MAGCOMIの感想・レビュー70件<<123>>竜とか魔女とか寿命差とか骨ドラゴンのマナ娘 雪白いちアファームドB良質なファンタジー。 竜とか魔女とか寿命差好きにどストライク。絵の雰囲気も場面に合わせてちょっと変えてたりして魅せてくれる。たまに挟まる俗っぽさも良いアクセント。今後も楽しみ。辺境の地に住まう人々と"伝承"が織り成すハイファンタジー #1巻応援世界の果てにも風は吹く ハズミツカサsogor25辺境の地を旅するラル・ビエントとジレ・クラッヒトの2人組。 彼らは「聖府」の命により諸国各地を周って伝承を蒐集・検証し、史実と比較しながら「聖誌」の編纂を行っていました。 この作品はそんな2人が各国で伝承にまつわる事件と出会を様子を描く作品です この作品は架空の世界を舞台にした、俗に言う「ハイ・ファンタジー」でありながら、その世界における各国の歴史や伝承に触れながら物語が進んでいく、 歴史ファンタジーのような雰囲気も帯びている作品です。 そして 岩石地帯や草原を基本とする風景に人々が纏う架空の民族衣装、 さらに竜や鳥獣などの架空生物を高い画力で描き出すことによってその世界観を生み出しています。 ラルとジレが立ち寄った国ごとに物語が描かれる1話完結型の作品ですが、1つのエピソードに数話を費やして描かれており非常に読み応えのある作品です。 また 2人の表向きの目的は「聖誌」の編纂ですが、どうやら裏に別の目的があるようで 物語が進むにつれてさらに壮大な物語になっていくことも予感させます。 1巻まで読了動物版よつばと!とでも言えばいいのか #1巻応援きつねとたぬきといいなずけ トキワセイイチnyae1巻のカバーだけをみると、可愛らしい動物たちに癒やされるファンタジーかな?と思いますが(もちろんそれも正解)、読むとどうにもひとことで内容をあらわすのは難しい漫画であることがわかります。 というのも、タイトルにも書いたように ○主人公の小ぎつねと小だぬきが、人間の世界で初めて見るもの触れるものを豊かな感受性をもって反応したり吸収してく様子を、余計な手出しや口出しをせず、優しい目線で見つめていく ○社会の中で生きている以上避けては通れない世のルール・厳しさなどの現実も描いている といった点が「よつばと!」っぽいな、と思ったからです。 2匹を公園で遊ばせている時、リードを付けるように注意される場面があります。そうか、この漫画はそれが許されない世界なんだ、と思い知らされます。それでも無条件で2匹を受けいれてくれる田中くんや先輩の存在に安心する。またその一方で、ところどころできつねの表情に影がさす瞬間も見逃せません。2巻以降、さらにこちらの心を揺さぶる展開があることを予感させます。澄んだレンズで見るクリアな世界猫爪月がのぼるころ 幸田真希兎来栄寿『梅酒』、『仮寓のペレルマン』などの幸田真希さんによる、4年ぶりの商業単行本です。 内容としては、「音のない午後」、「ビアンカ」、そして表題作である「猫爪月ののぼるころ」の3作を収録した短編集となっています(本当はアナログで描いた作品も収録される予定だったもののコロナ禍の影響でこの形になったそうです)。 収録された各ストーリーはテイストもそれぞれ違いますが、共通して画風が生み出す透明感のある世界に浸る気持ちよさを存分に堪能することができます。 その中でもやはり表題作「猫爪月ののぼるころ」は特に秀逸な1作で、このお話が最後にあることで読んで本を閉じた時の幸福感を噛み締められます。 派手さはなくともしみじみ感じ入るタイプのお話が好きな方にお勧めしたいです。 なお、12月にマグコミ掲載の短編「放課後の怪人」も良いです……と紹介しようとしたら既に公開期間が過ぎていました。またまとまって次の本が出る時にでも紹介できれば。 ユーモア?ラブ?コメディ?だけでは無い?2020年注目作きつねとたぬきといいなずけ トキワセイイチなかやま2020年6月に連載がはじまった作品 子供の頃に高尾山で親キツネと親タヌキを助けた主人公 田中 その恩返しとして、子ぎつねと子だぬきがいいなずけとして会いに来ることから始まる物語 とにかく、きつねとたぬきが愛らしい!カワイイ!ほっこりする!モフモフしてそう! と読むと癒やし効果がきっとある! 男性向け女性向け関係なく、誰にでもオススメ出来る作品です。 「じゃあ、カワイイだけの作品なの?」と言うと 違います!子ぎつねたちが自分たちが知らなかった世界に飛び出していく『広がり』と主人公 田中くんの止まっていた心が『動き出す』、三人四脚な成長の物語であると私は思っています。 それは無料公開されている一話の見開きのキャッチコピー 「一人と二匹、運命の交差する先はーーー。」 でも、暗に示されていると思います。 運命×交差 のキャッチコピーでカワイイだけで終わるわけがないです! 特に私が注目しているのは、きつねちゃんの台詞回し 独特な喋り方だけど、何処か詩的で美しい 『わあ・・・なんてキレイなんだろ、もっともっと早くに、こうしておけばよかったんだよ』 人では無いキャラクターであり、且つ子供、初めて人間の世界に出ていく緊張感があるはずで、作者 トキワセイイチ先生も結構こだわってセリフ作りをしているのでは?と考えます。 まだまだ話は動き出し! 単行本1巻が2月に出るので、今が読みどきです!可愛いお弁当漫画凸凹のワルツ 森野きこり名無し可愛いもの好き、料理好きだけど人に言えない男子学生と、巨神兵あだ名の根暗教師のラブ料理漫画! 可愛い〜! まずお弁当のレベルですが高すぎますw 今は男女性別関係なく可愛いお弁当インスタに上げたらポイント高いと思うんですが当の本人はらしくないと悩むもんなんでしょうか お弁当ネタは100%実用的で必見、そして2人の距離感にも目が離せません 弁当男子×不器用教師の"秘密のレッスン" #1巻応援凸凹のワルツ 森野きこりsogor25お弁当を作ってそれをSNSに投稿することが趣味の高校生・春海くんはある日、提出物を出しに国語科準備室に入ったときに古文の水原先生が中身が真っ黒なお弁当を広げているのを目にします。 そのお弁当が自分が投稿したお弁当のレシピをもとに作られたことを知った彼は、思わずその日持ってきていた自分のお弁当を先生にあげてしまいます。 それをきっかけに晴海くんが水原先生に弁当作りを教えることになるというストーリーの作品です。 春海くんは匿名で投稿しているSNS上では上々の人気を得ていましたが、過去の経験から自分の好きを否定されることを恐れて学校の友達には弁当作りの趣味のことを話せずにいました。 そんな秘密を結果的に自分から水原先生にバラしてしまうことになるのですが 水原先生がその趣味を否定せず認めてくれたために、徐々に彼女に対して心を開いていきます。 水原先生は身長180cm以上で授業の雰囲気からも暗い印象がある先生でしたが、春海くんとの弁当作りの"レッスン"の中では普段とは違う柔らかい表情も見られそのギャップも楽しい作品です。 もしかしたらこの二人の中が今後さらに発展するかもしれないっていう期待もあり、また、登場するお弁当は見た目も中身も良くできていて料理漫画としての側面もしっかりある、いろんな魅力の詰まった作品です。 1巻まで読了神様のヨミとロボのミコが終末世界を渡り歩く三千世界を弔って 二ツ森曜子名無し少なくとも4話までは、登場人物はたったふたり。(4話にはへんな白いロボットのようなのは出てくるけど) それぞれ違う理由で滅びてしまった世界をそこに見合った方法で弔いながら渡り歩いてゆく物語です。ミコは世界が滅びたときに、たったひとり残された神・ヨモツカミで、ミコはヨミが拾ったメイドロボット。ヨミはロボットだけどかなり人間ぽいので、少女がふたりで終末世界を旅しているようでもあります。 それぞれの街には、滅びる前の人間の生活の痕跡が残っていて、どのように生きてどのように死んでいったのかがうっすら想像できるところが読んでいて切ない。と同時に、次はどんな終末世界に行くのかが楽しみで読み続けてしまう!君はもう異世界転生(エグゾドライブ)したか!?超世界転生エグゾドライブ -激闘!異世界全日本大会編- 珪素 zuntaANAGUMA「キミだけの最強のチートスキルを組み合わせて、ライバルと異世界転生バトルだ!!」やった〜! 本作の世界線では異世界転生はいかに「俺TUEE」しながら対戦相手より先に異世界を救えるかを競うゲームと化しました。ゲーム開始時に「エントリィイイイイ!!」つって全速力でトラックに突っ込んでいく絵面が衝撃です。 ハーレム展開なりがちとか最弱魔法で圧倒しがちとか「異世界モノあるある」をどう組み合わせるかがそのままゲームの攻略法に繋がっているっていう設定が面白いです。 異世界もの読んでて「無理あるやろ」ってなることをゲームの仕様として説明されると納得しちゃうっていう味付けが絶妙。普通にこういうゲームやってみたいなって気持ちになります 個人的にはいかにも主人公って感じのタツヤじゃなくて、クールライバルっぽいシトの方が主人公なんだ!っていうのも驚きがありました。絶対「おまえはエグゾドライブを楽しんでねえのかよ!」って展開になると思ってたんですが、読み進めると意外性があっていいです。 異世界ものにハマってたり、逆にちょっと胃もたれしてる人はもちろんのこと、ホビーアニメファンは絶対にお気に召すハズ。絵もめちゃうまです。 ドライブリンカーとチートメモリが玩具で発売されるまで応援し続けたい!少女と人型ロボットのほんわか(?)終末ジャーニー #1巻応援終末世界の箱入りムスメ みああわsogor25この世界はどうやら人類が滅んでしまったらしい。廃墟だらけの中を進むのは1体の人形ロボット。そしてそのコックピットの中には1人の少女。この物語は"10番さん"と呼ばれるロボットと、10番さんが"ムスメさん" と呼ぶ少女との、滅びた人類の生き残りを探すまったり緩やかな旅路の物語。 "箱入りムスメ"というタイトルのとおり10番さんはムスメさんのことを異常なほどに過保護に扱い(世界観を考えると当たり前と言えば当たり前なんだけど)、それに反するようにムスメさんは世界のいろんなことに興味を示して好奇心旺盛な振る舞いを見せる。その姿はまるでほんとうの父娘のよう。キャラクターの配置は『鍵つきテラリウム』のようだけど、作品の雰囲気としては『少女終末旅行』に近いかもしれない。 ただ他の作品と違うのは、ムスメさんと10番さんが共に旅をすることとなった経緯の部分。彼らは姉弟ではないし元々の知り合いというわけでもない。彼らが如何にして出会い、そして"父娘"となったのか、その一端が2話で語られるので、まずは2話まで読んでみてほしい。 1巻まで読了技術の進歩で風化される専門技術を思う映写室のわかばさん 青山克己 神田川あゆ六文銭時代の流れとともに、昔は人の手でやっていたことがボタン一つで片付いてしまう。 そんなところに、なんとなく哀愁を感じるんですよね。 電気をつけるのも昔は木から火を起こしていたわけです。 それがランプになって、今はスイッチひとつですよ。 手作りだった下駄も、今は工場であらかたつくってしまうわけです。 映画の世界も、時代はデジタル再生です。 なんなら人もいないかもしれない。 映写機を使ってフィルムでみれる映画館もどんどん減ってます。 本作はそんな希少職業の一つ「映写技師」のお話。 スクリーンに写す映像を、フィルムで順次流し込む仕事です。 映画1本で、巻き尺みたいに巻かれたフィルムの束を何本も使うこともしばしばで、そのつなぎこみをうまくやる熟練のテクニック。 1分1秒を見逃さず、観客にむけて映像を絶え間なくきちんと流す。 純粋にすごいのですが、機械に取って代わられてしまった技術なんです。 それでも人の手でやることに、私は味があると思うんですよね。 面倒だからという理由で、簡素に効率化して失われてしまったものたち。 そこに、本質があるんじゃないかと思ってしまうわけです。 本作の主人公も、そんなレトロな技術に没頭します。 これから先、使い物になるかどうかわからない技術なのに、 打算もなく、純粋にただ好きで楽しむ姿はすごく良いです。 あぁ、まだこんな世界があるんだなと痛感させられる作品でした。 やっぱり人が関わっている、人がつくっているっていいもんです。 ほっこりの塊みたいな作品きつねとたぬきといいなずけ トキワセイイチぺそトキワセイイチ先生がnoteにて連載中し、同人誌を出版していた「きつねとたぬきといいなずけ」がついに連載となりました。 作者のことを知らないという人も、あのバズりまくったアマビエ漫画の人と言われれればピンとくるかもしれません。 https://twitter.com/seiichitokiwa/status/1235894263411425281?s=20 この作品のことはかなり前から知っていたものの、なんやかんや読むのを先延ばしにしていて、今回の連載を機に読み始めました。 いやめっちゃかわいい〜〜!!すごくゆるくて能天気…! 夕飯をニンジンで我慢するとき「がまん!がまん!」って突然踊りだしたりして、そういう気ままさが動物らしくていい。 高尾山まで電車(の屋根に乗って)帰るのもキュートすぎる…中央線かな。 ほっこりの塊みたいなホッとする作品です。 https://magcomi.com/episode/13933686331655584606 (1話のこのコマかわいすぎる)古事記から「藤原」を巡る秘史へ #1巻応援ふることふひと 壱村仁 風越洞あうしぃ@カワイイマンガ藤原(中臣)鎌足の息子、史(ふひと)は朝廷で一官吏に甘んじていたが、大海人大王(天武天皇)より歴史書の編纂を秘密裏に命じられる。抜群の記憶力で叩き込んだ史文を、彼はある思惑から名を隠して口述する事に。しかし、倭語で筆記する者に正体を隠す為、止む無く女装をする。稗田阿礼と名乗る女装した史を見た筆記者の太安万侶は思わず言ってしまう……「愛(うつく)しい」と。 ◉◉◉◉◉ 歴史書とは「古事記」の事。梅原猛の「稗田阿礼=藤原不比等」説に「稗田阿礼女性説」を掛け合わせた感じのストーリーは、様々な秘密や疑問が折り重なった、多様な面白さが詰め込まれている。 女装を巡る秘密と太安万侶のドキドキはコメディとして。分かりやすくコミカルな神話語りは知的好奇心として。神話への思いがけない疑義は政治ミステリーへ……等々。 見所を沢山詰め込みながら、史の「中臣」への疑問は、「藤原」を巡る大きな秘密に向かって静かに、だが大きく進んでいく。 歴史を少し知っている人なら、家名を変えながら1200年もの間続く藤原家の権勢の、理由を知りたいと思うのではないか。始祖・鎌足の後、没落した藤原を再興した、史=不比等の存在にその根本理由があるとしたら……という大きな運命に、記憶力以外は割と真っ当な若者の不比等が今後、どのような心持ちで挑んでいくのか。 また一つ、嘘みたいな本当の様な、不思議に胸躍る歴史ミステリー(エンタメ要素もバッチリ!)が生まれてしまった……。才なき魔法使いと孤独な弟子の物語 #1巻応援魔導の系譜 イヌヅカヒロ 佐藤さくらANAGUMA魔導士が生きていくすべを学ぶための私塾を営むレオンは多くの教え子を排出してきましたが、彼の最大のコンプレックスは彼自身には魔導の才能がないこと。 そこに連れてこられたのが天賦の才を持ちながら人と交わろうとせず厄介払いされてきた少年ゼクスです。 とにかく絵の力がスゴくて、キャラクターの感情がズシンと響く実にいい表情が毎シーン繰り出されてきます。自分が望んでも手に入らなかったものを持った教え子を前にしたレオンと、誰からも理解されず全てを拒もうとするゼクスの心の機微がぐわんぐわん押し寄せてくるんですよね…。 「師匠と弟子」の関係から始まる彼らふたりの心の交流がどう実を結ぶのか、じっくりと魅せてほしい作品です。超熱いファンタジー!!はめつのおうこく yoruhashiファンタジー好きファンタジーでよくある主人公の復讐動機で進むのですが、画力で圧倒されます!怒っているし残酷であるのに繊細に描かれていてスゲー!としか…! ファンタジーとかなろう系好きで、なおかつ復讐劇が好きな人なら読んどくべきですね。 逆ファンタジーグルメ漫画ヒトの食事は難しい。 日下幹之名無しマグコミで連載されていた日下先生の漫画家デビュー作。数百年間、牛乳しか飲んでいない隠居中のヴァンパイア「ハシモト」が、グルメ漫画をきっかけに「人間の食事を体験しよう」と挑戦するだけのゆる〜いお話。 ハシモトは人の文化に疎いのに毎回一人ご飯をするので、基本的に失敗ばっかり。しかもそういう失敗をしてしまったときのモノローグが、やけにリアル…。 「心が弱ってて、人見知りや共感性羞恥の強いときってこういう風になっちゃうよね…」というリアクションをする。ちょっと胸に来る。 特に1話の「途中まで美味しく食べていたのに、人の目が気になって味がわからなくなってしまい店を出る」という描写の生々しさは、作者ご本人が食事に問題を抱えていたからこそだなと思う。 正直、この作品は万人に「買って読んで」と勧めることはできないけど、日下先生のことを知るいいきっかけにはなるかなと思う。 https://comic.mag-garden.co.jp/hitomuzu/ https://comic.pixiv.net/works/4619まだまだ底の見えないファンタジー復讐戦記はめつのおうこく yoruhashimampuku序章もいいところですが、なかなかに骨太なオリジナルSF×ファンタジーが始まりました。 まず絵がいい!!上手い、可愛い、かっこいい三拍子そろってます。のっけから首切られたりとにかく死にまくりの血みどろ続きで、推しがしなないことを祈りながら読み続けることになりそうです。 「超産業革命(ギアエクスパンション)」とよばれる超絶的な科学発展を遂げた人類により魔女は滅ぼされた。という世界設定。現時点ではまだまだ疑問点が多いです。 「超」がつく通り、誇張でなく中世後期の国でスマートフォンが普及してるという文化レベルと科学技術の乖離ぶりと隔絶ぶりに何らかの陰謀の臭いがします。『幼女戦記』でいう存在Xのように、裏で糸を引いている超常的な存在がいそうです。(少なくとも魔女は「神に遣わされた」存在だそうなので、別の対立する神が企てた代理戦争だったりするのかも?)王妃がめちゃくちゃ怪しい感じがするのは果たしてミスリードか否か……wもしもかつての勇者たちを"介護"することになったら…どうする?ファンタジー老人ホームばるはら荘 岡村アユムsogor25かつて魔王との死闘を繰り広げた歴戦の勇者たち。その死闘から数十年、彼らも加齢という敵には抗うことができず、平和になった世の中でひっそりと余生を過ごしていた。そんな余生を過ごす家、特別養護老人ホーム「ばるはら荘」。 そこに職員として紛れ込んだ魔王の孫娘・マリー。彼女の目的は祖父の復讐、つまり年老いた勇者たちに自らの手で仇を打つこと。しかし彼女は知らなかった。勇者たちは年齢を重ねても現役時代と同様の魔力・戦闘力を保っていること、そしてそれにも拘らず、すでにボケが始まっていて時折能力を不用意に暴走させてしまうことを… という、剣と魔法の世界×老人ホームという異色の組み合わせの作品。ファンタジーの雰囲気を保ちながら実際にやってることは老人介護というアンバランスさ、そして勇者たちを介護するために集められた超有能な職員たちと、その辺の事情を全く知らずにノコノコと介護の現場という"戦場"に足を踏み入れてしまったマリーの振り回されっぷりがクセになる。現段階でもすごく面白いけど、今後の展開の仕方、それとマンガ読みの間での認知のされ方次第では「ダンジョン飯」になるポテンシャルを秘めている、そんな作品だと思ってます。 …というのが、この作品をファンタジーもしくはコメディとして見たときの感想。それに加えて私個人としては"介護を描く作品"としても非常に注目しています。 作品全体としては介護の対象が勇者たちなだけあって"異世界モノ"特有のフィクション性の高い設定も数多く見られますが、入居者に対する個々の介護の様子を見てみると、現実の介護にも当てはめられるような描写も多く見受けられます。 現実世界では"介護"もしくは"介護士"というと非常に厳しい環境に置かれており、半ば社会問題となりつつあるように思います。そんな介護の現場をリアルに描こうとすると、社会性が高くなる他方でエンタメ性を保てなくなり、敷居の高い作品となってしまうのではないでしょうか。 そんな中でこの作品は、ファンタジーとして作品のエンタメ性を確保しつつ、いずれは誰もが接することになるであろう"介護"という存在をよりポップに読者に伝える、そんな意図も隠されてるのでは、というの深読みしすぎでしょうか? いずれにせよ、コメディとしての面白さもあり、介護というものに気軽に触れることもでき、読んでいていろんなものを得られる作品であることは間違いないです。 1巻まで読了全人類を敵に回す壮大なリベリオンファンタジーはめつのおうこく yoruhashisogor25かつては人間と魔女は寄り添いながら生きていた。それが今は魔法を凌駕する科学技術が発展し、自らの手で前進するため人類は魔女を狩った。そんな、魔女という存在が滅ぼされつつある世界で逃避行をする、強大な能力を持つ魔女クロエとその弟子の人間アドニスの物語。 という導入の作品なのだが、冒頭の2人の軽妙なやりとりからは想像できないほどに運命の歯車は苛烈に回ってゆく。1話の試し読みを読めば理解して頂けると思うが、この作品は全くの嘘偽りなく"全人類を敵に回す"物語である。 そしてその反逆の物語に対して、登場する全てがストーリーを展開するための駒として用いるという冷酷さも徹底されている。稀代のストーリーテラーによる圧倒的筆致のピカレスクロマンに今後も一切目が離せない。 1巻まで読了。絵も色合いも良い妖怪の子預かります 森野きこり 廣嶋玲子さいろく森野きこり先生、今作で初めて読んだけど線が繊細でとても良い。 語彙力がほしいほんと。 とあるキッカケで妖怪の子を預かる預かり屋をやる事になった少年のドタバタストーリーなのだけど1巻だけの今のところはホッコリできる話が多くて単話もので読みやすい。 原作も気になるけどネタバレになるだろうし漫画が終わってしまったら読もうかなー主人公の映写室のわかばさん 青山克己 神田川あゆ大トロわかばさんが可愛くてセクシーで最高です。 他の登場人物もキャラ立っていて面白いです。5月、最も可愛かったヒロインの一人映写室のわかばさん 青山克己 神田川あゆ兎来栄寿5月のヒロイン大賞優勝候補の一人はこの『映写室のわかばさん』のわかばさんでしょう。 まだアナログフィルムを使って映画を上映する時代。クーラーもなく茹だるような暑さの映写室で、汗を迸らせながら映写機を繰るわかばさんの魅力たるや……その仕事のわずかなインターバル中に独り雄々しくラーメンを啜る姿たるや…… 『ボールルームヘようこそ』のダンスシーンに覚えるようなエロスを、ストイックに仕事に従事するわかばさんから感じずにはいられません。 オールナイト上映の際は当然徹夜仕事にもなる訳ですが、そんな過酷な労働環境の中でなぜわかばさんがそこまで力を入れて映写を頑張るのか。その答が描かれた1巻最後のエピソード、そして基本塩対応のわかばさんにあってはとても稀有な最高の笑顔はぜひご自身の目で確認ください。<<123>>