月刊コミックバンチの感想・レビュー81件最果てから、徒歩5分最果てから、徒歩5分 糸井のぞstarstarstarstar_borderstar_border寸々膳さんや伊吹くんの過去等、色々描き切れていないことがあって残念…。 が、ギルダの3人が「夕雨子さん」に願望を押しつけていたのと同じように、百合子さんも夕雨子さんに「自分を殺してくれる」という期待を押しつけていたことに気付くラストが良かった。 自分の居場所を選び、誰と過ごすかを選び、生と死に向き合っていくお話を経て、最終的に主人公たち4人は衝動的に身体が動いた方で生きていくことを決める最終話。「最果てから徒歩6分」という副題もイカす。これはどうみても、おひとりさまだからできるゴージャスホテルライフおひとりさまホテル マキヒロチ まろ まろ まろstarstarstarstarstar_borderゆゆゆそう、高級ホテルも一人なら、がんばれば手が届きそうな値段のときがあるんだよね。 若い頃、泊まってみたい!と予約サイトをウキウキ眺めていた時期がある。 遠すぎて泊まれない、せっかく上京しても仕事が忙しくて深夜にたどり着いて寝て起きるだけになってしまうから、泊まるのがもったいない。 そんなことを考えて実行しなかったら、泊まる機会もなくなってしまった。 本作に登場するのは、ホテルを仕事にするほど好きで、一人でどんどん泊まっていく人たち。 そして、ホテルに泊まっては用意された空間を我が家のように満喫して過ごす。すごい。 私は旅先だと時間がもったいなくて、そんな贅沢な真似ができない。一泊二泊と言わず、もっとゆとりのある旅を選べたら、ゆっくりと過ごせるんだろうか。 登場人物たちが、満たされているようで、足りない感じがあるのは『おひとりさま』の演出だからかと思いきや、恋人がいる人の悩みも描かれていて、生きていたら悩みはあるよねと腑に落ちた。 悩みや不満は尽きないから、好きなことで薄めたい。笑えて癒されて少し泣けるスローライフ魔王 #1巻応援ポンコツ魔王の田舎暮らし 渡邉ポポstarstarstarstarstar_border兎来栄寿『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』の渡邉ポポさん最新作です。今作も推せます。 最強にして最凶でありながら、その性格は圧倒的に陰キャでコミュ障というアンバランスな魔王が本作の主人公。 ″骨″との闘いに疲れて 「知っているか 魔王は逃げられる」 とばかりに魔界から人間界の田舎に逃げてきた彼女が、奇妙な新生活を送っていくゆるいコメディとなっています。 話しかけられることを極端に忌み嫌い、無人販売所や自販機を見ては人間界とは何とコミュ障に優しい住みやすい世界かと感激する魔王が憎めず楽しいです。 個人的に特に好きなのは、ゆるさ極まったドラゴンちゃんたち。ヴィジュアルからしてとてもかわいくて大好きですが、いろいろな仕草もまたかわいい。ぬいぐるみなどがもしあったら欲しいレベルです。 渡邉ポポさんの描くかわいいキャラと田舎の風景とゆるい空気を纏ったギャグが合わさった心地よさときたらないのですが、本作はそれだけでは終わりません。エピソードによっては少し切なくなるところもまた味わいのひとつ。普段のゆるさとのギャップもあって堪りません。 『よつばと!』と『ぼっち・ざ・ろっく!』と『葬送のフリーレン』の要素を併せ持つ作品、というと売れ線感がある気がしてきますね。人生は山も谷もありすぎる。最果てから、徒歩5分 糸井のぞstarstarstarstarstarPom ドラマ化していたんですね、知らなかった〜 色んな事情を抱えて、死にたいと思って自殺の名所の近くのオーベルジュに集う人達。 そして、オーベルジュの人達もやはり何か抱えている。 人は人に救われるのか、とこの作品を読んで思う。 どんだけ死にたい思いを抱えて自殺の名所に行っても、オーベルジュの人達や、はたまた美味しい料理だったり、自殺したい思いを抱えて行ったのに何かが吹っ切れてまた彼ら彼女達の人生に戻っていく。 共感してじんわりしたり、よし頑張ってみようって思えたり何かしら心に響く作品なのは間違いないのではと思います。あんなお花屋さん好きになっちゃうおだまきの恋 吉田遥香名無し最初はミステリアスなんだけど、話してみると気さくで、ちょっと守ってあげたくなるお花屋さんのお姉さん。好きになっちゃうよね…。 美ドールを愛でるおじさんを眺めるのがこんなにも幸せ #1巻応援ドルおじ #ドールに沼ったおじさんの話 さとうはるみ兎来栄寿先月の新刊でもトップクラスに大好きな『133cmの景色』に続いて、こちらも『月刊コミックバンチ』で連載中の大好きな新作です。 タイトルがすべてを物語っていますが、端的に言えば42歳の冴えないおじさんがドール沼にハマるお話です。 まず作者のさとうはるみさんの絵がとても良く、もうひとりの主役であるスターレットちゃんを始めドールたちが美麗なタッチで抜群に可愛らしく描かれているのが大きな魅力です。絵の説得力により、おじさんが急激にドール沼の深みにハマっていくのも自然に感じられます。今後、どんどん可愛くさまざまなおめかしをしていくであろうスターレットちゃんも楽しみです。 そして何より、本作で良いなと思うのはドールに出逢ったことで輝き出すおじさんの「生」です。 人生すべてを賭けることに何ら躊躇いのない推しとの運命的な出逢いを果たした瞬間のドラマチックさ、その出逢いによって世界が輝きに満ち、日々自然と人に優しくなり善行を積めるようになったり今まで気にも留めていなかった路傍の花の美しさに感動したり、といった描写が実に鮮やかに行われているのが良いのです。 彼は、いい歳をしたおじさんの自分が人形に興味を持ち好きであるということが社会的にどう見られるか、というところにはしっかりと自覚的です。それでもなお堰き止め切れず想いが溢れるシーンの数々を見ていると、しみじみとしながら口元が緩んでしまいます。 "ただの挨拶なのに… なんでこんな染みんだよ" というシーンなどは本当に好きです。 少しずつ、明らかになっていくおじさんの過去の事情がまた良いんです。 恋人もおらず会社でも疎まれて何のために生きていたのか解らない日々から一転、ドールによって「救われた」男性の物語は、きっと誰かの人生を救ってくれることでしょう。何もないと思っている人生にも、ある日突然予想もしないところから何かが起きることは往々にしてあります。 球体関節人形を作る友人はいても私自身はドールにそこまで詳しくなく、ラジオ会館の店の前も通ったことはあるくらいですが、読んでいるとドール知識が身に付いていくのも楽しいです。 細かい好きポイントとしては、 "ウィドマンシュテッテンの輝きは幾星霜の祈りの記憶" という1ページ目冒頭の文学的な書き出しからして、最高です。 マンガイントロクイズがあったら「ウィドマンシュ/」くらいで押して「『ドルおじ #ドールに沼ったおじさんの話』!」と力強く回答したいです。人の力では作り出せないものたちと、人によって生み出され人の形をしているドールという存在の絶妙な対比も美しさを感じます。 読んでいて心底幸せになれる作品で、人間ドラマとしての面白さがあるので特にドールに興味がない人にもお薦めです。モーニング食べたくなるいつかティファニーで朝食を マキヒロチstarstarstarstar_borderstar_bordermotomi上手く行かない彼氏との同棲。 約束していたカフェのモーニング!ずっと行きたかったのに彼氏は無反応!! と、お思いきって友達と行ったら絶品ハマる!! モーニング巡りに、彼氏との同棲解消。 少しずつ前に進んで行く主人公とモーニングメニューがオススメな作品です。グルメ漫画として☆☆☆デリシャス・アンダーグラウンド―国際人材バンクより 杉本亜未 石井光太starstarstarstar_borderstar_borderかしこ移民や外国人労働者について知りたいと思ったので手に取りました。読んでみたらリアルよりもストーリーとして面白いエンタメになってる話だったので、ちょっと期待したものとは違ったかな…。でも出てくるアジア料理がどれも美味しそうでグルメ漫画としてはすごくよき!あと杉本亜未さんの漫画を久しぶりに読めたのでそれはよかった。古屋兎丸の新連載! 戦後日本、サーカス団の物語ルナティックサーカス 古屋兎丸名無し主人公と物語の舞台となるサーカス団の顔見世的な第1話だった。サーカスのメンバーは15歳〜22歳とみな若く、中でも「稲妻飛行少年」の異名をとる主人公・龍之介は、難度SSの技を全く失敗しない団の花形。 自分を「現人神だと思え」とのたまい恐怖政治を敷く団長の下、龍之介を妬んでる団員がいたり、親子が居たり…。 これから古屋兎丸先生お得意の、若者たちの愛憎入り交じる青春劇が繰り広げられていきそう。痛そう…涼風会長の憂なる日々 四谷啓太郎 mmkstarstarstarstarstarNano痛風、馴染みがなさすぎて調べましたが突然の足の激痛&数日歩けないやばいみたいなのをみて本気でやべえ症状なんだ…!!と知識を得ました。甘いものや酒が好きな人は要注意だそう。あとは涼風さんのように生活習慣ガバガバさんも…気をつけよ…でも夜にランクマ募集とかあったらやりたくなっちゃうのとても分かるんだよな~!!ド深夜こそ活発だし友達とやるゲームは楽しいので…。 それでも気をつけないとね…度々「痛風なの…」が面白すぎるけど本人絶対しんどい。でも痛風になったおかげで矢羽さんとの縁ができたというなら…いやでもほどほどにいこう…!!女性もなるんだね涼風会長の憂なる日々 四谷啓太郎 mmk野愛女性は痛風にならんだろと思ってました。男性にくらべてなりにくいってだけでなるんですね。 だとしてもJKは酒飲まないからならんだろと思ってました。若い世代にも増えてるんですね。 涼風会長、不摂生はよくないですが学校生活しっかりやってるだけで立派です。 自分を攻めなくていいよ、健康になればそれでいいんだよ…!と思いながらも、自分を攻めてる会長が面白かったり。 自分の生活態度も改めます、痛風こわいね…風が吹くだけで痛いから、通風っていうんだよ涼風会長の憂なる日々 四谷啓太郎 mmkstarstarstarstarstarゆゆゆ目を凝らさなくても見えた、サムネイル画像の「通風になっちゃった――」の文字。 作品タイトルには主人公の名前と思われる「涼風」会長。 この2つで心を鷲掴みにされてしまいました。 「風が吹くだけで痛いから、通風っていうんだよ」 誰かから聞いた豆知識を思い出します。 そして読みながら、身近で通風になってしまった人たちの声と生活を思い出してしまいます。 さて、この会長さん。 秘めた内面と周囲の評価とのギャップがまた素敵です。 読んでみていただけたら、テンポよい展開で、とても反省しつつ、とても不摂生な生活を送る会長さんを楽しめます。 通風はコメディではありませんが、人の苦悩は傍から見るとコメディなんだなと実感します。痛風生徒会長の苦悩涼風会長の憂なる日々 四谷啓太郎 mmk名無しこういうマンガをずっと読んでいたい。でも痛風は心配。自由で豪華なおひとりさま時間おひとりさまホテル マキヒロチ まろ まろ まろstarstarstarstar_borderstar_borderNanoめっっっっちゃくちゃいいな…やりたい…!!!自分の家じゃないところに泊まって過ごすだけでも非日常感があるのに、高級ホテルにルームサービスなんて…しかも一人だし好きなように思う存分過ごせるなんて…最高過ぎる。幸せでしかない。やばい今すぐどっかに泊まりたくなってきた。 高級となると私にとっては月一でも難しいけど、すっごく贅沢で素敵だなと思います。漫画自体も主人公史香のモノローグが多くて読みやすいんだけど、背景やホテルの描き込みが細かくてリアルで読んでて楽しい。それだけでなく、史香自身の人間関係の話とかも合間に入ってて面白いです。2巻早く読みたい!格ゲーJK×クイ研DKの異文化交流!連載してくれ〜!!! #読切応援2フレで泣いてる神田さん 吉川景都starstarstarstarstarたか※ネタバレを含むクチコミです。非日常と楽しむおひとりさまホテル マキヒロチ まろ まろ まろママ子最初っから高級ホテル、おひとり様だからできる贅沢ですね。 仕事の行き詰まりや恋人との不和、結婚適齢期と言われ人生の選択を迫られたり そんな日常の家族、友人、仕事離れて、「ホテル」を思う存分楽しむ。 お風呂も食事も景色も時間と空間すべてを自分のために使うこと、リフレッシュにも考え直すいい時間にもなっていたりして。 どのホテルも素敵でとまってみたいと思うけど、時間もお金もないのでこちらを読んで満たされたいと思います。「おひとりさまホテル」感想おひとりさまホテル マキヒロチ まろ まろ まろニーナこの漫画を読みながら無性に一人旅がしたくなった。仲間や大切な人と泊まるのはもちろん楽しいけれど、静かに一人を堪能する夜があってもイイだろう。そんな贅沢なひと時を過ごしてみたくなった。子供にしか見えない神様4年3組のミチコさん 小島アジコ名無し転校続きの小学生タケルが通うことになった小学校には「ミチコさん」と呼ばれる神様が存在していました。10歳になると彼女の姿も見えなくなり、彼女と一緒にいた記憶も無くなるという不思議な神様です。 確かにいたはずなんだけど、おとなになった今はもうぼんやりとしか思い出せない子供の頃の友達って居るよな、とか子供の頃にすごくつらいことがあったとしても大人にはなるんだよな、とか普遍的な感触が内包されている気がします。忘れてしまう記憶でも「確かにあった」ということがその後の支えになっていくというか、新海誠作品のこのところのテーマもどうもそういうことだったりするなぁ、などと思考が広がったりしました。 子供の頃に過ごした一瞬の記憶の実感、のようなものを味わえた読切でした。今後の参考に・・・。おひとりさまホテル マキヒロチ まろ まろ まろstarstarstarstarstar干し芋かなりの贅沢だと、感じてしまう私は、まだまだおひとり様を優雅に過ごすことができない一般市民です。 でも、このマンガを読んで、ここに泊まりたいっていうホテルを見つけてご褒美に家族と行きたいと思った。 1巻で気になったホテルは、『佐原商家町ホテルNIPPONIA』。 一棟貸なんて贅沢だし、お風呂も2種類貸切だし、いつか行きたい!! ただ、千葉は日帰りしそう・・・。社会問題をコミカルにデリシャス・アンダーグラウンド―国際人材バンクより 杉本亜未 石井光太名無し外国人専用の人材派遣会社がテーマ。 若者がいなくて、国内の労働力では賄えない今の日本にとって重大なテーマです。 同じ成果が出せるのに、外国人だけ給料が安かったり、お金は持っていても家を借りれなかったりと結構大変な思いをしているみたい。 日本は島国で外国人というだけで敬遠してしまう、ダメなところが浮き彫りになるのでしょう。 こういった社会問題を多くの人に知ってもらう為に、コミカルに描いて欲しいものです!! ポンコツコミュ障(だけどかわいい)魔王の田舎ライフポンコツ魔王の田舎暮らし(読切) 渡邉ポポ名無しどういう経緯で魔王が田舎暮らしをすることになったのか知りたすぎるんですけど、それはそれとしてコミュ障すぎてコンビニで物が買えず軽食系?自販機にばかりお世話になってる魔王・ムートンちゃんがかわいい。最終的にどうにかこうにか頑張ってコンビニでずっと食べたかった肉まんを買うことができました。これで更に田舎ライフがエンジョイできますね。よかったね。女性の快進撃が楽しみ将棋指す獣 市丸いろは 左藤真通starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)「アイアンバディ」の左藤真通原作、「ミリオンジョー」の市丸いろは作画のタッグが描く、いまだかつて女性がプロ棋士になったことがない中、女性主人公が将棋界へアマチュアの大会から攻め込んでいく。 プロ棋士になるためには、2つ方法がある。 奨励会というプロ予備軍たちの龍の巣を26歳までに勝ち抜くか、プロ棋士から推薦を受けてアマチュアから「プロ編入制度」を使う方法だ。 調べてみたら、女流棋士とプロ棋士はどうやら少し違うらしい。 一話目からスピード感があって面白い。 女の子がかわいいのに男がブスでいい。 藤井聡太の現実離れした快進撃で将棋ブームに火が付き始めているらしく、知り合いがよく通っている将棋教室は今までになかった賑わいを連日見せているらしい。 さすがに漫画界もこのタイミングを見逃さないのか、ジャンプやスピリッツ、そしてバンチでほぼ同時期に将棋漫画が始まったが、一話目のワクワク感からいまのところ一番期待できそうなのがこの「将棋指す獣」だ。 やはり天才を見るのは楽しい。 いままで見れなかった景色をその目を通して見せてくれる。 楽しみがまた一つ増えた。人の見た目と見えない病気133cmの景色(読切) ひるのつき子名無し考えさせられるって、まさにこのことだなと思います… 主人公・吉乃さんの場合、子供時代の病気の影響で身体の成長が止まり、133cmという身長のせいで、ひとりの大人、ひいては社会人として見られず偏見を持たれたり仕事で信用が得られない等の弊害がある中で生きています。同僚の岩見くんの無愛想ながら言いたいことははっきりと言う姿勢に羨ましいと思うも、彼にもパッと見にはわからないハンデを持っていました。見た目などの第一印象でそのひとのパーソナリティを決めつけるべきではなことも頭ではわかっているけど、口には出さずともイメージをしてしまうことはあります。見た目で判断されがちな人本人も、自分以外の人に勝手なイメージを押し付けてしまうこともあります。なのでこうすればいいというわかりやすい正解を出すのは難しいけど、何事も決めつけないこと、理解しようとすることは忘れないようにしたいですね。中世 女性は活躍できた数少ない職種傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン 磯見仁月starstarstarstar_borderstar_borderママ子ファッション業界の祖のような方だとは知りませんでした。 ベルサイユ宮殿で活躍し始めるようになると何を軸にしているかわからない感じがなくなり、比べ物にならないほど、凛として美しく男前に見えてくる。 成功を収めたように見えるが、自分の足がば堅牢でないことがわかっているからさらに上へ前へと進みつづける。 教科書で語られる表舞台でなく、彼らを彩るファッション、生活、駆け引きが面白い。<<1234>>