カレー沢薫、漢を語る

企画の大勝利 #1巻応援

カレー沢薫、漢を語る カレー沢薫 劇画狼
兎来栄寿
兎来栄寿

「カレー沢薫さん×劇画狼さん」 もう圧倒的に勝ち確でしょう。混ぜるな危険ですよ、面白すぎることが確定しすぎていて。 何をやっても面白くなりそうなお二方ですが、このお二方をして「いろんな作品の男キャラクターを語る」。はい、勝率400%を超えました。5打数10安打打つ全盛期のイチローもビックリの、チート付与魔術師も裸足で逃げるチートです。 この第1巻では 『THE KING OF FIGHTERS』の八神庵 『ガン×ソード』ヴァン 『HELLSING』ペンウッド卿 『忍者と極道』殺島飛露鬼 『ラーメン発見伝』芹沢達也 『シグルイ』藤木源之助&伊良子清玄 『鉄鍋のジャン!』秋山醤 『疾風伝説 特攻の拓』浅川拓 『どす恋ジゴロ』恋吹雪 『孤独のグルメ』井之頭五郎 『シティハンター』『エンジェル・ハート』冴羽獠 『刃牙』シリーズ 愚地克巳 『ゴールデンカムイ』月島基 『嘘喰い』佐田国一輝&目蒲鬼郎 『ザ・ファブル』佐藤明 について語られます。目次だけでこんなに面白いことあります? キャラチョイスも主人公だけでなく、絶妙なところを選んでいて堪りません。『HELLSING』のペンウッド卿や『嘘喰い』の佐田国&目蒲など、本当に絶妙なところをそれはそれは熱く語ってくださっています。 この全部を解る人がどれくらいいるのかは解りませんが、恐らくミリ知ら状態であったとしてもかなり楽しめるのではないかと思います。何せ、カレー沢薫さんと劇画狼さんですから。 担当編集者も八神庵が生まれた頃はまだこの世にいなかったと聞いて隔世の感がありますが、歴史上の人物よりはネットミーム化しているところもあってもう少し身近なキャラたちについて、独特の感性を惜しみなく披瀝しながら面白おかしく語っていく様子は最高です。 例として一箇所引用すると、『ザ・ファブル』の兄さんについて 「おっさんの母性本能を刺激しているところがある」 「…おっさんの母性本能?」 「男が魔法少女になる時代だ  おっさんに母性本能ぐらいあるだろ」 と語るカレー沢節全開のところなど大好きです。 全然知らない作品でも、この紹介をきっかけに読んでみようという気持ちが湧くのではないでしょうか。実際、劇画狼さんもカレー沢さんの目線で再読することにより新たな楽しみ方を発見するなどしており、これはもう立派な批評と言えるでしょう。 現代では、物語よりもまずキャラで作品に入る方も多いです。そういう意味では、本著で気になるキャラを見つけてそこから原作を読んでみるというアプローチが生まれることはとても素敵だなと思います。 なお、コミックス開いて数秒で「マイナー漫画・エロ劇画紹介ブログ『なめくじ長屋』はログインパスワードがわからなくなって休止」の文字列に笑わされました。去年話題になってた気がしたんですが未だに不明なんですね。「このマンガがひどい!」を読むのが年の瀬の楽しみだったのに残念です。 個人的にお二方に他に語ってみて欲しいキャラとしては、 『COBRA』のコブラ 『北斗の拳』のラオウ 『ジョジョ』のDIO 『魁!!男塾』の富樫 『聖闘士星矢』のデスマスク 『スラムダンク』魚住 『幽☆遊☆白書』の樹 『ヒカルの碁』の緒方 『はじめの一歩』の伊達 『今日から俺は!!』三橋 『クローズ』のリンダマン 『弱虫ペダル』の巻島 『ベルセルク』のグリフィス 『ジャンケットバンク』獅子神 『天』『アカギ』の赤木 『最強伝説 黒沢』シリーズの黒沢 『エアマスター』の坂本ジュリエッタ 辺りです。

願いを叶えてくれない魔人

魔人が説法していくスタイル#1巻応援

願いを叶えてくれない魔人 ナラボン
六文銭
六文銭

いわゆる魔法のランプを手にした主人公が、願いを叶えてくれるランプの魔人を呼び出す。 魔人に「マジカルチ○ポ」(どんな女性も行為に及べば好意をもたれるという、ファンタスティックなもの)が欲しいと願うと、 「自分の魅力を上げるほうが建設的だ」 とアドバイスしてくる魔人。 なにこの、まともな感じ。 欲望に忠実な人間、そしてその欲望で身を滅ぼす様を上から目線で眺めるのが魔人キャラの様式美だと思ったが、卑劣な願いに対して根本的な解決を提示していく、この感じが新しい。 ドラえもんですら、のび太の願いを叶えるというのに。 なんか魔人のほうが逆に優しいんじゃないかとさえ思ってしまう。 全編通して、 主人公が困る  →解決するために魔人に願いをする  →正論で返される  →結局願いはかなわない の展開だが、大学生活で出会ったサークルの先輩や友人など魔人以上にクセの強いキャラも出てきて飽きない。 特に主人公の幼なじみである、つつみさんがツンデレ可愛い。 主人公にちゃんと好意もっているが素直になれず、けれど裏で嫉妬したりする姿が最高です。 魔人がよいアドバイス役になっているのも面白い。 この関係(主人公とつつみさん、あと魔人も)が、ぜひ続いて欲しいと願います。

じじいくじ ~元最強刑事の初孫育児~

筋肉は裏切らない!

じじいくじ ~元最強刑事の初孫育児~ 上地拓郎
ゆゆゆ
ゆゆゆ

新生児育児は体力が必要。 定年退職後なら、なおさら大変。 だから、鍛えてきた筋肉とともに乗り越えよう。 ふにゃふにゃの新生児の体はとてもこわい。 だから、鍛えてきた筋肉でしっかり支えよう。 これまで刑事として働いてきた経験と筋肉で、産後間もない我が娘を支えていく! 頼むよ筋肉!! というかんじのあらすじです。 元鬼刑事のじーちゃん(ムキムキ)による孫育児が描かれており、第一話は娘が出産後退院して間もないころから始まります。 娘の旦那さんは単身赴任をしているようです。 娘さんは実家へ帰ってきているようです。 赤ちゃんの何気ない表情がリアルだなあと思ったら、作者さんに子どもが生まれてから描かれた漫画なのだそうです。 赤ちゃんの表情に癒やされます。 そしてキャラクターがすごく筋肉なのですが、我が身が筋肉の塊なら!と思うことがあったんでしょうか。それとも、鍛えていたんでしょうか。 twitterで見かけたお試し漫画の意味が分からなくて、本編を読んでみたら、本編も筋肉でした。 最後のほうに出てくる、赤ちゃんを膝に乗せているじーちゃんが主人公?です。 思考がとってもポジティブで、刑事で、筋肉のじーちゃんです。 https://twitter.com/uechitakro/status/1654084487393996800

盤上の向日葵

将棋×ミステリー×ヒューマンドラマのコミカライズ #1巻応援

盤上の向日葵 雨群 柚月裕子
兎来栄寿
兎来栄寿

2018年に本屋大賞で2位となり、NHKで連続ドラマ化もされた名作のコミカライズです。 作画を手がけるのは雨群さん……って『麻衣の虫ぐらし』などの雨がっぱ少女群さんじゃあないですか!! 『ぼくたちの離婚』に引き続いての原作付き作品コミカライズですが、これだけ描き分けられるのが凄いです。あとがきマンガによると『麻衣の虫ぐらし』の方をかなり無理して描いていたそうで、しかも本当は前作で漫画家を引退する予定でありながらも本作を諸事情で最終作にする予定だとか。 これで終わりになるのがあまりにも勿体ないと思うくらいに、このコミカライズが素晴らしい出来栄えです。主人公たちはもちろんのこと、敏腕刑事の石破であったり端役の老人たちであったり、歳を重ねた人をしっかり魅力的に描き分けています。 ピンポイントですが、特に仙台の佐々木喜平商店の奥さんの表情の絶妙さはあまりにも素晴らしいので見て欲しいです。表情でこれだけ魅せられる人はなかなかいません。 本作は将棋がストーリーに密接に関わり、大きな謎が軸としてありながら、もうひとつヒューマンドラマとしての側面があります。雨群さんの絵の説得力が、作品の持つ世界観とも絶妙にシナジーを生み出しているのです。原作の評価もあり物語の面白さは保証済みですが、そのコミカライズとして本当に最適な人選であり担当編集さんは良い仕事をしたなと感じます。 将棋、ミステリー、ヒューマンドラマ。ひとつでも興味があれば読んでみることをお薦めします。

神様の介護係

『三体』の劉慈欣さん原作の短編SF #1巻応援

神様の介護係 横山旬 未来事務管理局 Golo 劉慈欣
兎来栄寿
兎来栄寿

『三体』の劉慈欣さんが原作。 『三体』の劉慈欣さんが原作。 『三体』の劉慈欣さんが原作。 最初に『神様の介護係』の存在を知ったとき、驚きのあまり三度見してしまいました。そして、同時にこうも思いました。 そんなの、絶対面白いじゃあないですか……。 皆さんは『三体』は読まれていますでしょうか。今世紀を代表するSF小説で、『火の鳥』を髣髴とさせるほどの超大なスケールの物語。『三体』自体も中国国内ではコミカライズされているようですが、日本でも可能なら『アフタヌーン』辺りで本気のコミカライズをして欲しいですね。 この『神様の介護係』で気になる作画を担当するのは『 午後9時15分の演劇論』の横山旬さん。この組み合わせを考えた方が誰かは分かりませんが、英断だと思いました。劉慈欣さんの原作に対してどんな絵を当てるかと考えると、結構ハード目で青年誌寄りのタッチの方を選ぶのが自然な気がします。しかし、そこであえて少年マンガ系の横山旬さん。これがピッタリとハマっています。 1話を試し読んでいただければ解る通り、開幕からバリバリに独自世界の色を出してきます。濃密な作画と設定によって倍くらいのページを読んでいるような感覚に陥るほど情報量が多いです。それは、松井優征さんも授業で行っていた通りマンガとしては非常に優れている状態です。 横山旬さんの絵は、アクションや表情も気持ちいいんですよね。少年誌的テイストで間口の広いエンターテインメント色を出しながらも、そこは劉慈欣さんの世界ということでセンスオブワンダーを与えてくれます。 1冊完結で、非常にコンパクトですが満足感の高い仕上がりとなっています。SF好きの方は、押さえておいて損はありません。 そんな今夜、漫勉新シーズンが手塚治虫さん回放映なのは因果を感じますね。

ELDEN RING 黄金樹への道

エルデンリングにハマったあの時を思い出しながら

ELDEN RING 黄金樹への道 飛田ニキイチ ELDENRING
さいろく
さいろく

もう早くもリリースから10ヶ月ほど経過した、2022年を代表するゲーム「エルデンリング」。 ゲーム自体はフロム・ソフトウェアのゲームであること、ソウルシリーズの最新作としての期待が高かった中で、ゲーム・オブ・スローンズの原作著者のジョージ・R・R・マーティンが世界設定などに参画していたことなどもあってか、結果として素晴らしいゲームだったと私も思っているし、2022年に限らずここ数年で一番面白かった。 本作はゲームがガチガチにシリアスなのに対してそれをギャグテイストで紹介していくような感じになっており、登場人物のキャラがだいぶ変わってるところは否めないがそれはそれで一興。 本作はエルデンリングをクリアした人かやってる途中という人、これからやろうと思っていた人が読むのにはいいと思うが、全く興味もなければやるつもりもないという人は意味もわからないし面白くもないであろう。 そこはだいぶ残念ではある。1巻で終わらないんだったらもっとちゃんとした漫画にしてもよかったのでは… 作中のどこを紹介してもネタバレになりそうだったので次巻予告(カッコつけてる)を貼っておきます

くらまし屋稼業

骨太な時代劇、されどスタイリッシュで現代的 #1巻応援

くらまし屋稼業 ユウダイ 今村翔吾
兎来栄寿
兎来栄寿

魅力溢れる主人公が、バッサバッサと悪党を斬り倒していく。正に時代劇の真骨頂と爽快感がここにあります。 本作の主人公・堤平九郎が営むのは表向きは飴屋、しかし真の姿は「くらまし屋」。高額な報酬と引き換えに人間を「くらます」ことを生業としています。手練れが跋扈する江戸の街でそんな芸当を可能にするのは驚くべき彼の設定。現代的に言えば「チート」とも表現できるその部分はぜひ読んで確かめてみてください。男の子はこういうの大好きなんですよ。 また、本作は『Driving Doctor 黒咲』でも秀逸だった、ユウダイさんの画力の高さが非常に光ります。男は格好良く、女の子はかわいい。そして、江戸の街の風景や小道具までが非常に写実的に描かれていて目だけでも楽しめます。 ヒロインの七瀬はかわいいだけではなく頭も切れて参謀役となっているところも非常に魅力的です。派手な殺陣もありつつ、頭脳的にピンチを切り開いていくシーンもあり、抑揚のついたエンターテインメントとして楽しめます。 非常に上質な時代物で、このまま実写化されてもまったくおかしくないなと思える作品です。

ヘルドッグス 地獄の犬たち

緊張感がスゴいヤクザ潜入マンガ

ヘルドッグス 地獄の犬たち イイヅカケイタ 深町秋生
名無し

最近の漫画、ヤクザをポップに描き過ぎでは?みたいな問題提起が起こっていたので「いや、ヘルドッグスがあるぞ!」と声を上げたくてクチコミ書きます。 原作はヤクザを描かせたら間違い無しの深町秋生先生。反社と暴力の描写にかけては個人的に絶大な信頼を置いている小説家です。イイヅカ先生の絵も半端なくリアルでスリリングな作中の雰囲気にマッチしていて最高!(時折ふっと気を抜ける表現があるのも好き) ストーリー自体は王道の潜入捜査官物ですが、とにかくヤクザや警察について提示される情報のディティールが濃くて、重みのある作品になっています。 『ヘルドッグス』の作中に出てくる暴力団設定は他の深町バースにも接続しているので、気になった人は「アウトバーン」から始まる『組織犯罪対策課八神瑛子』シリーズや『ドッグ・メーカー』『バッド・カンパニー』シリーズなんかも読んでみるのもおすすめです。華岡組や琢真会の事情など、本作の背景がより深く理解できると思います。他の作品もコミカライズしてほしいな…。 とにかく骨太なヤクザ物語に触れたければ自分の中では今はこれ!という感じです。

じじいくじ ~元最強刑事の初孫育児~

格好良いじじいが孫を育児#1巻応援

じじいくじ ~元最強刑事の初孫育児~ 上地拓郎
六文銭
六文銭

育児系のマンガって、ツライとかシンドイとか、旦那が非協力的とか暗いものが多く(リアルといえばリアルなのですが)読んでて共感もありますが、 滅入るんですよね。 そんな育児マンガジャンルに超新星があらわれました。 じいさんが孫を育児。じじいが育児でじじいくじです。 「じ」がいっぱい! 最強の刑事だった主人公が、娘の子供(つまり孫)の育児、出産後の娘のケアなど全面サポートする話。 基本的にギャグがメインで、新生児に翻弄される様、また家族思いの姿に、なんとも癒やされます。 皆が皆思い合って、優しい世界が広がってます。 おじいちゃんが面倒みている、この家族構成に最初は、 「旦那さん、亡くなっちゃったのかな?」 と不安になりましたが、安心してください。単身赴任なだけでした。 また、ただのギャグに終始せず、純粋に子育てマンガとしても参考になる点があります。(おむつかぶれとか) 著者さんの経験談でしょうかね。 最後に、育児をする全ての人に 「完璧を目指さない。そんなものはないから。」 と、とある人のセリフがグサリと刺さりました。 まったくもって、おっしゃるとおりです。 育児に疲れた方、これからする方、笑って学べる本作がおすすめです。

THE KING OF FANTASY 八神庵の異世界無双 月を見るたび思い出せ!

KOFからまさかの八神庵が異世界転生

THE KING OF FANTASY 八神庵の異世界無双 月を見るたび思い出せ! 蒼木雅彦 天河信彦 SNK おぐらえいすけ
さいろく
さいろく

タイトルをしっかり読んだ上で開いたのにポルナレフ状態になった。 ありのままに今起こったことを話すぜ…と言いたくなるようなスピンオフ(?)が誕生していた。 しかもちょっと面白いじゃないか…と思えてしまうのだ。 八神庵といえば格ゲーファンの間では知らぬものはないダークヒーローで、時にはエヴァンゲリオン初号機のような(というかそのまま)暴走を魅せ、今見ると中二病真っ盛りなイタい服装も初登場の頃(もう25年以上前?)には斬新なファッションとしてちょっと話題だったものである。 八神庵はKOFの主人公的なキャラクターである草薙京(スト2でいうリュウとケン、もしくはサガット?)の宿敵として登場し、そのインパクトから当時の格ゲーキッズは夢中でKOFをやったものです。懐かしすぎてそっちの話ばっかりになりそう。 で、本作はそんな庵がKOFのラスボス的存在であるオロチと相対しているところから、血の暴走を抑え草薙京のいわゆる「くらいやがれ」→「燃えたろ」のコンボで光に包まれ…気づいたら異世界に転生していたというトンデモ話である。 ちょっと読めばわかるぐらいストーリーは浅いのだが庵が元々キャラが立っているので不自然で面白く、道中で出会うキャラたちはKOFの誰かしらの面影があるやつが多い。チャン・コーハンとかチョイ・ホンゲみたいにそのまんまなやつもいる(そういえばキム・カッファンは出てきてないような) 3巻に至っては軽いネタバレになるがあとがきというかオマケというかでギースが江戸時代?に転生してしまう話がちょっと描いてある、という今の3~40代格ゲーファンにはくすっとくるようなマンガである。 面白いかはちょっと人によるかもしれないけど、こういうネタを使ってむちゃくちゃしていいというのは異世界転生って便利だな!と思う。 そういえばSNK問題ってどうなったんだ(巷の噂ではどっかの皇太子だか王子だかに買収されたとかなんとか?)

瀧夜叉姫 陰陽師絵草子

超絶筆致の平安陰陽ファンタジー #1巻応援

瀧夜叉姫 陰陽師絵草子 夢枕獏 伊藤勢
ANAGUMA
ANAGUMA

これはすごい…。あやしくもきらびやかな平安の空気感を醸す精緻な設定に、一癖も二癖もあるキャラクターたちの洒脱な掛け合い。そして読後に全コマもう一度見返したくなるようなエネルギーに満ちた画面! 自分は夢枕獏作品にも平安時代にもとんと疎いのですが、本作に触れ「こんなにも心躍る世界があったとは!」とさっそく沼にハマりそうです。 近頃とある英霊バトルゲームなんかでも平安時代がフォーカスされたりして、本作に出てくるような登場人物の名前も見かける機会が増えてきた次第。 スカした態度の安倍晴明に存在そのものがヤバそうな蘆屋道満(でもめちゃめちゃカッコイイ)、そして最強の格が溢れんばかりの俵藤太!! 名だたるスーパースターたちが本作でも危険な魅力を爆発させていて、歴史をふんわりとしか知らない自分も心を鷲掴みにされてしまいました。 安倍晴明と源博雅がさまざまな怪事件の調査に乗り出すまでが1巻で、本格始動はこれからというのにも関わらず読み応えがすごいです。ゴリゴリの陰陽バトルが始まってしまったら一体どうなってしまうんだ…。もう続きが楽しみでしょうがないです。