たか
たか
1年以上前
2017年、WEBアクションで連載開始時に楽しみにしていた連載。Pinga経由で知った作品だったのでサービス終了以降連載を追うのを止めてしまっていたのですが、ちょうど先日完結したということで1巻からまとめて読みました。 あらためて感じたのは世界の解像度の高さ…! 2052年の生活感がリアルに描れていて惚れ惚れしてしまいました。 アンドロイドらしいメカメカしい描き込みも満載で、メカバレフェチの自分も大満足でした。   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 【好きなところ】 ・「タイプワン」という商品名が人型アンドロイドの代名詞になっている(J-フォンの「写メ」が名詞になったみたいな) ・タイプワンの説明書や購入ページなど、作中に登場するウェブデザインがやたらリアル ・タイプワンは家電らしくご家庭で組み立てる仕様になってる ・起動後に所有者の言葉を分析して勝手に日本語設定になる ・早速ロボット三原則の宣言をする ・パーソナライズや家電との同期などで最初のセットアップにやたら時間がかかる ・スリープモードでは人間で言う褥瘡を防ぐために寝返りを打つ ・タイプワンは所有者の随伴・許可なしに公道に出ることは出来ない ・アンドロイドに人間のような親しみを覚える人間はエンパスと呼ばれ偏見を持たれている   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ イヴの時間のときも思ったのですが、アンドロイドに親しみを覚える人間をやばいやつ扱いする社会の風潮があるという設定は、リアリティあるなと思う一方でアンドロイド好きとしては納得はいかないんですよね。一昔前の「アニメオタク=殺人犯扱い」みたいで。 ペットを家族扱いしたり、二次元の女の子を嫁にしたりするのと比べても、人型アンドロイドを人間扱いするのなんて当たり前の感覚じゃないでしょうか。 (ちなみにすでに「命乞いするロボットの電源を切るのは難しい」という実験結果もでてます) https://gigazine.net/news/20180803-harder-to-turn-off-robot/ 結局、あの黒い野良アンドロイドが何者であったのか全て説明されることはなかったのですが、それがアンドロイドという存在に神秘性を与えていて良かったです。人型ロボットには、やはり底知れない部分を持っていてほしいので。 わずか3巻ですが、ものすごい世界の密度を感じることのできる作品です。SFをの気分のときにぜひ読んでみてください。 https://comic-action.com/episode/13933686331657220387
たか
たか
1年以上前
私が町立小学校2年生のとき学年に3人のブラジル人の子がいました。1学年だいたい100人なので外国人率は3%。これは令和2年の川崎市と同じ外国人割合なんだとか。 90年代のブラジルの経済状況と、日本の法改正により日系3世に定住資格が与えられたことが重なり、工業団地があるうちの地元にたくさんのブラジル人が家族を連れて出稼ぎに来ていたんですね。おかげで今でもゴミ捨て場は日葡併記です。 この作品は私の母校のよりも遥かに広く、世界中の国々の子供たちを受け入れる日本の公立学校のお話です。 https://dokusho-ojikan.jp/serial/detail/t51291 まず冒頭は入学式から始まるのですが、もうこっからすごい!! ティアラをつけお姫様のようなドレスで来る子に、欠席する子(入学手続きをしたものの親の事情で国に帰ってしまった)など、「こいつはとんでもねぇぞ…!」と初っ端から面白さが止まらない。 和式便所の使い方がわからない…などは定番かも知れませんが、運動会でドレッドヘアや、遠足にマックのセットなどなど、「その発想はなかった…!」という文化の違いがバンバン出てきて圧倒されます。 何より読んでいて楽しいのが、学校での子供たちのパワフルさとエキセントリックさ…!! もう、どの子も元気いっぱいで自由気ままでメチャクチャなんですよね。 元気いっぱいのユリア、心配性のビト、お嬢様シェイラ、自由人のアレンetc...。次から次へとまだ出てくるのかと驚くぐらい、様々な子が登場しエピソードには事欠きません。 「いやそんなことある!? 」というようなやらかしに笑いが止まらない一方で、自分が先生でこれを全部対処する側だったら…という考えが一瞬、頭をよぎってゾッとしてしまいました。先生たちすごい…! 最近ではいじめだけでなく、言語の習得が上手く行かずダブルリミテッドとなってしまうケースなども聞かれるので、こうして日本の学校で憂いを知らず元気いっぱいに過ごす子供たちの姿を見るとホッとします。 日本で子供時代を過ごす全ての子に、こんな風に楽しい学校生活を送ってほしいと思わずにいられません。 「庶民の娘ですがセレブ学校へ通っています」が、日本で多国籍の子女に欧米流の教育を施すインターナショナルスクールエッセイだとしたら、「となりの席は外国人」はそのカウンターとなる、日本で多国籍の子女に日本流の教育を施す公立学校エッセイ。両方合わせて読むのがおすすめです。 読めば間違いなく元気が出ます。笑いたいときにぜひどうぞ…!
私が町立小学校2年生のとき学年に3人のブラジル人の子がいました。1学年だいたい100人なので外...
nyae
nyae
1年以上前
性的マイノリティに対して差別したくないと思うと、どうにか理解しようと頑張って、言ってはいけない言葉を覚えようとしたり、腫れ物に触るような対応をしてしまったりと、お互いに居心地の悪い思いをしてしまうのでは…(という心配をしてしまう無限ループ) 身近に該当する人がいないと、ひとりでそんなことを考えてぐるぐるしてしまう。 そんなときに読んだこの漫画は、少し心が楽になったのと同時に、良い教科書にもなりました。 性的指向などに関わらず、もちろんノンケでも、どんな人にも日常があって、その日常を侵害する権利は誰にもない。そしてこの世に「当たり前」のことなんてない。その人が好きなもの・嫌いなものが自分と違ってもいいし、同じだったら気が合うね!って言って仲良くなればいい。個人として付き合えばそれで良いんだなと(あ、でも書いてることは「当たり前」のことだな…)。 この漫画を描いてるあさなくんはゲイだけど、タイトルは「ノンケじゃない」。つまり、「君は〇〇だ」とカテゴライズすることがもう遅れてる。ノンケじゃない(自分とは性的指向が何かしら違う)、了解。で終わりなんだ!てことかな?と自分は解釈しました。