くまみこ

女子中学生巫女と、神の使いのクマ

くまみこ 吉元ますめ
ゆゆゆ
ゆゆゆ

『江戸前エルフ』が好きな方は『くまみこ』も好きかもしれないなと思った。 連載もアニメ化もこちらが先みたいなんですが、知った順番が逆だったので…。 こちらは女子中学生巫女とクマ。 神の使いである、人語を話すクマのナツと祖母と一緒に暮らしている女子中学生のマチは、高校は都会へ出たいと思っている。 でも家電は使うと即壊すほど苦手(冷蔵庫は使用可)、パソコンは少し操作すればブルーどころか黒画面。 Suicaもヒートテックも知らず、クマのナツに都会クイズを出される始末。 薪割りやら、かまどで飯炊きするマチをみているとこれはどのくらい前の漫画なんだろうと思ったのだけど、ナツを見ると現代に戻される。 ナツはパソコン・タブレット・インターネット等々に詳しく、操作も問題なく、テレビも見るし、村には携帯電話の電波が届かないことも知っている。 マチ以外のムラの人たちはナツと同じくらいの知識量にみえるので、もしかしたらマチだけおかしいのかもしれない。 第一話を読んで、そんなマチが都会の高校へ進学して、都会生活をやいのやい過ごす物語かと思いきや…。 村からほぼ出ない。 出るのはナツが与える都会慣れ試練か、村おこしを望む従兄弟の手伝い(なかば強制)。 慣れ親しんだ人以外と会話は苦手で、服も巫女服・制服・ジャージくらいしか持っておらず「服を買いに行くための服がいる」状態。 なんなら村につながる橋が、割とよく崩れ落ちているように見える。村から出られない。 よく考えたらまだ中学生なんだし、そこまでして、ひとりで街なかのイオンやらなんやら行かなくても…と思うのは私が地方の田舎出身だからだろうか。 マチとナツ、二人のやり取りが楽しい。あっという間に読み進めてしまう。

放課後メタバース

コミュ力強め女子との特別な時間

放課後メタバース 秋★枝
六文銭
六文銭

『恋は光』など、独特な恋愛観が持ち味の秋★枝先生の最新作。 コミュ力高いギャル風な荻野目さんと、ちょっとコミュ障気味な二宮くんの、図書室で繰り広げられる会話劇。 図書室というほぼ誰もいない空間で、2人だけの特別な時間が描かれます。 端的にいってスゴイよかった~。 元々『恋は光』が好きだったのもあるけど、『隣のお姉さんが好き』とか『僕の心のヤバイやつ』とか、じわじわとすすむ2人の関係が好きな人だったらハマると思います。 なんでもない会話なんだけど、読みやすいテンポで、また誰もが一度はもった疑問だったりちょっと興味のあるテーマ(例えば心理学的なものやことわざ的なもの)だったりするからつい読んでしまう。 なんでもないようなことを独自の着眼点で面白く描けるのが、この作家さんの持ち味だな~と思う。 コミュ力モンスターの荻野目さんによって、会話が苦手な二宮くんもついついしゃべってしまい、それが楽しくなって、やがて特別な感情を持ち始める。 一方、荻野目さんは何を考えているのか、わからない感じ。 この2人の関係ずっと眺めてられますわ~。 個人的に2023年ベストコンビです。

少女入門

局所的鬼才が5年の時を経て再始動させる女体化○○漫画!!!!!!

少女入門 堀出井靖水
完兀
完兀

あの鬼才・堀出井靖水があっためにあっため続けた題材を引っ提げて帰ってきた!   彼については某成人向け雑誌デビューのときから注目していた。特に2作目のインパクトは強烈だった。あの1作目からどんだけ成長したんだと度肝を抜かされた。成人向けの要素の成長もさることながら、キャラが生き生きとしていて掛け合いも冴えていた。これは"くる"と直感した。そして彼はすぐに某成人向け雑誌の漫画賞を取った。そこに掲載された編集長コメントで再び読者の度肝を抜き、期待と笑いをかっさらった。 その後彼はここで述べるのも憚られるような(というかどこであろうと憚られるような)、ひどく人を選ぶ傑作成人向け単行本を1巻だけ世に残し、FANBOXの闇に消えた。 彼は某成人向け雑誌での成長と共にtwitter漫画芸人化していた気がするが、その活動も沈静化していったと思う。というかtwitter垢がいつの間にか消えていた。彼がUPするtwitter漫画も大好きだっただけに、とても寂しかった。 話が前後するかもしれないが、どうやら彼は一般誌へ行ったようだった。『ブラックバウンズ』という作品を出したと知るが、1話を読んで作風どうしちまったんだと非常に困惑した。結局、私は『ブラックバウンズ』を読まなかった。それがよかったかはわからないが、とりあえず私の中の堀出井靖水の思い出を壊さないことには成功した。   そして今、彼は舞い戻ってきた。それもtwitter・pixivに上げてた漫画の中で、かなり人気の高かった本作と共に帰ってきた。ついでにtwitter垢も復活していた。 続きを望まれ続けて実に5年が経過していたが、ついに描かれる時が来たということだろう。ちなみに、これまで続きを描かなかったことについて彼は「インターネット小ネタ漫画じゃなくてちゃんと物語として描きたかったから」だとpixivで表明している。そんなこと言われては、読むこちらも気合が入るというものだ(なお、本作は肩の力を抜いて読むのが適切だと思います。多分。少なくとも、プロトタイプ版はそうでした)。 1話目を読んだ感触は、かなり丁寧にブラッシュアップされてるなぁとニヨニヨする、そんな感じ。とにもかくにも、今後に期待だ。 最後に、彼のtwitter上での叫びを無断でここにコピペしてこのクチコミを締めようと思う。     王道ラブコメのつもりで描いてるって担当編集に言ったら「認知が歪んでますね」って返されたけどっ……それでも余は……余はちゃんと王道ラブコメ描けたと思うからッ…………!!! これが余が考えた最キャワラブコメじゃからッ………!!!!! 絶対読め!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ