証拠となる場面に主人公が出会うまではずっと濁され続けてなんとかなっちゃってるあたりが逆にリアリティがある。 最後本当にこの後どうなっていくのか、10年後とかを見せてほしかったな… 全然ハッピーエンドじゃないのにハッピーな感じの背景で「完」って〆られててちょっと笑ってしまったが、冷静に考えたら凄い物語でした。トマトスープ先生の可愛さと残酷さ天幕のジャードゥーガル トマトスープさいろくダンピア〜も読んでて素晴らしく可愛かったし、何よりこの時代(というか文明)の野蛮さに現実が見える。 そんな中でも崇高であれ、尊さを知ろうとする彼女らはとても魅力的で、今はとても恵まれているなとも思いつつ、文明なんてなくても幸せだった気がしてくる。 « First ‹ Prev … 50 51 52 53 54 55 56 57 58 … Next › Last » もっとみる
チカーノKEIの少年期、バブル期の歌舞伎町のヤバさバブル~チカーノKEI歌舞伎町血闘編~ 今村KSK KEIさいろくドンケツなどを含め武闘派ヤクザマンガは大好物なんだけど、それらに全く引けも取らないこの話がノンフィクション…とてもじゃないが信じられないような話が続く。 だが、多少脚色はしているにせよ(ビルから飛び降りて車潰しながら着地するようなマーベルヒーローズのような兄貴とか)この内容が自伝なのだという。 そう考えるとこれは当時の日本の、というかバブル期の恐ろしさがわかるいい教科書かもしれない。 主な舞台は歌舞伎町なのだが、当時のキナ臭さは今のそれとは全く異なった完全に「○が如く」の世界。 三億円事件(1968年)で壁が一躍有名となった府中刑務所。 巣鴨刑務所が関東大震災の被害により(と言ってる割に調べたら10年以上そのまま運営されてたっぽいけど)移転となり、日本最大の刑務所として1935年に創設されたものだが、"刑務所に入って名を上げる"というお手本のようなヤクザストーリーは、この物語の頃の70年代後半には衰退しつつあるがまだまだ本当にあったようで「お務めご苦労さまでした」という風習は本物だったんだなぁと感心してしまったりする。 また、細かく背景を調べれば調べるだけ面白く感じられるのが実在する人物伝の良いところ。 チカーノKEIという唯一の「チカーノになった日本人」の獄中生活マンガでハマった口だけど、その13巻の巻末に載っていた広告でさっき初めて本作を知った。描いてる著者が違うとパッとつながってこないのはもどかしい。なんで今まで知れなかったんだ…(チカーノは別冊ヤングチャンピオンでバブルはヤングチャンピオンなのも要因か) もともと彼がどういう人物だったのかはもちろん凄く興味があったのでその自伝的なものが読めるのは非常に嬉しい。 あと、結構世論ではぐちゃぐちゃ言う人がいるっぽいのですが、個人的にはノンフィクションと思い込んで読んだほうが面白いので、これがどこまで本当かは気にしてないです。 また、少しでも彼自身を検索してしまうとHOMIE KEIの話でインタビューがバンバン出てきたりして、マンガを楽しみたいだけの気持ちと少しズレてしまうのでそれも見ないようにしつつ、KEIが主人公のこの2タイトルをマンガとして楽しむのをオススメしたい。不運を抱えた少女と妖怪達タケヲちゃん物怪録 とよ田みのるさいろく生まれながらにして呪いのようなものを受けているタケヲちゃんが幸福を取り戻していく様はわかりやすいぐらいに多幸感があり、とよ田みのる先生の描くソレは読者を幸せにしてくれる。 金剛寺さん〜ではないけれど、とよ田みのる先生はハッピーエンドが待っていると勝手に信じて読めるところが素晴らしいよなーと思える素敵な作品。 なぜこうなのか、とか、実はこうだったからなのだ、とか、納得感の有無に関わらず幸せを願いながら読み進められるのはとてもとてもハッピーな体験だった。 あとタケヲちゃんはかわいい。三浦建太郎×武論尊、こんなのがあったのか王狼伝 三浦建太郎 武論尊さいろく三浦建太郎先生のご逝去は本当にショックだったし、ベルセルク展も隅々まで眺めながらも寂しい気持ちになっていたものだが、なんと武論尊原作のなんとも貴重なものがあっただなんて。。。。 と、ありがたい気持ちで読んだ。 ギガントマキアの完結は願おうとも叶わないが、まだ未知の三浦建太郎はあるんだと思ったら少しだけ世界に灯りが増えた気がした。 また、巻末にはまだ当時"色のついていない"三浦建太郎先生に対する武論尊の期待が表れたインタビューがあり、これもまた非常に貴重な読み物だった。狂気と共存し、狂気を喰らいつくす「画家」の物語ジラソウル -ゴッホの遥かなる道- 沼野あおいさいろく終始vs化け物な芸術のぶつけ合い。アバンギャルドな線に絵に物語。 ただ、ゴッホってこんな人物だったんだ、と物凄く親近感が持てるようになったり、ピカソって生意気なやつだったんだな、と印象を変えられることで、全く理解できなかった彼らの芸術に少し興味が持てるようになるキッカケには充分だった。何かと問題の多い岡本倫先生の短編集岡本倫短編集 Flip Flap 岡本倫さいろく岡本倫先生と言えば「エルフェンリート」や「パラレルパラダイス」のようにしっかりオタクなオタクしか知らないようなタイトルの印象が強い。 どれもちょっとあり得ない角度での展開が多く、倫理的な意味でも問題視されており、昔からそういった話題の尽きない先生である。 そんな先生の短編集、ということで覚悟して読んだのだが、それらを越えるようなヤバい話はなく(片鱗は見えるが)ホッとしつつも少し拍子抜けだったなという感想。 初期作品も多いため、やはり岡本倫は長編だな!(良いのかどうかはおいといて)と強く感じた。地下格闘技場から世界規模のテロ組織にまで広がってきたケンガンオメガ だろめおん サンドロビッチ・ヤバ子さいろくキャラのユニークさ(大体はモデルがいそうだけど)が面白くて読んでいて飽きないのだが、アシュラの主人公・王馬は少し達観した感じで一歩退いた位置での展開が続く。 本作は成島光我が主人公…と思うのだけど彼の活躍が見られるようになってくるのは煉獄篇ではなく「蟲」との話に入ってから。 この間に2年経ってることになってたり、そのあたりは相変わらずで設定はガバガバのガバなのでわかった上で読むと良いかと思います。そんな視点があるんだと感心した、野球選手のスカウトという仕事ドラフトキング クロマツテツロウさいろく一言でいうとめっちゃ面白い。まだ6巻までしか読んでないけど、これはイイ。 ドラフトにどのぐらい人生が左右されるのかなんて野球を大して知らなかったらわからないと思う。 ただ、そこに心血を注ぐ仕事もあるんだってことを知って、そういうロジックかーって勝手に納得してしまった。 スカウトはもちろん高校からそのままプロになれるような金の卵を誰よりも早く手懐けて球団にねじ込むのだけど、ドラフト○位!という順位が一体どういう意味があったのか、恥ずかしながらこれを読むまで全然知らなかった。 なんとなく1位ってことは人気が高いってことだろ、というぐらいで。 ドラフトの順位が高い人ほど球団との契約が結ばれやすく(というか指名がある時点で確定?)、最初の契約金が高く、年俸も高めが見込めて、実力が伴えば順調なスタートを切れる。世間の注目も高い。 ここまではわかる。 だが、ドラフトが何位かでその契約金にも見込みの年俸にも差が相当あるということに加えて、ポジション次第ではあるものの選手生命の短さを考えると何年でいくら以上の年俸じゃないと「一般会社員のそれ」に劣る稼ぎにしかならずその後を考える必要がある事、怪我などしてしまうと尚更困るし他の道としてどういう選択肢がありどれが有利であるのかを知る必要がある事(そしてその道の理由や妥当性まで含め)などを、本作はすべて説明してくれて教えてくれる。 野球は全員が大谷のような化物ばかりなわけではなく、ハンカチ王子のように鳴り物入りで(なんで大学野球いったんだっけ彼)プロ入りしたものの活躍といえる活躍がないまま、理想と現実の差が明確に他人からも見えてしまう人生を歩む事が多いものなんだということがわかる。 侍ジャパンが世界一になったところで、野球熱が再燃すると信じつつ、こういう野球関連マンガの中でも異色だけどためになる面白い作品があるということをみんなに知ってほしい。解決屋稼業系の次世代筆頭極楽街 佐乃夕斗さいろくストーリーのテンポもよく、流れも自然でバランスもよくて絵も上手い。 バトル展開もスピード感あるし、怖いところはちゃんと怖くてメリハリがある。すごいしっかりしたクオリティでこれ本当にデビュー作なの?と不思議で仕方ない。 PN変わってたりするのかな? 主人公アルマ君が底抜けにいいヤツ感があるバカで、少年マンガー!って感じが非常に良い。 かつ、相方というか師匠みたいな主人みたいな関係?のタオさんが美しいので、自分はタオさんを愛でるマンガとして読み始めた。 2巻になって急に女性キャラが増えたけど、表紙のネイちゃん・ヨキの助手?のダラさんともにとても可愛いので良い。 彼女らが酷い目にあうような展開がありませんように(祈)今回も無事に無敵だった幼稚園WARS 千葉侑生さいろく無類の強さを誇る殺し屋で、かつ超面食いで彼氏ほしい欲が何よりも強いのが主人公のリタちゃん。 元伝説の殺し屋であるリタだけでなく、同僚として元名うての犯罪者達が揃い踏みな「ブラック幼稚園」を中心に進むお話。 テンポが素晴らしいことや絵と内容がマッチしてる感があって非常に読みやすい。2巻も出たし、これからはきっとモブが増えていくパートかな・・・楽しみです。あんたはどんな人生を生きていたの?絶叫 轟ツキコ 葉真中顕さいろく死人に口なし。 事件性があればそれを紐解くのは警察の仕事… 身体を猫に啄まれ(その猫すら餓死?してしまってたが)死んでから白骨になるまでかなり時間が経過した状態で発見された遺体、鈴木陽子の人生とは? という感じでスタートする本作。 鈴木陽子は1人目で、1話ずつ別の内容になってくタイプかな、とか勝手に思ってたんですがこの「鈴木陽子」が内容的にもだいぶヘビーで、もしかしてこの1人目だけで数冊いけるのでは…そして完結してしまうのでは…という気がしないでもない。 何しろ1巻終わってもまだ何も解決する気配はしてない。 そういう人生ってあるんだろうか、と想像を結構悪い方に働かせたらこういう想像も出来なくはない…っていう感じの1巻でした。 ひとまず鈴木陽子がケリがつくまでは見届けたい。タイトルからしてヤバいし、そのまんまヤバかった43歳の母を妊娠させたのは私の夫でした サレ妻くるみ きなりみやさいろくマンバの「●●●●さんにおすすめ作品」で一番上に出てきてたのでついつい読んでしまった・・・ なんでこれを薦められたのかが気になる(笑) レディコミっぽい感じの内容で、マンガ読みならこれはファンタジーではないというのがわかるよね?という強制力が働く。 内容はもうドロドロとしか言いようがない。 凄まじい話だったが、現実でもこのぐらいのことはあり得るんだろうなぁ… 22歳の主人公はいわゆる若妻、旦那は37歳。母が43歳で父は海外?にいるはずなのに母が妊娠…それを22歳の主人公が無邪気に「弟かな?妹かな?」って言っててもう地獄だった。 が、基本的には主人公の頭の中ですごいスピードで整理されていき、ほぼ結論が出てるのに、言い訳できないような証拠となる場面に主人公が出会うまではずっと濁され続けてなんとかなっちゃってるあたりが逆にリアリティがある。 最後本当にこの後どうなっていくのか、10年後とかを見せてほしかったな… 全然ハッピーエンドじゃないのにハッピーな感じの背景で「完」って〆られててちょっと笑ってしまったが、冷静に考えたら凄い物語でした。トマトスープ先生の可愛さと残酷さ天幕のジャードゥーガル トマトスープさいろくダンピア〜も読んでて素晴らしく可愛かったし、何よりこの時代(というか文明)の野蛮さに現実が見える。 そんな中でも崇高であれ、尊さを知ろうとする彼女らはとても魅力的で、今はとても恵まれているなとも思いつつ、文明なんてなくても幸せだった気がしてくる。
ドンケツなどを含め武闘派ヤクザマンガは大好物なんだけど、それらに全く引けも取らないこの話がノンフィクション…とてもじゃないが信じられないような話が続く。 だが、多少脚色はしているにせよ(ビルから飛び降りて車潰しながら着地するようなマーベルヒーローズのような兄貴とか)この内容が自伝なのだという。 そう考えるとこれは当時の日本の、というかバブル期の恐ろしさがわかるいい教科書かもしれない。 主な舞台は歌舞伎町なのだが、当時のキナ臭さは今のそれとは全く異なった完全に「○が如く」の世界。 三億円事件(1968年)で壁が一躍有名となった府中刑務所。 巣鴨刑務所が関東大震災の被害により(と言ってる割に調べたら10年以上そのまま運営されてたっぽいけど)移転となり、日本最大の刑務所として1935年に創設されたものだが、"刑務所に入って名を上げる"というお手本のようなヤクザストーリーは、この物語の頃の70年代後半には衰退しつつあるがまだまだ本当にあったようで「お務めご苦労さまでした」という風習は本物だったんだなぁと感心してしまったりする。 また、細かく背景を調べれば調べるだけ面白く感じられるのが実在する人物伝の良いところ。 チカーノKEIという唯一の「チカーノになった日本人」の獄中生活マンガでハマった口だけど、その13巻の巻末に載っていた広告でさっき初めて本作を知った。描いてる著者が違うとパッとつながってこないのはもどかしい。なんで今まで知れなかったんだ…(チカーノは別冊ヤングチャンピオンでバブルはヤングチャンピオンなのも要因か) もともと彼がどういう人物だったのかはもちろん凄く興味があったのでその自伝的なものが読めるのは非常に嬉しい。 あと、結構世論ではぐちゃぐちゃ言う人がいるっぽいのですが、個人的にはノンフィクションと思い込んで読んだほうが面白いので、これがどこまで本当かは気にしてないです。 また、少しでも彼自身を検索してしまうとHOMIE KEIの話でインタビューがバンバン出てきたりして、マンガを楽しみたいだけの気持ちと少しズレてしまうのでそれも見ないようにしつつ、KEIが主人公のこの2タイトルをマンガとして楽しむのをオススメしたい。