ネタも休み休み言え! ~闘うグラフィックデザインの現場~

仕事とは苦労を笑うもの?

ネタも休み休み言え! ~闘うグラフィックデザインの現場~ くつきかずや
名無し

漫画家でありグラフィックデザイナーでもある作者の くつきかずや先生が、雑誌や広告のグラフィック仕事での 実体験をもとにして描いた、 グラフィックデザイン・エッセイ漫画。 判っているようで実はよく判らない仕事というのが 世の中にはけっこう幾つもあるわけですが、 グラフィックデザインってのもその一つかと。 大まかにいえば編集とか構成とかの仕事なんだろうなあとは 判っていましたが、この漫画をよんで、 かなり大変な仕事なんだな、と判りました。 創作能力、デザインセンスを問われるのはもちろん、 作家やイラストレーターなどの仕事の遅れのしわ寄せを モロに押し付けられる大変な仕事なんだな、と。 そして努力が必ず報われるわけでもないし その逆も、あったりする仕事なんだなあ、と。 一般的なセオリーや王道的な仕事のこなし方はあるけれども、 必ずしもそれが絶対でもなく、結果や評価を出すのが難しい仕事。 そこを自ら漫画家でもある作者が自虐的なストーリーや ゆるい系の作画でグラフィックして(笑) 楽しく読める漫画になっていました。 一周まわったうえで「みんな仕事をがんばろうね!」と 思ってしまう漫画です。

ロジックツリー

人は生きながらロジックツリーを広げてゆく #完結応援

ロジックツリー 雁須磨子
nyae
nyae

テレビでよくやる「大家族モノ」が大の苦手で、ああいう中でどうやって自分を保ちながら生きていけばいいんだと思ってしまうんですが、この漫画の主人公・螢ちゃんという高校生は8人兄弟のど真ん中にいる女の子。雁須磨子さんが描く8人兄弟ですから、個性の強さはもちろんのこともれなく美男美女です。こういう家庭だったらいいかもなとか思ってしまうくらいに。 ただ物語としては大家族ものというよりは、螢ちゃんの成長記といったほうが近いと思います。 大家族という大きな海から一歩外に出てみたら、いろんな人に出会って、いろんな感情を知って、いろんな自分を知ってゆく。最初は「それってどういうこと?」「なんでこうなの?」を繰り返していた螢ちゃんが時間が進むにつれ自分なりの生きるロジックを作り上げてゆく。読んでいてワクワクします。 頭のいい大人達が、壁にぶつかり悩み迷う子どもに、どうせ子どもだしと見捨てるのではなく、ていねいに教え、時には何も言わず見守る様子がよい。そういう意味で嫌な大人が出てこないので安心して読んでほしい。 群像劇っぽさもあるので、決して視点は螢ちゃんだけではなく悩み迷う大人たちも描かれます。柚木くん、お幸せにな…!! いやーでもあれですね、雁須磨子さんが描くちょっと陰気なこじらせ男子がほんとに私は好きですね。読んで一番言いたいことは結局それかもしれない笑 あとこの作品、2015年から連載してていまやっと単行本化されたと知りびっくりして腰抜けた

マカロン アイドル百合アンソロジー

アイドル百合…強さしか無い!

マカロン アイドル百合アンソロジー 平尾アウリ 一迅社アンソロジー 山田あこ 黄井ぴかち くもすずめ きぃやん 嶋水えけ はづき 柚原もけ 辻柚那 上林眞 ウミノモクズ KOUGI 坂城
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

ここ数年、百合姫から何冊も百合アンソロジーが出版されましたが、この「アイドル百合」アンソロ、強度が段違いだと感じました。 アイドルですので顔も衣装も力入りまくり。見目麗しき女の子達の物語は、漫画にピッタリ! 芸能人ならではの、ステージへの思いや高い意識、仲間との意思疎通やすれ違い。またファンとの交流やそこを越えていく想い……コメディもありつつ、最終的に心高鳴る物語のオンパレード。 これこそハズレ無しのアンソロです! ♡♡♡♡♡ ●ポニーテールと青い空(坂城先生)/背中を追い続けたメンバーが、卒業する。 ●キミイロスターチス(ウミノモクズ先生)/新人アイドルとマネージャーは、幼馴染。 ●貴方のとなり(嶋水エケ先生)/コンビ売りの二人。でも私はあんた嫌い。 ●出席番号1番(柚原もけ先生)/滅多に登校しないクラスメートがアイドルだと知った。 ●手のひらのしるし(山田あこ先生)/新人アイドル、憧れのアイドルに告白!? ●アイドル“失格”(KOUGI先生)/いつも客席にいるあの子がいない… ●My Flower…(黄井ぴかち先生)/愛想いっぱい×毒舌系アイドルユニットの関係。 ●百合営業って呼ばないで!(辻柚那先生)/メンバー皆んなと仲良しアイドルに、ファンの愛ある「百合営業」コール! ●遠くて近いものたち(くもすずめ先生)/元アイドル、トップアイドルの幼馴染と同棲中。 ●Yovr York(きぃやん先生)お人好しアイドルに絡む捻くれアイドル。 ●となりのぶきっちょ(上林眞先生)/うまくいかないアイドルは同居もうまくいかない。

腐女子になって四半世紀経つとこうなる

かつての同人事情と大バブル同人時代を描く

腐女子になって四半世紀経つとこうなる 御手洗直子
ANAGUMA
ANAGUMA

個人的なネタで恐縮ですが通っている美容師の方から大昔にコミケの売り子バイトをされていた話を聞いたことがあります。なんでもバイト先は大層羽振りがよいサークルさんで、あまりにすごい勢いで売上があがるのでお客から受け取った札を片っ端からゴミ袋に突っ込んでいき、バイト代はそこから手づかみでバサバサと支払われるありさまだったそうな…。 聞いたときはオタク向けに面白エピソード盛っていただいてありがとうございますあっはっはとテキトーに笑ってたんですが本書を読んだ今、このコミケ昔話にナマのリアリティが乗っかってきてしまい震えが止まらなくなってます。 TwitterもPixivも存在しない時代の同人あるあるを克明に記録していることで知られる本書。個人サイト、便箋、カラス口、晴海トークなど鋭いジェネレーションギャップが次々繰り出されてきますがまだこれは序の口です。 なんといっても時代の証言者・高河ゆん先生が当時の大手サークルの実情をガシガシ語るパートがド迫力すぎて手に汗握る。がゆん先生が登場してからマジで空気変わります。 当時でも都市伝説とされていたエピソードの一例がこれ。 ・売上の入ったゴミ袋を廃棄したサークルがある ・会場に銀行員が来て売上を数えていた ・スタッフ全員でハワイ行った 結論から書くとどれも“真実”だったようです。なので私が伝え聞いた札束ゴミ袋日当の件も多分マジですね。なにこれ? でもなんかパワーとエネルギーが溢れる時代だったんだなーとか、今も昔も好きなものに全力でやるのが楽しさの秘訣だよなーとか夢もらえる気がしますね。全然まとまった感ないですが一旦これでお願いします。 繰り出される情報がカロリー高すぎてまだ受け止めきれずにいるので皆さんも是非読んで面食らってほしいです。