FEEL YOUNGの感想・レビュー313件<<12345>>アラフォー引きこもり女性の再起 #1巻応援再生のウズメ 天堂きりん兎来栄寿『きみが心に棲みついた』の天堂きりんさんによる最新作です。 28歳のときに、とある事件がきっかけで心を病み身も窶してしまった主人公のウズメ。それから12年間、実家で両親に煙たがられ日々衝突しながらも引きこもり生活を送り続け気付けば40歳。働きもせず、結婚もせず、両親は70歳になりいつ何があるかもわからず未来の見えない日々を生きる彼女が、ひとつの出逢いをきっかけに社会へと復帰していく物語です。 引きこもりというと自由な時間が多くて何でも好きにできて楽しそうに思えるかもしれませんが、当人は常に見えない不安や焦燥感、罪悪感や自己嫌悪など恒常的にストレスに晒され誰からも必要とされずweb上以外では人と出逢ったり話したりする機会もない状態は、むしろ普通に働いて定期的に給料をもらって社会に関わっている方が圧倒的に幸せであったりもします。 また、作中でも8050問題が言及されるように問題は当人にとどまらず家族や周囲の人にも及びます。本作では、その渦中にある母親視点からの想いやエピソードも濃密に描かれることによって、この問題を立体化させて把捉しています。 2022年の内閣府のデータでは日本には広義の引きこもりは75万人ほどいるということで、パーセンテージから見れば僅かではあっても絶対数で考えれば熊本市や新潟市、あるいは浜松市の人口に近いほどの人数がいると考えると社外的に看過はできない課題でしょう。 「容姿の冴えない40歳の引きこもり女性が主人公」というのはいわゆる売れ線作品の特徴からは少し離れており、企画的にも難しさを抱えるテーマだと思います。しかし、だからこそ意義や価値がある作品であり、今の『FEEL YOUNG』が面白い理由の一翼を確実に担っている作品と言えます。 ウズメは引きこもり生活によって鬱屈として多少偏屈になってはいても、根本的に人に対する優しさを持っている人物なので読んでいて清々しさがあります。そんな彼女が、別の現代社会の闇に晒されて歪められてしまった人々との関わり合いを通して、元役者という才覚を活かしながら少しずつ再起していく様は良いものです。物語の始まりや根底のテーマは重いですが、作品全体として見ると暗くなりすぎず前向きに進んでいく雰囲気があります。 巻末のあとがきでは連載が継続するか・3巻か出るかどうかは不透明とのことですが、是非とも続いて欲しい作品です。躓かずに生きていける人の少ない世界に必要な物語です。自分を褒めることがいかに大事かわかったルイちゃんの目 加藤羽入nyae自分を褒めたい時に、自分じゃない誰かの「目」を借りるという手法は、リアルにいつか自分の役に立ちそう。その明日はきっとこない明日別れる 蒼井まもるnyaeたまにはこういう読切りもいいですね。これ読んでイライラする人もいるかも知れないけど、自分は笑いながら読めました、人には自分が思っているよりも選択肢があるさよならフラクタル 谷中分室nyae主人公の親はどうかわからないけど、パートナーの希望と自分の本音に大きなずれがあってもしそれがお互いに譲れないものだったらと思ったら、病気のこととか言い出せずに悩んでしまいますよね。当たり前だと思っていたことが当たり前じゃないと気づいた時、選択肢があることに気づいて視界がひらける感じがジーンとしました。気づけてよかった。 これって百合なのか?!ややこしい蜜柑たち 雁須磨子starstarstarstarstar_borderかしこ友達の彼氏を寝とっちゃう話なんだけど、その理由も「あの子が付き合ってるのってどんな男なんだろう…」っていう興味からだし、友達も「彼氏といると主人公と一緒にいるみたいなんだよね〜」みたいな思わせぶりなこと言うし、この二人って実は両思いなんじゃないの?不憫なのは主人公のことをうっかり本気になっちゃった彼氏だよね。寝取り事件があった後に全員疎遠になるけど、それから数年経って仕事で主人公と彼氏が再会してからがメインの話になるのかな。連載時は休載も多かったけどまとめて読むとやっぱり面白い。私は自分の感情に無自覚でややこしい性格の主人公のこと嫌いじゃないです(笑)「アレ」が気になって仕方ない君。教えてあげるよこちらから入れましょうか?…アレを 松田環名無し※ネタバレを含むクチコミです。結末についてネタバレ注意しながら口コミします!うさぎドロップ 宇仁田ゆみstarstarstarstarstarこめつぶ結末論争があるなって思うストーリーだけど、私はあの結末で良かったって思う。 6歳の女の子と全くの他人のおじさんが一緒に過ごすという訳ありなテーマなので、 展開が進むにつれその度に読み手それぞれが思う気持ちやこうして欲しい、こうすべき。みたいな感情が沸き上がってくると思う。 真剣に読んだな~って思うお話でした。 内容は常に重たい訳ではなくて、6歳の子供ながらの可愛さや癒しもあって、おじさんの困りながらも頑張る姿を応援したくなったり、 切なくなったり胸熱になったりして、会話も絵も素敵だなって思いました。 メイクの奥深さ。作りこみをする意味よ。だから私はメイクする シバタヒカリ 劇団雌猫starstarstarstarstarこめつぶ本来の素の自分、完全なノーメイクのままではなくメイクをして作りこむ意味や希望、期待など、メイクの本質について知れた! 私もメイクはするけど、もう慣れたやり方で質など考えず適当に流しでやっていたので、 刺さる部分、改めてちゃんと見直そうという気持ちになるし、メイクについて気持ちが高まったお話です。 メイクのやり方を調べれば山ほど出てきて結局自分のこれまでのやり方で着地。なんて人生でしたが、 そこを研究してちょっと変わった自分を見てテンション上がりましたね笑 自分のモチベが下がった時に読み返したいし、心得として胸に納めます!制作会社は変わった人が多いよね午前3時の無法地帯 ねむようこstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ蕎麦屋で美味しい丼が食べられることを知ったのは、この漫画を読んだからだった。 東京ほどの蕎麦文化のない地域の人間には理解できなかったから、この漫画を読まなければ、蕎麦屋に行ってわざわざ丼を食べなかったと思う。 広告制作会社と呼んでいいのか分からない、吹けば飛ぶような場末の小さな会社で毎日終電まで働き、夜9時には帰宅したいと嘆いていたあの頃。 上京して働くって大変なんだなと思い始めた頃にこの漫画を読み、「褒められたい!!」「私も恋愛したい!!!」と心のなかで叫んだ。 漫画からデザイナーさんの大変さを知り、デザイナーさんまじスゴイと尊敬し直した。 そして蕎麦屋の丼に助けられた。 「これだからゲーム作りはやめられない! 」を一話お試し読みして、ふと思い出した本作。 フィールヤング誌なので基本は恋愛恋愛しているのだけど、添え物の制作会社に勤める人たちの日常が非常にリアル。つら…未来ちゃんには無理だよ 倫理子たか※ネタバレを含むクチコミです。 ハッピーエンドがいっぱい!東京無印女子物語 月子 山崎童々 コナリミサト ねむようこ 安江アニ子 なるせゆうせい 赤みつstarstarstarstar_borderstar_borderゆゆゆ※ネタバレを含むクチコミです。ホタテを焼いて食うだけホタテガイの女 ひの宙子starstarstarstarstar野愛美味しいホタテを持って美女が家にやって来るなんて最高!! ってならないところに最低限のリアルを感じていいですね。あんまり知らない人が家に来るのって嫌ですもんね。 とは言え青森県産のホタテを持って、半分あげるから焼いてください!って言われたら焼いちゃうと思います。それだけの魅力がホタテにはあります。 貝焼き味噌の話題も出してくれて青森出身者としてはとても嬉しいです。 うちにも来ないかな。ホタテくれる人。心に響く心理描写はさすがいくえみ綾あなたのことはそれほど いくえみ綾ユーカリ※ネタバレを含むクチコミです。 焼きガニはずるいってタラバガニの男 ひの宙子名無し※ネタバレを含むクチコミです。美味しそうホタテガイの女 ひの宙子名無しFEEL YOUNG2023年3月号の『タラバガニの男』を読んでからこちらも読んでみました。ホタテガイを持った女が押しかけてくるという少女マンガすぎる展開がいいですね。外で七輪でホタテ焼いて食って美味くないわけがない! TAという単語を久々に聞いて懐かしくなりました(笑)つい最近また読み返しましたうさぎドロップ 宇仁田ゆみstarstarstarstarstarあいざっく正直結末については賛否両論分かれると思いますが、 人の愛に触れられる、温かくて何度も読みたくなる作品だと思います。 他人だった独身のおじさんと6歳の女の子が急に2人きりで暮らすのはとても大変なことだと思うのですが、 ダイキチ (独身のおじさん) が不器用ながらもりんちゃんを大切にして父親の役割も果たしており、 りんちゃんも本当は境遇的に可愛そうな子だと思うのですが、 ダイキチのおかげで可哀想な子ではなくなるのがすごく素敵だなと思いました。 様々な人間ドラマが描かれていて重めなテーマではあると思うのですが、 ダイキチとりんちゃんの関係が可愛らしく、楽しく読める作品だと思います。 皆さんにぜひおすすめしたい漫画です、 誰のため、なんのためにメイクをするのかだから私はメイクする シバタヒカリ 劇団雌猫starstarstarstarstar_borderゆゆゆメイクを主題に、さまざまな女性たちのストーリーが描かれている。 そのメイクにはビフォーアフターが話題になるレベルの、凄腕メイクの人たちも含まれる。 正直、私にとってメイクはものすごく面倒くさいことだ。 生来不器用なのも相まって、すぐおざなりになる。 ちょっと気合があるときに調べてみたら、若い頃に絶賛されたやり方はよろしくないとあるだけでなく、あれを塗れこれを塗れそれをはたけ指でやれ指でやるな。 ちょっとくらいの気合では、ポキリと折られそうなほど奥が深く、そう、面倒くさい。 でもこの漫画を読むと、メイクっていいな。素敵だなと思える。 こんなことが自分でできたら、人生変わるかなと憧れてしまう。 メイクというものに夢を持たせてくれる。 千原ジュニアがマリー・アントワネットにかわるなんて、なりたいものになれるその腕が羨ましい。 男ウケを考えず、なりたい理想へ突き進む姿がかっこいい。 10代の頃のメイクに対する憧れを呼び覚ましてくれるというのだろうか。 現状の自分はおいておいて、「メイクって素敵だな」と思えるマンガなのだ。しあわせなオタ結婚例監督不行届 安野モヨコstarstarstarstar_borderstar_borderママ子オタクの方って独特の感性お持ちで、改めて読んでみるとこんな人いるわと思ってしまった。 終始クスクス笑ってしまうようなお二方のやり取りが、微笑ましすぎていとおしい。解説がいい意味でオタク臭はひどい笑 幸せな日常が垣間見れて、お互いに思いやり愛を伝えている言葉が感動して涙ものでした。 仲良しオタク夫婦のエッセイ的なお話 庵野監督がしっかりと特徴捉えられていて激似です。生き辛いのめっちゃ分かるジーンブライド 高野ひと深starstarstarstarstar_borderNano2コマ目からキモすぎてうわわわとなった。令和の時代でもいるんだよこういう奴…分かる~!ってなるのがすごく嫌だ…でも共感してしまう。 主人公の依知はどんなことでもさらりとかわせるような雰囲気だけど、かわせたとしてもその時抱いた不快な気持ちだったりいきづれえ~って気持ちがなくなるわけじゃないから、なんかもうその辺がリアルでしんどい。(語彙がない…。) そんな依知を振り回す男蒔人。なんだこいつ!?と思いつつもなんだか目が離せない。と思いきや1巻終わり方が衝撃的でめちゃくちゃ続きが気になる。面白い。 恋愛の楽しさや難しさに触れている作品LOVE MY LIFE やまじえびねstarstarstarstar_borderstar_borderかしこオチは思っていたよりも淡々としてたけど、ママが死んでから1人で育ててくれた大好きなパパに「女の子と付き合ってる」ってカミングアウトしたら、パパとママも同性愛者だったことを打ち明けてくれた序盤の展開が面白かったな。もっと女の子同士の甘々な話かと思ってたので意外でした。性別に関係なく恋愛そのものの楽しさや難しさにも触れている作品だと思います。もっと若い頃に読めてたらベストだったかも…。魂の・・・21gの冒険 室外機室名無し21gと聞いて、最初は所持していた覚醒剤の量かと思いましたが、魂の重さですね。 死んで魂になると、どうなるのか? この漫画のように自由に飛び回れると良いですね。 死の世界を綺麗に見せてくれる漫画です。 もちろん、生きている間に自由に飛び回れると尚良しです。偽装結婚婚姻届に判を捺しただけですが 有生青春starstarstarstarstar_bordermotomi結婚願望無しの明葉と結婚という既成事実だけがほしい百瀬。お金のために百瀬との偽装結婚を受けますが 百瀬はめっちゃイケメンだけど、性格に難有りです。マイペース過ぎて自分だったらイライラしそうです。 テンポも良いし、百瀬が偽装結婚したい理由もあっさりわかって逆に続きが気になる展開です。 最初はどうかと思いましたが、面白かったです。 主人公や取り巻く友人の葛藤・悩みも分かる。共感する場面も多いです。 ちょっと元気になった!女の園の星 和山やまともしげ電子書籍のおすすめに出てきて気になったので読んでみました。女子高教師の星先生と小林先生、生徒たちのほのぼのする話です。クワガタが肩に乗っている写真のシーンが最高でしたネオキャットの核心に迫る新作読切ネオキャット種 青化名無し※ネタバレを含むクチコミです。<<12345>>
『きみが心に棲みついた』の天堂きりんさんによる最新作です。 28歳のときに、とある事件がきっかけで心を病み身も窶してしまった主人公のウズメ。それから12年間、実家で両親に煙たがられ日々衝突しながらも引きこもり生活を送り続け気付けば40歳。働きもせず、結婚もせず、両親は70歳になりいつ何があるかもわからず未来の見えない日々を生きる彼女が、ひとつの出逢いをきっかけに社会へと復帰していく物語です。 引きこもりというと自由な時間が多くて何でも好きにできて楽しそうに思えるかもしれませんが、当人は常に見えない不安や焦燥感、罪悪感や自己嫌悪など恒常的にストレスに晒され誰からも必要とされずweb上以外では人と出逢ったり話したりする機会もない状態は、むしろ普通に働いて定期的に給料をもらって社会に関わっている方が圧倒的に幸せであったりもします。 また、作中でも8050問題が言及されるように問題は当人にとどまらず家族や周囲の人にも及びます。本作では、その渦中にある母親視点からの想いやエピソードも濃密に描かれることによって、この問題を立体化させて把捉しています。 2022年の内閣府のデータでは日本には広義の引きこもりは75万人ほどいるということで、パーセンテージから見れば僅かではあっても絶対数で考えれば熊本市や新潟市、あるいは浜松市の人口に近いほどの人数がいると考えると社外的に看過はできない課題でしょう。 「容姿の冴えない40歳の引きこもり女性が主人公」というのはいわゆる売れ線作品の特徴からは少し離れており、企画的にも難しさを抱えるテーマだと思います。しかし、だからこそ意義や価値がある作品であり、今の『FEEL YOUNG』が面白い理由の一翼を確実に担っている作品と言えます。 ウズメは引きこもり生活によって鬱屈として多少偏屈になってはいても、根本的に人に対する優しさを持っている人物なので読んでいて清々しさがあります。そんな彼女が、別の現代社会の闇に晒されて歪められてしまった人々との関わり合いを通して、元役者という才覚を活かしながら少しずつ再起していく様は良いものです。物語の始まりや根底のテーマは重いですが、作品全体として見ると暗くなりすぎず前向きに進んでいく雰囲気があります。 巻末のあとがきでは連載が継続するか・3巻か出るかどうかは不透明とのことですが、是非とも続いて欲しい作品です。躓かずに生きていける人の少ない世界に必要な物語です。