「あなたとキスしたい…」「君を汚すわけにはいかない、僕は自分が誰かもわからないんだ」まもなく父親の言うなりに、意に染まぬ男と結婚させられる貴族の娘レイラ。彼女はある日、意識をなくした美しい男性を川で拾う。しかも目覚めた彼は記憶をなくしていた! 今、この国は戦争中。素性の知れぬ者など邸に置くわけにいかないが、なんとか助けたい。レイラは一計を案じ、男にリヴィという仮の名を与えてドレスと鬘で女のふりをさせる。けれど数日たっても彼の記憶は戻らぬまま、二人の距離だけが縮まっていき…?
よく当たると評判の占い師によれば、ラーラはやっかいごとに巻き込まれたらしい。「これを持っておいき」ラーラが一針一針、心をこめたキルト。届けたばかりで返品されショックだったけれど、すぐにキルトは役立った。ラーラが偶然路上で広げた布に、頭上から7歳くらいの少年が落ちてきたのだ! これがやっかいごと? 助けられた少年は元気に走り出し、またすぐ危ない目に遭いかけている。ラーラが必死で追いかけ布で彼をふたたびかばったとき、あり得ないことに少年は30代の美しい男性に変わっていて!?
花嫁の真白き秘密
国中が噂していた。アリシアが大貴族ラインフェルト家の当主と結婚するのは、「義母に売られた」からだと。アリシアの亡き母は王の姪。望まれたのはその血筋だけで、彼女は浪費家の義母により、大金とひきかえに盆にのせられさし出されたのだ。しかし思いがけず、夫ユリウスはやさしかった。アリシアはつかの間、義母に受けた仕打ちを忘れる思いだったが、彼女はまだ本当の苦しみを知らなかった。親子ほど年の違う夫の秘密。そして夫の甥である若き騎士エミリオに寄せられる狂おしいほどの恋慕を。
弟の結婚を機に独り暮らしをするためマンションを買った可名子。やっと引っ越しが終わったと思ったら、ベランダから物音が!? 鍵締めてない!? しかも男の影が!? 上の階の住人、賢司がパンツを落としたので拾いに来ていたのだった。一応不審者ではないということで、お引き取り願ったけど、私より年下で結構可愛い男の子だった。彼が勤めるクラブに会社の同僚と偶然行く事になった可名子。間違えて隣の人のお酒を飲んでしまい、ひっくり返ってしまう。そんな可名子を部屋まで運んでくれたのは賢司だった。そして一夜を過ごしてしまう。「好きだよ。順序が逆になったけど」そうよね、私。賢司とこうしているのいやじゃない。ところが部屋にいた賢司を母親に見られ…!?
亡き大公の姫君シエルに襲いかかり、薄紅の花びらのように上気する肌を蹂躙するは、盗賊団「狼王」の首領・シャンス。彼は私腹をこやす貴族どもから金品をせしめるいわば義賊だったが、シエル姫のあまりの美しさに手を出さずにはいられなかったのだ。しかし純潔あわやというところで思わぬ反撃を受け、お縄になってしまう。ところが縛り首になる寸前、シエル姫がシャンスの牢獄を訪れて言った。貴方の子種をください…代わりに貴方を生かしましょう、と。
人魚伝説
小説家兼画家、モデルでもある伊久磨(いくま)はマルチアーティストの女たらし。一方、海洋生物研究所に勤める兄・拓馬(たくま)は誠実に仕事に没頭する研究者だ。海辺の別荘から研究所に通う静かな毎日だったが、六本木のマンション生活に飽きたという理由で伊久磨が転がり込んできた。そんな中、二人は渚に打ち上げられていた美女を拾う。彼女は記憶も声も失い、まるで人魚姫のようだ。よっぽどつらい過去があるのか……。物憂げな様子で海を見つめる彼女に、兄弟それぞれの心が支配されてゆく――!?
職員食堂で打ち合わせしてたら相手がいきなり「近々、僕と結婚しませんか!!」ですって!? 私は優雅な独身生活を楽しむ事に決めたの。「いいじゃない。国立大出の国家公務員なんて安全パイよ」「冗談じゃないわよ。大体ものには順序ってものがあるでしょ!! 仕事の打ち合わせで3・4回会っただけでいきなり結婚しようだなんて手抜きもいいとこよ!!」とにかくもう男も結婚もコリゴリ。そしたらなんと、私にプロポーズしたばかりの男が見合いをしていた!? どういうことなのかしら、一体…!?
「モデル?」「輸入物のビールのCMだってさ」「演劇の方はどうするの?」「貴方は動かない方がいいって言ったの、美晴じゃなかったっけ?」言った、確かに。私が燿司と付き合い出して、もう4年になる。燿司は顔が取り柄の演劇青年で、私は大手町オフィス街に勤めるOL。モデルか…。確かに燿司は、その辺に転がってる男より顔がいい。だから4年前のあの冬の夜も、盛り場の路上で酔っぱらって眠り込んでいる燿司に魅入ってしまったのだ。その上、どういう成り行きからか目覚めた燿司は、まるで捨て犬のように私に懐いてしまった。面食いだったのよね、私も。会社に行けば見合いを進められるが、絶対断ってやる。かといって燿司との結婚も考えられない…。
成瀬涼子傑作選
求めること、与えること、奪うこと。それが愛すること――。あたしの3つ上のお姉ちゃんは生まれつき心臓が弱くて、あんまり長くは生きられないって言われてきた。何度も手術して入院して中学も途中までしか行けなくて、もうずっと2週間に1度の通院以外表に出ていない。遠足も運動会も部活も合コンも楽しいことなんにもできなくて、だけどお姉ちゃんは、いつもニコニコ優しいの。見習わなきゃって思うんだ。つまらないワガママ言わないとこ。いつもニコニコしていようって。だけど、お姉ちゃんには煩悩なんてないのかなあ。そんなお姉ちゃんが「今年のクリスマスはどうしても欲しいものがある」と言い出した。あたしが付き合ってる直也を見る目がいつもと違ってる!?
「文彦さん」「詩織里、今夜は寝かせないぞ」「ああっ」うれしい。夫が乳首を口に含んで舌で転がす。快感が走る。「ん、ん…」「あ…だめだ。ごめん。やっぱり起きてられ…な…」「文彦さ…?」これからって時に、夫が寝落ちしちゃった!? ふう、今日もいたせずかあ。このところずっと仕事が忙しくてHが二の次三の次になっちゃうのも仕方がないけど、気持ちよさに目覚めちゃった私としては、ちょっと不満。「文彦さんに開発されたのよ。責任取ってくれなきゃ。浮気しちゃうぞ」なんてね。でも大事な人だからもっと触れられたい。そんな時、中学の時の同級生が、なんと歌手になってテレビに出ていた。懐かしさに会いにいったら、なんと彼は彼女のことをずっと思っていたと…!?
出産だけじゃない!! 体も心も幸せになるために、女性による女性のための森下レディースクリニック、開院!! 「女なんてつまんない」そんな言葉はゴミ箱に。私は私が大好きだから。私、森下光子、27歳。つい先日「森下レディースクリニック」を開業したばかり。母は祖母の助産院を産婦人科医院として開業した人で、私にもそのあとを――と期待していたようだけど、私はそれを蹴って独立開業した。おかげで20代というのに分不相応な借金王。ま、親の土地に間借りだけど。私はひどい生理痛持ちだった。私は自宅が病院だったから母さんに診てもらっていた。じゃなければ産婦人科ってドアを開けにくかったと思う。私は産むためがメインじゃない女の病院を作りたいの。――カルテ1「性感染症」、カルテ2「生理痛」収録。
ななふしぎ
我が家のななは箱入りワンコ。散歩は1日5分、ごはんは好きなものを食べ放題、うちわであおがれながら優雅なお昼寝!? 箱入りというよりひきこもり? いえいえななはとってもフレンドリーで好奇心旺盛でもあります。我が家のハムスターやインコをかわいがって舐めまわし反撃されるほど…(汗)でも、あんまり飼い主さんにかまってもらえないと疲れていても遊んでアピールをしてくるやきもち屋さんでもあり…。真っ黒いつぶらな瞳のアイドルに一家は今日も夢中です♪