ダイヤモンドの功罪

最新話で綾瀬川が覚醒したぞ!!

ダイヤモンドの功罪 平井大橋
かしこ
かしこ

最新話でついに!綾が覚醒をしましたね!エヴァで言うところの覚醒と同じ意味なので心配ではありますが、これから益々タイトル通りの「功罪」っぷりを発揮してくれることでしょう。 ということで単行本を読み返してみました。運動神経だけではなく、身体能力、そして頭脳と、スポーツをする為の全てに恵まれた小学5年生の綾瀬川。U12の日本代表でもエースに選ばれ、他の代表選手からも「俺の世代にはずっとコイツがいるんだ…」と恐れられる程の逸材っぷり。しかし綾瀬川の本心は只々みんなと楽しく野球がしたいだけ。そう、綾本人も自分の才能に傷ついているのです。でも誰もそれを知らない。いてもイガくらいかな? 私は野球に関して全くの無知なんですがそれでもハマるのは、これが「才能」の話だから。やはり圧倒的な才能は人を翻弄するんですよ!!恐ろしやです。 日本代表の並木監督があのまま綾の面倒を見てくれたらよかったけど、このまま足立フェニックスで限界まで投げ続けたらプロになる前に選手生命が絶たれそうで心配ですね。ストーリーの冒頭で何回か高校球児になった綾が出てくるけど「この試合で壊れてもいい…!」と言ってたのが気になる。それがどういう意味なのか。やけっぱちなんだろうか。今のところ理解者になりそうな人が大和しかいないけど、東京と大阪で距離もあるし、大和もプレイヤーになりたそうだし、どうなっちゃうんだろう…。 将来は大谷さんのようになってくれたらいいのにな〜と思うのも綾にとっては大きなお世話なんだよね。とにかくハッピーエンドであってくれ!!と願いながら読んでます。

相席いいですか?

「相席」というシチュエーションだけで、ここまで展開できるのが物凄い!!

相席いいですか? 河上大志郎 河上だいしろう
ナカタニエイト
ナカタニエイト

<ログライン> 部下とのコミュニケーションに悩む女性とドジだけどコミュ強の女性のお話。 <ここがオススメ!> 『シガレット&チェリー』『三十路病の唄』の河上だいしろう先生の最新作。 今回は相席マンガ。 ……相席マンガって何ぞ? 「相席」と聞くと、微妙にモヤる感じがあるかもしれないけれど、本作はそんなことは全くなく、お互いの価値観を尊重し合える二人のお話でとても良い。 たまたまランチで一緒になった女性二人が意気投合して、ランチを「相席」し続けることから物語が始まる。 「相席」してお喋りをするシチュエーション中心に物語が展開していくだけなのに、二人の悩みや嬉しさ、楽しさや悲しさなど喜怒哀楽が見事に表現されている。 端的に言えばめちゃくちゃ好き! 本作もそうだけど、そもそも先生を箱推しする程好き! 笑いとキュンが絶妙。 加えて、先生のさりげない言葉とツッコミが常に物凄くツボ。 「耳の無駄貸し」は、是非ともいつか使いたい。 ぜひお手に取ってご覧いただきたい作品。 <この作品が好きなら……> ・笑顔のたえない職場です。 https://manba.co.jp/boards/103939 ・ふたりエスケープ https://manba.co.jp/boards/126172 ・恐竜とカッパのいる図書室 https://manba.co.jp/boards/202842

君のことが大大大大大好きな100人の彼女

ハーレムものの、新たな世界を見た!

君のことが大大大大大好きな100人の彼女 中村力斗 野澤ゆき子
ゆゆゆ
ゆゆゆ

どうせ、女の子がいっぱい出てきて、ハーレム状態イチャイチャキャッキャの日常系なマガジン的展開でしょ? と思ったら、違った。 ジャンプです。 マガジンでなく、ジャンプです。 友情、努力、勝利なのです。 女の子はいっぱい出てくるけれど、等しく愛するのです。 君が一番スキとかないのです。 ――まるで、推しを並べたオタクのよう。 君も君も君も、等しく好き。 そして、君も君も君も強烈に個性的。 みんな全力で愛城恋太郎を愛しているし、恋太郎もその思い以上に気持ちを打ち返す。 ものすごいテンション高く、ものすごい細かいオマージュやらなんやら入れつつ、眼の前にいる彼女たちに平等にキスしては感想を述べ、くすぐり合ってはキャッキャウフフ、いやなんだこれは、何を見せられているんだ。 愛城恋太郎のすごいところは、みなを愛せなければハラキリを宣言しているところ。 愛せなかった子は不幸になって死んでしまうから、覚悟を示しているんだろうけど、その設定を彼女たちは知らない。 あらすじに書かれているママが起きているのに、読んだらどこか違うなんて初めて見た。 読まずに毛嫌いするなんて、もったいない。 男女逆転しても、いや性別が入り乱れても、性別なんてなくなっても、恋太郎はこのテンションで皆を愛しそうだし、恋人たちも同じテンションで恋太郎を愛しそう。 がんばれ、恋太郎。

相席いいですか?

仕事極振り女とコミュ力極振り女の出逢い #1巻応援

相席いいですか? 河上大志郎 河上だいしろう
兎来栄寿
兎来栄寿

『三十路病の唄』の河上だいしろうさんの新作です。 仕事はバリバリにできるものの、対人コミュニケーションに難があるアラサーの椿。 コミュニケーション能力だけ激烈に高いものの、実務能力が壊滅的な大学生で飲食店でアルバイトをしている桃子。 ランチの相席でたまたま一緒になったふたりが、互いが互いにないものを持っていることを感じてお近づきになっていくコメディです。 隣の芝生は青く見えるのが世の理。自分からすると相手が持っているものはすごく良いものに見える一方、相手からすれば自分がごく当たり前に持っているものがとても良いものに見えているらしいという、大小や多寡はあれど現実的にもあるあるな構図が面白いです。 椿はこの時代に私用のスマホすら持っておらず、撮った写真をSNSに上げることの機微もわからないという想像以上のコミュニケーション難を見せつけてきますし、桃子は桃子で初日から店の皿のほとんどを割るなどの規格外のドジっぷりですが、そんなふたりのささやかながら強い秘密の結びつきが何だかとても良いです。 相互に感化されて、自分なりに頑張って部下や同僚とのコミュニケーションを改善してみようといろいろな方法で頑張っていく椿や、生活習慣から改善していこうとする桃子。人と人との出逢いによって、少しずつ変化が訪れる瞬間が切り取られているのが趣深いです。 椿を強く意識する柊と親しいヤニカス子ちゃんや、桃子の大学の友人で会うたびに卑猥なぞなぞを出してくる八重ちゃんなど癖の強いサブキャラたちも良い味を出しています。河上だいしろうさんのスタイリッシュな絵もあいまって、魅力的です。 楽しく読めて、読んだ後は少し背筋を伸ばして自分が不得意な部分も頑張ってみようと思える作品です。