月スピ4月号の読切。赤井千歳ってどっかで見たことある名前だなーと思ったら『Ms. NOBOTAN』で新コミ大賞獲った方だった。 タイトル通り、編集殺しの異名を取るウェブ漫画家襟裳岬先生から原稿をもらうだけのお話。 ものすごく勢いがあってあっという間に読み終わった。 あれは襟裳岬先生の壮大な試し行動だったのかな…曲者過ぎ。 「体育の授業で数回使うテンションが上がる大きめのマット」という表現めちゃくちゃ好き。わかる。 けどあれで4階からの落下の衝撃吸収できるのか気になってしまった。
※ネタバレを含むクチコミです。
顔に張り付いたような彼の笑顔が軽くホラーである。最後がよくわからない。彼はどこへ消えたのか。工場をやめたにしては寮の部屋の布団は敷かれたまま。ノートなどの持ち物も残っている。彼女が勝手に彼の部屋に入っているのは何故なのか。そして極めつけは、彼がノートに書いていた「だれにもなりたくない」という言葉。何故そんなことを書くのか。彼は、彼女の言葉に対して「ひどいこといいますね」と言ったのだから「だれにもなりたくない」とは思っていないはずではないか。
いやー名作ですね。 短編ものなんだけど恋愛に悩んで振り回される女の子が主人公 どの女の子も汚い部屋で下着で地べたでカップラーメンを啜っている。 なんかその姿がすごいリアルです。 あれがしたい、これがしたい、愛情がほしい!という欲が前面に出ててどの話も魅力的 自分に同じ経験がなくてもなんとなくわかるって思っちゃうのですごい
3巻一気に読んでほしい 淀川河川敷近くのお揚げ工場で働くかよの話。 工場のベルトコンベアで単純作業したことありますが工場って黙々と作業する分他人とほぼ話さないんですよね。 つらつらと流れるけど実はチームワーク大事。 話さないけどそれぞれの人にそれぞれの人生があってそれぞれの悩みがある。 この漫画読むと悩み、人生の浮き沈み、どうにもならないことがちゃんと出てくる登場人物たちの力で解決されてます。 モヤモヤとした悩みもこの漫画で昇華されている気がします! 良作!読むべき! そんでもっとたくさんの人に読まれるべきだなと思います。
「編集王(作画・土田世紀先生)が好きだったので、 同じく漫画編集部を舞台にした漫画と知って読んでみた。 とても面白かった。 編集王が読者の心に男臭さで切り込んでくる漫画ならば 重版出来!は読者の心を人間臭さで包み込んでくるような 漫画だと感じた。 編集王が1990年代の漫画で重版出来!が2010年代だから 当然なのだが、同じ漫画編集部漫画であってもかなり異なる 世界を描くことにはなっている。 重版出来!には当然SNSとか電子書籍とか出てくるわけで。 それだけ漫画を取り巻く環境は変わり、多様化したと言える。 それは結論が一つ、という世界ではなく、 人それぞれに結論がある、という世界のようにも感じる。 編集王は、数話ごとに話を区切りながらの連載の仕方ながら なんだかんだといっても区切りごとに土田世紀先生が 先生なりの「俺はこう思う」という感じの結論を ドーンッとぶつけてくるラストが多いと感じた。 重版出来!は、わりと「皆さんはどう思いますか」 みたいな区切りが多いように感じた。 それはこういった時代の変化に即した結果の違いなのかもしれない。 だがそれはそれで考えさせられる凄く後味のいい区切り方に感じた。 それと単なる偶然かもしれないが 編集王の主人公のカンパチが元ボクサーで、 重版出来!の主人公が元柔道選手という設定で、 なんか漫画編集の世界ってアスリート視点での 見方や感じ方が、インドアの典型みたいな漫画家との対比で 物語として面白くなるのだろうか、などとフと思った。 時代が変わっても、その辺は変わらないのかな、と。
絵柄で「あ、この人青野くんの人だ!」とわかりました!しかも扉絵のパターン一緒w もう絶対に幸せになってもらわないと困るカップル。前作同様、魅力的な女子を描くのが上手い方だなと思いました。りんごちゃんを傷つけるやつは何人たりとも許さねぇって感じです。主人公もりんごちゃんを好きな気持ちとプライドを保ちたい気持ちがぐちゃぐちゃになってるのが見てて切なくて笑えました。
少し前に週刊に載っていた、文野紋さんの新作。 長いお話が読みたいと思っていたので嬉しいです。(できることなら連載も…!!笑) 思春期の混沌とした感情が相変わらずの高画力で描かれています。そして個人的に、この人のお部屋(汚部屋?)描写大好き! 早く来月にならないかなぁ〜。。。
2020年11月、マンバ通信の新連載「壊れやすい卵のための21世紀マンガレビュー」の第1回「淀川ベルトコンベアガール」は、これまで読んできたマンガ系レビューの中で最も記憶に残る記事の一つとなりました。なぜなら、取り上げた作品のレビューが素晴らしいだけでなく、自分の中で、漫画とはどういう存在であったかを、改めて考えるきっかけを与えてくれたからです。 https://manba.co.jp/manba_magazines/11638 書き手の可児洋介さんは、文芸誌ユリイカなどで漫画評論を執筆されている方で、文章からも真面目で誠実な雰囲気が伝わってきて、個人的に好きなライターさんです。 まず、記事の序文で村上春樹のエルサレム賞受賞スピーチになぞらえて、拡大を続ける物語世界の現状と、漫画というものの文化の立ち位置を示されています。 「壊れやすい卵を無慈悲なシステムの壁から守るものが物語である」とするならば、これは絶対に読まなければ、という思いに駆られまして、気付いたら全3巻を読み終わっていました。それ以降も、二度三度と繰り返し読み直してますが、レビューの通り、本当に素晴らしい漫画でした。作品の見所についてはマンバ通信の記事中で、余すところなく紹介されていますので、そちらを読むことをおすすめします。 個人的に感じた事としては、10年前に完結した漫画ながら、2021年の今読んでもそこまで古さを感じさせないテーマである、という部分にあります。今の日本社会を取り巻く状況があまりにも変わってないせいなのか、この作品が孕む幾つものテーマが、今後も間違いなく必要とされる物語であり続けるであろうと感じました。 何一つ不自由なく幸福な人生を送っていたとすれば、その人にとって、もしかして必要のない物語かもしれません。ただ、生まれ育ちによってそれぞれの置かれた状況があり、価値観も何もかも異なる他人がいるということを知るということ、立場の異なる他人の人生にどれだけ思いを馳せることができるかということを、この作品からは投げかけられているような気がします。 変更された最終回について。 東日本大震災を契機に、村上かつら先生が表現したものは、うまく言葉にはできませんが「他人のために祈るという行為そのもの」であったのではないかと感じました。かよちゃんが祈る対象が、自己から他者へと次第に移り変わり、他人のために心の底から祈る姿に、私は心を打たれ感動したのだと思います。もはや宗教や神様なんてものは何でもよくて、真に他人を思いやる気持ちこそが、すべての始まりなのだと。そう受け取りました。 最後に、マンバ通信の記事でも触れられていますが、各巻のあとがきにて作品の生まれた経緯や時代背景、作品に込められたメッセージが記されています。それと、CUE3巻に本作の元となった読切作品「純粋あげ工場」が収録されていますので、余裕があればそちらも読んでみると良いです。本編で前作と繋がりがあるコマの存在に気付けます。 https://manba.co.jp/boards/16324/books/3 さらに完全に蛇足ですが、あとがきネタでもう一つ。 取材先の食品工場というのが、「日の出食品」「太子食品工業」と書いてあります。いずれもスーパーでよく買う油揚げを作ってるメーカーさんだったことに気付きました。日常的に食卓でお世話になってる人も多いのではないでしょうか。特に太子さんのは他より美味しいので、おすすめです。🦊 http://www.taishi-food.co.jp/?pg=143530690610828
月スピ4月号の読切。赤井千歳ってどっかで見たことある名前だなーと思ったら『Ms. NOBOTAN』で新コミ大賞獲った方だった。 タイトル通り、編集殺しの異名を取るウェブ漫画家襟裳岬先生から原稿をもらうだけのお話。 ものすごく勢いがあってあっという間に読み終わった。 あれは襟裳岬先生の壮大な試し行動だったのかな…曲者過ぎ。 「体育の授業で数回使うテンションが上がる大きめのマット」という表現めちゃくちゃ好き。わかる。 けどあれで4階からの落下の衝撃吸収できるのか気になってしまった。