アニメーション作家として文化庁メディア芸術祭新人賞も受賞したことのある久野遥子の初作品集。 表題作の『甘木唯子のツノと愛』の他に『透明人間』『へび苺』『IDOL』が収録されている。 『透明人間』が2010年の作品なので、7年に渡って描かれた作品。 わたしのお気に入りは『甘木唯子のツノと愛』で、ツノが象徴的な、兄妹だけの独自の世界があって、読後感はじんわり痛い。
良かった点 ・登場するカルチャーセンターの盆堀さんがすごい好き。言ってはいけない言葉を平気で言うし、狼の振りした犬というのを自覚しながら折り合いをつけている部分もいいし、過去の栄光を引きづりすぎてるところもいい 総評 マスターのしょうもない話を聞く回があるんだけど、俺もこういう感じで人の話を聞いてしまうのでちょっと安心した。
蟹工船読んだことなかったけど、こういう感じなのか・・? 絵柄のせいか過酷そうなシーンでもあまり辛そうに感じないけど まぁテンポがいいし調子が軽くて読みやすいので良いね
良かった点 愚民店長のケツへの感想と夢の内容が「これがおっさんだ!!」でいい 夢の中で蜂になる回があるんだが恐ろしいほど可愛くない 総評 主人公の日常シーンにいつも通りの思想が入ってて安心
かなり新しいタイプの漫画。好き嫌い分かれそうです。
※ネタバレを含むクチコミです。
relaxって雑誌が好きで、学生時代によく読んでた。その98号に「アテもなくハムトースト」が載ってて、特に感動した訳でもないんだけど、会社を辞める時や、喫茶店でメニューを見る度にふと思い出す。
この漫画のなにが素晴らしいって、作者のいしかわじゅんが実際に骨をうずめている吉祥寺という街が舞台であり、その街の模様が住んでいる者の目で丹念に描かれているからだと思う。 我々が人間が、やれ小説だ、やれ映画だ、やれ漫画だ、といくら物語をつくってみたところで、それは現実という名の途方もなく巨大な氷山の一角にすぎない。しかし、この吉祥寺キャットウォークという漫画を読んでいると、ふいに、なにかボロッと、物語の下にひっそりと佇む巨大な山脈の一端を覗いてしまったような気持ちになるのだ。それは物語と地続きでありながら話には描かれない吉祥寺という街の風景のなかで日々起こっている無数のストーリー。それは別に人間でなくて猫でもいいし、吉祥寺に生えている街路樹の四季の移り変わりでもいいのだ。
アニメーション作家として文化庁メディア芸術祭新人賞も受賞したことのある久野遥子の初作品集。 表題作の『甘木唯子のツノと愛』の他に『透明人間』『へび苺』『IDOL』が収録されている。 『透明人間』が2010年の作品なので、7年に渡って描かれた作品。 わたしのお気に入りは『甘木唯子のツノと愛』で、ツノが象徴的な、兄妹だけの独自の世界があって、読後感はじんわり痛い。