nyae
nyae
1年以上前
決して難しい話ではなくて、漫画としても非常に読みやすく、人種差別を理解するのにとてもふさわしい作品です。この手記が発見された当時、奴隷が書いたにしてはあまりに知的であったためフィクションと誤認された、とあるように(翻訳の際に多少読みやすくしていたとしても)、年齢問わずわかりやすい内容になっています。学校のクラスに1冊ずつ置いても良いかもしれない。 実は「重いかな…」と思って買ってから1ヶ月以上寝かせてしまっていたんですけど、今日こそと思って読んだんです。そしたらあっという間に読み終わってしまいました。 人身売買が当然のように行われる。家族とは簡単に引き離される。人をモノのように扱う。自分の希望など何ひとつ通らない。それがここで描かれる現実です。理不尽に振りかざされる権力には、本当に絶望します。 これを読んで、なにか行動を起こす人もいれば、そうなんだ、で終わる人もいるでしょうけど、黒人差別は当時から、そして現在も無くなることのなくつながっている。それがわかるだけでもこの漫画の存在意義があるんじゃないでしょうか。 そしてこれは1巻完結ではないので、主人公リンダの戦いはまだ続いています。2巻が出た時に、いまより更に多くの人が読んでいでいて、売り切れてしまうくらいになればいいですね。