自由で楽しい女子フットサル! #1巻応援宙-CHUU- 手原和憲あうしぃ@カワイイマンガ甲子園で選手がパフォーマンスを注意されるニュースが流れるたびに、私はうんざりしてしまいます。なぜこうも若い子を萎縮させてしまうのか、と。 そういう感情を持つ人には、この『宙-chuu-』という作品は痛快に感じられるのではないでしょうか。 厳しいサッカーに嫌気がさした女子は、サッカーとは縁もゆかりもないお嬢様学校に入学するのにそこでまた「フットサル」と出会ってしまう……という物語ですが、フットサルチームの面々のユルさ、献身や規律を強要されない自由、そして溢れ出す創意のままにプレーする喜び!が!もう楽しくて!仕方ない! プレイの作画がものすごくカッコよくて、それに魅了されて読み進めてゆくと次第に、過去の部活サッカーで自分を抑えてきた人達が解放される物語があって、胸熱が止められない! WBCで大谷選手をはじめとした日本代表達がプレッシャーの中でも野球を楽しむ姿にときめいた身としては、こういう作品を、サッカーを、スポーツを見たかったんだよ!もうスポ根とかいらねえよ!とか思ってしまうのです。 そして……主人公はじめ、いくつかの百合可能性も提示されていて、私としてはこの作品、ウェルカムだぜ!あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『君は世界で一番美しい色』をまた読みたいをしましたあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前Twitterの炎上を見物に行くこと。自由広場そろそろ卒業したいなーと思うこと5わかる女に怒られる理由が分からない、と言う男に女がイライラする理由 #1巻応援下北沢バックヤードストーリー 西尾雄太あうしぃ@カワイイマンガ『アフターアワーズ』『水野と茶山』と百合マンガを描いてこられた西尾雄太先生が、今なぜ男性主人公を?と思われるかもしれませんが、読めば納得の内容でした。 本作の主人公は古着屋の店主にして、大の服マニア。 古着屋稼業・店舗経営の裏側を見せ、古着への拘りを開陳しながら、主人公が出ていった彼女とヨリを戻すヒントを得るために、昔の彼女たちに会う物語が展開します……さあ、ダメな感じがしてまいりました笑 よく、人柄は悪くなさそうな男性が、パートナー女性にものすごい怒りを買っていて不思議に思う経験、ありませんか?本作の主人公も一見まともなので、「趣味に夢中になりすぎると愛想尽かされるのかなぁ」と、同じ趣味人としては不安になりかけますが、次第に彼の「本当に悪いところ」が見えてきます。なかなかに胸が痛い内容。 男性から女性へのDV、モラハラ、マンスプレイニングやマイクロアグレッションなどには、実はかなり根が深く、複雑で言語化しにくい「悪さ」があります。 そういった「悪さ」が作品のあちこちに描かれて(時にそれは従業員にも向く)2巻末までにその一部はかなりはっきりと言語化され、ハッとさせられます。 服のストーリーと目上の人の言葉は聞けるのにher storyに耳を傾ける気のない主人公と彼にうんざりしている彼女の物語は、恐らくあらゆる男性と女性に普遍的な物語。今後も自分ごととして、丁寧に読みたいと思います。 (1、2巻同時発売ですので1巻応援とします)この二人を周囲で見続ける話付き合ってあげてもいいかな たみふるあうしぃ@カワイイマンガ※ネタバレを含むクチコミです。提案型シュール散歩は百合の夢を見るか #1巻応援散歩する女の子 スマ見あうしぃ@カワイイマンガ今までに「散歩もの」作品は幾つも描かれましたが、実在の土地を描くものが多かったように思います(東京が多いですね) 『散歩する女の子』は、ある特定の土地と結びつかない点で、これまでの散歩ものと一線を画す作品です。 少し地名も出てきますが、それは重要ではない。土地の特徴やそこへの思い入れを描く代わりに、どこでもできる「散歩を楽しむ」ための視点を提案してくれる。そしてその視点がめっぽう面白い! 真似したくなるいつもの光景の遊び方、トマソン的な発見、ちょっとした発想のレイヤーを挟む事で顕れる別の姿……そうして見慣れた光景は次第に異界のような、奇妙さと恐ろしささえ纏って変容してゆきますが、仲良し女子二人はそれを、笑ってゆる〜く楽しんでしまいます。 理解し合う二人ならどんな世界も楽しめる!という強さは、これ百合と言ってはいけないでしょうか……?あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『行ったつもりごはん』をまた読みたいをしましたあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『ミムムとシララ~ドラゴンのちんちんを見に行こう~』をまた読みたいをしましたあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『今日の早川さん』をまた読みたいをしましたあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『Bye-Bye アタシのお兄ちゃん』をまた読みたいをしました少女と魔女と幻想廃墟 #1巻応援破滅の恋人 郷本あうしぃ@カワイイマンガ『明日ちゃんのセーラー服』や『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』、あるいは海島千本先生の作品などは、絵を眺めているだけでも幸せになれる作品だと思いますが、この『破滅の恋人』もそんな作品です。 緻密な書き込みの中にザラっとしたペンタッチを残す絵。コマ割りを、ストーリーを飛び出す空想的な画面にうっとりしながら、肝試しに使われるような廃洋館に住むお姉さんと真面目そうな少女(中学生?)との出会いに導かれます。 少女の思考もふわふわしていて、二人の間には、今のところ何もない。何もないはずなのに、既に何かが生まれている気配は散りばめられていて、それが友情なのか恋なのか、あるいは……と想像が止まりません。 お姉さんと、ある男性との物語も描かれるのですが、そこも不穏。1巻時点では不明な点が多く、百合ジャンルと明言しづらいのですが、それでも少女の心の機微とガサツなお姉さん=魔女の謎が心をざわつかせる、不思議な百合魔力のある作品なのです。 そしてこの魔力に胸を掴まれた方は、ぜひ作者・郷本先生の前作で「薄い繋がりなのにエモい百合」として名高い『夜と海』も読んでみてほしいと思います。非恋愛的同居(百合…ではない)#1巻応援 #完結応援ふたりといっぴき、はじめました。 kameあうしぃ@カワイイマンガ猫一匹と暮らすイラストレーター女性が、その猫が大好きな友人と同居を始める、というエッセイ……女性同士、すわ百合!?と騒ぎたくなるのは百合好きの悪いところですが(自戒)、これは百合ではないけれどもとても良いです。 そもそも作者は「一人暮らし寂しいけれど恋愛はしんどい」というところから始まり、「寂しい時にちょっと話してくれたり側にいてくれる」相手を求めて友人に同居をもちかけます。これ、実現すれば理想的ですが、そうはいかないからみんな苦労しているやつですが、この二人は見事その理想的な関係になっていて、こんな現実があっていいの!?と驚きながら幸せな気持ちになれます。 内容としては食4:二人の関係4:猫2くらいの割合。未知の調味料に好奇心が膨らみます。 そしてべったり一緒にいなくても、相手の気配に安心したり、辛い時に話したり、同じ食を共有したりすることで、寂しがりな作者が穏やかに満たされるのを見ていると、恋愛がなくても満たされる可能性に私も救われる気がします。 恋愛じゃなくても満たされる関係……「クワロマンティック」や「ロマンシス」という在り方の可能性を、ここに感じるのは私だけでしょうか? (上下巻同時刊行だったみたいなので1巻応援と完結応援にしました) « First ‹ Prev … 15 16 17 18 19 20 21 22 23 … Next › Last » もっとみる
自由で楽しい女子フットサル! #1巻応援宙-CHUU- 手原和憲あうしぃ@カワイイマンガ甲子園で選手がパフォーマンスを注意されるニュースが流れるたびに、私はうんざりしてしまいます。なぜこうも若い子を萎縮させてしまうのか、と。 そういう感情を持つ人には、この『宙-chuu-』という作品は痛快に感じられるのではないでしょうか。 厳しいサッカーに嫌気がさした女子は、サッカーとは縁もゆかりもないお嬢様学校に入学するのにそこでまた「フットサル」と出会ってしまう……という物語ですが、フットサルチームの面々のユルさ、献身や規律を強要されない自由、そして溢れ出す創意のままにプレーする喜び!が!もう楽しくて!仕方ない! プレイの作画がものすごくカッコよくて、それに魅了されて読み進めてゆくと次第に、過去の部活サッカーで自分を抑えてきた人達が解放される物語があって、胸熱が止められない! WBCで大谷選手をはじめとした日本代表達がプレッシャーの中でも野球を楽しむ姿にときめいた身としては、こういう作品を、サッカーを、スポーツを見たかったんだよ!もうスポ根とかいらねえよ!とか思ってしまうのです。 そして……主人公はじめ、いくつかの百合可能性も提示されていて、私としてはこの作品、ウェルカムだぜ!あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『君は世界で一番美しい色』をまた読みたいをしましたあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前Twitterの炎上を見物に行くこと。自由広場そろそろ卒業したいなーと思うこと5わかる女に怒られる理由が分からない、と言う男に女がイライラする理由 #1巻応援下北沢バックヤードストーリー 西尾雄太あうしぃ@カワイイマンガ『アフターアワーズ』『水野と茶山』と百合マンガを描いてこられた西尾雄太先生が、今なぜ男性主人公を?と思われるかもしれませんが、読めば納得の内容でした。 本作の主人公は古着屋の店主にして、大の服マニア。 古着屋稼業・店舗経営の裏側を見せ、古着への拘りを開陳しながら、主人公が出ていった彼女とヨリを戻すヒントを得るために、昔の彼女たちに会う物語が展開します……さあ、ダメな感じがしてまいりました笑 よく、人柄は悪くなさそうな男性が、パートナー女性にものすごい怒りを買っていて不思議に思う経験、ありませんか?本作の主人公も一見まともなので、「趣味に夢中になりすぎると愛想尽かされるのかなぁ」と、同じ趣味人としては不安になりかけますが、次第に彼の「本当に悪いところ」が見えてきます。なかなかに胸が痛い内容。 男性から女性へのDV、モラハラ、マンスプレイニングやマイクロアグレッションなどには、実はかなり根が深く、複雑で言語化しにくい「悪さ」があります。 そういった「悪さ」が作品のあちこちに描かれて(時にそれは従業員にも向く)2巻末までにその一部はかなりはっきりと言語化され、ハッとさせられます。 服のストーリーと目上の人の言葉は聞けるのにher storyに耳を傾ける気のない主人公と彼にうんざりしている彼女の物語は、恐らくあらゆる男性と女性に普遍的な物語。今後も自分ごととして、丁寧に読みたいと思います。 (1、2巻同時発売ですので1巻応援とします)この二人を周囲で見続ける話付き合ってあげてもいいかな たみふるあうしぃ@カワイイマンガ※ネタバレを含むクチコミです。提案型シュール散歩は百合の夢を見るか #1巻応援散歩する女の子 スマ見あうしぃ@カワイイマンガ今までに「散歩もの」作品は幾つも描かれましたが、実在の土地を描くものが多かったように思います(東京が多いですね) 『散歩する女の子』は、ある特定の土地と結びつかない点で、これまでの散歩ものと一線を画す作品です。 少し地名も出てきますが、それは重要ではない。土地の特徴やそこへの思い入れを描く代わりに、どこでもできる「散歩を楽しむ」ための視点を提案してくれる。そしてその視点がめっぽう面白い! 真似したくなるいつもの光景の遊び方、トマソン的な発見、ちょっとした発想のレイヤーを挟む事で顕れる別の姿……そうして見慣れた光景は次第に異界のような、奇妙さと恐ろしささえ纏って変容してゆきますが、仲良し女子二人はそれを、笑ってゆる〜く楽しんでしまいます。 理解し合う二人ならどんな世界も楽しめる!という強さは、これ百合と言ってはいけないでしょうか……?あうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『行ったつもりごはん』をまた読みたいをしましたあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『ミムムとシララ~ドラゴンのちんちんを見に行こう~』をまた読みたいをしましたあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『今日の早川さん』をまた読みたいをしましたあうしぃ@カワイイマンガ1年以上前『Bye-Bye アタシのお兄ちゃん』をまた読みたいをしました少女と魔女と幻想廃墟 #1巻応援破滅の恋人 郷本あうしぃ@カワイイマンガ『明日ちゃんのセーラー服』や『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』、あるいは海島千本先生の作品などは、絵を眺めているだけでも幸せになれる作品だと思いますが、この『破滅の恋人』もそんな作品です。 緻密な書き込みの中にザラっとしたペンタッチを残す絵。コマ割りを、ストーリーを飛び出す空想的な画面にうっとりしながら、肝試しに使われるような廃洋館に住むお姉さんと真面目そうな少女(中学生?)との出会いに導かれます。 少女の思考もふわふわしていて、二人の間には、今のところ何もない。何もないはずなのに、既に何かが生まれている気配は散りばめられていて、それが友情なのか恋なのか、あるいは……と想像が止まりません。 お姉さんと、ある男性との物語も描かれるのですが、そこも不穏。1巻時点では不明な点が多く、百合ジャンルと明言しづらいのですが、それでも少女の心の機微とガサツなお姉さん=魔女の謎が心をざわつかせる、不思議な百合魔力のある作品なのです。 そしてこの魔力に胸を掴まれた方は、ぜひ作者・郷本先生の前作で「薄い繋がりなのにエモい百合」として名高い『夜と海』も読んでみてほしいと思います。非恋愛的同居(百合…ではない)#1巻応援 #完結応援ふたりといっぴき、はじめました。 kameあうしぃ@カワイイマンガ猫一匹と暮らすイラストレーター女性が、その猫が大好きな友人と同居を始める、というエッセイ……女性同士、すわ百合!?と騒ぎたくなるのは百合好きの悪いところですが(自戒)、これは百合ではないけれどもとても良いです。 そもそも作者は「一人暮らし寂しいけれど恋愛はしんどい」というところから始まり、「寂しい時にちょっと話してくれたり側にいてくれる」相手を求めて友人に同居をもちかけます。これ、実現すれば理想的ですが、そうはいかないからみんな苦労しているやつですが、この二人は見事その理想的な関係になっていて、こんな現実があっていいの!?と驚きながら幸せな気持ちになれます。 内容としては食4:二人の関係4:猫2くらいの割合。未知の調味料に好奇心が膨らみます。 そしてべったり一緒にいなくても、相手の気配に安心したり、辛い時に話したり、同じ食を共有したりすることで、寂しがりな作者が穏やかに満たされるのを見ていると、恋愛がなくても満たされる可能性に私も救われる気がします。 恋愛じゃなくても満たされる関係……「クワロマンティック」や「ロマンシス」という在り方の可能性を、ここに感じるのは私だけでしょうか? (上下巻同時刊行だったみたいなので1巻応援と完結応援にしました)
甲子園で選手がパフォーマンスを注意されるニュースが流れるたびに、私はうんざりしてしまいます。なぜこうも若い子を萎縮させてしまうのか、と。 そういう感情を持つ人には、この『宙-chuu-』という作品は痛快に感じられるのではないでしょうか。 厳しいサッカーに嫌気がさした女子は、サッカーとは縁もゆかりもないお嬢様学校に入学するのにそこでまた「フットサル」と出会ってしまう……という物語ですが、フットサルチームの面々のユルさ、献身や規律を強要されない自由、そして溢れ出す創意のままにプレーする喜び!が!もう楽しくて!仕方ない! プレイの作画がものすごくカッコよくて、それに魅了されて読み進めてゆくと次第に、過去の部活サッカーで自分を抑えてきた人達が解放される物語があって、胸熱が止められない! WBCで大谷選手をはじめとした日本代表達がプレッシャーの中でも野球を楽しむ姿にときめいた身としては、こういう作品を、サッカーを、スポーツを見たかったんだよ!もうスポ根とかいらねえよ!とか思ってしまうのです。 そして……主人公はじめ、いくつかの百合可能性も提示されていて、私としてはこの作品、ウェルカムだぜ!