その他の感想・レビュー3487件<<137138139140141>>時代劇もあってバラエティに富む大友克洋の作品集。GOOD WEATHER 大友克洋地獄の田中大友克洋の作品集。初期の方は金もないし女にもモテない学生のアングラチックな日常とかバンドマンとかヤクザとかの話が多いし、「GOOD WEATHER」にもそういう話はあるが、「信長戦記」とか「CHUCK CHECK CHIKEN」は時代劇の漫画で珍しいなと思った。 信長戦記は「戦国自衛隊」の逆っていう感じで、戦国時代の武将たちがタイムスリップしてきて襲ってきた…っていう始まり方。時代劇っぽさがありながらSFも少し混じっていて結構面白かった。やや「気分はもう戦争」のような気配もあるかも。「CHUCK CHECK CHIKEN」もっとコテコテのドタバタ時代劇って感じ。 表題作の「GOOD WEATHER」は雨が降る寸前の海の家の話だけど、読後感の良い情緒的な話。 全体的にコミカルな調子があってダークさはあまりない。結構好きだった。 ただ、絶版で値段も高いので、大友克洋が大好きなら良いと思うが、少なくと「童夢」「AKIRA」的な話はないのでそこに期待しているのなら違うと思う。 「気分はもう戦争」から戦争テイストを抜いた感じかな?(違うか)覇王とは劇画 蟹工船 覇王の船 小林多喜二 イエス小池starstarstarstarstarウマタロ小林多喜二の「蟹工船」を、ジョージ秋山のアシスタントを長年務めるイエス小池がコミカライズした作品。もともと読切作品だったが、2008年の蟹工船ブームの折に文庫化された。 出版に至った経緯はドラマチックだ。詳しく知りたい人はたけくま先生のページを読むとよい。 http://memo.takekuma.jp/?p=1217 読んでみての感想としては、個人的には原作とは大分違う印象を持った。 過激な描写が多いものの、表紙の罰河原赤蔵(ばつがわらあかぞう)のクレイジーなキャラと、不屈のヒーロー龍さん(オリジナルキャラ)の存在が痛快で面白い。 過去にも蟹工船系作品には触れてきたものの、プロレタリア文学とか格差社会という固まった評価の中で理解していただけだったかもしれない。 イエス小池バージョンでは、罰河原中心の視点で、世界が孕む狂気そのものを描いていて、そこはかなり際立っていて良かった。この漫画はとにかく、ラストの罰河原赤蔵の咆哮がすべてなんじゃないかと思う。これから大東亜共栄圏に突き進む歴史をも示唆していて、そこまで通して考えると、「おい、地獄さ行くんだで!」という書き出しの意味しているものが変わってくるようにも思えた。どこかにある星に住む人々のささやかだけどドラマチックな日常惑星9の休日 町田洋名前はまだない惑星9というどこかにある星の人々の話。地軸の関係で年中日が当たらず凍りついてしまった街で氷漬けにされた美女に恋する男とか、芸術家の旦那を亡くした未亡人に恋する重力の研究者の話とか、惑星9から見える月で出会った未確認生物の話とか、思えば恋にまつわるものが多い。 どれも彼らのささやかな日常を描きながらもドラマチックに仕立てていて、最後にはちょっとしたどんでん返し的なオチが待っている。 芸術家の旦那を亡くした未亡人の話と月の話が特に好き。未亡人の話はなんだか話の作りのうまさが凝縮しているように感じるほど、前半までの話が最後の見せ場で集約されていて、読後感もすっといい気持ちになる。一方で月の話は切なさが胸に残り続けます。 どれも面白い。これがデビュー作らしいです。これからも楽しみにしたい漫画家さんです。上村一夫の半生がモデルになっているらしいが関東平野 上村一夫地獄の田中すごい面白かった。文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作「夏休みの町」夜とコンクリート 町田洋名無し読み終わって最終的に「戻りたいけど戻れないあの時」を思い出すような作品。 だらだらとした大学生の夏休み、山のひらけたところでBBQの準備をしていたらTHE科学者ルックのおじいさんが現れて「宇宙人的な何かにさらわれた親友を助けるのに協力してくれ」と言われる。 超自然的な何かが出てくるSFっぽく話が進んでいくけど、全体的に懐かしい風景というか空気感があってあの頃に戻りたい欲がふつふつと湧いてくる短編 フロントの大変さがわかるよねオーレ! 能田達規薬味弱小クラブって本当にこんな感じなんだろうね大友克洋処女短編集ショート・ピース 大友克洋地獄の田中処女短編集だが最初の作品ばかりを集めたというわけではない。 巻末に収録されている大友克洋作品集によると76年〜78年の作品が多い。デビューは74年で童夢が始まるのが80年、AKIRAが82年だからそれよりちょっと前って感じ。 『宇宙パトロール・シゲマ』『大麻峡』なんかは冴えない大学生?が集まっておバカなことをするっていうコメディタッチ。『School-boy on good time』とか『任侠シネマ』は高校生の切なさを少し感じる青春系。『NOTHIN WILL BE AS IT WAS』はサイコホラー感のある感じとかなり幅が広いし、どれもそれぞれいい味わいがあって面白い。 個人的に一番好きだった『夢の蒼穹』は前線で今にも敵兵に殺されそうになっている兵士とサラリーマンを夢で行き来する話だった。 現在も双葉社から発売されているようなので手に入りやすい嗚呼!! 花の応援団について語ろう嗚呼!! 花の応援団 どおくまんプロ どおくまん 太地大介starstarstarstarstarマンガトリツカレ男どおくまんの名作と言われていたので気になっていたけど読み始めると無茶苦茶面白い。 まあ無茶苦茶下品で、読む人をかなり選ぶとは思うけど、この漫画がいろんなところに与えた影響とかは凄そうだ。 基本下品な話が多いけど、たまにあるいい話が凄い良い。 直進山の回と青田にキズをつけた男!?の回のラストが特に好き 人情味のある話がまとまっている、大友克洋の短編集さよならにっぽん 大友克洋地獄の田中大友克洋といえば『AKIRA』『童夢』の超能力とか近未来SFっていう印象が強かったけど、「さよならにっぽん」はそういうSF要素はない。 収録されているのは『East of The Sun, West of The Moon』『さよならにっぽん』『聖者が街にやって来る』『A荘殺人事件』の4作品で、『A荘殺人事件』だけがミステリー調で他は人情味溢れるいい話。だから、大友克洋=AKIRAって期待するとちょっと外れるかも。少なくともでかいクジラがNYを押しつぶす話ではない。 ただ、『East of The Sun, West of The Moon』『さよならにっぽん』『聖者が街にやって来る』の3つは大友克洋の初期に、社会の闇の部分とか退廃的な人間とかを多く描いていた頃よりももっとライトに読みやすくなって、じんわりと心に残るとてもいい短編だと思う。 『さよならにっぽん』が1〜5まである連作。『East of The Sun, West of The Moon』と『聖者が街にやって来る』は内容的なつながりはないけど登場人物がかぶる。『聖者が街にやって来る』が一番好きだな。 『A荘殺人事件』はカツ丼が出て来るから『GOOD WEATHER』って短編の『カツ丼』と繋がっているのかもしれない。 値段もそんなに高くないからおすすめ。映画好きにはたまらないだろうし、映画をあんまり見ない人は読むとオススメの映画が見つかる漫画怒りのロードショー マクレーン名無し映画好きの高校生が放課後とかに映画についてひたすら語るっていうだけの漫画 広く映画見てるけどシュワちゃんが特に好きとか、すぐに○○映画の最高傑作とか言ってしまうプリキュア好きとか、すぐマウント取ろうとする映画マニアとかキャラが幅広くて映画の会話だけなんだけど面白い。 最近の映画(2016年時点)から古い名作まで結構幅広く作品名が上がってくるから、面白い映画を見つけたい人も読むといい映画が見つかるかもって思った。(偏りはあるけど笑) あと、個人的に「映画は面白ければいい」っていうセリフが好きでした。 雷句誠の新連載VECTOR BALL 雷句誠名無しネットで話題になってたから気になってた。ガッシュみたいに、天才×能力者のバディ物って感じで、ガッシュが好きだったから期待してる送ってきた人生や年齢によって読まれ方が変わってきそうな人情コメディ漫画最強伝説 黒沢 福本伸行なまこデラックス送ってきたや年齢人生によって読まれ方が変わってきそうな人情コメディ漫画。だけど、最後はみんな感動するはず。 最初の方は夢もない家族もない金もない40過ぎの男の悲哀が凝縮していてちょっと読むのが辛い。「人望が欲しい」って言って赤松と比較されてるところとか見てられない。 けど、ある日急に人間模様が変化して、コメディ要素が増えてくる。40男の悲しさもちょっと笑えるような描かれ方をされるようになるし、黒沢が奮起しているところは純粋にかっこいいなって思う。ただ、笑いに変えながらも「人生を1日に例えたら、15時。あと二時間で終業」とか突然言い出すから乾いた笑いしか出てこないこともあって、もしかしたら歳を重ねるごとに真に迫ってくる漫画なのかなとも思う。 けど、最後は頑張って生きよう、できないことなんてないって勇気付けられて感動するから黒沢は大好きな漫画。アイディタロッド犬ぞりレースの漫画ヤオギ~アラスカ犬ぞり物語~ 太田正樹マンガトリツカレ男週刊少年マガジンで短期集中連載された犬ぞりレースの漫画 過酷な呼ばれるレースといわれるアラスカ州での犬ぞりレースが舞台で、犬との信頼関係とかがちゃんと書かれていて面白い。 俺はスティーブ派かな前半と後半の感じが全く違うが両方ともいい高校友侠伝パフォーマンス岩次郎 ジョージ秋山starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男最初は主人公の岩次郎が女を見ては「やらせろ」って言って失敗する話だが、 後半はいい話路線になる。 毒薬仁よりかは救いはあるけどモテない男の叫びを書かせたら、ジョージ秋山以上にかける人はいるのか? 現代では確実にアウトな表現が多すぎるバイスパ69 どおくまんプロ みわみわstarstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男暴力、下ネタ、スカトロネタしかない無茶苦茶なギャグ漫画 本当にそればかりで、普通のコマの方が少ない。 花の応援団のみたいに良い話があるかと思えばないし、ある意味ギャグ漫画のある種の到達点かな いろんな漫画を読んできたけど、これは読めばわかるとしか言えない 現代的な賞金稼ぎの漫画ザ・プライザー 末田雄一郎 山田芳裕starstarstarstarstarマンガトリツカレ男主人公が懸賞や美術展、競馬、カラオケ大会、仮装とかの大会で賞金を稼ぐ漫画 ギャンブルっぽい感じで、運の要素が強そうに見えるけどそんなことはなく、全て賞金を稼ぐために努力や計算、大会や審査委員が何をもとめているかを考えて賞金を稼ぐ 普通に働いた方が楽そうに見えるぐらい大変な職業 水木しげる作品のおすすめ教えて!鬼太郎大全集 水木しげるxiaome水木しげる先生追悼…といっても鬼太郎のアニメを子供の頃みていたくらいしかよく知らないんだよね。 水木しげる作品で何かおすすめある?無邪気な小人達の残酷な物語かわいい闇 原正人 マリー・ポムピュイ ファビアン・ヴェルマン ケラスコエット片桐安十郎絵本のような可愛い絵柄の小人たちが残酷な自然によって淘汰されていく漫画 読んでいてすごくドス黒い気持ちになります。栄光なき天才たちの続編新・栄光なき天才たち 森田信吾starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男基本は栄光なき天才たちを扱っているんだけど、前に比べて著名な人物や生存している人もいた。 特に好きなのは「山中貞雄」の回 あとはワルター・ツァップ/テックス・リカード/若尾逸平/ボクシング漫画 はじめの一歩に登場する宮田一郎のモデルになったと言われている高橋ナオトあたりが好き 望月三起也の忠臣蔵っぽい漫画バラの戦士 望月三起也starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男舞台が日本やアラブで、敵役の空コンツェルンはアラブの国を一個買い取って独立国を作る、兵器などが無茶苦茶出てくるとかすごい近代的な感じなんだけど根本は「忠臣蔵」っぽい。 ラストもちょっと駆け足な感じがあったけど、望月三起也っぽい終わり方で好き。読むことにエネルギーのいる最上位の漫画デビルマン 永井豪ちゆう小学生の頃に母親から薦められて読んだ作品。。。そう、小学生にこれを薦めるという謎の家庭環境(笑) 案の定、産まれて初めてのトラウマでしたね。 時は経ち…中学の時にやっと全部読めて…絶望を感じたことを覚えています。人として大切な事を教わった気…はあるにはありますが、何かそれ以上に持っていかれた感すらあります。 とどのつまり…自分の母親は悪魔だったのではないでしょうか。 今でも好きな漫画は?の質問には『デビルマン』は必須です。クッキングパパのプロトタイプが入ってる短編集クッキングボス うえやまとち初期作品集 うえやまとちマンガトリツカレ男クッキングパパのプロトタイプのクッキング・ボスと主人公の顔が作者のクッキング・パパが入ってる。 判別の仕方以下の通り ・クッキングボスは中学生の荒岩美智が主人公 顔はクッキングパパの荒岩一味に似てる ・クッキング・パパは主人公の顔が作者の自画像みたいなの ・クッキングパパは現在連載中 クッキングパパのプロトタイプよりも「かかしとすずめ」や「しんじロンリーウェイ」の方が好きかも。 結構いい話も多いおろち 楳図かずおナズナ1話目の姉妹の話はホラーな展開の話だったけど、2・3巻くらいは、最終的に人情に触れられるいい話も多いと思う。親父を殺された恨みを晴らすべくスターに弟子入りした話とかは終わり方もよかったし結構好きだったな狩撫麻礼原作の漫画ではこれが一番好きかも。ハード&ルーズ かわぐちかいじ 狩撫麻礼starstarstarstarstarマンガトリツカレ男狩撫麻礼原作の漫画ではこれが一番好きかも。 なんというか俺には丁度いい。 ライブマシーン/バッドブラッドとかよりわかりやすいし、タコポン/ハード・コアとかよりも難解ではない。 リバースエッジ 大川端探偵社/湯けむりスナイパーほど枯れてはいないし、LIVE!オデッセイ/青の戦士/ナックル・ウォーズのような熱さもない ボーダーほど社会から隔絶してるわけでもないし、天使派リョウ/ギィルティのような感じでもない<<137138139140141>>
大友克洋の作品集。初期の方は金もないし女にもモテない学生のアングラチックな日常とかバンドマンとかヤクザとかの話が多いし、「GOOD WEATHER」にもそういう話はあるが、「信長戦記」とか「CHUCK CHECK CHIKEN」は時代劇の漫画で珍しいなと思った。 信長戦記は「戦国自衛隊」の逆っていう感じで、戦国時代の武将たちがタイムスリップしてきて襲ってきた…っていう始まり方。時代劇っぽさがありながらSFも少し混じっていて結構面白かった。やや「気分はもう戦争」のような気配もあるかも。「CHUCK CHECK CHIKEN」もっとコテコテのドタバタ時代劇って感じ。 表題作の「GOOD WEATHER」は雨が降る寸前の海の家の話だけど、読後感の良い情緒的な話。 全体的にコミカルな調子があってダークさはあまりない。結構好きだった。 ただ、絶版で値段も高いので、大友克洋が大好きなら良いと思うが、少なくと「童夢」「AKIRA」的な話はないのでそこに期待しているのなら違うと思う。 「気分はもう戦争」から戦争テイストを抜いた感じかな?(違うか)