青年マンガの感想・レビュー15370件<<56789>>短くてシンプルだけど考えさせられる話バックアップ 吉田博嗣名無し肉体としては死んでいても、その人の今までの人生をデータ化して生み出した電子人格が残れば、家族としては嬉しいのかどうか。この漫画自体はそこをテーマにはしてないと思うけど、やっぱりもしも自分だったらと考えざるを得ない。 でもこの漫画の残された妻は、電子人格とかつて生きていた夫は別物だとして割り切れている気がする。ここまでリアルではなくとも、近いものはもしかするとそう遠くない未来にできるのかも…?そのラーメン屋、"こだわり"だけは誰にも負けない。こだわりらーめん屋さん 津村マミ名無し現実だったら悪いクチコミ書かれて一瞬で終わりだろうというラーメン屋の話 しかし今、メディアに引っ張りだこの人気ラーメン店でも、ルーツを辿ると原点は案外こういう店だったりするのかも。自分もラーメン屋さんのラーメンで一番古い記憶は、家の近所にあったなんの特徴もないごく普通のお店の醤油ラーメンだったな。気づいたら無くなってた。安っぽく快楽主義的ワンパンマン 村田雄介 ONEstarstarstarstar_borderstar_border線セーショナル原作者のONE特有の過剰に最強であるが故に、無気力という主人公の漫画は最初は読んでいて楽しいが、何十巻と続けられると、こんなもんでいいかの連続となっていて、結局脇役のドラマとして描いて一番ピンチの所で水戸黄門的に主人公が来るまでの一辺倒なストーリーとなってしまう。 作画の村田雄介も、漫画家で最高の画力と賞されるが、実は少年マンガのトップアシスタント的な少年マンガの究極のテンプレ画である。技術はあるが、個性がない。彼の線は商業的な手癖の無い安定的な線である。つまり作家性が無い。 この漫画を読んで、何か人生の大切な教訓や大きな感動が得られる訳ではない。あくまで、敵を倒すカタルシスを麻薬的に受容しているだけである。以上のことからサイタマが敵を倒すたびに、無気力になるのと同時に、読んでいる私の心も無気力になるのである。麻薬捜査取締官と、薬物犯罪者マトリズム 鈴木マサカズstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ一国を破滅させるきっかけをつくったこともあるものだし、麻薬って怖い。 ちょっとならいいかから始まって、その後もズルズルいっちゃうのが怖い。 強靭な精神があれば依存しないと言えないところも、あんなに反省して見えた人が再度使ってしまい、再び依存するのも怖い。 そんな人たちをたくさん相手にする麻薬捜査取締官という仕事は、どんな人がなるんだろう。 漫画でマトリの人たちがみんな同じ雰囲気なのは、実際もそうなってしまうからだろうか。 銀行員だった矢口高雄先生が漫画家になるまでの12年間9で割れ!!―昭和銀行田園支店 矢口高雄starstarstarstarstarかしこ釣りキチ三平の矢口高雄先生は漫画家になる前に銀行員をしていたとは聞いたことありましたが、その当時を詳細に描いた自伝漫画があったとは…!!すこぶる面白かったです。 1巻。まず恩師から推されて銀行員になるって矢口先生はむちゃくちゃ優秀な学生だったんだろうな〜!と思いました。下宿しながら働いていた新人時代は銀行とはなんぞやのエピソードが中心ですが、この頃は何もかも手作業で大変ですね。宿直していた行員が殺された話はいきなりサスペンスが始まったかと思うくらい描写が怖かった…! 2巻。当時でも24歳での結婚は早かったらしいですね。早婚だった理由が「味噌が嫌いだから」というのはジョークだと思いますが、どうして味噌嫌いになったかの話が印象的でした。こういうちょっとしたエピソードでも秋田県の風土を感じます。この頃にハマった鮎釣りもその後に描かれる作品に欠かせない経験ですね。 3巻。徐々に子供の頃の夢だった漫画家になることを再び意識し始めます。転勤先の同僚女性が都会的な人で刺激を受けたのと、彼女の実家が本屋でガロを読ませてもらったことが、矢口先生の人生を変えていきます。こんなに白土三平をリスペクトしていたとは知りませんでした。 4巻。ガロに持ち込みをして水木しげるや池上遼一に会ったエピソードがとても貴重でした。憧れの白土先生ではなかったけど水木先生に会えて褒めてもらえたことも一つの転機になっている気がします。上司に漫画を描いていることを咎められたことがきっかけで本腰を入れて夢を追うことにしたとありましたが、デビューして真っ先に届いたのがその上司からのファンレターだったのは泣けますね。しかし何より銀行を辞めて漫画家を目指すことを承諾した奥さんが偉い!!当時の矢口先生は30歳でお子さんが2人いますからね。自分が奥さんだったら反対してしまいそう…。 こうして見ると30歳まで地元にいたことが矢口先生の作家性に繋がっているので、遅咲きのデビューではあったけど回り道ではなかったんじゃないかと思いました。希望していた本店勤務ができなかったけどその反動で趣味を充実させたし、人生って何がどうなるか分からないという面白みを教えてくれる素晴らしい作品でした。コミカライズされてたのか! #1巻応援近畿地方のある場所について 碓井ツカサ 背筋starstarstarstarstarNano以前web小説として発表されて話題になってたやつ!!当時軽く読んだんですが「あ、これマジで怖いやつだ」と早めに離脱したのを覚えてます…最近モキュメンタリー流行ってるよね…苦手だ…と言いつつほんの少しだけ手を出しちゃうけど。 全然展開を知らないので漫画とともにおさらいしたいな。いやでも表紙や帯の時点で怖いぞ…!?絵が…うまいねえ…ぞわっとするねえ…。 近畿地方のとある場所に関する数々の怪談、事件、奇妙な出来事。その先にある真相とは…。漫画ならではの演出にゾクっとしっぱなしです。勇気が持てたら小説の方もちゃんと読もう…!ぞわっとしました #読切応援欠ける月 冬虫カイコstarstarstarstarstarNano自分の近くに望月さんのような方がいらっしゃらないのでなんとも言えないのですが……実際にこんな感じになるのかな、と思ったらぞわっとしました。怖い、純粋に。想像して喉奥がヒュッてなった。 誰だって、いつそうなってしまうか分からない。そのときなんて来ないでほしいと思っても、来てしまうかもしれない。自分だってこうなる未来はあり得る。そのどれもが怖くて仕方ないです。胸にぶっ刺さる読切でした。 まだまだ、謎がたくさん・・・。スーパーボールガールズ 平本アキラ 金城宗幸starstarstarstarstar干し芋1巻読了。 これからの生活どうするんだろう? ドアも、ボコボコのままだし、騒音もすごそうだし、電気代、ガス代、何より食費がかかりそう。 そして、性欲は抑えられるのか? 殺人事件どうなる? そこで、生まれたスーパーボールたちは、今後どうなるのか? 謎がいっぱいつまっています。アニメ版を見て気が付いた平穏世代の韋駄天達 クール教信者 天原ピサ朗※ネタバレを含むクチコミです。ある意味タブー!?ヨコヅナ! えれまどか名無しこれこそ、漫画だから描ける話かなと。でも土俵は女人禁制という制度、いつまでやるつもり?とは思います。角界もいろんな面でアップデートしていくべき。ありがとニャン♡だって、なんでダメなんだよ!いいじゃんね。 「ヴンダーカンマー」感想ヴンダーカンマー 滝乃大祐 そよき 星月渉ニーナ恥ずかしながら“ヴンダーカンマー”という言葉はまったく聞いた事が無く、色々と検索してしまった(笑)。なるほど…標本、絵画、剥製、アクセサリーなど、世界中から集められた怪奇珍品を飾るコレクションルームで「驚異の部屋」と呼ばれ、近世ヨーロッパで流行したものらしい。なかなかに不気味で興味深い。 そんなヤバい代物を、なぜか現代に蘇らせようとする少女が惨殺されるところから物語は始まる。 いったい誰が彼女を殺したのか?まだまだわからない事だらけだが、その謎が解き明かされるとき、彼女が目指していた目的もわかるのだろうか?どこへ向かうの隣人X 楠本哲starstarstarstarstar_borderゆゆゆパワーがあればなんでもできる!! …って、できすぎでしょう。 引っ張っても首がちぎれなかったのは、引っ張って、ちぎれて、血がブシャーよりも、なんだかリアリティを感じた。 実際にどうなるのかは知らないけども。 ホラー漫画カテゴリにあったので、ある程度は覚悟していたものの… この筋肉、サイコパス。 平和なコマはすぐに終わり、血みどろに変わる。 シリアルキラー過ぎる。なぜバレないの。 パワーがあるから? この先どうなるのか、どうなれば終わりなのか、ハッピーは存在しない世界線なのか。 一方的な愛が重たい。こういうの好き〜タツキとタマキ 吉田ユウマ名無し設定とかは正直ありがち。でもこういうのいくらあってもいいよね!みんな好きなやつだよね! ある意味担当編集さんが一番強そうなのがツボでした。 ふたりでどんな漫画を描いたのか知りたいー!! 1・2の三四郎2 #推しを3行で推す1・2の三四郎2 小林まことstarstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 久しぶりに読み返したがたまらんものがあるね。当時の格闘技ブームも含めて面白いがやはり西上馬之助の三四郎に対するツッコミが最高だった ・特に好きなところは? 三四郎がトレーニングでバイクをブレーンバスターの練習するところ。赤城戦の伏線としても最高だった ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 前にも書いたが一話の中で笑いと感動をバランスよく入れるのはすごい あとこういうギャグが好きな方にもおすすめです 漫画家になる直前の大橋裕之遠浅の部屋 大橋裕之starstarstarstarstarかしここんな詩的なタイトルで漫画家マンガなのかよーーーー!!!!今まで読まずにいてめっちゃ後悔しました。高校を卒業してプロボクサーになる為に一人暮らしを始めますがジムの雰囲気に馴染めず練習をサボりがちになるうちに、子供の頃の漫画家になりたかった気持ちを思い出して投稿を始めます。しかし佳作を受賞するけど雑誌デビューしないまま物語は完結するんです。でもそこが素晴らしい!こんなに「何者でもなかった自分」を描き切ったものは他にないから!押切蓮介と怪談暗い廊下とうしろの玄関 押切蓮介starstarstarstarstar_borderかしこ怪談専門誌に掲載された漫画が収録されています。前半は本人や友人の体験談がベースになってるものが多いですが、連載7年の間に作者の怪談に対する考え方も変わっていき、一家心中した廃墟に撮影しに来たふざけてるYouTuberを幽霊の視点で描いたり、こんな怪談師は嫌だ!を描いてたり、後半は作風も変わります。純粋に怖い漫画を求めている人よりも、思考の変化を追ったドキュメンタリーとして楽しめる人にオススメの漫画かもしれません。 科捜研の女ファンは是非!トレース 科捜研法医研究員の追想 古賀慶starstarstarstarstarパイナップル※ネタバレを含むクチコミです。ジャンプ作品より遙かに上質なエンタメ刻刻 堀尾省太starstarstarstarstar_border線セーショナルこの漫画が他の作品と比べて、優れている決定的な点はサスペンスである。 サスペンス描写が圧倒的に上手い。世界観設定に対して、キャラクター同士の命のやり取りが行われる際の‘間’の使い方、駆け引きが適切なコマ数で描写されていく。サスペンスを急ぎすぎることも、もてあそぶことも無い適切なコマ数である。線による描写はガッチリと安定感のある線で止まった時の中を表現するには運動的な線よりも、こちらの方が良いのかもしれない。ただ、線は寄生獣の作者、岩明均と似ていてこの作家特有のものは感じられなかった。珍しいパターンオールド・ボーイ 嶺岸信明 土屋ガロンstarstarstarstar_borderstar_border線セーショナル基本的に実写化されて、原作を凌駕することなど皆無に等しいのだが、この作品は実写映画の方が、映画史に残る傑作になってしまったという珍しいパターンの作品である。実写化する際に、原作と違うことは、全く問題ではない。そもそも映画の本質は時間と運動であり、漫画の本質は線とコマ割りなのだからいくら原作をそのままやった所で、画面が止まってスライドショーになってしまう。原作の大事な要素だけ抽出することが大事なのだ。実写版の横スクロールシーンのショットは映画史に残るアクションシーンとなった。漫画に関してはミステリー展開を優先しすぎた結果、人間は普通そんな事でそこまでしねぇよ、という無理のある展開となってしまい釈然としないまま終局を迎える。線に関しては可も無く不可も無くといった所。 生活時間が違うふたりホストと社畜 河尻みつるstarstarstarstarstarNanoプロローグからもう尊いです。最高。なんでもっと早く出会わなかったんだろう! タイトル通りホストと社畜が朝よく会う話。けれどお互い名前も知らなければ職業もなんとなくしかわかってない。けれど朝ごはんを一緒に食べてる時に互いに至福を感じている…というこの、素晴らしさ尊さ。こういうの大好きなんだ…。 1話2話もさ、社畜鈴木さん視点のホスト蓮くんがさ!!こんな可愛くて素敵に見えてたってことだと思うと良すぎてたまらんよな!!?はあ~~~……ずっと見ていたいふたり。ずっと摂取していたい。一気に4話まで読んじゃった…。4話勉強になったな、色んな人に読んでほしいと思いました。食欲増進漫画だった #読切応援強盗ASMR 西村マリコstarstarstarstarstarNano読み終わった途端めちゃくちゃお腹が空きました。夕飯前に読むべきではなかったか…中華食べたくてしゃーないぞ!! 擬音ってすごいなぁ。漫画のはずなのに読んでて音が聞こえてきたし、できたての中華料理のいい匂いがしてきたもん。料理の絵もそうだけど、食べている口元のアップや食器の音からもすっごい食欲をそそられた。作者さんも描きながらお腹空いたかな…。 ああ、チャーシューメン食べたい。ジャズは深くて難しくてカッコいいBLUE GIANT SUPREME 石塚真一 NUMBER8さいろくまず主人公のダイはすごくすごく熱がある。 周りのメンバーもそれぞれ真っ直ぐで、熱量が高い。 で、出会うその他のジャズやる人達も同様に熱い。 向き先は少し違えども、ジャズに対する熱量の高い人達を描いているんだけど、やり続けるとどういう葛藤があるのか想像もつかない。 ※もちろんコレだけが正解じゃないし特殊なんだけど 前作「ブルージャイアント」で感動と、落胆に近い憤りとを感じた人がほとんどだと思う。シュプリームではさすがに同じことにはならないと信じたい(今でもアレは本当にハッキリ憶えてるぐらいツラく、「ふざけんなーー」と口に出たぐらい熱中というか没入していた) 前作からそうだけど、途中途中で後にダイのことを語る人々(恐らくインタビューを受けている)が出てくる。 そこからは当然、未来がある程度想像できるワードがいくつも含まれており、それを踏まえて読む事でまた口角が上がってしまうのを抑えきれずに先を楽しみにして待とうと思えるそんな漫画。 ジャズが苦手であろうとわからなかろうとそんな事はどうでもいいぐらいに、五感を揺さぶってくるすごい漫画なので絶対読んだほうがいいし出来ればネタバレは見ないほうがいい。 ググると「ブルージャイアント ひどい」が一番上にサジェストされて笑ったけど、シュプリームがなかったら本当にただひどかったかもしれない。 ただ、ひどかった(と私含む多くの読者が思っている)のは本当に後半の、割と最後の方の展開の一部でしかなく、それは本当に衝撃的だったけど、その衝撃が大きい人ほどこの作品をちゃんと読んだ人であるのは間違いない。 大好きなので是非多くの人に読んでもらいたい。 悩めるデリヘル妻サキュバスの妻 細野不二彦名無し※ネタバレを含むクチコミです。熊(くま)に風(かぜ)でなく、羆(ひぐま)に嵐(あらし)羆嵐 矢口高雄 戸川幸夫starstarstarstarstar_borderゆゆゆタイトルの漢字を一つずつ勘違いしていた。パワーダウンする方向に。 誤りに気付いたあとで、両方ともパワーアップする言葉があるなんてすごいなと思った。 さて、三毛別羆事件と呼ばれる、開拓時代の北海道で起きた事件。 凄惨さと裏腹に、作中によれば、当時の都会では数日後に小さく記事が載った(内容も正確てはない)レベルのお話らしい。 それほど、北海道の山あいは遠かったようだ。 小さな新聞記事にしかならなかった凄惨な事件を、知る人が皆いなくなる前に聴き取りをして、書きとどめた人がいて、その人の記録と話を元にタイトルの漫画は作られたそうだ。 『ふしぎの国のバード』を読んだ方には、当時の都会以外がどれほどの環境だったか(とはいえ、都会もアスファルト敷ではないですが)、想像がつくかと思うのですが、北海道の開拓地はさらに過酷だったようです。 玄関ドアがむしろ?ござ?一枚。板ですらない。 窓ガラスも障子もなく、窓からは北海道の寒風入り放題。 だから、死なぬために、火を煌々と燃やし続けなければいけない。そのための薪があったのは幸いだ。 そして、自然を開拓して、人が使えるように手を加えていっているので、そこに住んでいた動物との遭遇もなくはない。 しかし、被害があった季節は、動物は冬眠しているはずの冬。 にも関わらず、不運に不運、人災も重なり、一匹のヒグマに多くの人が殺された。 やるせないなあ、と読んでいて思った。 後編に入っていたニホンカモシカの物語は、人間の勝手さを感じて、苦手だった。 カモシカって日本にいるの?と思ったものの「カモシカのような足」という表現があるので、馴染み深い生き物だったんだろう。 ※ここまで書いて、読んだのが「羆風(ひぐまかぜ)」という作品の方だったと気づきました。 そちらでしたら、KindleUnlimitedで書いている今日現在読むことができるので、興味がある方はぜひ。<<56789>>
肉体としては死んでいても、その人の今までの人生をデータ化して生み出した電子人格が残れば、家族としては嬉しいのかどうか。この漫画自体はそこをテーマにはしてないと思うけど、やっぱりもしも自分だったらと考えざるを得ない。 でもこの漫画の残された妻は、電子人格とかつて生きていた夫は別物だとして割り切れている気がする。ここまでリアルではなくとも、近いものはもしかするとそう遠くない未来にできるのかも…?