誰にとってもどうでもいい人

誰にとってもどうでもいい人

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名無し

顔に張り付いたような彼の笑顔が軽くホラーである。最後がよくわからない。彼はどこへ消えたのか。工場をやめたにしては寮の部屋の布団は敷かれたまま。ノートなどの持ち物も残っている。彼女が勝手に彼の部屋に入っているのは何故なのか。そして極めつけは、彼がノートに書いていた「だれにもなりたくない」という言葉。何故そんなことを書くのか。彼は、彼女の言葉に対して「ひどいこといいますね」と言ったのだから「だれにもなりたくない」とは思っていないはずではないか。

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これは一個人の考察なのですが、
彼が「誰にもなりたくない」と願っていたのは、彼は山田と同じように辛い現実から目を背けるために「自分が自分である」という意識から逃れたいと思っていたからで、そのために”自分は誰でもない”という暗示を自分にかけていたのだと思います。(神社のシーンも神職の人に暗示をかけてもらうなどしたか、もしくはただそれを願いに行ったか)
しかし、彼が彼だからこそ山田に愛されたという事実によってその暗示が解けてしまい、彼は「自分が自分である」ことを思い出してしまいました。なので彼女に対して「ひどい」と言ったんだと思います。
そして、自分が自分であることを思い出したために、今まで忘れることが出来ていた現実の苦しみを全て自分のものとして感じなければならなくなり、あまりの苦しさに絶望して窓から飛び降りて自殺してしまったのではないかと思います。ノートを見た後山田が窓の方を向いているので、そのあと山田も後を追ってしまったのかも…。部屋に入れた理由は考えてみましたが分かりませんでした。
以上の考察以外にもコマごとの演出が秀逸なのでいろいろな捉え方が出来ますね。

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