青年マンガの感想・レビュー15379件<<103104105106107>>マッチョガールという生き方マッチョテイスト 小池一夫 中村真理子starstarstarstarstarたか最近ネットを見てたら偶然、このマッチョテイストの主人公・灯が描かれた 「私はマッチョさ!! 女のくさったみてえなてめえらなんかよりず〜〜っと男らしい女 マッチョガールさッ!!」 というコマを見かけて「なんだこのかっこいい女は…!?」となりソッコーで古本を購入しました。 読んでみると初っ端からわからない昔の言葉やスラングの連続で笑ってしまったのですが、このレトロでアウトローな空気が最高…! ギャグとシリアスの境目を行き来するような言動ばかりで、全部書ききれないほど名言が多かったです。 物語は「洗濯船」という名前の船の形をした女性専用アパートが舞台。そこにはファッションや恋愛を楽しむ普通の女性たちが住んでいるのですが、ある日、マッチョを自称する主人公・室戸灯が越してきたことで、彼女に鼓舞された住人たちもまた『マッチョテイスト(男らしい感覚)』を得ていく。 灯はマジで普通じゃない女で、アパートの庭で上裸でダンベル上げたり、いけ好かないプレイボーイの前でこれまた上半身裸になったり、ボディビルの大会でトップレスになったりする。 トレーニングを始めた女性たちが周囲からの反応を期待してウキウキしていると、「虚栄心を捨てるのさッ!! 他人に見せるとか見られるとか思っちゃァダメなんだッ」と一蹴する。 住人たちが不景気で金がないとぼやけば、「何でも欲しがるガキ(干し柿)だから、金がなくなると苦しいんだ」と一喝し、全員の食費やら何やらを徴収したあと「10日間、テレビも新聞も見るな。風呂に入るな、歯も磨くな。食費がなくなったら朝トレーニングして糞して寝ろ」と言う。 精神・肉体ともに普通の女性ではない。 まさにマッチョ。 作中ではレイプとかナンパとか結婚とか貧乏とか、いろんな試練が訪れるんだけれど、そのたびに灯による「マッチョの心得」が説かれ、それに叱咤されてみんなはなんとか壁を乗り越えていく。 先にも書いたとおり、この漫画はギャグとシリアスぎりぎりのお話……というか、四捨五入するとギャグなんですよね。ウェディングドレスでバイクに乗ったり、セックスの代わりに「街のダニ」に喧嘩を売ったりパンチの効いたエピソードが多い。 けどそんな面白エピソード以前に、そもそもこの時代(そして今も)「いい年こいた女が化粧もせず結婚もせず、ただひたすらに自分の体と精神を鍛えている」っていうこと自体がもう、そもそも世間から見たらギャグなわけですよね。「なにこの女ヤバ笑」っていう。 灯のことを普通の女性ではないと書いたけど、よくある言い方をすれば「女を捨ててる」。 けど、ただ女を捨てて終わりではなく、代わりに彼女は努力して「マッチョ」という新しい人間になったんですよね。 女じゃないので世間の「なにこの女ヤバ笑 女捨ててる笑」とか関係ないしダメージを受けたりしない。マッチョなので。 そしてふと、現代にはマッチョじゃないけどこのダメージと無縁な女性がいるな〜と思い出しました。 腐女子のつづ井さんです。 https://note.com/happyhappylove/n/n28f73ff5cdce 女性が1人でそのまんまありのままで超元気に生きてる物語が『裸一貫! つづ井さん』だとして、女性が男らしい感覚を手に入れてハツラツと生きるこの『マッチョテイスト』は、そのカウンターにあたるの物語なのかもしれない。 もう古本でしか手に入らないのですがぜひたくさんの人に読んでほしいですね。電子書籍化してくれ〜!!うーん (o´・ω・`o)パラダイスヘル 冬坂あゆる名無し始めのシリアス路線で行けば良かったのでは…? 途中から変な方へ行った気がする。目的やテーマがあれば読む気がするのだが何が最終目標か分からない。そも始めの設定を間違ってしまっていたかもしれないがやるなら最後まで一貫したテーマでやった方がいい。最終巻まで読んでよかった #完結応援不死身の特攻兵 東直輝 鴻上尚史starstarstarstarstarひさぴよフィリピン戦線で9度の特攻から生還した佐々木友次氏の物語。マカオ撤退あたりまでは雑誌で読んでいて連載がヤンマガからDAYSに移籍した辺りから一度読むのを中断していた。というのも終始、精神論を振りかざしす将校や戦争そのものに怒りしか湧いてこなかったし、無茶苦茶な命令に従わざるを得なかった兵士たちが次々と散ってくのを見続けるには辛すぎるものがあった。が、やはり物語の終わりまで知らなければいけないと覚悟を決めて単行本を揃え、最終巻まで読んでみたが本当に良かった。演出の部分が相当にあるにせよ、最期の光景は涙なしには読めない!原作を未読でも楽しめるのは近藤ようこ先生だからこそ高丘親王航海記 近藤ようこ 澁澤龍彦starstarstarstarstarかしこ原作を読んだことはないけれどかなり忠実に描かれているということは私にも分かりました。書いている途中で澁澤龍彦が喉の癌になったことがストーリーに影響しているようですね。前半の奇想天外さに比べるとラストはまさに夢のように儚い終わり方です。漫画で読んでも難解な話ではありますが近藤ようこ先生の美しい絵を堪能するだけでも大満足でした。いつか原作にも挑戦したいです。 宮尾行巳先生、新刊だ!が!怪異界 宮尾行巳さいろく今度はガッツリ怪異モノ!得意分野そうなので楽しみであります。 いほとぜBOXのときも土着的な話が強めで考古学や文化学の思想が入り混じって面白かったけど、こちらは伝承やらモノノ怪やらに寄った感じかな?と思われる。まぁ題材はネットのネタが入ってたりするので、そういったところはご愛嬌というか。 作風が和ばっかりな印象だが(羽人も打ち切りになっちゃったけど面白かった)SFバトルとかが似合う絵柄だと思う。イケメンと不気味な表情とかを描くのもうまいのでホラーに寄せるのはあってるのかも。 でももう少し…と思ってしまうところがある。画角やら展開やら…強い編集がついたら超化けそうだし、失礼になったら申し訳ないですが期待してるのです。。。 イブニングで連載してたけどアフタヌーンっぽい空気があるとこが好きだったりしますので何卒。 あと本作は表紙デザインが酷い(涙)電子専用なのかと思いきや紙もコレで出てるっぽい…古いレディコミみたいなんだよなぁなんか…もったいない。。。 この絵を使うなら扉絵の方がまだ最近っぽいと思うんだけどなー グチグチしてしまうのは好きの裏返しです><プリニウスの感想 #推しを3行で推すプリニウス ヤマザキマリ とり・みきstarstarstarstarstarマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 昔に一巻読んで完結したら一気に読もうと思っていたので今回まとめて読んだが最高だった。プリニウスの旅、ネロ/ポッパエア/ティゲリヌスの宮廷話どれも素晴らしかった。 ・特に好きなところは? プリニウスの旅の全て。プリニウスの言動、プリニウスを尊敬してやまないエウクレス、そしてこの男がいなかったらこのマンガの面白さがかなり減ってしまうと思うフェリクスが特に良かった。パンクラチオンの達人でこよなく風呂を愛しプリニウスに対して疑問や意見を率直に言うところやエウクレスやプリニウスのツッコミに対しての反応全ていい。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 最初少しとっつきにくいところがありますが、フェリクスが登場したあたりから気にならなくなります。プリニウスやネロの描写や物語の構成は凄いという一言ですが、個人的にはフェリクスの描写が本当に良かった。 惣右衛門の包丁隠密包丁~本日も憂いなし~ 本庄敬 花形怜まみこ※ネタバレを含むクチコミです。 めっちゃ現代的な梶原一騎ダイヤモンドの功罪 平井大橋ピサ朗小学五年生で運動に異常な才能を持つが心はエンジョイ勢な主人公が、野球と出会う事で巻き起こしてしまう波乱とドラマなのだが、滅茶苦茶梶原一騎作品の様な雰囲気がある。 物理法則こそねじ曲がっていないのだが、主人公が競技をやるのが競技が好きで自発的というより、周囲に才能を見込まれ運命というか半ば強制的に競技をすることになってたり、主人公が強すぎて勝負という形にはなってないのだが、競技よりもそこから生じる人間ドラマの方を主軸としてたり、全体的に漂う陰鬱で重い悲劇的な雰囲気は、かなりあしたのジョーや巨人の星とかの60年代スポ根ドラマに通じるものがある。 とはいっても、基本的にキャラデザはイケメン少年で、物理法則が現実そのものという点でやはり現代スポーツ漫画らしい部分も多い。 ただそういうストーリーの為とはいえ、主人公である綾瀬川の運動能力が完全に人間離れしていて、受け入れられるよう慎重に書いているにせよ、もはやゲームやギャグ漫画に片足突っ込んでるレベルで尋常ではなく、冷める人も相当居そうに思う。 しかしそういう並外れた才能だからこそ、勝負を通じたスポーツマンシップの美しさの裏にある残酷さ、才能に振り回される大人も含めた周囲、エンジョイ勢とガチ勢の溝などと言ったストーリーが映える部分も多く、特にその才能に魅せられてしまう大人というのは野球という競技と、主人公の圧倒的な運動能力から強烈な生々しさが漂っている。 主人公以外のキャラも弱小チームにせよ強豪チームにせよ、それぞれの年齢や居場所に合わせたメンタリティをしているために抱く苦悩も描かれているが、主人公自身もその能力の高さゆえに馴染めない苦悩も描かれていて、強烈な負の面白さが出ている。 この手の「才能により歪んでしまう」スポーツ漫画としては黒子のバスケとかが記憶に新しいが、そういう才能が複数人居たお陰でバトル漫画的になっていたあちらに比べると、たった一人だけそういう才能を持っている事により周りが一般人である分、その人間ドラマが際立っている。 プロトタイプに当たる読み切り(高校・プロ年代)も幾つか存在するが、こちらはあくまでプロトタイプとして別物と思っていて、こちらで描かれた未来に収束するかは未知数。 野球を題材としてはいるが、才能により才能の持ち主も含め全てが振り回されるドラマは非常に生々しくも強烈で面白い。 幸か不幸か大谷翔平という、一昔前なら漫画でしかありえなかった活躍をする人間が現れていて、ギリギリでリアルとファンタジーのバランスはとれているように思うが、主人公が本当にゲームかギャグ漫画並に突出した運動能力があるので、ココで脱落する人もいるように思う。ついに井上雄彦作品が電子化&連載再開リアル 井上雄彦名無し続きがなかなか出なくて、もう3回くらい繰り返し読んでますが、何度も読みたいと思える凄い作品です。今回、井上雄彦作品では初の電子書籍化ということで、より多くの人に読まれることを願ってます…!スラムダンク、バガボンドも今後の電子書籍化を期待したいです。黒髪女子を好きすぎる主人公と私 #1巻応援黒髪女子をとにかく愛でたい【コミックス版】 中原水芋兎来栄寿1コマ目 ″女子は黒髪に限る″ 2コマ目 ″――これはあくまでも俺自身の嗜好性の高い主張であり かつ無差別に「黒髪であればよい」と言うわけでもなく 所謂清楚系黒髪女子がよいのである″ たった2コマで最早共感というレベルを超越し、まるで主人公と生き別れた双子だったかのようなシンクロを果たしました。 品のある黒髪女子が、昔から変わらず好きです。かつて平安時代のころなどは綺麗な長い黒髪こそが目鼻など顔のパーツを差し置いて美人の象徴だったわけで、その嗜好性が遺伝子に刻まれて脈々と受け継がれているのかもしれないな、と思うほどです。 そんな私にとって本作はタイトルで期待していた以上に、あまりにfor meすぎる物語でした。 同じクラスの清楚黒髪女子の星野さんの黒髪を、密かに遠巻きに眺めては幸せになっていた主人公・笹井彗。どちらもウブで初々しいふたりが、ゆっくりと関係を深めていく物語なのかな? と思っていたら急転直下。 ある意味、『課長島耕作』並のスピード感で事が進んでいきます。『君に届け』のような眩い青春をじっくり読んでいると思っていたら、周囲の景色の移り変わりが異様に速い。そのアンバランスさに心の三半規管がやられそうな錯覚に陥りました。だがそれがいい。 清楚な黒髪女子の星野さんのウブさや小動物感はそのままに(否、むしろギャップによって増幅すらされながら)、彗が理性を崩壊させるほどのかわいさを愛に溢れすぎている営みの中でたくさん見せてくれます。ラブラブえっちの極み、此処に在り。堪りません。 そして、若いふたりは止まらず、どんどん高まっていきます。こんなに純愛で濃厚な交わりをたっぷり見せつけられるマンガは久しぶりです。読切には長く連載には短い一般誌ではなかなかやりにくい展開を、同人という媒体の特性を活かして描き切ってくださっているなと感じました。おまけのエピソードも非常に充実していて、本当に好(ハオ)の極みです。 私にとっては最高の作品ですか、人によっては眩しすぎて直視するのが辛い光のような作品かもしれません。ともあれ、黒髪清楚女子が好きな方や幸せなカップルのイチャイチャを堪能したい方にお薦めです。 ポプ子とピピ美による四コマ漫画ポプテピピック 大川ぶくぶstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ勢いが良い四コマ漫画で、思わず読んでしまう。 ポプ子とピピ美の関係性がいまいちわかっていないけど、読んでしまう。 ワケ分からない展開も、元ネタがわかる展開も、おもしろい。 読んだことがない人は、ひとまず試し読みをしてほしい。 同意したり、不条理だったり、奇想天外だったり、「ポプテピピック」はそんな感じの四コマが続く。 四コマ漫画といえばそういうものなんだけど、ミステリアスなポプ子とピピ美によってちょっと違う感じに思えてくる。 なので、アニメ化したときは大変驚いた。 四コマだからサザエさん的に使うのか、そうなら、どのようにストーリーを膨らませたらアニメになるんだ?!と思っていたら、そのままアニメになっていた。 あのアニメは、令和生まれがもう少し大きくなって見たときに、どんな感想を抱くんだろう。赤髪の女商人の感想 #推しを3行で推す赤髪の女商人 のゆstarstarstarstarstarマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 一巻発売当時ちょっと長めの試し読みを読んで面白かったので気になっていた今回読んでみたがいいマンガだった。転生などではなく主人公の女性の才覚のみなので話が進んでいくのでうまくいかない面もあるがそれもいい感じだった ・特に好きなところは? 主人公がしばらく市場に出ていくことができずにいて他の市場内の適正価格がわからないことをに気づくところと最終巻の話 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 主人公の才覚とそれに伴う葛藤、取り巻く状況、本人の意識していないところでの影響力の表現など良かった。ここ最近で良かった全3巻のマンガ何?って聞かれたら「赤髪の女商人」かなと言うね ザビエラー長谷川の青春日記青い音楽 ザビエラー長谷川名無しオリジナル増刊を読んでたらザビエラー長谷川の漫画が載ってて驚いた。イブニングが休刊になってからご無沙汰だったが元気そうで何より。2Pしかなかったけど。このままオリジナル増刊で何か連載してほしいな。 『退屈な月』という傑作短編特火点 花沢健吾starstarstarstarstarかしこ単行本が発売された時は自分もうら若き乙女だったので「ふ〜ん」みたいな感じであまり刺さらずに手放しちゃったんですけど、今になってむちゃくちゃ後悔してます。それというのもこれに収録されてる『退屈な月』という短編を折に触れて思い出すからです。自殺しようと屋上を訪れた男の子が同じく自殺しようとしてる女の子に出会う話で、どういう話の流れかは忘れましたが「どうせ死ぬならセックスしよう」とやりまくるんですよね。そしてラストは「明日も会おう」ということになり、2人とも死ぬのをやめるという…。屋上から見える月も綺麗でなんとも形容しがたい甘い気持ちになる話なんだよな〜。それぞれの話の後に作者コメントもあってそれも読み返したいんですよね。電子で買い直しますか。松本剛先生は描けないものないんだな #推しを3行で推すしずかの山 松本剛 愛英史starstarstarstarstarかしこ・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 山岳漫画にハマって何作か読んだことがありますが、それらと比べても「傑作!!」と断言できる面白さでした。松本剛先生は描けないものないんだな。 ・特に好きなところは? 2巻の健二が亡くなるシーンがすごかった…。余計なものを削ぎ落としたシンプルな描写だからこそ伝わる緊迫感と絶望感があった。漫画は奥深いと思いました。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 個人的には「孤高の人」「神々の山嶺」より好きかもしれません!VRで彼女を作ろうルサンチマン 花沢健吾starstarstarstar_borderstar_borderかしこ※ネタバレを含むクチコミです。 次回作に期待キューナナハチヨン ヤマモトマナブ名無しウザウザ眼鏡主人公と本屋営業というより特定本の紹介に寄った のが良くなかったと思います。 絵は良く、ヒロインが覆面アイドルだったり、しみじみ出来る場面 だったり良い所もあったので、改善された次作を期待したいです。死生観について考えさせられる怪異短編艮(うしとら) 山岸凉子かしこ表題作の「艮」よりも「時計草」が怖かったです。主人公は近所の公園で目が覚めます。しかしどこか他へ行こうとしてもまた同じ公園に戻ってきてしまうのです。高校で数学を教わっていた藤原先生に出会ったことで大事なことに気づきますが、その前に出会った茶道教室の親切な三澤さんのくだりが印象的でした。そしてラストの展開は衝撃です!主人公の息苦しさが自分のことのように感じられました。日頃の行いを改めようと心に誓いました。世にも奇妙な体験談ゆうれい談 山岸凉子かしこホラー漫画というよりは山岸凉子先生の奇妙な体験談という感じ。ホラーというジャンルが確立された今となってはそんなに怖くないので身構えて読むと肩透かしですが、これを当時のりぼんに掲載するのはセンセーショナルなことだったんだろうと想像できます。恐怖体験談を募集したところ読者の少女達からダンボールいっぱい送られてきたけど怖くなったから捨てたというのには驚きましたが、山岸先生はそれがあることによって何かを呼び寄せてしまいそうな方ですからね…。「ゆうれい談」には漫画家がたくさん登場するのも見どころの一つで、本宮ひろ志夫妻や大島弓子先生も登場します。 なんて甘酸っぱいじゃんけんなんだ!! #読切応援さいしょはグー 今井大輔starstarstarstarstarNano最高~~~~!!!!もう全ページ、マキオもアヤコちゃんも可愛すぎて無理。ありがとう。末永く爆発してくれ。 短いお話だし何を言ってもネタバレになりかねないのでとりあえず読んでほしい。めちゃくちゃ可愛いから!!ひゅーーー!!って言いたくなるから!!!山岸凉子さんの名作たち再び #1巻応援白眼子 山岸凉子兎来栄寿先月から、山岸凉子さんの名作短編が復刊し電子書籍でも発売され始めました。『日出処の天子』や『アラベスク』などの代表作は一昨年から電子化されており、そちらも人生で一度は触れてみてほしいのですが、この夏の怪談シーズンに読むには『わたしの人形は良い人形』や『汐の声』といったホラーの方での代表作もまたうってつけでしょう。 そんな中で、8月10日に同時に刊行されたのは『白眼子』。こちらは、2000年に短期連載していた表題作「白眼子」と、1990年の短編「二日月」の2篇が収録されています。 『白眼子』は、戦後間もないころの北海道を舞台に、行き場を失った戦災孤児の少女が不思議な力を持つ盲目の男性の下で暮らし始める物語。行き場もなく、恵まれた容姿や能力も持たずに喘鳴しながら生きる主人公の閉塞感が強く伝わってきます。決して楽とは言えない環境でありながらも、少しずつ成長を重ね人生を歩み営んでいくさまに胸を打たれます。 一方で、物語の焦点が白眼子と呼ばれる男性の人の運命を観る力の方に当たっていくと、興味の方が強く立ち上ってきます。白眼子はただ単に「観る」だけのこともあれば、特別な行為を以てそれ以上の干渉を行うこともあります。その力がどういう性質のものなのかが解る瞬間は、なるほどと思わされ山岸凉子さんらしさも感じました。 「災難はどうしたって訪れる。大事なのは、それをどう受け止めるか」という件は、人生を生きるに当たって服膺したいところです。「白眼子」はホラー的な要素もありながらも、全体を通してみると上質なヒューマンドラマであり読後には暖かさがあります。2000年以降の山岸作品の中では特に好きです。 「二日月」の方は、不気味な転校生によって穏やかな日常が浸食されるサイコホラーです。仲の良い友達や気になる男の子という普通の少女マンガで見られる関係性の中に、じっとりと粘りつくように入り込んできて掻き乱してくる転校生。何とも言えない厭な感じの演出が、非常に巧みです。転校生がとあるゲームチェンジを果たしてからは、ますます追い込まれていく主人公。 『わたしの人形は良い人形』や『汐の声』のように直接的に怖がらせてくるお話ではないですが、いわゆる「人にしか出せない湿り気」のようなものを存分に感じさせてくれる一篇です。二日月の日になると思い出してしまう作品ですね。 この機会に、他の名作たちと併せて読んでみてはいかがでしょうか。 余談ですが、少し前に北海道に訪れたときに狸小路を訪れていたのですが「白眼子」の舞台になっていたことに改めて読んで気付かされました。知らず知らずのうちに聖地巡礼をしていたようです。これが、『わたしの人形は良い人形』や『汐の声』の舞台であったら夜眠れなくなっていたと思うので、「白眼子」の舞台で良かったです。かわいい夢では君に殺される 金田starstarstarstarstar野愛※ネタバレを含むクチコミです。 もしも光線銃を手に入れたら‥ロシにゃんルーレット 金田starstarstarstarstar_borderゆゆゆ※ネタバレを含むクチコミです。壁に隔てられた“可能性としての東京”国境のエミーリャ 池田邦彦 津久田重吾名無し舞台は1962年の日本。 かつて第二次世界大戦の終結とともに日本はソ連統治区と米英統治区に分断されていたのが、東は日本人民共和国、西は日本国として独立した。そしてその境界には高い壁が築かれている。 主人公のエミーリャは東京の西側で食堂の給仕係を勤めながら西から東への脱出請負人をしている。 頭が切れて一般人を装った民警をも完璧に見抜き、弱き者の味方。そして、絶対に笑わない。 民警に追われた恩師が亡くなった今、エミーリャの未来はどこへ向かうのか。 鉄道漫画でおなじみの池田邦彦氏による、新な世界観の仮想戦後活劇新連載!<<103104105106107>>
最近ネットを見てたら偶然、このマッチョテイストの主人公・灯が描かれた 「私はマッチョさ!! 女のくさったみてえなてめえらなんかよりず〜〜っと男らしい女 マッチョガールさッ!!」 というコマを見かけて「なんだこのかっこいい女は…!?」となりソッコーで古本を購入しました。 読んでみると初っ端からわからない昔の言葉やスラングの連続で笑ってしまったのですが、このレトロでアウトローな空気が最高…! ギャグとシリアスの境目を行き来するような言動ばかりで、全部書ききれないほど名言が多かったです。 物語は「洗濯船」という名前の船の形をした女性専用アパートが舞台。そこにはファッションや恋愛を楽しむ普通の女性たちが住んでいるのですが、ある日、マッチョを自称する主人公・室戸灯が越してきたことで、彼女に鼓舞された住人たちもまた『マッチョテイスト(男らしい感覚)』を得ていく。 灯はマジで普通じゃない女で、アパートの庭で上裸でダンベル上げたり、いけ好かないプレイボーイの前でこれまた上半身裸になったり、ボディビルの大会でトップレスになったりする。 トレーニングを始めた女性たちが周囲からの反応を期待してウキウキしていると、「虚栄心を捨てるのさッ!! 他人に見せるとか見られるとか思っちゃァダメなんだッ」と一蹴する。 住人たちが不景気で金がないとぼやけば、「何でも欲しがるガキ(干し柿)だから、金がなくなると苦しいんだ」と一喝し、全員の食費やら何やらを徴収したあと「10日間、テレビも新聞も見るな。風呂に入るな、歯も磨くな。食費がなくなったら朝トレーニングして糞して寝ろ」と言う。 精神・肉体ともに普通の女性ではない。 まさにマッチョ。 作中ではレイプとかナンパとか結婚とか貧乏とか、いろんな試練が訪れるんだけれど、そのたびに灯による「マッチョの心得」が説かれ、それに叱咤されてみんなはなんとか壁を乗り越えていく。 先にも書いたとおり、この漫画はギャグとシリアスぎりぎりのお話……というか、四捨五入するとギャグなんですよね。ウェディングドレスでバイクに乗ったり、セックスの代わりに「街のダニ」に喧嘩を売ったりパンチの効いたエピソードが多い。 けどそんな面白エピソード以前に、そもそもこの時代(そして今も)「いい年こいた女が化粧もせず結婚もせず、ただひたすらに自分の体と精神を鍛えている」っていうこと自体がもう、そもそも世間から見たらギャグなわけですよね。「なにこの女ヤバ笑」っていう。 灯のことを普通の女性ではないと書いたけど、よくある言い方をすれば「女を捨ててる」。 けど、ただ女を捨てて終わりではなく、代わりに彼女は努力して「マッチョ」という新しい人間になったんですよね。 女じゃないので世間の「なにこの女ヤバ笑 女捨ててる笑」とか関係ないしダメージを受けたりしない。マッチョなので。 そしてふと、現代にはマッチョじゃないけどこのダメージと無縁な女性がいるな〜と思い出しました。 腐女子のつづ井さんです。 https://note.com/happyhappylove/n/n28f73ff5cdce 女性が1人でそのまんまありのままで超元気に生きてる物語が『裸一貫! つづ井さん』だとして、女性が男らしい感覚を手に入れてハツラツと生きるこの『マッチョテイスト』は、そのカウンターにあたるの物語なのかもしれない。 もう古本でしか手に入らないのですがぜひたくさんの人に読んでほしいですね。電子書籍化してくれ〜!!