ほしのこぐま ~もふもふといっしょに暮らしてみました~

ぬいぐるみが「動く」のを夢見た人へ

ほしのこぐま ~もふもふといっしょに暮らしてみました~ ミサト
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

女子高生の大熊みちるは、夜道でこぐま座の強烈な発光現象に遭遇する。気がつくと、目の前には……こぐま? 白くてモフモフで星模様のある、熊みたいな不思議な動物との、楽しい日々が始まる! ●●●●● モフモフで、愛嬌があって、雑食で食いしん坊で、ちょっといたずら坊主……しかし何をしてもファインプレー連発!出会う人みんなを虜にして、確実に癒してしまう、ペットとしてはパーフェクトな奴。言葉は交わせないが意思疎通は出来て、気持ちを察して慰めてくれたりも……。 こんな子……飼いたいに決まってる! ご都合主義といえばそうなのですが、それの何が悪い!実際のペットを飼うのは大変だと二の足を踏みつつ、本当は側にいてくれる伴侶が欲しいと思う人は大勢いるのだから、そういう人にこの作品と出会って欲しいと、切に願うのです。 日々に疲れている方、ぬいぐるみが動かないかなぁと夢見た事のある方、あらいぐまラスカル等の「ハウス名作劇場」が好きだった方など、まずは深く考えずに試し読みしてみて下さい。 (ちなみに私は『母を訪ねて三千里』に出てくる白いお猿さんの夢を、3回くらい見たことがあります。微妙に意思疎通できるっていうのが、癒しポイント高いんですよね……)

プリンス・ボンバーにくびったけ

V系カリスマの休暇

プリンス・ボンバーにくびったけ 中川勝海
名無し

プリンセス・ボンバーに狂い咲きの続編。サディスティックスの活動を休止して1年した頃のお話。 「プリンセス・ボンバーに狂い咲き」では、父娘だけど恋人という紫織と李奈の関係にとまどったけど、実際のところ2人はただ「恋人のように仲が良い」だけでちゃんと冷静。 この続編のプリンス・ボンバーにくびったけでは、 「紫織ちゃんに好きな人が出来たら結婚していい」 「李奈に好きな男ができたら親子だと公表する」 …などと、それぞれがお互いに恋人が出来る可能性について話している。 この「恋人」と言いつつ結局のところ2人はメチャクチャ仲のいい親子止まりなのがちょっとスッキリしなかった。 まあ人間の関係なんて完璧に白黒ハッキリつけられるものでもないし、つける必要もないんだけど…漫画としてはきっちり描いてほしかった気もする。 それにしても、この漫画は同衾するシーンがやたら多くてすごく印象に残った。父娘・同性の知り合い・兄弟…布団の中でおしゃべりしまくりでみんな仲良いな。 真理のデビューも決まったことだし続きがあるならぜひ読みたい…! 2人がどうなるのか結末を見届けたいです。

絶叫劇場

これは著者が歩んだ道の通過点のひとつでしかないのだ…

絶叫劇場 谷間夢路
nyae
nyae

可憐でthe少女漫画な絵柄に対し、容赦のないグロ描写。キャラクターの独特なテンション、一貫性があるんだかないんだかわからないストーリー。作者の頭はちょっとオカシイとしか思えない。 これを読んで「なんだこりゃ、アハハ」と笑うことはとても簡単だ。 しかし著者が生前に生み出した作品の数と幅の広さを知ると、これは長い漫画家人生のほんの一作に過ぎないんだな、これだけ読んでとやかく言うのは愚かしいな、とやけに厳かな気持ちになってしまった。だって15歳で貸本劇画でデビュー(Wikipedia参照)って…それだけで凄いじゃないか。 いろんな点でホラー漫画とは、短編集とはこういうものだという固定観念をぶっ壊してくれました。谷間先生はもう亡くなっているので、現代でもそういう作家に出会ってみたいものです。 固定観念がぶっ壊れたというのは、全ての短編において主人公の少女は別人であるはずなのに、ボブヘアに小柄なセーラー服、不自然に逆だった前髪と、風貌が全く同じであるということ。何か意味があるのか…?と最後まで読んでみたものの、何もなかった。そういう「なぜ?」というところがたくさんあるのにそのまま貫いていたので、それでもいいんだなという気付きになったということです。 「動脈切れてないわ…」じゃあないんだよ(とやかく言ってしまった)

#BがLする 4ページアンソロジー ~そのとき僕は、恋をした!~

良いBL作品を探す手段としても役立った。

#BがLする 4ページアンソロジー ~そのとき僕は、恋をした!~ 加藤マユミ ヤマダ 雲田はるこ 黒江S介 寺井赤音 倉橋トモ 日野晶 ダヨオ アキヲ クロフネ編集部アンソロジー らくたしょうこ 井口病院 ぱらり 園田ゆり 黒井モリー ゆうぎ 原百合子 嶋次郎 馬あぐり すずり街 ツバダエキ 桂馬びんぞこ びみ太 三星たま 宮田トヲル 吾笠花 結城にこ 深澤ねじ ショオ どうざき
nyae
nyae

タイトルの通り、いろんな作家さんが描いた4PのBL漫画を掲載したアンソロジーです。普段BLを描かれてない方も参加していますので、この作家さんがBL描くとこういう感じか…!という良い発見があります。 漫画自体はすべて4P完結なので、それぞれがどうということでなく(もちろん全部あますことなく素晴らしいBのLでしたよ)この漫画を描いた作家さんは普段どんな作品を描いているのかな?と都度調べて、面白そうだなと思ったらポチる、の繰り返しをしていることに気づきました。この商売上手め!! なのである意味カタログ的な役割を果たしていたのです。あくまで自分の場合ですけど、もし「面白いBLを読みたいけど多すぎて探すの大変…」という悩みをお持ちの方にこれを差し上げたいという気持ちです。

本好きの下剋上 第一部

原作の雰囲気そのまま!最高のコミカライズ

本好きの下剋上 第一部 椎名優 鈴華 香月美夜
たか
たか

原作小説、WEB連載、コミカライズを読んだ本好きファンです。今まで多くのコミカライズを読んできましたが、失望より感動が上回った作品はこの本好きの下剋上が初めてです…! これは私の持論なのですが、いい漫画かどうかの判断基準は、「余計なセリフを用いずに絵だけで情報(感情・時間の経過など)を伝えきっているかどうか」です。 鈴華先生の描く「本好き」コミカライズは、まさにこれに当てはまります。 https://i.imgur.com/Ept4B15.png (「本好きの下剋上」1巻第3話より。マインと姉・トゥーリと幼なじみたちは全員最下層の平民) 原作の小説で地の文として書かれていたことは勿論、触れられていない部分についても、きちんと整合性が取れるように描写されています。 ルッツが「リンシャン」をしたかどうか、言及がなくても髪の毛を見れば一目瞭然ですし、洗礼式でマインの血を採取した神官の手を見ればその人物が誰なのかわかってしまいます…!(たまりませんね) また、コミカライズならではの楽しみといえば、主人公・マインが作った(考案した)品物を、実際に見て楽しむことが出来ることです。 粘土板、パピルス、糸で編んだ花、洗礼式の衣装etc…。 第一部に登場する品々は、どれも貧民・マインとその家族による手作りばかりで、漫画にはそのことを反映し、温かみのある素朴な品として描かれているところが本当に素敵です。 WEBに掲載されている原作は、PDFにして10,708ページと広辞苑約3.5冊分に相当する超長編で、未読の方にはかなり手に取りにくいかと思います。一方、この漫画版は原作の要の部分を抑えて作られており、非常にとっつきやすくなっています。アニメ化に合わせてぜひ読んでみてください! ▼WEB連載「ニコニコ漫画」 http://seiga.nicovideo.jp/comic/18228 http://www.tobooks.jp/booklove/ https://youtu.be/8AUVNYmxJ_c

井戸端は憑かれやすい

ほんのり効いたBLがいい心霊ギャグ4コマ

井戸端は憑かれやすい 竹屋まり子
天沢聖司
天沢聖司

めちゃくちゃ好きでたまに読み返したくなる優しくて笑える心霊4コマ。BL好きにはたまらないコメディだと思います! 神社なんて継ぎたくない不良の御守(みもり)には、ものすごく霊に憑かれやすい可愛い系の幼馴染・井戸端がいる。 神社なんて継ぎたくないわりに、幼い頃から怪異に襲われている井戸端を毎日助け続けて来たために能力はガンガン鍛え上げられている。 バシバシ殴って霊を祓う姿が、どう見てもイジメにしか見えないことが悩みだったが、ハグすることでも祓えると判明。すると今度は当然ながらBL疑惑が浮上して…というあらすじ。 動物霊に憑かれた井戸端が可愛く見えてしまったり、普段の言動から「束縛系オラオラヤンデレサイコボーイズラブ」と誤解されてしまったり、ほんのりBLが効いたギャグが面白い! 「眉唾」で御守の唾を井戸端に…は、オカルトとBLを上手く使ってていいなぁと思った。 また、男子たちだけじゃなくて、女子も「エロいことを考えると霊が逃げる」などで笑わせてくれるところが良い。 あと別にオタクじゃないキャラがオタク文化に精通してる様子をみせるところがすごい好き(グッズのトレードの掲示板の文章とか、息子&娘大好き御守パパが「(息子のフィギュアを作る)いい原型師が見つからない」って言ったり) 実は御守の妹が呪いの人形で御守と井戸端を結びつけていた…という、予想外の展開にはすごい笑ったけど、それをただのギャグで終わらせるのではなく、2人の曖昧な関係にきちんと決着をつけてハッピーエンドを迎えたのがよかったです。 作中に登場した霊感がないひとでも霊視できるようになる「狐の窓」は、思わず真似してしまいました。 https://comic.pixiv.net/works/4102

voiceful

ネットの歌姫と引き篭もりの私

voiceful ナヲコ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

こんなに繊細で優しい「救い」の物語が、「コミック百合姫」黎明期に存在した奇跡を思う(「百合姫」の前身、「百合姉妹」から続いた連載)。 キスシーンひとつ無い、女性同士の様々な感情を包摂したこの作品こそが、現在の拡張していく「百合」世界の、感性の基礎になったと言えると思うし、今読んでもその内容は、全く色褪せない。 ♡♡♡♡♡ ネットで出会った歌声に心を救われた、引き篭もりの女子高生は、不意にその「歌姫」と知り合う。会う度に親密になる二人だが、歌姫が歌に打ち込む為、会えなくなると言う時、二人の心は……。 ♡♡♡♡♡ 神様と出会ってしまった女子高生の、浮かれる気持ちと浮かれてしまった後悔、そして会う度に募らせた気持ちが胸に迫る。 一方、女子高生に温かさをもらい、辛い過去を振り切り、勇気を出してネットの世界から出ようとする歌姫もまた、切実だ。 傷を持つ二人が、互いへの想いをよすがに現実へと踏み出す、繊細な友愛の物語。成人誌でも(同性・異性の別無く)傷ついた心を思い遣る関係性を描いて来た、ナヲコ先生ならではの作品と言えるだろう。 (成人誌の作品に関しては短編集『からだのきもち』をご覧下さい)。

宜保愛子の学校のこわい話

宜保愛子の自伝的マンガ

宜保愛子の学校のこわい話 東堂洸子 宜保愛子
ひさぴよ
ひさぴよ

> 「みなさんこんにちは。私の名前はぎぼあいこ。小学五年生。」 このあらすじを見た瞬間、ゾッと寒気がしました。 霊感ではありません。 実に興味深い漫画だ…という第六感を感じたのです。   宜保愛子(1932 - 2003)さん、ご存じの方も多いと思いますが、かつて一世を風靡した心霊番組に出演していた霊能力者です。 その人生は波瀾万丈なもので、幼少期の事故によって左目をほぼ失明してしまい、それがきっかけで霊能力に目覚め、人には見えない霊や魂が見えるようになるという漫画の主人公みたいな人物です。そんな宜保さんを主人公にして学校の心霊現象を解決するストーリーだなんて、絶対面白そうだと思いませんか…。 ひとまず読んでみての感想ですが、いずれも1話完結型なので読みやすいです。主に学校で怪現象が次々と発生し、それを宜保さんが霊を説得するなどして解決します。 かなり怖い話もあり、ちょっとハートフルな話もあり、心霊学園漫画としてなかなかの面白さです。中には「これはさすがに漫画向けのエピソードだろうな〜」と思ってしまう部分があるのは否めません。宜保さんが美少女すぎるし、時代背景も明らかにおかしいです。 宜保さんは1932年生まれですから、当時の学校生活はバリバリの軍国教育の時代だったはずです。なのに学校は昭和の雰囲気で、水洗トイレが登場したり、服装や設備が現代的すぎます。演出として仕方ないとはいえ、さすがにストーリーとの違和感はありました。 ところが3巻の3話目「鉄矢ちゃんの悲しみ」の回以降で、この漫画はまるっきり別の漫画へと変わります。 > 「ここからのお話は私が生きてきた戦争の時代のお話をしたいと思います」 というモノローグが突如現れ 「えっ・・? じゃあ今までの話はなんだったんだ・・・」 という気持ちは置き去りに、物語は戦時中の体験を描いたエピソードへ変わっていきます。 服装もモンペ服に変わり、厳しい軍国教育と食糧不足に悩まされる日々。最大の理解者だった兄を戦争で亡くし、弟も交通事故で亡くしているんですよね…宜保さん。 そして、空襲で地獄のような体験をします。生きてる人と、霊の区別がつかなくなるほど悲惨な状況に、宜保さんは遭遇してしまうのです。 後半はとても重い話が続きますが、それだけ宜保さんにとって戦争のことは忘れずにはいられない記憶として残っているという事が伝わる内容でした。 ===補足=== 他にも宜保愛子さんの過去が語られている漫画として、『MMRマガジンミステリー調査班』があります。 第2巻のノストラダムス大予言1999「人類は滅亡する!?(前編)」に宜保さんがゲストとして登場。キバヤシ達に、霊界の話や自身の幼少期の体験を語っています。興味があれば併せて読むと良いでしょう。