あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前
小学五年生の舞ちゃんは、家の前で倒れていた高校生のお姉さんにご飯を食べさせる……そこから始まり、生活力の無いお姉さんを小学生がお世話する日々が描かれる。 積極的に動くのは舞ちゃん。子供離れした料理テクで、お姉さんに美味しいご飯を食べさせつつ、他にもあれこれ世話を焼く。 一方、お姉さんの方は、美人で頭も良いが謎めいていて、何よりも無口の中に時折見せる感情表現が、舞ちゃんと読者の「庇護欲」を唆る。中々ズルいヒト。 そして舞ちゃんが抱いてしまうのが……タイトルにもある通り、お姉さんを「飼育したい」という気持ち。 一人暮らしのお姉さんと、親がなかなか帰ってこない舞ちゃん。複雑な寂しさを抱える二人が出会い、ひととき寄り添う。舞ちゃんは芽生えた感情に戸惑い、お姉さんは何かを隠しつつ。 不安を抱きながらも、ひとまず優しさを持ち寄る二人は、温かいが少し切ない。「飼育」という舞ちゃんの欲望の落とし所と、二人の関係性の落ち着く先を、今後も追いかけて行きたい。 □□□□□ 食漫画としては、地方性よりも、お腹が空いた人が喜びそうなメニューが並び、唾が出る。むしろ地方性が出ていそうなのは『アイラップ』というツールである。ご存知の方、おられるだろうか……?
sogor25
sogor25
1年以上前
この作品は漫画家のアシスタントで夫の悟さんと発達障害を抱える妻の知花さんという夫婦の生活を描いた作品です。 タイトルを見ると少し固い内容をイメージされるかもしれませんが、表紙の絵を見ていただければわかるように、優しい絵柄で夫婦の日常を描いた、とても読みやすい作品になっています。 物語は主に夫の悟さんの視点で描かれておりますが、悟さんは夢である漫画家になかなかなれないことから自らを「ちゃんと生きられていない」という風に形容していて、そんな理由もあってか、発達障害を抱える知花さんに対してとてもフラットに接している印象を受けます。 知花さんと会話しているときや作品の中で起こるトラブルに対して悩んでいるときなどに悟さんは「発達障害」という言葉を使わずに言葉を紡いでおり、このことからも彼が「発達障害」そのものとは関係なく、知花さんという1人の女性に対して寄り添って生きていることが感じられる作品です これはあくまで私の個人的な感想なんですが、この作品は「発達障害」について描いている作品ではないんじゃないかと思っています。 「発達障害」は厚生労働省のホームページでも、病気ではなく生まれつきの特性で、そして個人差がとても大きいという特徴があると説明されています。 この作品も「知花さん=発達障害」という構図ではなく、知花さんの人物像を表現する根拠として「発達障害」を用いているように感じられ、悟さんも「知花さんが発達障害だから」ではなく、知花さんがどういう人物で、トラブルを解決するためにどうすればよいか、というのを一生懸命に悩んでいるように見えます。 つまり、悟さんが「発達障害について知る様子」ではなく、「愛する相手のことを理解していく様子」を描いている作品なのではないかと思っています。だからこそ「発達障害」自体が特別なものではなく、相手のことを知ることで理解し合える存在に感じられ、今まで発達障害と関わりがなかった方にも強く共感できる作品になっているのではないかなと思います。 他にも『アスペル・カノジョ』や『リエゾン ーこどものこころ診療所ー』、『見えない違い 私はアスペルガー』など、発達障害を取り扱った作品はいくつかあり、そんな作品と併せて読んでもらいたい作品です。 1巻まで読了
ぺそ
ぺそ
1年以上前
自分は「好きな国は?」って聞かれたら「イギリスかな〜」と答える程度のものすごくライトなイギリス好きなので、この本は英国文学とそのお菓子について知るのにちょうど良い内容でした。 https://youtu.be/CIYN0ghOfUM 主人公は48歳の老眼始まりかけの雨宮先生。 有名な小説の中に登場するお菓子をイギリス育ちの姪・サヤに教わりながら作って、2人で一緒に3時のおやつを楽しむお話。 サヤちゃんがメチャクチャお菓子づくりに詳しくてしっかりしててすごい。 ハリー・ポッターに登場する糖蜜パイが「トリークルタルト(treacle tart)」のことで、中身は生パン粉で出来てるというのが驚きでした。メチャクチャ美味そう…! レシピが全部付属しているのでいつかチャレンジしてみたいです。 『ホビット』を読んだことも見たこともなかったので、サヤちゃんがドアにかかっている看板を見てなんで嬉しそうにしていたのかわからなかったのですが、あれは有名なシーンを再現したものだったんですね。 あとこれは私だけだと思いますが…絵がとてもお洒落なので、ずっと雨宮先生と妹さんのことも日英ハーフだと思って読んでしまい混乱しました笑 新潮社から出ているということで、カバー下が新潮社の文庫本と同じデザインになっています。読み終わってから気づき粋だなと思いました。 【連載ページ】 https://www.comicbunch.com/manga/bunch/amemiya/