青年マンガの感想・レビュー15379件<<109110111112113>>「絶対ハマらない」と思っていた沼こそ危険 #1巻応援何も知らないけど、キミが好き。 きし晴護兎来栄寿人生の最推しが2.5次元や3次元になる時の恐怖といったらありません。3次元の人間が、どうやったらあの仙姿玉質・鮮美透涼・晶榮玲瓏・文質彬彬な姿を演じられるというのでしょうか。 かつて、その機会が訪れてしまった時、私は筆舌に尽くし難い慨嘆と憔悴に至りました。愛があまりにも深すぎるが故に要求値は比類無き高さとなってしまっていることは自覚しており、満たされるわけもないと解っていてはいる……それでも自らの目で見て確かめずにはいられず、その結果絶望の淵に立たされる。 その作品がどれだけ他の実写化作品に比べて恵まれていたかは解りました。何なら、監督の原作愛の深さで言えば上位1%に入るであろうレベルでした。私自身その作品への愛ゆえに作品に出演し、その監督やキャスト陣の仕事ぶりを生で見てきたからこそ感じられた部分です。とても雰囲気の良い現場でした。 しかしながら決定的な部分、最愛の人物のキャスティングの解釈違いと、そこだけは無理してでも頑張って欲しかったという部分が妥協されていたことで、原作ファンには概ね高評価のその作品も、私の中では大いなる黒歴史となってしまいました。not for meの極みです。それでも、作品ファンが増えてくれるなら、あるいは原作者が喜んでいるのなら、それはそれで大変喜ばしいことではありました。なので、最早私は無の境地を経た上で原作を愛する以外ありませんでした。 というわけで、第1話で "「実写化」なんて全部ゴミです!! 「劣化」です!!!!" と雄叫びを上げる本作の主人公・愛理の気持ちは痛いほどに解ります。ただ、愛理と私で違ったのは、こちらの次元にやってきた推しの完成度が非常に高かったこと。推しが2.5次元や3次元になるなんて有り得ないと思っていた愛理ですが、それまでは同じ作品を好きな仲間とも共有できなかった推しに対する深い解釈が、推しを演じる2.5次元俳優とだけは合致してしまったのです。そんなん沼りますよ。常に供給のあるナマモノジャンルは恐ろしいと太古から言い伝えられていますからね。 ある種、遠いところにいた人ほど沼の深みにハマっていくパターンはあります。近いところにいた人が普通に持っている物差しがなく、何もかもが新鮮であるが故にの楽しさもあるからです。絶対にハマらないと思っていたからこそ、自分の予想だにしなかったところまで突き進んでいく。共感するわけではないのですが、極めてそれに似た理解の感情が湧き起こります。 また、さまざまなタイプの女オタクの面倒くさい部分やSNSで本当に呟いていそうな書き込みの解像度の高さも秀逸です。既視感を覚えるほどのあるあるがあります。それと共に、2.5次元俳優側の描写もしっかりと行われ、そちらもかなりリアルな印象です。「自分の消費期限」や「需要と供給」に自覚的な彼らの立ち居振る舞いも、目を引きます。 物語全体は、破滅的な濁流に飲み込まれるようなドライヴ感が生じていきます。危うさを覚えながらもこの先どこへと辿り着くのか、引き込まれます。 2.5次元に興味のある方、推しへのガチ恋の沼底や女オタクの闇の部分を覗き込みたい方にお薦めです。おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。の感想 #推しを3行で推すおせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。 きくち正太starstarstarstar_borderstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 前作に比べてちょっとしつこさが上がっている感じもするが相変わらず楽しく読めた。 ・特に好きなところは? 最終回周辺の話。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! おせんを読んで気に入ったら読むのはおすすめです。きりきり亭のぶら雲先生シリーズに比べて下ネタギャグは少なめなので読みやすいとは思う 借金返済のため女風のセラピストになった男井口純平は今日もやれない ISAKA名無しヤンジャンで連載中の「女性専用。」にちょっと近いですかね。真面目だけど気が弱くて、大学の先輩の口車に乗せられて借金を背負ってしまった主人公。そのうえ誤って女性向け風俗のセラピストの求人に応募してしまいます(ドジすぎ)。そんな彼にはたしてセラピストはつとまるのか…? 女性専用。でも、セラピストの仕事は女性経験の多さよりも、相手のことを思う気持ちが何よりも大事だと描かれているので、案外こういう風俗とは程遠そうな人が向いてたりするんですかね。おせんの感想 #推しを3行で推すおせん きくち正太starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 久しぶり全部読んだが面白い部分としつこい部分があってなんとも言えん気分になったが最終的には好きだとは思う ・特に好きなところは? 清さんのエピソードがらみ ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! きくち正太のおっさんギャグのノリが少なく料理に振り気味なので読みやすいとは思う ヒーローだって人間だよねもっとヒーローになりたい 白井もも吉野愛強くて優しくて完璧で憧れの存在、それがヒーロー。 自分自身が失敗ばかりでダメすぎて、自信がないからこそ憧れてしまう。 主人公は正義のヒーロー・超光速光矢に憧れる女の子。 皆よりどんくさくて泣いてばかりで情けない自分が嫌いで、しょっちゅう手を洗っている。 世界を綺麗にしてくれる石鹸みたいなヒーローに私もなりたいと決意し、ヒーローを目指すことに…という話。 とは言ってもダメダメな女の子が強いヒーローになってめでたしめでたしというお話ではない。 ヒーローだって1人では戦えない、優しいだけでも務まらない、辛い日だってあるんだよね…… これらが綺麗ごとじゃなく嫌な温度で描かれている。 そうだこれは白井もも吉先生の作品だ…と実感させられる。 白井もも吉先生は汚さ情けなさ嫌らしさを可愛くポップに描くのが上手だなぁ。「もしもカレー沢薫が異世界転生したら・・・」悪いが俺は異世界転生させてもらう カレー沢薫starstarstarstarstarひさぴよもしもカレー沢先生が異世界転生したら、こんな感じになりますという漫画。世に氾濫する異世界モノに対して独自の切り口で挑む意欲(?)作。語りが抜群に面白いのは今更言うまでもないが、今作ではカレー沢先生自身が転生者となり自分の空想の世界でもそのポンコツぶりをいかんなく発揮されていて、当然まともな立ち回りなど一切できないわけだがそれがまためちゃくちゃ面白い。これはいいエロオカルト #読切応援デッドセクション 新谷信貴 鬼遍かっつぇstarstarstarstarstar天沢聖司※ネタバレを含むクチコミです。 ガツンときて切ないSF #読切応援3PB7/6 円満堂starstarstarstarstarたか※ネタバレを含むクチコミです。飽きちゃったんだねぇ転生してハイエルフになりましたが、スローライフは120年で飽きました -Highelf with a long life- 成田コウ らる鳥 しあびすstarstarstarstarstar_borderママ子前世でのことがほとんど書かれていないのでその辺の先入観なく読めます。 現代日本に生きていた人が120年も娯楽の好きないエルフの生活していたら、そりゃつまらなくなってしまうわ。 一念発起し森の外へ出て、犬猿の仲のドワーフに弟子入りしたり、人間や他のエルフにあってみたり 変わり者のハイエルフとして自由気ままに、時に強者としての役割を果たしつつ気まぐれに旅をしていく。 長寿のエルフの感覚で書かれているから、時間がたつのがえらく速いです笑安定の画力泥酔彼女 ぽんこつわーくす 加川壱互 串木野たんぼstarstarstarstarstar_border宮っしぃぽんこつわーくす先生好きだし、泥酔してウザ絡みしてくるお姉さん可愛いし、とても良き作品でした ラノベ?原作っぽく進みそうで進まないラブと、ひたすら可愛いヒロインたちと鈍感主人公 女優の卵の泥酔お姉さんと、演劇部で確執があり恋に消極的になった主人公、ここからお姉さんと発展してくと思いつつも鈍感パワー炸裂で進むようで進まないラブ 酒飲みのお姉さんって、ありそうで無かったメインヒロインは新鮮さと大人っぽさも合間って素晴らしいヒロインになっていた ラブとコメのバランスが良く、登場キャラも可愛らしい、欠点があまりないバランス良い作品 医療行為ってアフリカとかでは魔術って今でも言われるらしいですよね高度に発達した医学は魔法と区別がつかない 瀧下信英 津田彷徨starstarstarstarstarママ子絵の雰囲気が好きでなんとなく読み始めたら止まらなくなってしまった。 素人にも分かりやすい(その都度、解説があります)医療マンガです。 獣人だろうが何だろうが目の前に助けを求める人がいれば、救うのみという熱意。しかし異世界に持ってこれていたのは医療バックの中身のみ どうするのかなあと思ったら これから全て作っていく様子。 これは楽しみ、続きが気になる!!他人に理解されにくい病気ですね君は放課後インソムニア オジロマコトstarstarstarstarstar_borderママ子アニメからでした。 不眠症の男女二人が、学校で物置小屋に成り果てた天文台でであう。廃部になっていた天文部を復活させて正式に使えるように動く。。 相手がいるから眠れるようになる、少しずつ仲が進展していくさまに胸がくすぐられる。 不眠症に対して理解ある人もいるけど、考え押しつけの先生や友達は読んでいてこういう人いたなあとムカムカした。 夜景やのどかな田園風景、自然の風景がとてもきれいでした。新条騒乱経過一覧&登場人物まとめ鬼ゴロシ 河部真道平**新条騒乱経過一覧** 坂田周平鬼憑殺人事件 (神山桜治)鬼憑の街より抜粋 1991年11月5日 坂田一家殺人事件。坂田周平(33)を逮捕 1995年9月11日 新条造船 非公式潜入捜査(滝沢刑事) 2006年10月10日 坂田周平 仮釈放 午後11時 BARハルシオン前で河野晴男に襲撃され左腕を負傷 2006年10月11日 午前3時15分 野坂一家殺人事件発生 午前7時1分 坂田が新条署を脱走 午前10時半頃 スナックイボンヌ皮剥事件発生 午前11時30分 竹本クリーニング爆殺事件発生 午後13時4分 新条駅前バス亭無差別銃撃事件発生 午後13時12分 竹本誉誘拐事件発生 午後13時15分頃 玉山団地男女殺害事件発生 午後13時20分 新条工業道路暴走死傷事件発生 午後15時32分 伏勘太宅襲撃事件発生 午後15時45分 滝川祥史巡査長宅襲撃事件発生 午後16時2分 将門社員市中引き回し事件発生 **登場人物まとめ** <坂田周辺> 坂田周平(坂田金時) 坂田あおい・・・坂田周平の妻 坂田りょう・・・坂田周平の娘 藤田晶・・・坂田の元弟分 河野晴男・・・河野組の生き残り <奇面組> 伏勘太・・・稲荷。ペロス信用組合理事長 篠塚幸太郎・・・翁。県警新条署捜査一課長 竹本誉・・・一角。竹本クリーニング 春原龍(すのはらりゅう)般若。新条市長 神・・・赤天狗。龍神兄弟 新条ニコニコ会・・・メリオ、バンク、エミリオら うらら・・・牛みたいな犬 <警察> 青山 徳田 滝口 伊藤 佐藤継道 捜査一課長 滝川祥史 滝川の相棒だった女 <報道> 黒石あかり <将門(マサカド)> 将門兵馬・・・将門グループ会長。将門家十六代目当主。 長田郷基・・・会長室。将門社員市中引き回し事件の当事者 境・・・会長室。 野坂直幸 高岡総務部長・・・将門不動産 隣り合わせながら生きる“ひとり”たちの物語 #1巻応援ふきよせレジデンス 谷口菜津子sogor25「ツルカメコンビニ」というちょっと変わったコンビニで働く星川きらりは天真爛漫で誰にでも明るく接してくれる女性。 この作品はそんな彼女と3人のお客さんとの出会いから始まります。 3人はそれぞれが異なる生きづらさを抱えながら“ひとり”で生きていましたが、 きらりとの出会いによって少しだけ心が軽くなってゆく、そんな様子が描かれます。 しかし、周りに笑顔を振りまくきらり自身も実は**心の傷を抱えながら“ひとり”で生きていました**。 この作品は、そんなきらりを中心にした4人の“ひとり”が隣り合わせながら生きる様子を描く、 読むとちょっとだけ前向きに生きてゆけそうな、そして人に優しくなれそうな物語です。 上下巻読了元アニメーターがアニメ業界を描く、胸アツマンガアニメタ! 花村ヤソ六文銭アニメ好きの主人公が高校卒業とともに、とあるアニメーション会社に就職。 他の新卒メンバーよりもうまくない、手が遅いなかで、人生を変えたアニメの感動を情熱に変えて成長していく物語。 端的にいって、めっちゃ胸アツだし、こういうクリエイターなどモノづくりに関わる人間の作品は大好物なので、本作もツボでした。 特に、技術はなくても情熱のある主人公が、上司のアドバイスをもとに、自分のなかで昇華し成長していく過程が応援したくなり、うまくできたときの喜びは共感しかないです。 作者自身が元アニメーターということもあって、新人のつまずきポイントや、ダメな例や良い例などの理由が明瞭で説得力があります。 また、どういうところを意識して描くのかを知れるのも、漫然と絵をみているだけの人間には興味深いです。 また、アニメ業界の闇深さ(原画1枚単価の低さ、時給に換算するとヤバイとか)も、しっかり描いていて、単純な夢物語やサクセスストーリーになっていないのも、個人的にはポイント高いです。 やりがいや情熱ではどうにもならないところもしっかり伝えて、その上でやるのか?やらないのか?の決断をするのは、知らないで決断するそれとは腹のくくりが違いますもんね。 自分はアニメ好きなのですが、同時にプロスポーツ選手同様、技術に差がある世界でもあって、一部のクオリティの高い作品や才能ある人間に寄ってしまう部分はしょーがないと思っています。 『これ描いて死ね』の「☆野 0」の担当編集だった金剛寺さんが言っていた 「同情は創作の敵だと考えます。」 (『これ描いて死ね』2巻参照) という言葉がピッタリあてはまって、アニメーターが食べていけないのにプロである以上同情するつもりはないのですが・・・ 業界の衰退具合も考えると、もう少しなんとかならんもんかね?とは常々思っています。 特に日本の優秀なアニメーターが海外にいってしまうとかのニュースをみると、危機感しかないです。 製作委員会方式のビジネスモデルが悪いのか、アナログで手間がかかりすぎているのか、ちょっと門外漢なのでわかりませんが、本作が、その切り口になってくれることを願ってやみません。 あとは、刊行速度が異様に遅いので(2023年7月時点の最新巻5巻が3年前・・・)、そこもなんとかならんのか?と願ってやみません。服で幸福に!!服飾師ルチアはあきらめない ~今日から始める幸服計画~ 雨壱絵穹 景 甘岸久弥 臼土きねstarstarstarstarstar_borderママ子※ネタバレを含むクチコミです。 働くお父さんの昼食野原ひろし 昼メシの流儀 臼井儀人 塚原洋一starstarstarstarstar_borderママ子まさかひろしのグルメ本があるとは笑 カッコつけて入店したり、周りのお姉さんたちにいいところ見せようとして失敗してしまう悲しい男のサガ。 営業成績や外出先などで変わってくる昼ごはん。短い休憩時間で何をどこで食べるか奮闘する。外回りで同じような経験されている方も多いはず。 いつもの父ちゃんとは違う一面を見ることができます。細かいウンチクとかなくついつい読み進めてしまう作品です。色男には闇がある。美悪の華 倉科遼 檜垣憲朗starstarstarstarstarママ子※ネタバレを含むクチコミです。自己犠牲なくていいんですか?裏がありますか?いいえ、ないですよ。社畜が異世界に飛ばされたと思ったらホワイト企業だった 結城鹿介 髭乃慎士starstarstarstarstar_borderママ子流れ星に打たれて気づいたら評価ランクの低い会社から高評価なホワイト企業へ転職? 新人として紹介されていたが、それまでの経緯が全くわからない。 勤務時間や手当、仕事のやり方などどんなことでも騙されているのではないかと疑ってしまう。 他の社員たちからは想像もできない劣悪な会社だったから、もうここは異世界なんだろう笑 今までとは違った好待遇に驚愕するさまが何とも痛々しいが面白いです。 ネグレスト、それでも生きた子の話漫画版 ファミコンに育てられた男 絶牙 フジタstarstarstarstarstarママ子ファミコン世代なら一度は聞いたことある懐かしいタイトルばかりが並んだ目次。 母親の死後、お金だけ渡されて放置された子供ががいかにして育ってきてか。 父は入学前の幼児をほったらかし同級生の母た家庭を築いてしまった。 その環境で生きなければならなかった彼の心を支えたのがファミコンのゲームたち。 眠れないさみしさや親を取られた悔しさをゲームをすることで紛らわしていく。 大人たちの対応にもやもやするけど、生きるための一生懸命もがかれたんだろうなということはしっかり伝わりました。カルト、ピカレスク、ラーメン。邪道 土山しげるまみこ※ネタバレを含むクチコミです。1/65536の純情な感情 #1巻応援電脳少女AI 吉田小梅兎来栄寿スマスロの登場や、初代を強く意識した北斗の拳などで久しぶりにホールに足を運ぶ人も現れ、斜陽と叫ばれながらも昨今も盛り上がりを見せるパチスロ。時にはにゃんこ大戦争のような謎の台も登場し、話題に事欠きません。ちいかわとか相性良さそうだな、と思ったり思わなかったり。 そして、世の中にはパチスロマンガというジャンルも存在するわけですが、一般的なパチスロマンガはもう少し実録的な台の攻略や実践を描いた形式が多いです。しかし、本作はかなりストーリーマンガに寄せている珍しいタイプの作品です。 子供がドラえもんを欲するように、パチスロを打つ人なら誰もがこの作品に登場するアンドロイド「AI」が欲しいでしょう。ビッグデータを元に高設定台や据え置き天井直前の台を看破し、強イベント日の良台・悪台を見極め、目押しも完璧にこなし続ける最強のAI。しかも、見た目はかわいくて気立ての良い美少女。 アンドロイドとの関係性を描いたプロットとしては極めて王道ですが、終盤のシーンは感動的です。そこに上手くパチスロならではの要素を組み込んでいるのも、本作ならでは。 「バジ絆の残3」やら「ディスクアップ」やら、パチスロを知らない人には何が何だかわからない部分も多いかと思いますし、『ロックンリール』ほど誰しもに無条件でお薦めできる訳ではないですが、ある程度打っている方であれば楽しめるでしょう。 小田雅久仁の短編集がコミカライズ禍 小田雅久仁 山本貴大 ジヨンヌたか※ネタバレを含むクチコミです。こんな夢を見た夢十夜 夏目漱石 近藤ようこひさぴよ「こんな夢を見た」で、有名な夏目漱石の『夢十夜』を漫画化した一冊。怖ろしくも幻想的な10編の夢の物語には、怪談のような少し怖いものもあれば、現実世界と歴史が入り混ざったような話、宗教性の強い話などバラエティに富んでいる。どの話にも近藤ようこ先生の筆致がドンピシャで合っていて素晴らしい。まるで白昼夢のような表現がずっと続くが、あまり意味は深く考えず感じるままに読むのが良いと思う。<<109110111112113>>
人生の最推しが2.5次元や3次元になる時の恐怖といったらありません。3次元の人間が、どうやったらあの仙姿玉質・鮮美透涼・晶榮玲瓏・文質彬彬な姿を演じられるというのでしょうか。 かつて、その機会が訪れてしまった時、私は筆舌に尽くし難い慨嘆と憔悴に至りました。愛があまりにも深すぎるが故に要求値は比類無き高さとなってしまっていることは自覚しており、満たされるわけもないと解っていてはいる……それでも自らの目で見て確かめずにはいられず、その結果絶望の淵に立たされる。 その作品がどれだけ他の実写化作品に比べて恵まれていたかは解りました。何なら、監督の原作愛の深さで言えば上位1%に入るであろうレベルでした。私自身その作品への愛ゆえに作品に出演し、その監督やキャスト陣の仕事ぶりを生で見てきたからこそ感じられた部分です。とても雰囲気の良い現場でした。 しかしながら決定的な部分、最愛の人物のキャスティングの解釈違いと、そこだけは無理してでも頑張って欲しかったという部分が妥協されていたことで、原作ファンには概ね高評価のその作品も、私の中では大いなる黒歴史となってしまいました。not for meの極みです。それでも、作品ファンが増えてくれるなら、あるいは原作者が喜んでいるのなら、それはそれで大変喜ばしいことではありました。なので、最早私は無の境地を経た上で原作を愛する以外ありませんでした。 というわけで、第1話で "「実写化」なんて全部ゴミです!! 「劣化」です!!!!" と雄叫びを上げる本作の主人公・愛理の気持ちは痛いほどに解ります。ただ、愛理と私で違ったのは、こちらの次元にやってきた推しの完成度が非常に高かったこと。推しが2.5次元や3次元になるなんて有り得ないと思っていた愛理ですが、それまでは同じ作品を好きな仲間とも共有できなかった推しに対する深い解釈が、推しを演じる2.5次元俳優とだけは合致してしまったのです。そんなん沼りますよ。常に供給のあるナマモノジャンルは恐ろしいと太古から言い伝えられていますからね。 ある種、遠いところにいた人ほど沼の深みにハマっていくパターンはあります。近いところにいた人が普通に持っている物差しがなく、何もかもが新鮮であるが故にの楽しさもあるからです。絶対にハマらないと思っていたからこそ、自分の予想だにしなかったところまで突き進んでいく。共感するわけではないのですが、極めてそれに似た理解の感情が湧き起こります。 また、さまざまなタイプの女オタクの面倒くさい部分やSNSで本当に呟いていそうな書き込みの解像度の高さも秀逸です。既視感を覚えるほどのあるあるがあります。それと共に、2.5次元俳優側の描写もしっかりと行われ、そちらもかなりリアルな印象です。「自分の消費期限」や「需要と供給」に自覚的な彼らの立ち居振る舞いも、目を引きます。 物語全体は、破滅的な濁流に飲み込まれるようなドライヴ感が生じていきます。危うさを覚えながらもこの先どこへと辿り着くのか、引き込まれます。 2.5次元に興味のある方、推しへのガチ恋の沼底や女オタクの闇の部分を覗き込みたい方にお薦めです。