青年マンガの感想・レビュー15392件<<291292293294295>>熱すぎる本当のヒーローいじめ探偵 榎屋克優 阿部泰尚さいろくいじめ、幸いにも自分は多分いじめにあった事がない(もしくは気づいてない)けど、もしかしたら加害者だった過去があったかもしれない。 そんな事を考えさせられる作品。 いじめの内容っていうのが実際にあったものっぽくて超リアルだし、めっちゃ陰湿で正直ひいてしまう。 それを読者の代わりにズバッと解決(といってもいじめの発生前に戻れるわけではない!)してくれるのが、このいじめ探偵。 熱くてヤケドしそうなぐらいの怒りと情熱と、それらを被害者のいじめられっ子を守るために冷静にジワジワと用意周到にちょっとずつ表に出してくる。 読んでいて「おお!」と心の声が出る。 熱い熱い作品。まだ始まったばかりだし、長く続いてほしい。 これを読んで世間のいじめられてる子達が少しでも勇気を持って誰かに助けを求められたら(それだけじゃ解決しないだろうけど)いいなと。変態かのように見えて野湯ガール 吉田史朗 麻生羽呂さいろくただの変態です。 野湯マニアは秘境のような険しい場所にあるという野湯(人が入れるものであれば何でも良いんだと思う)に浸かりたがる。 いや、浸かりたガール。 可愛い恥ずかしがり屋の露出狂痴女っていう謎設定になりますが可愛いのでいいと思う。 そういやこれ、登場する野湯は実際に存在するものなのだろうか…?センセーは死ねない異世界失格 野田宏 若松卓宏さいろくいつも死にたいと考えているセンセーは異世界に転生した。 異世界に転生したセンセーは死にたいと思うのに死ねないし、許嫁にも会いたいし、欲もないし、異世界にそぐわなすぎるので色々と巻き起こしてしまう。 DQさながらのパーティが作られていく中、パーティメンバーのサイドストーリーを各所で深堀りしながら異世界を旅して進んでいく一行。 読んでいてDQ3を始めた時の気持ちに少し近い何かを感じます。気づいたら”さん”付けて呼びたくなってしまう肉蝮さん外伝闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説 真鍋昌平 速戸ゆうさいろく毎朝やわらかスピリッツ https://yawaspi.com/ を開くんですが、ダントツ人気らしいのがこの肉蝮さん。 ウシジマくんだけ読んだ人からするとなんで肉蝮に対して”さん”付けなんだ?と思うでしょう。 これは悪く言えばスピンオフとしてちょっとブレが生じてきているという事なのかもしれないんですが、ウシジマくんもとっくに完結している今、出番も新たに増える事はないので良いと思っています。 そのぐらい「ちょっとだけヒーロー」しちゃってるんですよね。 それもぶっ飛んでて悪くない感じなので、最初は受け付けなかったもののジワジワ来る感じで普通に面白く読めるようになってしまい、いつの間にか連載更新を楽しみにしていました。 暴力の化身のような肉蝮さんに歯向かう奴らがギッタンギッタンにされていく様は正直カワイソウなんですが、物語的にはめっちゃ風呂敷広がってくのがまた面白いです。 伊図透の短篇連載伊図透のスペクトル 伊図透nyae※ネタバレを含むクチコミです。スペリオール本誌史上最もパースのおかしい読切未練を待ちながら。 キタハシユウキ名無しあらすじの"スペリオール本誌史上最もパースのおかしい"という文言がお気に入りです。たしかにその通りなんですけど、パースが狂ってようが面白ければオッケーですよね。まあ実際すごく面白かったかと言われるとよくわからないですが… 別れた恋人が住んでいる街をうろうろして思い出に浸っている男が主人公。未練タラタラでしょうもなく見えるけど、それだけ幸せな時間が一瞬でも人生にあったという事実は素晴らしいことじゃないでしょうか。これからは前向いていこうぜ。パンツはすぐ捨てな。台湾在住の作者による、映画のような新連載緑の歌 - 収集群風 - 高妍nyae※ネタバレを含むクチコミです。 もう一つの世界があったら別の自分に会ってみたい!猫が西向きゃ 漆原友紀starstarstarstarstar干し芋すべての物質は、絶えずゆらゆらとごく細かにゆれていて安定せずにあるものでそれは時にバランスを崩して形を変える。不完全であいまいな世界。これが、フローを呼ばれる現象が起こる世界。 と、現在私たちが住んでいる、世界。 この二つの世界にそれぞれ同じ人が同時代に住んでいる。 もちろん、職業も違うし、生活環境ちょっとづつ違う。 フロー現象は、人のこうだったらいいなぁとという思いで出てきてしまう、人起因と場所起因のものがある。 例えば、神経質な彼と付き合っていた片付け下手な彼女が、机の角にピッタリとリモコンを置く彼を見て自分のゴミ屋敷を見られては嫌だという思いから、町中から角が無くなり、すべての角が丸くなったり、お隣同士の同じ苗字の田中さん。表面上は、とても上手くいっているが、若い田中さんは、心の中で年配の田中さんを下に見ていた。そこで、現れたフローは、その格差分隣同士の高低が付き階段の多い街に変わってしまったり。 人の心のもやもやによって霧が発生し、フロー現象が起き、その心のもやもやが収まると元の状態に戻る。 この現象がいつ頃戻るのか?何が原因なのか?を現地に駆け付け解決していくのが、主人公のフロー処理業者のヒロタ。 そして、そこで、アルバイトをしているのが、フロー現象で35歳から12歳になってしまったコナンのような女子、ちまちゃん。 さらにフロー現象を感じ取ることのできるしゃちょうと言う名の猫。 テンポよくお話が進んでいくし、画もとても素敵なので面白く読めます。 爽やかな読後感で、私は、大好きな作品になりました。記憶喪失の男が帰るのはどっちの家庭?アイ’ム ホーム 石坂啓starstarstarstarstarかしこ事故によって5年間の記憶をなくした男。離婚した妻と娘のことは覚えているのに、再婚した新しい妻と息子の記憶は一切ないし、顔を見ても仮面を被っているように脳が認識してしまうので何も思い出せない。 男は複数の鍵を持っていて、ふと記憶がよみがえった時にその鍵を使って、愛人の家や、大学時代の友人の家や、単身赴任中に住んでいた家を訪ねるけど、その度に記憶を無くす前の自分はろくでもない人間だったことが分かってくる。 記憶がない自分にとっては離婚した妻と娘が本当の家族だけど、すでに元妻も再婚している。今の妻はどんなに一緒にいても他人のように感じてしまうし、もしかして自分は離婚するつもりだったのかもしれない疑惑も出てきた。最後に男が帰るのは一体どこなのか…? 2回ドラマ化するのも納得の面白さだった。記憶喪失前の主人公が結構なクズ男なのも嫌〜な感じがしつつ読み応えがあった。ラストもいい。どんな家庭も実はこうなのかもしれないと思わせられた。人情味がある酒場ファンタジー!陋巷酒家 丸岡九蔵名無し日常、CITY、ダンジョン飯が好きな人は好きそうな漫画! 定食屋さんか大衆酒場の漫画本棚に置いて欲しい作品ですね。 ファンタジー(未来世界)なんですがモデルとしてるのはお酒飲みにくるリアルの人間だと思うのでとても和やかなキャラクターが多い気がします。 旧世界の男の子がお盆にお金置いてく話が好きでした! リアル東京男女トーキョーカモフラージュアワー 松本千秋名無しあまりにもリアルというか、作中の会話があり得そうな事ばかりでびっくりしました。 東京を生き抜く男女のオムニバス!くんずほぐれつ愛憎模様とでも言うような、そこまで重くなくあっさりしているような! そんな話です。 男女関係の詰め合わせです。 下北沢に行って集音マイクで小一時間いて文字に書き起こしたようなリアルさです。 令和2年婚がどうとか、タピオカ屋の店長がどうとかw 内容に対してあっさりした絵柄なので読んでておしゃれな気分になるのは私だけでしょうか。 ヴィレバンにありそうな漫画…もしかしてヴィレバンに並んでます?山田風太郎の明治・江戸警察物語警視庁草紙‐風太郎明治劇場‐ 山田風太郎 東直輝 後藤一信名無し江戸が東京に成り代わったばかりの明治時代。新設された警視庁と幕府の元奉行所の役人たち、ふたつの警察勢力が入れ替わる時期だったというか同居していたっていうのは面白いですね。西郷さんみたいな当時の有名人がたくさん出てくるのも楽しい。 主人公の千羽をはじめお役御免となった同心たちと警視庁刑事たちの推理合戦みたいになっていくのかな。明治時代になりきっていない空気感というか、そういうのがミステリーとどう組み合わされるのか楽しみです。このまま連載してくれ!!Dr.Eggsドクターエッグス(読切) 三田紀房たか※ネタバレを含むクチコミです。 沙村さんの画はロシアっぽい?!春風のスネグラチカ 沙村広明starstarstarstarstar干し芋登場人物の名前が難しい・・・。 ロシア人の名前は何でこんなに覚えずらいのか? でも、文末に登場人物の紹介がありますので、ご安心を。 ただ、ネタバレもありますので、必ず、読了後、読みましょう。 お話自体は、分かりやすいと思います。 内容は、最後まで読んでのお楽しみ♬ 自分のことが食べたくなるほど好きな娘が100人以上いたら…。八月九日 僕は君に喰われる。 tomomi Tomomi名無し表紙とタイトルに惹かれて購入。「八月九日 僕は君に喰われる」という見た瞬間「!?」となったのは久しぶり。 と、漫画を読むとその内容に衝撃を覚えた。周りは美人だらけでハーレムなのに、ものすごく羨ましくない…のに、羨ましい。特に主人公を守るミヤコの淫靡で不思議な魅力はすさまじい。 まだまだ内容としては序盤もいいところだが、これは続きが気になって仕方がない。怪異や依存体質の女の子、ハーレム系の作品が好きな方は是非手に取ってみてほしい。 新しい形のハーレム&愛を見ることができる。警官になった気持ちに教場 みどりわたる 長岡弘樹トシドラマのコミカライズと知り読んでみた 警察学校のなかで策略を仕掛けたり仕掛けられたりする展開がおもしろい。 風間教官が、一人の生徒に対しても厳しく指導するシーンが印象に残ります。 これは"僕たち"の物語 #1巻応援僕たちのリアリティショー ふみふみこsogor25※ネタバレを含むクチコミです。心霊モノだけどほっこりするいい話 #読切応援真夜中の訪問者 ハトリアヤコ名無し転職をきっかけに一人暮らしを始めたら霊が出た!しかも見覚えのある顔のヤツ!ていうか会社の同僚じゃん!ていうことは生き霊…?オレに何の恨みがあるんだよ〜!から始まるコメディーです。最近コミックビームが読み切りに力を入れてるけどその中でも特に面白いと思った。実は主人公と同僚は子供の頃は友達だったけどあるきっかけで疎遠になってしまい、社会人になって再会した微妙な関係なんです。だから同僚が無意識に生き霊を飛ばしちゃった気持ちに共感できるんだよなぁ!大人あるあるだと思う。読んでほっこりする話でした。猫と犬の描き方が異様にうまいっていうか気合いの入り方が違う猫のお寺の知恩さん オジロマコト地獄の田中猫と犬の描き方が異様にうまいっていうか気合いの入り方が違う 自分も他人も見つめなおして愛してあげよう私の彼は仕事ができない 山田可南野愛男女問わずなんともイヤな気持ちになるタイトル。好きな人ならダメなところも知りたいとは思うものの、社会におけるウィークポイントって見たくないし見ちゃいけないような気がします。 とある書店のフロア長を務める主人公・はる奈。彼女が働く書店に彼氏・名古木が就職するところから物語がはじまります。 本が大好きでやる気十分の名古木ですが要領悪いしミス多め、もしや私の彼氏は仕事ができない人なのでは…?というお話。 仕事ができないとは言え、真面目で優しい名古木の人となりが絶妙なんです。 周囲の人をよく見ているし、お客さん思いで仕事熱心。はる奈のことを心から尊敬し愛しているのが伝わります。 だからこそ見てられないししんどくなるはる奈の気持ちが痛いほどわかります。 恋人同士じゃなくて純粋な仕事のパートナーなら、仕事関係なく恋人とか夫婦というだけならそこまで辛くないんだろうな…。人間同士って難しい。 単純な仕事や恋愛の話ではなく、性別や環境や能力など人間の深層心理にあるバイアスを描いている作品です。心抉られる題材なのに、軽快で前向きなので自分のことも他人のこともちゃんと見つめて受け入れようという気持ちにさせてくれます。近未来のディストピア、貧困の中で彼が掴む未来とはフールナイト 安田佳澄starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)※ネタバレを含むクチコミです。映画化もされた復讐劇オールド・ボーイ 嶺岸信明 土屋ガロンかしこ最初の設定がズバ抜けて面白いですよね。雑居ビルの7階と8階の間に7.5階があって、そこの監禁部屋に前触れもなく10年監禁させられ、その間は昼と夜に出前の中華を食べ続け、ある日突然釈放されたと思ったら、犯人から動機を当てるゲームに参加させられる。シンプルなのにすごく引き込まれる設定です。 あとがきを読むと先の展開を決めずに連載をしていたらしいですが、だからこそ追い込まれる人間の心理描写にリアリティがあって、犯人の動機にも納得させられました。 10年前に韓国映画版を観た時は、エリちゃんが主人公の娘だったという映画版オリジナルのオチに衝撃を受けたのですが、漫画でこのオチだと後味悪すぎるし、そういう可能性も含めて復讐は終わっていないんだと解釈しました。 JD×FX=ホラー #1巻応援FX戦士くるみちゃん 炭酸だいすき でむにゃんあうしぃ@カワイイマンガ〇〇×女子という作品は、ジャンルを緩く紹介するものを想像しがちですが、本作はそういう感じではありません。1巻を読み終わって、私自身の経験……FXでは無いけれども少しだけ相場(個別株)に触れていた時の事を思い出して、身体が強張りました。 主人公の女子大生は、過去に母親がFXで大損の末自殺に追い込まれたのを、自分の責任の様に感じている。 お金のためではなく、自分の戦いとして始めるFX。奨学金が貰える程の頭脳で、時間をかけてFXを学び、冷静さをもって始めたトレードでしたが、次第に泥沼にハマり冷静さを失ってゆく。危機に陥るたびに口当たりの良い言葉で自らをごまかし、気高い言葉で博打を正当化する主人公は見ていて辛い程。そこにゆるふわさはありません。 主人公を煽る投資仲間の存在も不穏。よく投資について助言したり情報を流す人はオンライン・オフライン問わず存在しますが、そういう人達が何を思っているのかを考えると、こういう人もいるのかもな……と、正直怖くなる。 カワイイ絵で描かれる表情の変化は次第に狂気を伴って、激しいチャートの浮き沈みに人が翻弄される様を残酷に描き出す。今まであった金融系漫画の泥臭さよりはむしろホラーに近い読み心地の、恐ろしい作品でした。ほぼラーメン(パイン味)の感想ラーメン大好き小泉さん 鳴見なる野愛もはや漫画の感想でもなんでもないんですが、パパパパパインのエピソードを久しぶりに読み返したら想いが溢れ出してしまいました。 一時期西荻窪に住んでいたので、風景も店内も懐かしくてめちゃくちゃノスタルジックになります。 西友で買い物したついでにパインラーメン食べに行ってたな〜 限定のピピピピピーチとかブブブブブルーベリーはすぐ売り切れちゃって食べられなかったな〜 今は町田に移転したのであの店舗はもうないんですよね。ちょっとさみしい。 ほとんどラーメンの感想になってしまったんですが、実在する場所が描かれている漫画って思い出を呼び起こしてくれますよね。 久しぶりに読み返してみたら、パインの煮卵の味が蘇ってタイムスリップしたような気持ちになりました。 こういう体験をさせてくれるのも漫画の良さかなあと思いました。<<291292293294295>>
いじめ、幸いにも自分は多分いじめにあった事がない(もしくは気づいてない)けど、もしかしたら加害者だった過去があったかもしれない。 そんな事を考えさせられる作品。 いじめの内容っていうのが実際にあったものっぽくて超リアルだし、めっちゃ陰湿で正直ひいてしまう。 それを読者の代わりにズバッと解決(といってもいじめの発生前に戻れるわけではない!)してくれるのが、このいじめ探偵。 熱くてヤケドしそうなぐらいの怒りと情熱と、それらを被害者のいじめられっ子を守るために冷静にジワジワと用意周到にちょっとずつ表に出してくる。 読んでいて「おお!」と心の声が出る。 熱い熱い作品。まだ始まったばかりだし、長く続いてほしい。 これを読んで世間のいじめられてる子達が少しでも勇気を持って誰かに助けを求められたら(それだけじゃ解決しないだろうけど)いいなと。