母親が亡くなり介護生活から開放されるやいなや、友人から謎の生物の飼育を押し付けられる主人公。しかしその生物(後にすあまと命名)の世話を通じて、母親との関係や介護生活を振り返り様々なことを思い出したり気付いたりする、という、自分以外の誰かの世話を真剣にしたことのある人にはグッと来るストーリーでした。すあまの存在がわりとファンタジーなんだけど、あえてリアルじゃないから気軽に読めたのかなと思いました。
※ネタバレを含むクチコミです。
変女で登場するサブキャラの星くんと、本作ヒロインのニート女子の通称エロ子さんが織りなすドタバタラブコメ 変女でお馴染みのキャラや世界観でこっちでも変態チックなイチャイチャラブコメが見れます 作者好きももちろん、本作で初の人でも読めるようになっているので、変女好き以外にも勧められる良作 それにしても、この世界に登場するキャラ頭のネジ飛んでる変人しかいないな...(褒め言葉)
手術がコワくて受けたくない!という患者の男の子に、あの手この手を使って受けてくれるように説得するも、波波先生の絶妙なブラックジョークのせいで余計に怖がられてしまうというギャグ。男の子のツッコミスキルが異様に高くて好きでした。
戦争前は聞いても覚えられなかった地名。 すっかりわかるようになっていた。 キエフ、チェルノブイリ通り。 戦争がある日常が通常となってしまっている国。 読んでいて思い出したのは、その戦争が起こる前、コロナよりも前、まだスマートフォンもなかった頃。 原発跡地がある街に、ガイガーカウンターとともにバイクで出かけ、自然に帰ろうとする街を写真に撮っていた女性(たしか女性だった)のホームページがあった。 森に飲まれつつある、時が止まった美しい街だけど、これほど線量がある。ここから先は行けない。 など、写真とともに彼女は書いていた。 そのホームページに、街の手前、まだ放射線量が高い地域に、よそへ越さず、昔からの生活を続けている家族がいたとも書かれていた。 線量の高いものを食べる、それがなんだ、この土地から離れたくないのだと言っていた。 あの人たちは今どうしているんだろう。 さて、漫画に登場する人たちの行動に、どうしてそんな恐ろしいことを!と思ってしまう。 でも、そもそも知らないのだし、放射線も放射能も見えないからわからないのだし。 自分も言われなければ同じことをしているのだろうし。 未来人はやるせない気持ちにしかなれない。 読んでみて、第一話が鮮烈な印象を残してくれたのだけど、その中でも街の人がバタバタと亡くなっていく様子が淡々とした描写で、なんともそら恐ろしかった。 そして主人公の女性が少しでも幸せに今を生きるのはどの方法だったのか、考えてしまった。 口述史というのは非常にセンセーショナルなものだけど、この作品も類に漏れず、読んだ人に思うことを残す激しさがある。
ついにきました。魔法中年です。 『魔法少女・三十路』もありましたが、こっちは中年です。 わいも中年なので、親近感しかない。 内容ですが、魔法少女が敵である魔女を倒すと、魔女の使い魔が怨念により凶暴化する。 しかし、残念なことに、この世界の魔法少女は視聴率稼ぐための娯楽対象として扱われているので、実はそんな強くない。 なので、その凶暴化した使い魔(悪魔みたいな風体)を倒すのが、この「魔法中年」の役目。 主人公の田中も、そんな魔法中年で、魔法少女が倒したり、倒しそびれた悪魔を倒す感じ。 色々ツッコミたくなる設定だが、とにかく田中が強くてスカッとするのが面白い。 表紙のとおり、絵に描いたような社畜気質な腰の低い中年なのでそのギャップにより面白さが際立ちます。 魔法中年ですが、変身もできるようで、なんと若かりしころ?の美少年にもなったもする。 2巻以降は過去の因縁めいたものもでてきて、物語にぐっとひきこまれます。 『ワンパンマン』とか、異世界ジャンルの目立たないおっさんが強い系作品が好きな人はハマルと思います。
エンペラーキョンシーになってしまった父親を倒して供養をするべく道士になる修行をしていた主人公のシェンでしたが、実際にキョンシーを目の前にすると尻もちを付いてしまうヘタレだった。しかも意外な活躍をした幼馴染のチャーシューに対しては「デブのくせに」などと思ってしまうクズで、エンペラーキョンシーのはずの父親はただの雑魚キョンシーだったことも判明してしまいます。まんまと冒頭ではダマされましたが主人公のクズっぷりが清々しいコメディです。 前半は特に主人公がクズだったおかげでチャーシューの男前さが際立ってました。チャーシューが絡んでくるネタにハズレなしです。終盤では主人公の才能が目覚めそうな予感を感じられましたが、「いよいよここからだ!」というところでブツリと終わってしまった。この作品は単行本よりも雑誌で読んだ方が楽しそうだと思ったので、ヤングアニマル読者はがっかりしたのではないだろうか。
隣の席の転校生を好きになった広島弁の女の子、ファッション誌を読んでモテテクニックを使って好きな人にアプローチしてるが全く上手くいかない、でも男子の方はもしかしたら俺のこと好きなんじゃね?いや違うか...?を繰り返していく、これを楽しむマンガ ひたすら信國さんのアホ可愛い掛け合いを見るのが面白い 前半はコメディ要素強めな学園ラブコメ、巻が進めばラブ要素も強くなっていくので、今後に期待できる良作だった
他の方も言及されていますが、この著者 『ワニ男爵』とか『愛しのアニマリア』とか『ナマケものがナマケない』とか、ゆる~い動物ギャグが特徴だったのですが・・・ 新作は、その真逆! シリアスな猟奇的かつホラーな衝撃作。 めっちゃたまげました。 『動物人間』というタイトルからして不穏でしたが、全くその通りの内容。 動物が人間のようにふるまい、喋る村。 そこに迷い込んだ人間を、時に家畜のように飼育し、時に狩りのように追い込む。 そして、動物が人間を食べるのである。 普段、人間がやっていることを逆にするだけでめっちゃ怖い。 両方、知恵があって喋るからより一層不気味だったりします。 これまでの作風とのギャップにおったまげましたが、独特の目線が持ち味な著者だったので、本作も普通の展開で終わりません。 ネタバレなので控えますが、オムニバス形式で村に迷いこんだ人間を描くのかなと思っったのですが、そうではなく話が繋がっていたのも秀逸だし、最後は結構衝撃的でした。 あーそういう終わり方するのか?と。 『ジンメン』とか動物が襲う系の話だけでなく、ホラー好きな人にもおすすめなので、1巻完結ですしぜひ読んでほしい!
母親が亡くなり介護生活から開放されるやいなや、友人から謎の生物の飼育を押し付けられる主人公。しかしその生物(後にすあまと命名)の世話を通じて、母親との関係や介護生活を振り返り様々なことを思い出したり気付いたりする、という、自分以外の誰かの世話を真剣にしたことのある人にはグッと来るストーリーでした。すあまの存在がわりとファンタジーなんだけど、あえてリアルじゃないから気軽に読めたのかなと思いました。